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拷 問 等 禁 止 条 約 の 意 義

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(1)拷問等 禁 止 条 約 の 意 義. 次. ーその実体規定の特徴ー. 目 はじめに. 拷問の定義. 条約の適用範囲. 締約国の義務の法的性格. 一. 二 三 四. に. おわりに. 五 ノソ・ルフールマγ原則 普遍主義の採用. 六 七. はじ め. 今. 井. 直. 一九八四年一二月一〇日︑第三九回国連総会は︑その決議三九/四六により︑﹁拷問及びその他の残虐な︑非人道. 的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰を禁止する条約﹂︵以下拷問等禁止条約と略︶を無投票で採択した︒この条約は︑. 一. 一九七五年一二月九日に国連総会が採択した﹁拷問及びその他の残虐な︑非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(2) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 二. 刑罰を受けることからすべての人を保護することに関する宣言﹂︵以下拷問等禁止宣言と略︶の諸原則にかんがみて︑一 ︵1︶ 九七八年の第三四会期以来国連人権委員会の非公式作業部会がその起草作業を進めていたものであった︒. 国連の場におけるかかる宣言や条約の作成は︑諸国の拷問実行がけっして絶えることなく︑近年増々広範化する様. 相さえ見せていることに直接対応する︒かかる現象は︑特に七〇年代に顕著であった第三世界諸国における軍事・独. 裁化の傾向とけっして無縁ではないが︑程度の差こそあれ︑イデオ冒ギー・政治体制の違いや開発水準の差異をこえ ︵2︶ た︑世界的規模をもつ由々しき問題となっている︒. ところで︑一九六八年にテヘランで開催された国際人権会議の結果︑同年五月二二日に採択された有名なテヘラン. 宣言は︑その四項において︑国連が人権基準の定義に関して実質的な進歩を成し遂げたことを述べるとともに︑人権. の実施言互①ヨの糞蝕自に関してはなされるべきことが多く残されていることを認めていた︒ここでいう人権の実. 施とは︑国内的実施と国際的実施という二つの側面から理解されるように思われる︒すなわち︑前者に関して国連. は︑既存の一般的な国際人権基準を前提として︑より具体的かつ詳細な共通基準を策定することにより︑各国が国内. 的にとりうべき特定の措置や手段を明確にし︵条約においてはそれを義務づけ︶︑人権の解釈・運用面での各国の裁. 量範囲を狭めようとすることが求められる︒この面での作業は︑ある意味では人権の定義の延長線上にある︒後者に. 関しては︑こうした各国による人権の国内的実施を国際的に監視するために︑国連による実施措置の整備が求められ. る︒これら二つの側面から要求される作業はともに︑世界人権宣言や国際人権条約によって一般的に定義された国際. 人権の実効性をより強化しようとする目的において︑いわゆる国際人権法の方向性と課題をさし示すものである︒. 拷問等禁止条約の成立は︑差別禁止や弱者︵女性︑児童︑障害者︑難民︑無国籍者など︶保護の分野における他の. 個別的人権条約・宣言と同様︑あるいはそれ以上に︑右のテヘラン宣言が表明した人権の実施という課題に答えよう.

(3) とした典型的な例であると性格づけられる︒. 周知の通り︑拷問等を一般的に禁止する規範は︑ほとんどの諸国の国内法に見出せるのみならず︑国際法上も既に. 存在している︒世界人権宣言五条︑市民的及び政治的権利に関する国際規約︵以下B規約と略︶七条︑欧州人権条約三 ︵3︶ 条︑米州人権条約五条二項︑人及び人民の権利に関するアフリカ憲章五条などの規定がそれであり︑また︑B規約︑. 欧州人権条約︑米州人権条約は︑拷問等の禁止が緊急事態下においてもその効力停止︵留8σq&呂︶の許されない規. 定であるとのべることにより︑禁止の絶対性を確認している︒さらに︑拷問禁止を国際慣習法上の規則あるいは一般 ︵4︶ 国際法上の強行規範であるとする見解もある︒. 拷問等禁止条約の成立は以上のような現行の国際法上の立場を前提とし︑それを補強しようとするものである︒こ. のことは︑条約を採択した決議三九/四六の前文第五段の﹁拷問及びその他の残虐な︑非人道的な又は品位を傷つけ. る取扱い又は刑罰の実行に関する︑現行の国際法上及び国内法上の禁止のより実効的な実施を達成することを願望. し︑﹂という文言に的確に表現されている︒換言すれば︑条約作成の目的は︑拷間禁止規範を創設することではなく︑ 拷問禁止の実施を具体的に義務づけることにあるのである・. では︑既存の拷問禁止規範だけでは十分に対応しえない現代の拷間現象の背景や特徴とはいかなるものであろう. か︒かかる点に関する理解は︑拷問等禁止条約の現実的必要性を認識させるとともに︑本条約を意義づける上で︑一 定の尺度を与えると思われる︒. 現代の世界では︑政治的動機から生ずる暴力は国家によってのみ行使されるわけではないにせよ︵たとえば︑政治的. テ官の多発は︑国際・国内社会が直面する大ぎな脅威である︶︑拷問を日常的に利用するには必要な前提条件があり︑. 三. その条件を満たせるのは︑主として国家に限られる︒国家には拷問者が被拷問者をその物理的支配下に置くことを可 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(4) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 四. 能とする様々な制度や組織がある︒特に︑政治的不安の状況下における︑多くの緊急事態立法や公安機関・施設の存. 在は︑拷問への強い誘因となる︒拷問は︑政治的反対者から自白や情報を強要するために利用されるだけではなく︑. 他の国民の政府に反対する意志表示を抑止する効果をももつ︒拷問の恐怖は国内的に浸透し︑大多数の国民を沈黙さ. せ︑体制は力によって維持される︒一方︑拷問行為自体の特性である密室性は︑事実の立証を困難にし︑当局による. 事実の隠蔽を助ける︒また︑今日のテクノ買ジーの進歩は︑拷問方法や技巧を多様化か2局度化し︑拷間の痕跡を残. すことなく︑激しい肉体的︑精神的苦痛を加えることを可能とする︒かくして︑拷問は︑現代においても︑国際法国 ︵5︶ 内法上の合法性や民主的手続を軽視する国家にとっては︑統治手段として依然として有効性をもつのである︒ ︵6︶. ︵7︶. 新しい条約が︑こうした体制維持のためあるいは治安目的のために組織的に実行される拷間をも効果的にカバーす. ることの必要性は︑拷問等禁止宣言から拷問等禁止条約に至る過程において︑各国代表の共通した認識となった︒許. 容範囲をこえて個々の公務員によって実行された︑通常の現象でない孤立した事例としての拷問とは異なり︑政府に. よって容認された組織的拷問に対しては︑国内法による規律はもはや期待されえず︑そこでは具体的かつ実効的な国 ︵8︶ 際法規範に根拠をおく国際社会のより強い関与のみが影響力を行使しうるのである︒かかる視点から︑拷問等禁止条 約の諸規定は評価されねばならない︒ ヤ. ヤ. 以上のべてきたことをふまえ︑本稿では︑特に重要な特徴をなす一定の実体規定を中心に︑条約の意義と間題点を. 検討する︒かかる検討により︑多様な形態で発生する現実の人権侵害問題に実効的に対応することを使命とする国際. 人権法の枠組みの中で︑現段階における本条約の評価に迫りたいQなお︑本稿の目的は実体規定の検討に限定し︑本. 条約の一方の重要な側面である国際的実施措置の検討に関しては別の機会に譲ることとしたい︒.

