は し が き
平成24年11月、国家公務員退職手当法の一部改正法案が可決・成立し、平成 25年₁月から施行されました。この改正は、民間における退職給付の支給の実 情に鑑み、退職手当の額を引き下げるほか、職員の年齢別構成の適正化を通じ た組織活力の維持等を図るため、早期退職者の募集及び認定の制度を導入する ことを主な内容としたものです。 本書については、平成20年の退職手当法改正を踏まえ、平成23年に第₅次改 訂版が発刊されたところですが、平成24年の退職手当法改正を始めとするここ 数年の退職手当法令及び関係法令の改正を受けて、この度、第₆次改訂を行う ことといたしました。 国家公務員退職手当制度は、一般職公務員だけでなく、労使の団体交渉によ り勤務条件が定まる公務員、国務大臣、大使、国会職員、裁判官、自衛官等の 特別職公務員にまで統一的に適用されます。即ち、国会議員及び国会議員の秘 書以外の全ての国家公務員に適用される、非常に適用範囲の広い制度です。ま た、制度の性格上関係法令も多いため、その運用にあたっては、様々な質問・ 疑義照会が発せられますが、最近の改正部分も含めて、制度の適用には万全を 期す必要があります。 本書が、退職手当制度について、国家公務員の方々のほか、地方公務員の 方々、各種法人や国立・私立学校等で国家公務員の退職手当制度に準じた制度 を採用されている機関の方々等により良き参考書として広く活用されるととも に、国民の皆様方からの正しい認識と理解を得る一助となることとなれば、幸 いに存じます。 平成27年4月 退職手当制度研究会目 次
第₁編 総 説
第₁章 退職手当の性格 ………
3 ₁ 民間企業の退職金 ……… 3 ₁ 一般的見解……… 3 ₂ 労働基準法との関連……… 3 ₃ ま と め……… 4 ₂ 国家公務員の退職手当 ……… 4 ₁ 現行退職手当制度の仕組み・内容からみた性格について……… 4 ₂ 判例からみた性格について……… 5 ₃ 退職手当請求権について……… 6 ₄ ま と め……… 7第₂章 退職手当の沿革 ………
8 ₁ 民間企業の退職金 ……… 8 ₂ 国家公務員の退職手当 ……… 9 ₁ 終戦までの退職手当……… 9 ₂ 終戦後の退職手当……… 10 ₃ 国家公務員等退職手当暫定措置法の制定……… 11 ₄ 国家公務員等退職手当暫定措置法の改正……… 12 ₅ 昭和48年の退職手当法の改正等……… 13 ₆ 昭和56年の退職手当法の改正等……… 14 ₇ 昭和60年の退職手当法の改正等……… 15 ₈ 平成₃年の退職手当法の改正等……… 17 ₉ 平成₉年の退職手当法の改正等……… 17 10 平成15年の退職手当法の改正等……… 18 11 平成17年の退職手当法の改正等……… 19 12 平成20年の退職手当法の改正等……… 2213 平成24年の退職手当法の改正等……… 23 14 平成26年の退職手当法の改正等……… 24
第₃章 退職手当の法制 ………
26第₂編 逐 条 解 説
第₁章 総 則 ………
31 ₁ 趣旨(第₁条) ………31 ₂ 適用範囲(第₂条) ………32 ₃ 遺族の範囲及び順位(第₂条の₂) ………51 ₄ 退職手当の支払(第₂条の₃) ………58第₂章 一般の退職手当 ………
65 ₁ 一般の退職手当(第₂条の₄) ………65 ₂ 自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額 (第₃条) ………77 ₃ 11年以上25年未満勤続後の定年退職等の場合の退職手 当の基本額(第₄条) ………82 ₄ 25年以上勤続後の定年退職等の場合の退職手当の基本 額(第₅条) ………91 ₅ 俸給月額の減額改定以外の理由により俸給月額が減額 されたことがある場合の退職手当の基本額に係る特例 (第₅条の₂) ………94 ₆ 定年前早期退職者に対する退職手当の基本額に係る特 例(第₅条の₃) ……… 111 ₇ 退職手当の基本額の最高限度額(第₆条・第₆条の₂ ・第₆条の₃) ……… 120 ₈ 退職手当の調整額(第₆条の₄) ……… 124 ₉ 一般の退職手当の額に係る特例(第₆条の₅) ……… 157 10 勤続期間の計算(第₇条) ……… 159 11 公庫等職員として在職した後引き続いて職員となった者の在職期間の計算(第₇条の₂) ……… 170 12 独立行政法人等役員として在職した後引き続いて職員 となった者の在職期間の計算(第₈条) ……… 186 13 定年前に退職する意思を有する職員の募集等(第₈条 の₂) ……… 193
