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第 3 章 DPF の圧力損失とろ過効率の最適化

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(1)第3章. DPF の 圧 力 損 失 と ろ 過 効 率 の 最 適 化. 前章においては主に熱応力的な観点から DPF の最適設計を導いた。これにより DPF が 車両上にて受ける熱衝撃に耐え得る構造体となり耐久性が確保されたことになる。この DPF 構造体を用いて本章においてはガス流れに関する問題を扱う。ガス流れにおける問 題においては DPF を通過するガス流が受ける抵抗により生じる圧力損失とガス流中に 含まれる PM をろ過する問題に分けることができる。圧力損失は 2.1 節でも扱われたよ うに燃料損失を伴い燃費の悪化をもたらす。またその割合はディーゼルエンジンの最大 メリットである高い燃費性能を少なからず損なうものである。そのため最小化する手法 が重要視される。またろ過効率は DPF の本来の主機能である PM をガス流体から低減す る性能を表すものである。ろ過効率は圧力損失と背反関係にありろ過効率が高いものは 圧力損失も高くなるのが一般的である。本章では低い圧力損失を保ちつつ高いろ過効率 を達成するために 3 章にて同時にガス流れの問題として扱うことにした。 3.1. 圧力損失とろ過効率理論. ウォールフロー型 DPF の圧力損失構成要素を付録 3 に示す。DPF の圧力損失は、 ΔP1: 流路縮小抵抗 ΔP2: チャンネル通過抵抗 ΔP3: 壁通過抵抗 ΔP4: PM 層通過抵抗 からなる[3‑1],[3‑2],[3‑3]。図 3.1.1 に計算と実験の整合性を示す。実験には 2.0L の DI エンジンを使用し 3000rpm/50Nm にて運転した。使用したフィルタは気孔径/気孔率 =9µm/42%, φ143.8x 6 インチ長さである。理想的なエンジンベンチ条件では実験と計 算は良く一致した。 20000 18000 Pressure Drop (Pa). 16000 14000 12000 10000 8000. Experiment Simulation. 6000 4000 2000 0 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. Volumetric Soot Load (g/L). 図3.1.1 実験とシミュレーションの一致 3-1. 7. 8.

(2) 図 3.1.2 にはこの圧力損失計算式における P1‑P5 の圧力損失要素を分離して示す。こ の計算結果によると、全圧力損失の中で PM 層の寄与が最も大きく、PM 量 5g/L におい て約 80%を占めることが明らかであり、つぎに壁の通過抵抗が大きい。 20000 Total Pressure Drop Wall+Soot Pressure Drop Wall Pressure Drop Soot Pressure Drop Inlet Channel Friction Outlet Channel Friction Inertial Contraction Loses Inertial Expansion Losses. 18000. Pressure Drop (Pa). 16000 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. Volumetric Soot Load (g/L). 図3.1.2 圧力損失に対する各要素の寄与. 式(3.1.1)に圧損ΔP とガス透過性の関係を示す。壁のガス透過性は k として表され、 ガスの透過性が大きいほど圧力損失が低下する反比例の関係にある。ガス透過性 k は実 測することができる。. µQ 8FL  2ζρQ2(a+ws) L 2 ws ∆P= (a+ws)  + 4 +   2 2 2Vtrap k 3 a V a trap a  a  4. ΔP : Q: μ: Vtrap: a: ws: F: L: k: ζ: ρ:. -式(3.1.1). 圧力損失[kPa] 体積ガス流量[m3/s] ガス動粘性 有効セル容積[m3] セル幅 [mm] セル壁幅[mm] 定数(28.54) 外径[mm] 壁ガス透過性 縮小/膨張慣性損失係数 ガス密度[kg/m3]. 3-2. 2.