(5) れた一九七九年二月一九日のスウェーデン修正案︵国\OZム\ミOし\譲℃﹂︶を討議の基礎として起草作業を進め︑一九八四年の人権委員会第. 1︶作業部会は︑一九七八年一月一八日のスウェーデン案︵国\O写農にc︒㎝︶︑およびそれに対する諸国政府のコメント・見解を考慮して再提出さ. 会は︑この草案を総会に送付するとともに︑総会に対して条約案を優先的に審議するよう勧告していた︵同年三月六日の決議一九八四/一二︶︒. 四〇会期において︑実施措置に関する一部条項︵一九条の報告制度と二〇条の調査制度︶をのぞき一応その審議を終えた︒これをうけて人権委員. 止条約について﹂鹿児島大学法学論集二〇巻二号︵一九八五年︶四二−五八頁参照︒また︑同論文には︑著者による条約全文の邦訳が六三−七八. なお︑本条約の成立経緯と︑条約規定全体の概要に関しては︑小寺初世子﹁拷問およびその他の残虐︑非人道的又は屈辱的な取扱い又は刑罰の禁. 頁に掲載されており︑是非参照されたい︒. り︑そのうちの三〇か国以上では︑急速に国家制度化︑すなわち通常の行政慣行となりつつある︒﹂H艮震葛ま壼一〇〇ヨ怠︒︒巴自亀冒H一器菊零ざき. 2︶ 一九七五年当時のアムネスティ・インターナショナルの言によれば︑﹁拷問は︑約六五か国において容疑者や被拘禁者に対して用いられてお. しているといわれる︒︾ヨロ霧ぐぎ8導畳oま一︵去y↓9ε器ぎ夢o国蒔臣霧﹂︒c︒. 矯℃﹄●ちなみに︑この一九八四年の報告書は︑六六か国の拷. 29罫一零9︾脇.この傾向は︑八○年代に入ってからも大きな変化はなく︑今日でも世界の三分の一以上の政府が拷間を用いるかそれを容認. 問実態を具体的に報告している︒地域的には︑アフリカが二三か国︑米州諸国が一五か国︑アジアが一〇か国︑ヨーロッパ︵東欧を含む︶が八か. 世界人権宣言五条︑B規約七条︑欧州人権条約三条の起草過程は︑塑ζ◎困塁ヨmP↓ぽU&怠畠9鉱↓興εおぎ一導⑦糞鐘o臣一ζぎ. 国︑中東・北アフリカが一〇か国である◎. 3︶. たとえば︑一九八○年六月三〇日の米国連邦控訴裁判所のフィラルチガ対ペナ・イララ事件判決︵田富旨一窓くもo密−犀巴P80コ淫o︒お︵泣. ト八二六号︵一九八四年︶三〇i三一頁︒. オヨ覧①ζ≦ρ爵旨包ざ<o一ふご一箋︒Qもマ臨㎝誌謡に詳しい︒また︑芹田健太郎﹁内外人平等原則と品位を傷つける取扱いの禁止﹂ジュリス. 4︶. の廃棄︵実際にではないにしろ︑原則的に︶にかんがみて︑我々は︑被拘禁者に対して国家公務員によってなされる拷問行為が︑国際人権法の確立. Ωひむ︒︒O︶︶は︑﹁数多くの国際的文書における拷間に対する世界的非難と︑実質的に世界のすべての国家による公式的政策の一手段としての拷問. した規範に違反し︑それゆえに国際法に違反するとみなす︒﹂とのべ︑ついで︑世界人権宣言五条が定めるような拷問の禁止を﹁国際慣習法の一部. となっている﹂と結論している︒崔 魯o︒︒︒ρ︒ o G︒ψまた︑戸中夏岳oFΩ≦一国貫げ貫ぎ臼竃R9︵o輿y=q目き閑黄窪のぎH糞①彗鋒8巴. 切三a即粛窪9おG︒一も.一旨によれば︑拷問の禁止はコ般国際法上の強行規範の特徴さえ獲得した﹂といわれる︒. 五. ζヨおo︒トP一ミも同趣旨Qさらに︑ドUぎω8一P↓ぼ空讐90い賦P℃ξ︒︒一8二旨畠ユ什矯き伍=ぼ旨曳ぎじ=窪匠b︵&・y↓ぼぎ盆葺畳呂巴. 拷問等禁止条 約 の 意 義 ︵ 今 井 直 ︶.

(6) 5︶. 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶ 現代の拷問の諸特徴については︑︾同もマ畠●も℃﹄−旨参照︒. 六. 6︶拷問等禁止宣言は︑諸国に対する﹁ガイドライン﹂︵宣言前文第五段︶を定めたにすぎないものと性格づけられ︑宣言の起草にあたった一九七. ろうことを認めていた︒. 巷o旨鉱昏o盟塩爵O艮け&Z鐘o霧Oo添αq器器oロ浮①℃器話馨δp象Oユ導o巷血昏o↓89韓o鱒90常窪留議︸一鶏9. 五年の第五回国連犯罪防止会議自身も︑宣言の諸原則を実施しより実効的な人権保護を図るためには︑国際条約の作成が最終的な目標になるであ. 宣言の邦訳は︑法と人権コ号︵一九七六年︶八三−八 マ貫宣言成立の経緯とその評価に関しては︑甲罫困2目琶もワ︒F℃マ囑㎝直︒ ︒︒ ︒. 一九七七年一二月八日の総会決議三二/六二は︑人権委員会に対して︑拷問等禁止条約の草案を作成するよう要請したが︑この決議にいたっ. 六頁︒小寺︑前掲論文︑七九−八一頁︒. 7︶. 箸●?o︒︵Ω器Φ8︶旧︾\ρω\器\ω勾﹄ざ一ミ8℃.O︵ぎα富︶も℃●O直O︵q巳けaω翼Φのo臣︾ヨ①ユ︒四︶.. た総会第三委員会の討議においては︑多くの代表がこの認識を示していた︒たとえば︑⊂︒2︒Uo2︾\ρω\器\o o閃る①﹂零8箸︒ω直︵孚き8y. Z●Uoo 諺\O■ω\ω閃﹄一︒9一S㎝も巽塁●置−一9. 8︶総会第三委員会における拷問等禁止宣言案の審議の際︑ギリシア代表は︑軍事政権下における自らの体験にもとづぎこの点を強調した︒¢●. 二 条約の適用範囲. 本条約の事項的適用範囲が︑﹁拷問﹂に限定されるのか︑あるいは﹁その他の残虐な︑非人道的な又は品位を傷つ. ける取扱い又は刑罰﹂︵以下他の取扱い又は刑罰と略︶をも包含するべく拡大されるべきかという問題は︑起草作業が最 初に直面した難問であった︒. 当初︑一九七八年のスウニーデン案は︑拷問等禁止宣言とほぼ同様に︑拷問の犯罪性に関わる諸条項をのぞけば︑ 条約の実体規定が他の取扱い又は刑罰にも等しく適用される構造をとっていた︒. ︵1︶. これに対して︑いくつかの代表は︑他の取扱い又は刑罰の概念を︑すべての諸国︑法体系に受け入れられうる用語. で定義することは非常に困難であるという理由で︑条約が拷問行為のみをカバーすべきであると主張した︒.

(7) かかる主張を考慮し︑一九七九年のスウェーデン修正案は︑すべての実体規定の適用を拷問に限定した上で︑一六. 条として︑﹁本条約は︑残虐な︑非人道的な及び品位を傷つける取扱い及び刑罰を禁止する他の国際文書又は国内法. の諸規定の適用を妨げるものではない︒﹂とする規定︵現在の一六条二項の原形︶を置くことによって︑問題に対処. しかしながら︑条約の適用範囲の拡大を望む意見も根強く︑一九八○年の人権委員会第三六会期の作業部会におい. しようとした︒. て前記一六条の提案が審議された際︑現在の一六条一項にいたることとなる提案がなされた︒すなわち︑それは︑他. の取扱い又は刑罰に関する締約国の一般的防止義務を規定するとともに︑特に︑三条︵ノソ・ルフールマン原則︶︑. 一〇条︵被拘禁者の処遇に関与する法執行官その他の者に対する教育・訓練義務︶︑一一条︵取調べの方法.慣行や被. 拘禁者の処遇取極めの再検討義務︶︑一二条︵当局の調査義務︶︑二二条︵被害者の当局への苦情申立権︶︑一四条︵被 ︵2︶. 害者の賠償を受ける権利︶︑一五条︵拷問による自白の証拠能力の否定︶は︑他の取扱い又は刑罰にも同様に適用さ れるとするものであ っ た ︒. この提案に賛成する意見は︑値の取扱い又は刑罰が︑B規約や欧州人権条約などによって既に禁止されている点を. 強調し︑拷間という語の不当に狭い解釈から違法行為者が利益を得ることを妨げるためにもかかる禁止は必要であ. る︑というものであった︒逆に︑他の取扱い又は刑罰の概念は︑条約上定義もされておらず︑刑法や警察規則のレベ ︵3︶ ルで適用するにはあまりにも漠然としすぎているとの批判もあった︒ ︵4︶. 結局︑三条︑一四条︑一五条への言及に関しては合意に達し得ぬまま︑この提案は一六条一項としてコンセンサス. 七. で採択された︵三条︑一五条への言及は次会期で︑また一四条への言及は議論の末一九八四年人権委員会第四〇会期 で︑それぞれ削除された︶︒ 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(8) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 入. かくして︑条約の実体規定は︑拷問に関してはすべて︑他の取扱い又は刑罰に関しては部分的に︵つまり一〇条〜. ご二条に限定して︶適用されるという︑適用範囲の二重構造をとることになる︒確かに︑拷問等禁止宣言において. も︑犯罪としての捜査︑訴追︑処罰が要求されるのは拷問だけであるという意味では︑二重構造性は既に存在してい. た︵宣言七条︑九条︑一〇条︶︒しかし︑本条約では︑それに加えて︑二条二項・三項︵禁止の絶対性︶︑三条︑一四. 条︑一五条も︑他の取扱い又は刑罰には適用されず︑この点︑宣言や一九七八年のスウェーデン案と比較して後退で あるとの印象はまぬがれない︒. しかし︑このことが︑B規約や欧州人権条約の実施機関などによって形成されつつある︑他の取扱い又は刑罰に関. 連する国家義務の解釈に抵触したり︑あるいは逆行することがあってはならない︵一六条二項の趣旨︒特に︑二条二. 項︑一四条の問題に関しては第四節で後述︶︒むしろ︑一定の条項について他の取扱い又は刑罰に関連する義務の承 ︵5︶. 認を躊躇せしめたのは︑あくまでその概念の不明確性であるのだから︑本条約を含む人権条約の実施機関によって概. 念の不明確性が次第に克服され︑特定の取扱いがこのカテゴリーに含まれるのに伴い︑具体的な事例において︑一六. 条一項前段の一般的防止義務の解釈として︑締約国が実質的に一〇条〜一三条の義務にとどまらない行動を要求され るという︑判例法による発展のプβセスの可能性はけっして否定しえないであろう︒. 悔\O客蒔\区O︒︒︸お︒ ︒9箸●O①−OS. ω一 ㌧這刈oo︸℃やω︸S. に限定することを主張するものとして︑たとえば︑人権委員会への政府コメントにおけるアメリカ︑東ドイッの見解︒q客Oo9国\OZ︒良. ︒9穽他の取扱い又は刑罰の概念の不明確性︑抽象性を理由として︑条約の適用対象を原則的に拷問 ︵1︶d●Z●Uo2国\OZ﹄\信貫ご蕊︸もマo. 一. ︵3︶一ぴ一自︒も●①S. ︵2︶d︒客U9.