第₃章 特別の退職手当 ………
213 ₁ 予告を受けない退職者の退職手当(第₉条) ……… 213 ₂ 失業者の退職手当(第10条) ……… 215 ₁ 失業者の退職手当制度の概要……… 215 ₂ 失業者の退職手当制度の内容……… 219 ₃ 失業者の退職手当支給規則……… 250第₄章 退職手当の支給制限等 ………
276 ₁ 定義(第11条) ……… 276 ₂ 懲戒免職等処分を受けた場合等の退職手当の支給制限 (第12条) ……… 280 ₃ 退職手当の支払の差止め(第13条) ……… 285 ₄ 退職後禁錮以上の刑に処せられた場合等の退職手当の 支給制限(第14条) ……… 295 ₅ 退職をした者の退職手当の返納(第15条) ……… 303 ₆ 遺族の退職手当の返納(第16条) ……… 309 ₇ 退職手当受給者の相続人からの退職手当相当額の納付 (第17条) ……… 313 ₈ 退職手当審査会(第18条) ……… 324 ₉ 退職手当審査会等への諮問(第19条) ……… 326第₅章 雑 則 ………
329 ₁ 職員が退職した後に引き続き職員となった場合等にお ける退職手当の不支給(第20条) ……… 329 ₂ 実施規定(第21条) ……… 331第₆章 附 則 ………
332 ₁ 附則第₁項から第12項まで ……… 332 ₂ 指定機関等から復帰した職員に対する退職手当の特例 (第13項〜第16項) ……… 332 ₃ 管理職員等の退職手当の特例(第17項・第18項) ……… 334 ₄ 既定年到達者の退職手当の取扱い(第19項・第20項) ………… 336 ₅ 長期勤続者の退職手当の調整(第21項〜第23項) ……… 338 ₆ 俸給月額の減額改定に伴い差額が俸給として支給され る場合の退職手当法上の取扱い(第24項) ……… 340第₇章 改正法律の附則等 ………
342 ₁ 昭和30年代の改正法律の附則 ……… 342 ₂ 昭和40年法律第68号附則及び法律第69号附則(抄) ……… 342 ₃ 昭和42年法律第37号附則(抄) ……… 343 ₄ 昭和42年法律第141号附則(抄) ……… 343 ₅ 昭和44年法律第83号附則(抄) ……… 344 ₆ 昭和45年法律第125号附則(抄) ……… 344 ₇ 昭和46年法律第130号(抄) ……… 345 ₈ 昭和48年法律第30号附則 ……… 347 ₉ 昭和49年法律第117号附則 ……… 366 10 昭和56年法律第91号附則 ……… 366 11 昭和56年法律第101号附則 ……… 369 12 昭和58年法律第82号附則(抄) ……… 370 13 昭和59年法律第54号附則(抄) ……… 370 14 昭和59年法律第69号附則(抄) ……… 371 15 昭和59年法律第71号附則(抄) ……… 373 16 昭和59年法律第85号附則(抄) ……… 375 17 昭和59年法律第87号附則(抄) ……… 376 18 昭和60年法律第₄号附則(抄) ……… 377 19 昭和60年法律第97号附則(抄) ……… 381 20 昭和61年法律第87号(抄) ……… 381 21 昭和61年法律第93号(抄) ……… 383 22 昭和63年法律第91号附則(抄) ……… 38723 平成₃年法律第51号附則 ……… 388 24 平成₄年法律第28号附則(抄) ……… 389 25 平成₆年法律第33号附則(抄) ……… 390 26 平成₆年法律第57号附則(抄) ……… 390 27 平成₈年法律第82号附則(抄) ……… 391 28 平成₈年法律第112号附則(抄) ……… 391 29 平成₉年法律第66号附則(抄) ……… 391 30 平成₉年法律第98号附則(抄) ……… 392 31 平成11年法律第83号附則(抄) ……… 393 32 平成11年法律第104号附則(抄) ……… 394 33 平成11年法律第160号附則(抄) ……… 394 34 平成12年法律第59号附則(抄) ……… 