(3) 式(3.1.1)の両辺を Q で割ると式(3.1.2)を得る。式(3.1.2)の∆P/Q と流量:Q の関係は 直線関係となり、その Y 切片からガス透過性を求めることができる。ガス透過性とは DPF のろ過壁一枚をガスが通過するときの抵抗を示し DPF の圧力損失設計の基本単位と なる。さまざまな気孔構造の多孔質体のガス透過性を個別に求めておくことでセル構造 やフィルタなどの設計諸言を与えることで圧力損失の予測が可能になる。それぞれの気 孔構造のガス透過性 k の測定結果と圧力損失の関係を、壁厚 12mil、セル密度 300cpsi の場合について図 3.1.3 に重ねて示す。気孔構造をポーラスすなわち気孔径、気孔 r つ を大きくするに従い圧力損失は低減するがガス透過性を 0.5〜0.7 近辺で漸近しそれ以 上はいくら気孔構造をポーラスにしてもそれほど圧力損失を低減できないことが理解 できる。. ∆P µ  2ζρ (a+ws ) = (a+ws)2  ws + 8FL + 4  Q 2Vtrap V2trapa2 ka 3a . 4. 2. L    Q  a ‑式(3.1.2). 12 9um/ 11um/ 42% 42%. 15um/ ←測定した多孔質体 47.5% 17.5um/ の気孔構造を示す 50% 12.5um/ 気孔径[mm]/気孔率[%] 45% 12mil/300cpsi. 圧力損失[kPa]. 11 10 9 8. 10mil/300cpsi. 7. 8mil/300cpsi. 6 0. 0.5. 0.9 1.2 1.4 1. 1.8 2. 3. 4. ガス透過性[um2]. 図3.1.3 ガス透過性と圧力損失の関係: 圧力損失はシミュレーション ガス透過性は実測に基づく DPF におけるろ過効率の理論は[3‑2]により定義されている。付録 4 にその抜粋を示 す。 [3‑2]によるとろ過効率は、 1)ブラウン運動による捕集. 3-3.

(4) 2)さえぎり効果による捕集 により表される。1)の効果はろ過対象の粒子が小さくなるほど高くなり、2)の効果は 逆に粒子が大きくなるほど高くなる。したがって、中間の粒子に対するろ過効率がもっ とも低くなる DPF の場合は、100nm 近辺の PM 粒子がもっとも捕集することが困難にな る。。コレクターとは PM 粒子を捕らえる収集物体を言いここでは DPF の粒子構造を指す ことになる。そのコレクター径に対する依存性は、1) 、2)の効果ともにコレクター径 が小さくなるほど捕集効率が良くなる。コレクター径が小さくなると流路は細く、長く、 複雑になるので、それだけブラウン運動による衝突やさえぎりによる衝突の頻度が高く なるからである。 3.2. 圧力損失の低減方法. 圧力損失には初期つまり DPF に何も堆積していないときの圧力損失と触媒コート後 (触媒コートとは DPF に酸化物触媒を分散させるためにγ‑Al 2O3 中に貴金属を高分散さ せたスラリーを DPF に含浸コートすること。)の圧力損失、PM 堆積後の圧力損失ならび にオイル中のアッシュ分と呼ばれる金属分が堆積した状態の圧力損失がある。PM 層は 再生することにより低減するので圧力損失に対する寄与も低減するが、その一方、アッ シュ分の堆積量は洗浄するまで低減しないので圧力損失は増加していく。従って DPF の 耐久性はクラックなどの損傷によるろ過効率の低減とアッシュによる圧力損失増加に よる制約も考慮しなければならない。すなわち、全体の圧力損失を低減する場合、初期 圧力損失、コート後圧力損失、PM 堆積後圧力損失、アッシュ堆積後圧力損失があり、 その低減化手法は異なる。 3.2.1. 初期圧力損失の低減方法. 図 3.2.1 にセル構造を変化させたときのガス透過性に対する圧力損失の変化を示し た。図に見られるように、ガス透過性 k=0.5 までの範囲において圧力損失は急激に低下 するが、それよりガス透過性を大きくしてもそれほど圧力損失は低減しない。そこでセ ル密度を 300cpsiに固定し壁厚を薄くした時の効果について調べた結果を図 3.2.2に示 す。この図から、初期圧力損失に対して壁厚を薄くすることは大きな低減効果があるこ とが理解できる[3‑4][3‑5]。. 3-4.