(9) 9コω&β富2&○昌ユo. 欧州人権条約三条の﹁非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰﹂の概念とその発展に関して︑芹田前掲論文︑一三−三三頁︒. へ4︶蜜餌●. 匂U象ぎ︾旨騨︒一①︒︒o津ぼ国畦8①き08︿Φ注象o昌国q百き履αqゲ葺一●O●いρ くo一Dω鵠﹂︒︒︒︒ ︒ ℃箸●ω一①−ω. ︵5︶ ︸. 拷問の定義. 拷問犯罪の構成要件. 三. 〇 合℃℃︒o ob⊃㎝Iooo O● 一︑頃oヨヨ① 勾●O︒U.H●︸ ↓o韓①oooo︸一〇〇. ︽勺oぎoの9↓βぎ葺o馨︒・H昏ロ旨巴霧o賃U邸αq賊&嘗房V留β一帥冒膏層且窪8儀oξOoヨ鼠の巴059山巴餌Oo窪国霞o審o導o︒︒山3U8一$αo. e. 本条約の四条一項は︑締約国に対して︑すべての拷問行為︵未遂や共謀︑教唆︑蓄助を含む︶を﹁自国の刑法上犯. 罪とすることを確保する﹂よう義務づけている︒一条一項は︑拷問を次のように定義する︒. ﹁本条約の適用上︑拷間とは︑ある者若しくは第三者から情報若しくは自白を取得し︑ある者若しくは第三者の行. なった行為若しくは行なったと疑われている行為につぎその者を処罰し︑又はある者若しくは第三者を脅迫し若しく. は強制するといった目的のために︑あるいはあらゆる種類の差別にもとづく何らかの理由のために︑肉体的であると. 若しくは公的な資格で行動するその他の者によって又はそれらの者の扇動によって︑あるいはそれらの者の同意又は. 精神的であるとを問わず︑ある者に対して︑激しい苦痛を故意に加える行為であって︑かつ︑かかる苦痛が︑公務員. 黙認によって加えられた場合をいう︒但し︑拷間には︑合法的な制裁のみに起因し︑それに内在し︑又はそれに付随. する苦痛を含まない︒﹂︵傍線筆者︒拷問等禁止宣言の定義と同一の一九七八年のスゥェーデソ案に追加された文言を示す︶. 以上の定義から︑条約上の犯罪としての拷問の三つの構成要件︑つまり︑①肉体的であると精神的であるとを問わ. 九. ず︑激しい苦痛︵ω︒<霞①思ぎ9ω氏8ユお︶を故意に加えること︑②一定の目的または動機が存在していること︑ 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(10) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 一〇. ③何らかの形で公務員︵公的な資格で行動するその他の者を含む︶が関与していること︵o讐︒芭8同aおとしての 性格︶︑が導き出される︒. もっとも︑かかる拷間の構成要件の基本的な性格は︑宣言やスウェ;デン案と大ぎく変わるものではない︒しか. し︑②と③の要件に追加された文言は︑拷間の定義をより拡大し︑実質的に条約の適用対象を広げる効果をもつ︒. ②の要件に関して︑定義が︑拷問の行なわれる目的を特定すべきかどうかについて議論が生じた︒たとえば︑条約. は行為者の動機や地位の観点から定義された事例にその適用を限定すべきでなく︑定義は行為自体の固有の性質に着. 目したものでなければならないとか︑目的のリストは部分的であるにすぎず︑包括的というよりは例示的なものであ ︵1︶ るので︑削除した方がよい︑といった意見が出された︒. かかる見解を考慮し︑またスウニーデソ案の目的リストを拡大するいくつかの提案をうけて︑作業部会は︑﹁あら. ゆる種類の差別にもとづく何らかの理由のために﹂なされた行為を定義に含ませることによって︑一般的な合意を取 ︵2︶ 付けた︵同様に︑リストを拡大するために﹁強制する﹂という文言が追加された︶︒. アムネスティ・インターナショナルの観察するところによれば︑拷問は︑単に個々の拷問行為者がサディスティッ ︵3︶ クであるという理由だけで︵一見そのような証拠があっても︶︑それだけで生じることはほとんどない︒つまり︑拷. 問には通常何らかの目的や動機が顕在的潜在的に存在すると考えられるのである︒思うに︑﹁あらゆる種類の差別に. もとづく何らかの理由﹂による拷問という概念は︑一定の差別事由をあえて特定しなかったことにより︑列挙された. 他の目的要件に該当しないケースをも広範に拾い上げる解釈上の機能を果しうる︒結果として︑条約の定義は︑拷問 ︵4︶ の目的や動機に関して想定されうるほとんどの場合を包摂しうる︒. ③の要件に関して︑定義は公務員の行為に限定されるべぎではなく︑私人を含め︑締約国の管轄下にあるすべての.

(11) 個人に条約は適用されるべきであるとする意見も出された︒これに対して︑公務員による拷問は︑私人による拷問と. は性質上異なり︑本来的により重大であって︑条約の主要な目的は︑まず公務員による拷問の撤廃でなければならな. い︒また︑私人による拷問は︑現行もしくは将来の国内法によってカバーされるべきであって︑国際的な行動は︑主 ︵5︶ として︑国内法上の措置がとられる可能性が少ない事態をカバーするよう意図されねぽならない︑と反論された︒. 両者の立場の中問に立つような形で︑アメリカは︑公務員による何らの関与もない場合は︑拷問行為者が国内法の. 下で処罰される可能性は高く︑かかる場合には国際条約は不必要であるとしつつも︑公務員が拷問を防止するために. ︵6︶ 行動する明確な義務をもつよう︑公務員の﹁黙認︵8ρ乱①ω︒窪8︶﹂という概念を提案した︒. アメリカ提案は︑拷問行為に対する︑公務員の命令︑共謀︑扇動︑教唆︑蓄助︑同意とともに︑黙認をも条約の意. 昧する拷間犯罪であるとした︒ここでは黙認とは︑﹁公務員が︑拷問が行なわれたこと若しくは行なわれていること. を了知しているか又は了知すべきであって︑かつ︑拷問を防止するか若しくは鎮圧するための適当な措置をとる権限 ︵7︶ を有しているか又は措置をとりうる地位にある場合に︑かかる措置をとらない﹂ことをいう︒. 結果的には︑かかるアメリカ提案の趣旨に沿って︑作業部会は︑拷間犯罪を構成する公務員の行為の範囲を拡大す ︵8︶. るために︑﹁それらの者の同意又は黙認によって︵註夢夢①8霧︒艮98β88睾8︶﹂という文言を追加すること に合意したと思われる︒. 以上のように︑公務員による行為の範囲を拡大した結果︑特に犯罪としての拷問に黙認という概念を導入すること. により︑外見上公務員の直接的関与が認められないかあるいはその明白な証拠がない︑私人による拷間行為であって. も︑公務員の責任を追及することが可能となる︒つまり︑権限ある地位にいる公務員は︑拷問の発生を了知している. 一一. かまたは了知可能な場合︑適当な防止措置をとる義務が生ずる︒個人としての公務員は︑してはならない義務︵消極 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(12) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九入六︶. ︵9︶︵10︶. 一二. 的義務︶と同時に︑一定の条件の下で拷間を防止する義務︵積極的義務︶をも負うことになる︒こうした形で︑条約 適用の効果は間接的に私人にも及ぶ︒. 最後に︑一条一項は︑但し書として︑﹁合法的な制裁︵﹃&三のき&自︶﹂を拷間の定義に含まないことを規定し. ている︒﹁合法的な制裁﹂という語が︑国内法上の合法性のみを問題とするのであれば︑国内法によって認められた. 刑罰や懲戒罰は︑それがいかに非人間的なものであっても︑条約の規制を免れることが可能となる︒しかし︑このい. わば抜け穴的解釈に対しては︑この但し書が国際法との両立性をも問題にしており︑国内法上合法的な制裁を自動的 ︵U︶ に拷問の定義から除外するものではないとする有力な解釈がある︒作業部会においても︑現行もしくは将来の国内法. 上合法的な制裁が条約の精神に反しないことを確保するために︑﹁現行の国際的基準﹂その他の類似表現に言及する. ことが望ましいといくつかの代表から指摘された︒にもかかわらず︑結果的にかかる国際的基準への言及が見送られ. たのは︑特に刑事制裁に関して具体的かつ普遍的な国際的基準が現段階では存在しないからであり︑国際法による規 ︵12︶. 制が国内法上合法的な制裁に及ぶことを本質的に否定したわけではないのである︒したがって︑一定の苛酷な刑罰. ︵たとえば︑イスラム刑法において今なお実施されている手足切断刑︑石打ち刑︑むち打ち刑︶や他の体罰に関し. て︑それを拷問とするような国際社会の共通認識が成立する可能性は否定できないし︑また︑拷問と認定するまでに ︵娼︶ は到らなくとも︑一九七八年四月二五日の欧州人権裁判所のタイラ1事件判決が︑イギリス自治領のマン島における. むち打ち刑を﹁品位を傷つける刑罰﹂と判断したように︑他の取扱い又は刑罰として本条約一六条一項の適用対象と されることも十分に考えられる︒. ⇔ 拷問と他の取扱い又は刑罰との区別.