395 35 平成14年法律第98号附則(抄) ……… 395 36 平成15年法律第31号附則(抄) ……… 396 37 平成15年法律第62号附則(抄) ……… 397 38 平成15年法律第119号附則(抄) ……… 399 39 平成16年法律第146号附則(抄) ……… 400 40 平成17年法律第97号(抄) ……… 403 41 平成17年法律第102号附則(抄) ……… 405 42 平成17年法律第113号附則(抄) ……… 407 43 平成17年法律第115号附則(抄) ……… 408 44 平成18年法律第12号附則(抄) ……… 440 45 平成18年法律第101号附則(抄) ……… 441 46 平成19年法律第30号附則(抄) ……… 441 47 平成19年法律第58号(抄) ……… 444 48 平成19年法律第109号附則(抄) ……… 444 49 平成20年法律第95号附則(抄) ……… 446 50 平成22年法律第15号附則(抄) ……… 447 51 平成24年法律第42号(抄) ……… 448 52 平成24年法律第96号附則(抄) ……… 450 53 平成26年法律第22号附則(抄) ……… 452 54 平成26年法律第67号附則(抄) ……… 453 55 平成26年法律第107号附則(抄) ……… 455
第₃編 特別法令の解説
第₁章 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処
遇等に関する法律 ………
459 ₁ 国際機関等への派遣制度 ……… 459 ₂ 退職手当に関する特例 ……… 459第₂章 国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に
関する法律 ………
461第₃章 国と民間企業との間の人事交流に関する法律 ………
462第₄章 法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職
の国家公務員の派遣に関する法律 ………
464第₅章 判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律 ……
466第₆章 研究開発システムの改革の推進等による研究開発
能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関す
る法律 ………
468第₇章 教育公務員特例法 ………
471第₈章 国家公務員の育児休業等に関する法律 ………
474 ₁ 国家公務員の育児休業制度 ……… 474 ₂ 育児休業期間の退職手当制度上の取扱い ……… 474 ₃ 国家公務員の育児短時間勤務制度 ……… 476 ₄ 育児短時間勤務をした期間の退職手当制度上の取扱い ………… 476第₉章 国家公務員の自己啓発等休業に関する法律 …………
478 ₁ 国家公務員の自己啓発等休業制度 ……… 478 ₂ 自己啓発等休業期間の退職手当制度上の取扱い ……… 478第10章 国家公務員の配偶者同行休業に関する法律 …………
481 ₁ 国家公務員の配偶者同行休業制度 ……… 481₂ 配偶者同行休業期間の退職手当制度上の取扱い ……… 481
第11章 災害対策基本法施行令 ………
484第12章 大規模災害からの復興に関する法律施行令 …………
486第13章 防衛省の職員の給与等に関する法律 ………
488 ₁ 任期制自衛官の退職手当 ……… 488 ₂ 自衛官の定年等に伴う退職手当 ……… 491 ₃ 予備自衛官、即応予備自衛官及び予備自衛官補に対する退 職手当 ……… 493第14章 最高裁判所裁判官退職手当特例法 ………
496 ₁ 支給率の特例 ……… 496 ₂ 在職期間の計算 ……… 497第15章 沖縄の復帰に伴う国家公務員退職手当法の適用の
特別措置等に関する政令 ………
500第16章 競争の導入による公共サービスの改革に関する法
律 ………
502第₄編 関 係 事 項
第₁章 退職手当と端数計算 ………
511第₂章 退職手当と時効 ………
512第₃章 退職手当と会計法上の取扱い ………
513第₄章 退職手当と差押え等 ………
515付 録