(5) 12 9μm/11μm/ 9um/ 11um/ 15μm/ 15um/ 17.5um/ 42% 42% 47.5% 17.5μm/ 50% 12.5um/ 12.5μm/ 45%. 圧力損失[kPa]. 11 10. 12mil/300cpsi. 9 8. 10mil/300cpsi. 7. 8mil/300cpsi. 6. 0.5. 0. 0.9 1.2 1.4 1. 1.8 2. 3. 4. ガス透過性[um2]. 図3.2.1 ガス透過性と圧力損失の関係: 圧力損失はシミュレーション ガス透過性は実測に基づく. 3.2.2. PM 堆 積 後 の 圧 力 損 失 低 減 方 法. 図 3.1.2 から分かるように、5g/L‑PM 堆積後の圧力損失は 80%が PM 層に起因するも のである。走行中の DPF による圧力損失を低減するためには PM 堆積後の圧力損失の低 減を図ることがもっとも重要である。同重量にてセル密度を高くすることは初期圧力損 失に対して負の効果になる。しかしながら、PM 堆積後においては PM 層を薄くでき、そ のガス透過性を高めることができるので圧力損失を低減する効果がある。. 表3.2.1 PM堆積後圧力損失の低減試験の要因と水準. 実験水準. ①. ②. ③. 材料. R‑SiC. R‑SiC. R‑SiC. 気孔構造[μm/%]. 11/42. 20/60. 11/42. セル構造[mil/cpsi]. 16/200. 12/300. 10/300. 3-5.

(6) 20 フィルタサイズ:φ143.8 x150mmL 触媒コート: 無し エンジン: 2.0L DI Engine 条件: 3000[rpm] 50[Nm]. 圧力損失 [kPa]. 15. ①. ②. 10. ③. 5. 0 0. 2. 4. 6. 8. 10. 捕集PM量 [g/L] 図3.2.2 PM捕集時の圧力損失推移 表 3.2.1 に PM 捕集堆積後の圧力損失低減試験の要因と水準を示す。セル密度ならび に気孔径/気孔率をともに大きくした水準と気孔径/気孔率をそのままに固定して気孔 セル密度を上げ壁厚を薄くした水準の 3 つの水準の再結晶 SiC‑DPF を準備し、PM を捕 集しながらその圧力推移を測定した。図 3.2.2 にその結果を示す。結果から分かるよう に PM 捕集後の圧力損失を低減するためには先に考察したように気孔径/気孔率を大き くするよりも、むしろ壁厚を薄くして開口率を上げセル密度を上げてろ過面積を大きく することがもっとも有効であることが分かった。 3.3. 触媒コートと圧力損失. 3.2 節より理解できるように気孔構造をよりポーラスにしていくことは、それほど初 期圧力損失や PM 堆積後の圧力、損失低減に対して効果はない。かえって気孔構造がポ ーラスになると、後に示すようにろ過効率が低下するので得策ではない。しかしながら、 DPF を触媒化して使う場合は気孔構造が小さくなりガス透過性が低下する。そこでコ触 媒担持してガス透過性が適正になるように気孔構造をあらかじめポーラスにすること が考えられる。そこであらかじめ気孔構造の小さいものから大きな多孔質体を再結晶 SiC 材料を用いて作製し壁のガス透過性実験を行うことによりその影響を明確にするこ とにした。表 3.3.1 にガス透過性実験に用いた多孔質体を示す。図 3.3.1 に実験装置を 示す。流速を小さし、流量に対する圧力損失を精密に測定する。図 3.3.2(a),(b),(c) に DPF に触媒コートを 20g/L, 40g/L, 60g/L した場合のガス透過性を示す。図よりそれ. 3-6.