(13) この両者を明確に区別することは現実には非常に困難な問題であるし︑また︑B規約七条のようにそれぞれの概念. を区別しなくとも違反を認定できる場合には︑厳格な区別の必要性はそれ程生じないかもしれない︒しかし︑本条約. は︑前述したように︑条約の適用範囲に関して二重構造をとっているので︑両者を区別する一定の基準について検討 することは不可欠であろう︒. 拷問が︑拷間の第一要件たる︑加えられた苦痛の強度︵ぼ冨霧ξ︾器く巽ξ︶において︑他の取扱い又は刑罰と比. ︵9︒認寅く讐巴︶形態﹂とする表現は︑そのことを意味しているし︑また︑本条. 較してより高次のものであることに関しては︑一応の国際的合意がある︒拷問等禁止宣言一条二項における︑拷問を 他の取扱い又は刑罰の﹁加重された. 約一六条一項が︑他の取扱い又は刑罰を﹁拷問にまでは到らない︵3嵩9帥ヨ窪簿8︶﹂行為として性格づけている. ことは︑本条約の考え方が宣言と実質的に同一であることを示すものである︒原案は﹁拷問を構成しない︵号8け ︵14︶. 8漢島ε邑﹂であったのが︑アメリカ提案によって︑拷問は他の取扱い又は刑罰の﹁最も重大な形態﹂であるという 認識の下に︑現在の文言に修正されたのである︒. さらに︑欧州人権条約の実施機関も︑三条に関して︑基本的に同様の立場にたって︑拷問と他の取扱い又は刑罰と. を区別している︒たとえば︑一九七八年一月一八日のアイルランド対イギリス事件判決において︑欧州人権裁判所. は︑拷間と他の取扱いとの区別が﹁主として加えられた苦痛の強度における差異から生じる﹂ものであり︑﹁条約は︑ ︵15︶. 拷問という語により︑極めて重大で残虐な苦痛を引起す意図的な非人道的取扱いにつぎ特別の汚名を付する意図を有 ︵16︶. していたように思われる︒﹂とのべている︒同条約三条は︑その違反認定のためには最低限一定の苦痛の強度が必要. であり︑その強度が増大するのに比例して︑品位を傷つける取扱いから非人道的取扱いへ︑さらに非人道的取扱いか. 二こ. ら拷問へと段階を上げていく︑というヒエラルキーな構造をもつものとして理解されている︒そこでは︑拷問は︑非 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(14) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八大︶. ︵17︶ 人道的取扱いでもあり︑かつ品位を傷つける取扱いでもなければならない︒. 一四. しかしながら︑実際の事例を前にして︑苦痛の強度に関する評価方法の違いによって︑当該行為が拷間にまで達す. るのか︑それとも他の取扱い又は刑罰にとどまるのかについて判断が異なることも当然考えられる︒この典型的な例. が︑アイルランド対イギリス事件における︑北アイルランド当局によって使用された取調べ方法︵五つのテクニック. と呼ばれる︒頭に黒い覆いをかぶせ︑金属的な雑音を絶えず聞かせ︑壁に向って長時間立ち続けにさせながら︑食料. や水の量を減らすことによって︑自白や情報を得る方法である︶をめぐる欧州人権委員会と人権裁判所の判断の相違 であるQ. ︵爲︶. 委員会は︑五つのテクニックの使用された方法︑つまり相互に結合されて使用されたというその系統性︑計画性に. 注目し︑拷間であるとの認定に達した︒これに対して裁判所は︑五つのテクニックが自白や情報を得る目的のために. 系統的計画的に使用された事実を認めつつも︑﹁拷問という語によって意味される︑特別の強度および残虐性をもっ ︵19︶ た苦痛を引起さなかった︒﹂と評価し︑非人道的取扱いにとどまることを判示した︒ ︵20︶. ところで︑裁判所も承認するように︑欧州人権条約三条の違反認定のために必要な最低限の苦痛の強度は︑事物の. 性質上相対的に評価されねばならない︒そうであるなら︑拷問における強度の評価も当然相対的なものであり︑関連. する多くの要素︑たとえば︑用いられた手段や方法︑当該行為の反復や期問︑被害者の年齢・性別・健康状態︑当該 ︵21︶ 行為による肉体的精神的心理的効果などが合わせて考慮されねばならない︒この点︑裁判所の拷問に関する評価は︑. 過度に苦痛の強度を強調するあまり︑三条に関して要求されるべき相対的評価の方法を徹底せず︑苦痛の強度の抽象. 的かつ一面的な評価に終わったと批判されうる︒裁判所の評価方法では︑拷問のカテゴリーをもっぱら︑極端な苦痛. を引起す原始的伝統的な形態に限定する結果となり︑現代の拷間の技巧的に洗練された形態に対応しきれないであろ.