第₁ 国家公務員退職手当支給率早見表 ……… 521 第₂ 国家公務員退職手当制度の変遷 ……… 522第₃ 公庫等への出向歴を有する者の退職手当の計算方式の変遷 …… 532
第₄ 定年制度施行関連退職手当の取扱い ……… 534
第₅ 支給制限・返納等の対象者の類型図 ……… 535
第₁章 退職手当の性格
₁ 民間企業の退職金 ₁ 一般的見解 国家公務員の退職手当の性格を論ずる前に、まず民間企業における退職金の 性格論について触れる。 民間企業における退職金の性格については諸説があるが、一般的な見解とし て大別すれば、勤続報償説、賃金後払説、生活保障説の₃つがある。 勤続報償説は、退職金をもって長期勤続又は在職中の功績・功労に対する報 償であるとする考え方、賃金後払説は、労働者が在職中に受け取るべきであっ た賃金部分を退職に際して受け取るものであるとする考え方、生活保障説は、 退職後における生活を保障するために支払われる給付であるとする考え方であ るが、これら₃説もそれぞれがさらに種々のニュアンスをもって主張されてい る。 また、これら₃説と併行して、別の観点から、退職金は、使用者の恩恵的給 付であるとする考え方と、労働者が権利として要求し得る給与であるとする考 え方とがある。勤続報償説と恩恵説とは使用者側の考え方であり、賃金後払説 と権利説とは労働者側の考え方である。生活保障説は、これらとは若干趣を異 にしており、特に、高齢化社会の到来等という背景の下に有力に主張されてき たものである。 ₂ 労働基準法との関連 労働基準法第11条は、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その 他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのも のをいう。」と規定しており、民間企業における退職金については、次のとお り、支給基準等が定められ、使用者に支払義務のあるものは、同法の「賃金」 に該当するとして、支払面等において労働者の保護が図られている。なお、労 働基準法第89条第₃号の₂により、「退職手当の定めをする場合においては、 適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手 当の支払の時期に関する事項」を就業規則に記載しなければならないこととさ れている。⑴ 退職金、結婚祝金、災害見舞金等の恩恵的給付は、原則として労働基準法 第11条に規定する「賃金」とみなさない。ただし、これらの給付であって も、労働協約、就業規則等によってあらかじめ支給条件の明確なものは「賃 金」である(昭和22・₉・13基発第17号)。 ⑵ 労働基準法上、就業規則によって定められた退職金は、労働条件のひとつ であって、臨時的事由に基づいて支払われる賃金と解釈し、単なる贈与とは みなさない(昭和26・12・27基発第841号)。 ₃ ま と め 民間企業における退職金は、その制度、考え方等は様々のものがあり、その 性格についても必ずしも定説があるわけではない。退職金は、最終的には、企 業の支払能力等によって定まるが、その配分方法にはそれぞれの考え方が混在 しているわけである。 例えば、勤続年数に比例する支給額の決定、功労加算金の支給等は明らかに 勤続・功績報償の考え方に基づいている。さらに、退職金の多くは、企業の一 方的負担によって支払われ、労働者側の分担拠出を必要とする事例は少ない。 ここに、企業の労務管理の要請が加わって退職金の功績報償的性格を強くして いる一因があるとされている。他方、退職金の最低保障額等は、生活保障の考 え方によるものと思われる。また、確定拠出年金や賃金に上乗せして退職金相 当額を支払う「退職金前払い」との選択制などの多様な形態が登場するように なり、その性格は複雑化しつつある。 いずれにせよ、今日の退職金はその多くが就業規則や労働協約によって定め られ、これらに基づいて労働者が権利として要求し得る給付であるということ は一般的に認められているところである。 ₂ 国家公務員の退職手当 国家公務員の退職手当は、その性格について、一般的には民間企業における 退職金の場合と同じような考え方がとられている。 ここでは、退職手当の性格に関連する事項について、角度を変えて検討して みたい。 ₁ 現行退職手当制度の仕組み・内容からみた性格について 国家公務員の退職手当の性格について、現行制度の仕組み・内容からみる