(7) ぞれのコート量における適正気孔構造が推察できる[3‑6]。 触媒をコートする前の気孔構造の最適値は気孔径/気孔率=9µm/42%であることが分か る。触媒を DPF に 20g/L 程度コーティングする場合は気孔径/気孔率=11µm/42%の気孔構 造が最適である。触媒を DPF に 60g/L コートする場合は、少なくとも気孔径/気孔率 =12.5µm/45%の気孔構造が必要になることが図より分かる。 つぎに、実際の触媒コート後の圧力損失上昇について実験を行い検証する。気孔径/ 気孔率=9µm/42%, 30µm/50%, 20µm/60%の 3 種類の DPF を作製し、アルミナのコート量 を増加させていき、DPF の初期圧力損失の増加率を評価した。その結果を図 3.3.3 に示 す。これより気孔構造がポーラスになるほどその増加率は小さくなることが分かる。 20µm/60%の気孔構造においては、10%増加率にて限界とすると 100g/L ものコートが可能 になる。しかしながら気孔構造をポーラスにすることは、第 2 章にて考察したように熱 伝導率、強度ともに大きく低下する方向であり、DPF 基材の熱衝撃破壊抵抗係数を減少 する設計である。触媒コート量は第 2 章で求めた最適 PM 再生量が確保した後、許容範 囲にて気孔構造をポーラスにすることが肝要である。. 熱電対. 熱電対 ΔP. 図3.3.1 ガス透過性試験装置 測定ガス流速: 5cm/sec サンプルサイズ: φ25*50mm セル構造: 10/300. DPF. 表3.3.1 触媒担持がDPFに与える影響を調査する実験に用いた多孔質体 実験水準 気孔構造[µm/%] コート量[g/L]. ①. ②. ③. ④. ⑤. 9/42. 11/42. 12.5/45. 15/47.5. 17.5/50. 0. 20. 30. 40. 60. 3-7.

(8) 圧力損失[kPa]. 12. 9μm 15μ m 11μm 17.5μ /42% /47.5% /42% m 12.5um /50% /45%. 11 10. 12mil/300cpsi. 9 8. 10mil/300cpsi. 7. 8mil/300cpsi. 6 0.3 0.6 11.0. 0. 1.3 1.7 2. 3. 4. ガス透過性[um2] (a) 触媒コート量 20g/L. 圧力損失[kPa]. 12. 9μm 15μ m 11μm 17.5μ /42% /47.5% /42% m 12.5um /50% /45%. 11 10. 12mil/300cpsi 9 8. 10mil/300cpsi. 7. 8mil/300cpsi. 6 0. 0.2 0.4 0.9 1. 1.2 1.6. 2 ガス透過性[um2]. (b) 触媒コート量. 3. 4. 40g/L. 12 9μm. 圧力損失[kPa]. 11 10. 15μm 11μ m 17.5m /42% /42% /47.5% /50% 12.5um /45%. 12mil/300cpsi 9 8. 10mil/300cpsi. 7. 8mil/300cpsi. 6 0 0.150.3 0.7 1 1.1 1.4 2 ガス透過性[um2] (c) 触媒コート量. 3. 60g/L. 図3.3.2 触媒コート した時のガス透過特性 3-8. 4.

(9) 50 9μm/42%. 圧力損失増加率[%]. 40. 30μm/50%. 気孔径/気孔率 20μm/60%. 30 20 10. 測定ガス流速 =50m3/hr 0 0. 20. 40. 60. 80. 100. 120 140. 160. 180. 200. γ-Al2 O3 担持量[g/L] 図3.3.3 貴金属分散のためのγ-Al2 O3担持量と初期圧力損失の増加度. 3.4. ろ過効率と気孔構造. 前節においては圧力損失を最小化するする手法についてさまざまな気孔構造、セル構 造の影響を調査した。本節においては低い圧力損失を維持した状態で DPF の本来の機能 である高いろ過特性を得るための DPF 構造を追究した。 3.4.1. PM の 構 造. PM の生成過程は,大きく次の 4 段階に分けられると想定される[3‑7]。 ① 燃料分子が熱分解・酸化,重合によりベンゼン分子,さらには多環化により多環芳 香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon,以下,PAH)へと成長する。 ② PAH が凝集し,Soot 結晶子を形成する。 ③ 結晶子が凝集し球形の一次粒子を生成する。 ④ 一次粒子が凝集し,鎖状の凝集体 PM を生成する。 PAH は,サイズが小さいうちは分子間力が弱いために凝集は起こらず,多環化による 成長過程が支配的であり,サイズが大きくなると分子間力が強くなり,凝集が始まると 考えられる。図 3.4.1 に透過型電子顕微鏡で観察したディーゼルエンジンから排出され た PM の詳細画像を示す。. 3-9.