(15) 塘. この欧州人権条約の先例からも理解されるように︑拷問と他の取扱い又は刑罰とを区別する際の主要な基準である. 苦痛の強度の評価は︑事件に関連するすべての要素︵主として事件の内部的要素︒時には人権意識の変化︑テクノ冒. や①︵牢き8︸d鉱件&ω冨8のo︷︾ヨo該8y℃.o︒︵ω≦智N段一磐伍︶・. ジーの進歩といった外部的要素︶を相対的に評価することによって︑はじめて妥当な結論に達することができるとい えよう︒. 国\OZ●添\お一♪oや9け. 2︶q2︒Oo︒ 国\O客 \一〇︒斜8一鶏︒も︒G︒︒︒嚇. 1︶. 3︶>どoや鼻●も ム ●. 4︶ なお︑イギリスは︑犯罪要件としてのかかる概念の不明確性を問題視し︑たとえば︑差別により被った精神的苦痛を裁判所が評価する際の困. 的のリストが包括的ではなく︑例示的なものであると主張する︒囲窪籍︵︾\紹\畠Oy箸●おも一︒. 難について指摘する︒国\OZ﹂\お歯oマ9●︸℃る曾︾\器\お︒し︒c︒蒔ヤマ一P一方で︑オランダやアメリカは︑この文言が追加された後も︑目. 6︶国\O客歯\一ω一合o℃.鼻●も. 9. 5︶閣\OZム\お解8︒鼻︒も.ωご国\OZみ\一ω冬ε︒鼻・も●ωS. 8︶. なお︑締約国が︑かかる公務員による拷問犯罪に関与した一定範囲の私人をも処罰する義務を条約上負うものかどうか必ずしも明らかでな. 国\O客赴器§ε﹄一8℃るo︒・なお︑仏語正文は﹁明示的又は黙示的な同意によって︵薯9︒・呂89撃8日o暮粟鷲曾8冨︒富︶﹂であ. 7︶一びすもる●本条約に対する一九七八年二月一日の国際刑法学会案︵国\O宕赴200鳶お︶の三条も同趣旨の規定である︒. る0. い︒しかし︑公務員の同意又は黙認を得て実際に拷間を行なった私人や公務員の拷問に加担した私人などをも条約がカバーしている︑という解釈. 9︶. 一五. ︶ ところで︑黙認という概念は︑条約目的の実現に寄与すべく︑条約の適用対象を拡大し︑従来の拷間の定義ではカパーしえない現実の事態に. はありうる︒閏\OZ墨\にO︒︒もマo一εづ︒8参照︒. 10. 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(16) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 一六. 対応することを可能とする側面をもつ一方︑不明確な概念であるとする厳格な罪刑法定主義の立場からの批判も予想されるデリケートな側面をも. 政府コメントにおけるイタリア︑オランダ︑イギリス︑アメリカの見解︒︾\o︒O\おP8・臨r窓藁ご嵩︸多曽また︑>囲もワ島ε署.G︒博. もっている︒この概念の国内刑法への導入に関しては︑各締約国の立法政策上の裁量の働く余地が大きいと思われる︒. 一群●. ︵11︶. 9器o剛臼旨段く.爵︒¢昌&漆夷似oβω&︒︒︒︸<〇一﹄9一鶏︒︒. ︵12︶国\02﹂\一G︒§8︒︒F℃る︒︒ゆ. ︵13︶閏畦●Oo賃け頻閑. ︵14︶q︒望Uo9国\02﹂\お︒︒蔓o︒O\>ま﹂﹂︒︒︒㌍寒﹂㌣置・もっとも︑両者の相違は︑質の問題であって程度の問題ではないとする指摘もあ. 箸・O?OSまた︑一九六九年十一月五日の欧州人. った︒Hび一評マPなお︑仏語正文では﹁拷問行為に当たらない︵器ぎ糞冨ω︶﹂であって︑英語正文程性格づけは明確でない︒ ︵15︶国弩︒02旨頃●舛一〇霧oo︷ぼ巴弩餌く淘竃d鉱一&類ぎ覧oβωo肘一窃炉<〇一﹄㎝しSo︒. Hぴ一些︵国賃●Oo貫⇔=男シ℃.Oq●. 一九七六年一月二五日の意見︒国弩●Og旨累刃︸98亀即①蜀&. く8芒ooぎoマ簿こマ一〇︒9コo o&3博o℃.鼻 毛 o︒ω?o︒鳶︒. く●跨od巳梓&困畠自oβωΦ目一9炉く〇一◆器き一〇〇︒ρ℃︒畦O●. 権委員会のギリシア事件に関する意見参照︒<S38F<o一︑員臼箒O器卑O器①し箋ゆも﹂︒︒9 ︵賂︶ ︵17︶. 一び葬も509. 国弩◎02旨蚤菊 oサ鼻 ωR一窃︾も℃︒O①6S. ︵18︶. ︵19︶. 締約国の義務の法的性格. 国くユ鴨三ω判事の個別的意見︒圓獣3マ富S. N鼻冨判事の個別的意見Q目窪山もらS. ︵0 2︶. ︵鎗︶. ︵21︶. 四. O積極的義務. 本条約二条一項は︑ ﹁各締約国は︑その管轄の下にあるすべての領域内における拷問行為を防止するため︑実効的.

(17) な立法上︑行政上︑司法上又はその他の措置をとる︒﹂と規定する︒また︑一六条一項前段は︑同様に他の取扱い又 は刑罰に関しても︑締約国の一般的防止義務を規定する︒. かかる規定から︑本条約上の国家義務は︑けっして消極的なものにとどまらず︑積極的な防止措置をとる義務であ. ることは明らかである︵また︑公務員の黙認による拷問等をも防止すべき国家義務の効果は︑当然間接的に私人の行. 為にも及ぶ︶Qもちろん︑拷間と他の取扱い又は刑罰に関する国家義務の性格が積極的なものであることは︑既にB ︵1︶ 規約七条や欧州人権条約三条の解釈としても確認されている︒しかし︑これらの人権条約においては︑条約規定にし. たがってとるべき措置に関する具体的な定めはなく︑適当な手段や方法の選択については一般的に締約国に委ねられ. ている︒これに対して︑本条約は︑三条以下の実体規定により︑締約国のとるべぎ一定の措置︵事前の予防措置と事. 後の救済措置︶を具体的かつ詳細に規定しており︑これが拷問等禁止宣言を条約化したことの意義でもある︒. ところが︑前述したように︑他の取扱い又は刑罰に関しては︑これら具体的義務規定の適用は一定条項に限定され. ており︑特に被害老の賠償を受ける権利に関する一四条が除外されたことは︑他の人権条約がかかる救済に他の防 止・救済措置とは異なる位置づけを与えていることから考えて︑大きな問題である︒. たとえば︑欧州人権条約においては︑被害者の実効的救済に関する一三条との関連から︵同様の規定はB規約二条. 三項@︑米州人権条約二五条︶︑被害者への賠償の可能性は︑三条の義務を遵守するための合理的な防止措置がとら. れている場合でも︑それにもかかわらず侵害が発生した際の︑個人に対して与えられる唯一の救済手段であると通常. 考えられ︑賠償があってはじめて三条違反の状態が解除されるものとされている︒つまり︑被害者への賠償は︑三条. 一七. 違反の解除のための最終的な手段であって︑締約国のとりうべき措置の選択性を制約する形で︑個人に対して認めら ︵2︶ れた権利として確立している︒ 拷闘等禁止条約の意義︵今井直﹀.

(18) 早稲田法学会誌第三十六巻︵麟九八六︶. 一八. 本条約が︑一六条一項から一四条を除外したのは︑他の取扱い又は刑罰の概念が不明確であって︑賠償を受ける権. 利の基礎としては解釈上の困難も大ぎく︑また乱用の危険性もあるという意見が多かったからであり︑被害者に賠償 ︵3︶ への可能性を与えること自体への異論からではなかった︒したがって︑一般的防止義務の存在にかんがみ︑他の人権 条約に抵触︑逆行することのない条約の現実的な適用が望まれよう︒. ⇔ 禁止の絶対性. 本条約二条二項は︑﹁戦争状態︑戦争の脅威︑国内政治不安又はその他の何らかの公の緊急事態であろうと︑いか. なる例外的状況も︑拷問の正当化理由として援用することはできない︒﹂と主として国家に対して︑また二条三項は︑ ︵4︶. ﹁上司・上官又は公当局からの命令は︑拷間の正当化理由として援用することはできない︒﹂と公務員たる個人に対し て︑いずれも拷問禁止義務の絶対性を規定している︒. 二項は︑他の人権諸条約やジュネーヴ人道法諸条約などが明確にしている︑拷問及び他の取扱い又は刑罰の絶対的. 禁止をあらためて確認したものにすぎないが︑本条約では︑かかる絶対的禁止から︑他の取扱い又は刑罰が除外され. ており︑問題が残る︒除外の理由は︑直接には︑条約の適用範囲に関する議論と同様︑概念の不明確性にもとづいた. ものであり︑その限りでは︑他の取扱い又は刑罰の禁止の絶対性を必ずしも否定するものではない︒しかし︑他の取. 扱い又は刑罰の概念の相対性を強調するあまり︑﹁平時において残虐な取扱いを構成するものは︑緊急事態の状況下 ︵5︶ では︑そのレベルまでには致らないかもしれない﹂と理解するならば︑現行の国際人権法において確立していると考. えられる︑他の取扱い又は刑罰の禁止の絶対性を実質的に無意味なものとする可能性をはらんでいる︵平時において. 品位を傷つける取扱いであるものは︑緊急時においてはさらにレベルを下げ︑その違法性が失なわれることになるか.