第₂章 一般の退職手当
₁ 一般の退職手当 【解説】 ⑴ 退職手当法による退職手当の種類は、次のとおりである。 上記のうち、「一般の退職手当」とは、通常称されているところの退職手 当であり、「退職手当の基本額」に「退職手当の調整額」を加えたものがそ の額となる。「特別の退職手当」は、一部の者を除いて国家公務員には労働 基準法、船員法及び雇用保険法が適用されていないが、これらの法律による 給付、すなわち労働基準法による解雇手当、船員法による雇止手当及び雇用 保険法による失業等給付に相当するものは、国家公務員にも実質的に保障す る必要があるので、一般の退職手当が低額である等の一定の要件を満たす者 に限りこれを特別の退職手当として支給しようとするものである。 ⑵ 一般の退職手当の給付水準の在り方については、国家公務員の退職手当は その処遇の在り方と関連すること、国家公務員の地位・性格、さらには退職 手当の財源が国民の負担する税金によって賄われていること等を考慮すれ ば、広く国民の理解と納得を得られるものでなければならない。 国家公務員の退職手当の給付水準の在り方について、広く国民の理解と納 得を得られるものとしては、民間企業における退職給付の支給水準との均衡 を図っていくという考え方が最も適当であると考えられている。このため、 退職給付の官民比較を行うべく民間企業における退職給付の実態調査が実施 退職手当 一般の退職手当 (法第₂条の₄) 退職手当の基本額(法第₃条~第₆条の₃)+ 退職手当の調整額(法第₆条の₄) 特別の退職手当 予告を受けない退職者の退職手当(法第₉条) 失業者の退職手当(法第10条) (一般の退職手当) 第₂条の₄ 退職した者に対する退職手当の額は⑴⑵、次条から第₆条の ₃までの規定により計算した退職手当の基本額に⑶⑷、第₆条の₄の規 定により計算した退職手当の調整額⑸を加えて得た額とする。されており、退職給付の官民の均衡が図られているところである。 また、国家公務員の退職手当制度・仕組み等の見直しに当たっては、人事 管理上の要請、公務部内の実情、均衡等を総合的に勘案することが必要であ る。 ⑶ 退職手当の基本額は、勤続期間と退職理由との組合せによる退職事由に応 じて₃段階(法第₃条から第₅条まで)に区分されている。これは、勤続期間又 は退職理由を基準として功績・功労の高さを評価し、これに応じて退職手当 の取扱いを異にしていることによるものである。法第₅条の₂から法第₆条 の₃までは、退職手当の基本額の計算の特例に関する規定である。 ⑷ 退職手当の基本額の算定は、退職の日における俸給月額に勤続期間及び退 職理由に応じた退職事由別支給率を乗ずるという方法を基本としている。 したがって、退職手当の基本額の算定の基礎は、「俸給月額」、「勤続期間」 及び「退職理由」の₃つである。 「勤続期間」については、法第₇条の解説に譲ることとし、法第₃条から 第₅条までに共通する「俸給月額」と「退職理由」のうちの主なものについ て、以下一括して説明する。 ⒜ 俸給月額について ① 退職手当の算定の基礎となる俸給月額は、「退職の日」における俸給月 額(法第₅条の₂が適用される場合には特定減額前俸給月額)である。し たがって、給与改定が退職の日(法第₅条の₂が適用される場合には減額 日の前日)まで遡及適用となった場合には、改定後の俸給月額が退職手当 の算定基礎となる。 ② 俸給月額の「俸給」の意義については、次のように解されている。 退職手当の基本額 自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額 (法第₃条) 11年以上25年未満勤続後の定年退職等の場合の退職手当の 基本額(法第₄条) 25年以上勤続後の定年退職等の場合の退職手当の基本額 (法第₅条) 〇運 用 方 針(抄) 第₃条関係 一 「俸給」とは、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「一 般職給与法」という。)第₅条第₁項に規定する俸給又は勤務に対する報酬として支 給される給与であつてこれに相当するものをいう。