(19) もしれない落. 確かに︑拷問も含め︑本条約が禁止しようとする取扱い又は刑罰を評価するためには︑相対的なアプ目ーチを必要. とする︒特に︑拷問に比べより曖昧な概念であって︑必要とされる苦痛の強度のレベルも低い︵それだけにかえって. 潜在的な保護範囲も広い︶他の取扱い又は刑罰の場合︑その禁止のもつ絶対性は︑特定の事例においてその苦痛の強 ︵6︶ 度を評価する際︑すべての関連条件を考慮する必要性によって一定程度調整されることはむしろ当然であろう︒. しかし︑かかる相対的評価の方法も自ずと限界があり︑絶対的禁止の趣旨に反する結果をもたらすことがあっては. ならない︒特に︑事件の政治的コンテクストを重視することはこの結果を招ぎやすい︒拷問及び他の取扱い又は刑罰. の禁止は︑いかなる例外的状況においても貫徹されねばならず︑いったん通常の状況において品位を傷つける取扱い. であるとされるものは︑同一条件の下では︑いかなる政治的状況においても︵たとえテ惇などの脅威があろうとも︶. 品位を傷つける取扱いでなければならないであろう︒これが︑国際人権法が拷間及び他の取扱い又は刑罰の禁止を絶. 対的なものと性格づけた趣旨であると解せられる︒概念の相対性と禁止の絶対性とは法理的に両立しうるものであ り︑両者を混同すべきでない︒. 1︶人権専門委員会のB規約七条に関する一般的性格を有する意見︵αq窪R巴8目目︒馨︶七︵一六︶︒q冥Uo9︾\寄\き﹂︒・︒N ℃ら ・欧州. く○ド餌︸一箋9℃サ刈coーお●. Hぼ餌9︵国畦︒Ooヨβ=︒卑y℃晶oo●. 声菊 Uoo一︒nδ霧鋤昌山男o℃o旨︒・. 人権委員会のドネリー他事件︵U呂露ζき山9ぼ富く﹂ぎ¢旨&内ぎαQ&目︶に関する一九七五年一二月一五目の許容性決定︒国霞●Oo日5. 2︶. ¢.客Uoo. 一九. かかる抗命義務が直接条約によって個人に課されたといえるのか︑それとも国内法上公務員に抗命義務を課すよう締約国に要求したにすぎな. 国\OZ︒藤\ごo︒ \認 一〇〇︒♪やS. 3︶. 4︶. 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(20) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. いのか︑議論は分かれよう︒この点は︑拷問犯罪に対する個人の国際刑事責任の問題と関連する︵後述二七頁参照︶︒. 二〇. 8る幽rω臼δの. ︵5︶ アメリカの政府コメントにおける見解︒国\02﹄\嵩唇8●︒F℃﹂一●これに類似する見解は︑欧州人権条約三条に関連しても時折見出され. o&器︶は︑都市ゲリラやテロといった社会に対する重大な脅威が存在すれば︑三条違反のために必要な苦痛の ωも﹄8●また︑スードル︵男o. る︒たとえば︑アイルランド対イギリス事件におけるフォーセット︵梱国ψぼ≦8δ委員の個別的意見︒国畦 02旨串幻. の絶対性に関して︑芹田︑前掲論文︑三二頁︒. 強度の最低限基準が引上げられ︑したがって容認しうる人権侵害の限界も引上げられる︑とする︒男ω&β8﹄三マ︒︒おなお︑三条の禁止. ︵6︶型いU薮ないo℃●鼻︒も︒認一︒. 五ノン・ ル フ ー ル マ ン 原 則. 本条約三条一項は︑﹁いかなる締約国も︑ある者が拷間をうける危険があると信ずるにたる実質的な根拠がある他. の国に︑その者を追放し︑送還し又は引渡してはならない︒﹂と規定する︒ついで二項は︑﹁かかる根拠があるかどう. かを決定する目的のために︑権限ある当局は︑適当な場合には︑人権の大規模な︑重大な又は大量の侵害の継続的パ. タ!ンが当該国に存在するかどうかを含め︑すべての関連する事項を考慮しなければならない︒﹂と規定する︒. 一項の規定は︑拷問が迫害の最も重大な一形態として考えられるところから︑一般国際法上のノン・ルフールマン. 原則を拷問の観点から確認したにすぎないともいえる︒しかし︑難民条約三三条の定めるようなノン・ルフールマン. 原則は︑不引渡しの義務を含んでおらず︑この点原則の適用を不引渡しまで拡大した本規定に関しては︑特に以前に. 締結された第三国との犯罪人引渡条約との関連で︑間題点が一部の代表から指摘された︒つまり︑本規定は︑本条約. 締約国と非締約国との問で以前に結ばれ︑かつ本規定と抵触するおそれのある犯罪人引渡条約に対して︑直接的効果. を及ぽすことはできない︵優先することはできない︶︒かかる場合には︑締約国は︑以前に合意された二国問の義務.

(21) ︵−︶ を犯すことなくしては︑本条約を遵守することができない立場におかれることになる︑というものであった︒. しかし︑本規定の義務と個別的な犯罪人引渡条約上の義務との両立性の問題を解決するために︑条約文中にかかる. 場合に関する例外規定を設けることは︑逆に︑かかる場合には拷問のおそれがあってもその者を引渡すことを奨励す ︵2︶. るものと解されかねないので︑次のような注意書︵お巨m蒔︶を報告書に含めるにとどめることで作業部会の合意が成. 立した︒すなわち︑﹁いくつかの代表は︑自国は︑本条約三条が条約の署名時以前に締結された犯罪人引渡条約の下. での本条約非締約国に対する義務と両立しない限りにおいて︑同条によって拘束されるものとはみなさない旨を︑条. 約の署名若しくは批准又は加入の時に︑宣言する意思があることを指摘した︒﹂とする注意書がそれである︒. したがって︑かかる宣言をおこなった締約国に対して︑本条約の署名時以前に締結された犯罪人引渡条約にもとづ. いて︑非締約国から犯罪人引渡し請求がある場合には︑請求に係る行為が引渡し犯罪の要件に該当すると認定される. 限り︑引渡される者が︑拷間をうける危険があると主張する場合でも︑審査に付することなく︑条約上の義務の履行 として自動的に引渡すことが可能となるであろう︒ ︵3︶. 二項の規定は︑当初︑スウェーデン案やスウェーデン修正案にはなく︑一九七九年の作業部会の審議におけるソ連. 提案に端を発するものであり︑一九八四年に作業部会において妥協的に合意が成立するまで議論は紛糾したQ ︵4︶ ソ連提案︵およびそれを受け継ぐ形の一九八○年の修正提案︶は︑拷問をうける危険性の存在の証拠として︑当該. 国の大規模人権侵害の事態を考慮する必要性を規定するとともに︑規定中にかかる事態の例示を設けようとした︒す. なわち︑﹁人権の大量かつ重大な︵日9 ︒︒︒︒ き儀自轟轟暮︶侵害﹂の解決の追求に優先性を与えるべきことを確認した一 ︒. 九七七年一二月一六目の総会決議三二/二二〇・一項@にならい︑アパルトヘイト︑人種差別︑ジェノサイド︑植民. 二一. 地主義︑新植民地主義︑民族解放運動の抑圧︑侵略︑外国領域の占領といった事態を列挙したのである︵リストは決 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(22) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 議三二/一三〇とは完全には同一ではない︶︒ ︵5︶. 二二. ︵6︶. かかる提案に対して︑特定タイプの事態を列挙することは︑拷問が容認されうる他の事態が存在することを意味す. るものと誤解されかねない︑例示の少なくともいくつかは︑不必要な政治的意昧を条約にもち込むものである︑もし. リストが維持されるなら︑他の大規模人権侵害の形態︑たとえば宗教的不寛容︑表現の自由や結社の自由の否定︑恣 ︵7︶ 意的な逮捕や拘禁の組織的慣行なども追加されるべきである︑といった批判が出された︒. インド代表は︑一九八四年の審議において︑非公式協議の後に︑妥協案として︑例示リストを削除するとともに︑. ﹁人権の大規模な︑重大な又は大量の侵害の継続的パターン︵四8霧毎の葺焉ぎ旨○︷αq8β山m讐き8同ヨ霧︒︒≦9. ︵8︶ 一鋒o霧縁ビヨきユ讐房とという現在の文言にすることを提案し︑一般的合意を見た︒かかる文言は︑経済社会理. 事会決議二⁝五︵図い目︶および一五〇三︵図いく目H︶と︑総会決議三二/二二〇に見出される︑大規模人権侵害を. 表現するための用語︵前者の場合は..勉8霧巨︒馨冨箒旨亀αQ8器︑.︑後者の場合は︑︒旨器ωき傷︷一品寅艮︑︑︶をす ︵9︶ べて羅列したものである︒. こうした妥協的な文言をとらざるをえなかった背景には︑社会主義国および一部の発展途上国と︑西側諸国との間. の︑大規模人権侵害をめぐるアプ・ーチの相違がある︒すなわち︑国連が大規模人権侵害に対する取組みに優先性を. 与えるべきことには︑一応の一般的合意がある︒しかし︑かかる大規模人権侵害として何が意昧され︑また強調され. るのかに関して︑両者の間には決定的な相違がある︒社会主義国・一部の途上国は︑国連行動の優先的な対象とされ. るべき大規模人権侵害として︑決議三二/=二〇の例示にあるような︑主として外的な政治的要因に関わる一定の事. 態を強調しようとし︑だからこそあくまで決議三二/二二〇の規定の仕方に固執した︒これに対して西側諸国は︑国. 内酌地方酌レベルの事態をも同時に重視することにより︑人権実施機関の現実酌な活動を推進しょうとする︒これら.

(23) の諸国としては︑人権委員会の決議一五〇三秘密通報手続や決議一二三五公開審議手続が実際に取組んできた事態の. 多くが︑こうした国内的事態であることをふまえ︑事態の限定的列挙に反対し︑決議一五〇三や一二三五の文言の挿 ︵10︶ 入を主張したのである︒. ︵11︶. 以上のように︑二項に関する議論は諸国の人権に関する立場の対立を反映したものとなったが︑一般的には︑二項. の挿入の意義は次のように法的に評価されよう︒UNHCRの代表の指摘のように︑確かに︑ノソ・ルフールマソ原. 則の適用は窮極的には個人に関わる事情の審査によって決定されるものであるが︑当該個人に拷問の危険性の厳格な. 立証を要求することは実際には困難な場合も多いであろう︒そこで︑拷間が典型的な侵害形態を構成する大規模人権. 侵害の事態という一般的状況に証拠価値が与えられることにより︑結果として拷問の危険性の立証程度の緩和に資す. ることになる︒ただ︑大規模人権侵害の存在が確認されても︑必ずしも隣接する人権侵害︵略式処刑︑強制的行方不. 明︑被拘禁者の虐待など︶から区別される形で拷問の危険性を特定できるとは限らないから︑かかる場合でも︑保護. 法益の絶対性の見地から︑拷間の危険性の実質的根拠があるとみなされるべぎであろう︒次に︑作業部会の議論の結. 果︑大規模人権侵害に内容的な限定が加えられなかったことも評価できる︒もっとも︑アプローチの相違が諸国間に. 存在する以上︑大規模人権侵害の法的な性格づけには︑締約国の裁量の余地が十分残されている︒ ︵12︶. 最後に︑本条の間題に関連して︑欧州人権条約上の実行について簡単にふれたい︒欧州人権条約は︑庇護権や犯罪. 人引渡しに関する規定をもたないが︑欧州人権委員会は︑追放︑送還︑引渡しなどの措置が︑一定の例外的な事例に. おいては︑特に同条約三条に関する問題を提起し︑委員会による審査の対象となりうることを一貫して認めてきた︒. 二三. つまり︑当該個人の基本的人権が﹁継続的にまたは著しく侵害される﹂おそれのある国にその者を追放するような条 ︵13︶ 約当事国の措置は︑それ自体が非人道的取扱いであるといった形で三条違反を構成しうるのである︒この場合︑保護 拷問等禁止条約の意義︵今井直V.

(24) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 二四. されるべぎ個人の法益とは︑拷問からの自由には限定されないより広範なものである︵もっとも︑重大な保護法益で. あることが要求されているように思われるが︶︒また︑追放などの措置が三条違反となりうる例外的な場合を認定す ︵14︶. る際の判断基準として︑委員会は︑送り先の国における具体的な事態とならんで︑その国の体制それ自体の性格とい. う基準をも示している︒このように︑欧州人権条約は︑非人道的又は品位を傷つける取扱いの概念に関して比較的確. 立した共通認識を基盤として︑国連とは異なるアプローチでより柔軟にこの問題に対処しようとしている︵ある意味. で︑国連の場においては︑拷問の危険性のある国への追放等の措置がそれ自体非人道的取扱いであるとするような共. ℃℃.㎝ト9.. oワ9一. ℃︒卜. \に︒︒ ︒も℃●聾もひ9. ℃藁ド. たとえば︑政府コメントにおけるイタリアの指摘を参照︒q︒客Uo2国\OZ.農畠犀\︾臣. 一お挙マ9他の同様の指摘として︑オース. 通認識が欠如しているがゆえに︑あえてかかる措置を明示的に禁止する必要があったともいえる︶︒. ︵1︶. 一葛\oz.. トリァ︑スペインの政府コメント︒国\02﹄\お唇Oマ畠 ︵2︶国\o客藤\一ω§o℃●g紳●も●. ︵4︶ 国\02︒ \置OOo︸oや息酔. ︵3︶一獣伍●︵国\OZ﹄\一︒ ︒&も︒心ド. ︵6︶国\OZ﹄\置︒c︒もマ9酔 も●㎝︒●. ︵5︶国\OZ﹄\一ω寒8︐9梓︒も●轟. \認. ︵7︶q.29Uo︒ 団\02﹂\おc︒G︒\①も︒﹂︒G ︒ωも99. 仏語正文では︑決議一五〇三の当該表現がく毒窪器巨匿︒留ξo一&oづ凹旨αq建馨99ω旨ま目&書窪V︵一項︶であるため︑同じ羅列方. ︵8︶ 国\OZ●藤\一〇〇 〇. 式の結果として︑︽章窪器ヨ醒︒留≦○一毘o旨ω芝ω審ヨ&潟霧留ψ穿o一諾留一.ぎ目置ρσQ建話ω猟一品箏導︒ψ3目器巴く窃Vとなっている︒な. ︵9︶. 両者の主張に関して︑国\OZ﹄\這︒ ︒農鳶も℃●︒F℃℃﹄6における東ドイツ︑ソ連︑アメリカの発言参照Qまた︑大規模人権侵害の概念に. お︑英語正文︑仏語正文とも︑これらの修飾語は︑﹁かつ︵鴛斜露︶﹂ではなく︑﹁又は︵oさa︶﹂で接続されている点が注目されよう︒ ︵10︶.

(25) 関し風今井直﹁国連のアド・ホヅク人権講査について0﹂早稲田大学大学院法研論集二六号︵一九八三年︶四−八頁︒. 型9U亀ぎ8るF箸﹄8ーωら参照︒. ︵11︶国\OZ﹂\一〇〇︒︒ o \①ωも℃︐9仲こ毛﹄ふ.. ︵12︶. 普遍主義の採用. ︵14︶目び一山●︵Z9一c︒8\9︶. ︵13︶たとえば︑2︒﹂c ︒量貫塔善8ぎ<︒一昼一§も﹄串乞︒無︒一一\蚕国§o§壼題Fu8坤巴自思&寄2誉知︒耳一塞も・器騨. 六. 本条約は︑拷問犯罪の抑圧・処罰のための国際協力を強化することを目的として︑国際刑法上の諸規則を導入し. た︒すなわち︑航空犯罪︑外交官等に対する加害行為︑人質行為︑核物質の奪取行為などのいわゆる国際的テ露行為. に関する諸条約をモデルとして︑優先順位を設けることなく︑属地主義︑国籍主義︑受動的属人主義の他︑普遍主義. にもとづく刑事裁判権設定のために必要な措置をとる締約国の義務を定めた︵五条︶︒さらに︑容疑者の抑留︑予備. 調査︑関係国への通告の義務︵六条︶︑容疑者を引渡さない場合︑訴追のため権限ある当局に事件を付託する義務︵七 ︵1︶ 条︶︑犯罪人引渡し︵八条︶︑司法共助︵九条︶について規定した︒これらの規定により本条約は︑拷問犯罪に関し. て︑容疑者所在国が﹁引渡しか又は訴追か︵鋤暮留号お9葺冒島8お︶﹂の原則に拘束されることを意図したものと いえる︒. 普遍主義を採用したスウェーデン案を支持する立場のアメリカは︑拷間は﹁国際法に反する犯罪﹂であり︑海賊や ︵2︶ 国際的テ冒行為同様︑普遍的管轄権の承認は適当であるとした︒これと対照的にイギリスは︑拷問は国際的テ官行為. 二五. と同様の明瞭な国際的性格を有するものではないとした上で︑属地主義の優位を維持する伝統的な英米法の立場に立 ︵3︶ ち︑拷問に関する例外的に広い域外管轄権は︑実際的でないと反対した︒ 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

(26) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 二六. 概して︑普遍主義の採用についての作業部会の審議においては︑拷問犯罪の法的性格に関する疑間よりも︑むしろ ︵4︶ 証拠収集や公正な審理の確保に関わる実際的困難について指摘がなされた︒拷問が本来密室性を帯びた犯罪であり︑. かつ自国公務員の犯した拷問に対する犯罪地国当局の容認が存在する場合︑実質的な司法共助は期待でぎないからで ある︒. ︵5︶ しかし︑作業部会議長︵オランダ代表︶の提案によって︑訴追のための事件付託義務を定めた七条一項から﹁当該. 犯罪行為が自国の領域内で行なわれたものであるかどうかを問わず﹂﹁いかなる例外もなしに﹂﹁義務を負う﹂といっ. た文言が削除され︑訴追のための事件付託の義務性が弱められたこと︵もっとも︑﹁事件を付託する︵︒︒ぼ=旨ぴ巨叶. 昏①8器︶﹂という表現が残されている以上︑その義務性が否定されたわけではない︶︑さらに︑七条二項後段として︑. 普遍主義にもとづく訴追や有罪判決のために必要とされる証拠基準が︑他の主義にもとづく場合と同様に厳格なもの. でなければならないとする規定︵国際的テp行為に関する諸条約には見出せない規定︶が追加されたこと︑などによ. り消極的な諸国の譲歩を引ぎ出した︒これらの修正・追加は︑普遍主義にもとづく︑訴追のための事件付託︑起訴︑ ︵6︶. 処罰の可能性が︑実際には︑十分な証拠の存在等に関する締約国の裁量的判断によって大きく左右されることを意昧 するものである︒. かくして︑一九八四年の審議においては︑前年までと異なり︑普遍的管轄権を条約に含めることに対して反対する ︵7︶ 代表はいなくなり︑コンセンサスが成立したQ ︵8︶ ところで︑本条約の目的と特に関連させて︑普遍主義の採用を意義づけるならば︑次のようにのべられよう︒本条. 約作成の重要な意図は︑国内的な防止・救済措置のとられる可能性が少ない事態︑つまり拷間が制度化・慣行化して. bる事態に対して国際酌に対応するとヤう点にある︒そこでは︑当該国が拷問を行なった公務員を訴追︑処罰するこ.

(27) とは︑よしんばその国が本条約の締約国となり処罰義務を負ったとしても︑あまり期待できないであろう︵属地主義. の限界︶︒したがって︑普遍的管轄権にもとづく処罰の可能性は︑国家によって容認された個々の拷問行為者にとっ. て︑唯一の抑止的効果を有することになる︒もっとも︑普遍的管轄権の行使は︑これらの拷問行為者が︑旅行などの ︵9︶. 私的目的のために自国を離れ︑他国︵締約国︶に赴いた場合を想定しているが︑かかるケースはけっしてあり得ない. ことではない︒また︑政権の変更などがあり︑自国を脱出した拷間行為者に対して︑法的︑政治的な理由により引渡 しが不可能な場合にも︑普遍的管轄権の行使が考えられる︒. 次に︑個人の国際刑事責任の観点から︑拷問の国際法上の性格に関して検討する︒. かかる問題について論述したU.浮艶㌶は︑まず︑拷間を︑国際法自体が﹁国際法上の犯罪﹂と宣言しているジェ. ノサイド︑アパルトヘイト罪︑戦争犯罪といった犯罪類型から厳格に区別する︒ついで︑普遍主義を採用した本条約. 案に関しては︑海賊︑奴隷売買︑国際的テβ行為と同様︑国際法が国家に対して処罰する権限または義務を規定し︑. それにもとづき国内法の下で処罰されるにすぎない﹁普遍的利害を有する犯罪︵的段冒︒鉱琶貯段器=簿︒冨ε﹂と. して拷問を位置づけようとしていると結論する︒その理由として︑一九七八年の国際刑法学会案が︑拷問を﹁国際法. 上の犯罪﹂と宣言し︵一条︶︑かつ個人の国際刑事責任を規定していた︵三条︶にもかかわらず︑結局は︑かかる点 ︵10︶ に関して何ら言及していないスウェーデン案が起草作業の基礎として選択されたことをあげている︒. しかしながら︑国際刑法学会案自体は︑∪︑Nξ崖鎚の議論の前提たる犯罪類型の峻別の上に立った草案ではない︒. 学会自らの注釈によれば︑拷問と同種の﹁国際法上の犯罪﹂として︑ジェノサイド︑奴隷売買︑ハイジャック︑外交. 二七. 官等に対する加害︑戦争犯罪︑海賊︑アパルトヘイト罪などが区別なく列挙されており︑また一般的に︑かかる国際 ︵11︶ 犯罪のコ官ラリーとして普遍的管轄権が理解されているのである︒ 拷問等禁止条約の意義︵今井直V.

(28) 早稲田法学会誌第三十六巻︵一九八六︶. 二八. 思うに︑条約等が明示的に﹁国際法上の犯罪﹂と宣言し︑個人の国際刑事責任を規定し︑かつ国際裁判所の管轄を. 予定している場合︵ジェノサイド︑アパルトヘイト罪︑戦争犯罪︶でも︑また︑犯罪の構成要件を明確にするととも. に普遍主義を採用しているが︑積極的に﹁国際法上の犯罪﹂とは宣言していない場合︵海賊︑国際的テ戸行為︑拷. 問︶でも︑国際刑事裁判所の創設されていない現段階においては︑犯罪者の審理︑処罰は︑いずれにしても︑国際法. にしたがって管轄権を行使する国内裁判所に依存せざるをえず︑また実際の訴追や量刑等に関しても国内刑事法令の. 介在が必要であり︑かかる側面からは︑犯罪類型を厳格に区別する実益はそれ程ないというべきである︒国際法が普. 遍主義を承認し︑それにもとづき国家が裁判権を行使する以上︑当該国家はその主観的利益の存在の如何にかかわら. ず︑犯罪者を審理︑処罰するのであって︑この点に注目する限りにおいて︑追及される個人の責任は︑単に国内法上. なお︑本条約が拷問を国際犯罪と性格づけ︑普遍主義を規定したことの国際慣習法領域への影響も︑またけっして. のものにとどまらず︑実質的には国際法に根拠づけられざるをえないと考えられ︑かくて国際法違反の犯罪としての ︵12︶ 拷問の性格も肯定されるのである︒. 無視しえない︒アクハ!スト︵ζ︒︾落ξ震酔︶によれば︑条約当事国の領域外で実行された犯罪につき︑第三国国民 ︵13︶. の訴追を認めた条約は︑その条約の締結や執行に対して第三国が抗議しない限り︑こうした訴追を許容する国際法規. 則の存在の推定を可能とする︒かかる見解に立つならば︑本条約は︑右の条件の下で︑普遍主義にもとづく拷問犯罪. の訴追を許容する国際慣習法規則の確認の強い証拠となりうる︒この場合︑条約の非当事国であっても︑普遍主義に. もとづく拷間犯罪の訴追は︑それが自国の義務ではないにせよ︑国際犯罪に関して国際慣習法によって許容された権 限として︑その合法性が承認されることになる︒. 最後に︑本条約における犯罪の抑圧・処罰体制が︑明らかに国際的テβ行為に関する諸条約をモデルにしているか.

(29) らといって︑その罪質自体の基本的差異は見過ごされてはならない︒まず︑拷間は通常︑それ自体としては国際的要. 素の存在しない純然たる国内的な行為である︒次に︑本条約における拷間犯罪とは︑何らかの形で公務員の関与する. 行為を対象とする︒もっぱら私人による行為が間題となる国際的テロ行為とは大きな違いである︒さらに︑本条約が. 制度化・慣行化された拷問に強い関心を示していることを考えあわせれば︑むしろ︑国家機関によってその領域内で. 組織的に実行されると考えられるジェノサイドやアパルトヘイト罪に罪質の上ではより類似しているといえよう︒か. かる考慮は︑本条約の実効性が︑普遍主義︵国際刑法上の制度︶の採用と並んで︑国際的実施措置︵国際人権法上の 制度︶によって担保されることの必要性をあらためて認識させるものである︒. 国際的テロ行為に関するこれら諸規定の特徴と問題点について︑ たとえば︑西井正弘﹁国際犯罪に対する普遍的管轄権の意義﹂国際法外交雑. ︵2︶. ¢︒2●Uoo. 団\02︒. 誌八二巻一号︵一九八三年︶︒. ︵1︶. ︵3︶. 一げ一臥. 国\O客農60 ︒ミooO\>ま﹂︸8る霊もP早Sまた︑普遍的管轄権が政治目的のために利用される危険性に関しても指摘された︒一びここPS. したがって︑普遍的管轄権の現実の行使は︑被害者や証人が訴追国に所在するといった一定の限られた条件下でのみ起こりうるであろう︒ま. ℃P?O︒. 国\02ム\一ωに\︾創儀●一﹂零Pb●G︒●. マ一9. ︵4︶. \一ωに℃oマ9け. ︵5︶. 国\OZ6 \一〇〇〇 \認 o℃︒9ε℃ふ●. 他国の公務員を訴追︑処罰するのであるから︑外交的配慮によって管轄権の行使をさし控える場合もあろう︒. 国\02﹄\ぢo︒足ωO\>段﹂矯oマ鼻 も●ご国\O客赴一〇〇︒ω\$︸oワ鼻. た︑. ︵6︶. ︵7︶. 米国連邦裁判所における不法行為訴訟であるが︑パラグアイ国内で発生したパラグアイ国民間の拷間事件︵被告は元警察最高監察官︶の例が. ℃ふ参照︒. ︵9︶. ︸. ︵8︶. 二九. 毛︒BU.N躍三5ぼ岳く崔爵一因oω℃o房一び旨蔓︷o噌↓9貫3qロ畠R一暮o旨典一〇富一ピ帥ぎ↓三昏①H餌≦男①︿一〇ぎ<o一ひ9一〇〇︒ピ℃℃﹄一〇1曽. ある︒田訂旨一撃. く 評9・一篤5窃Oコ旨o︒刈︒︵卜︒畠Ω磐ごG ︒O︶︵管轄権判決︶︑0ミ男ω巷マc︒8︵国●q2・網●おG︒ ︶︵本案判決︶︒ ︵10︶. 拷問等禁止条約の意義︵今井直︶.

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