(10) 図3.4.1 TEM(透過型電子顕微鏡)による PMの観察(160万倍) PMの捕集条件 ; エンジン: PSA DW10 2L DI コモンレール式エンジン 運転条件: 3000rpn, 50Nm 図において、1‑2nm 程度の PM 結晶子が凝縮して 10nm 程度の一次粒子が観察される。 また、それらの一次粒子が数個集まって 100nm 程度の二次粒子すなわち凝集体 PM が形 成されている様子が良く観察される。C の結晶子の大きさを求めるため X 線回折を試み た結果を図 3.4.2 に示す。図より C{002}面の回折角の半値幅 FWHM から結晶子の大きさ は 1.4‑1.5nm と計算された。これは透過型顕微鏡写真から観察される結晶子像の大きさ と一致した。. 15. 20. 25 回折角(°). 30. 図3.4.2 PMのX線回折による結晶子計測 (C{002}の半値幅(FWHM)測定) 3-10. 35.

(11) 3.4.2. PM の 組 成 と モ デ ル 図. 図 3.4.3 に TG/DTA にて組成分離を試みた結果を示す。100℃までに重量減少する成分 は水であると考えられる。350℃までに重量減少する組成は SOF 分(SOF: Soluble Organic Fraction)であり、主に未燃焼の燃料やオイル分に相当する。700℃までに重量 減少する成分は固体の炭素(C: Carbon)である。それ以上に温度を上げても重量減少し ない成分は金属分となる。金属成分はオイル中に軽油中に含まれる硫黄分の燃焼による。 硫黄塩(S: Sulfer)分の中和剤である Ca や耐磨耗剤、清浄剤である Zn, Mn 等の金属化 合物からなる。また、触媒を燃料中に混入させる燃料添加剤システムにおいては、触媒 成分である酸化セリウム(CeO2 : Cerium Oxide)や酸化鉄(FeO: Iron Oxide)なども金 属分として計測される。. ?H2O. ?SOF. ?C. 図3.4.3 TG/DTAによるPM組成の分離. 3.4.3. ろ過特性評価装置. 粒子状物質とは、空気により 51.7deg.C 以下に希釈した排ガスから特殊なフィルタに 捕集される凝縮水以外の全ての物質であり、測定法として図 3.4.4 のように重量法と粒 子径法に大別される。. 3-11.

(12) 重量法 重量法 (現在認められている唯一の方法) ・ フィルタについた粒子状物質を天秤にて計測する方法 準重量法 ・ フィルタについた粒子状物質を燃焼させて生じるガスから計測する方 法 粒子径法 SMPS等で粒子分布 を測定 (基準がないため、比較が困難である。現在、国連にて検討中である。). 図3.4.4 PMの測定法 PM のろ過特性を評価する方法には様々なものが用いられ、それらを表 3.4.1 に示す。 この中でディーゼル車の認証試験用として用いられるものはトンネル法による PM 重量 測定法である。排出ガス認証試験では PM 測定量は g/km として走行距離あたりの PM 排 出重量とし表される。図 3.4.5 にトンネル法による重量測定を示す。認証試験では、排 気ガス全量を大気圧、常温にまで戻した状態での PM 量として規定されているので、排 気ガスの流量に合せて使用するトンネルの大きさも異なってくる。乗用車では大よそ数 メーターの大きさのトンネルを使用する。最近では全量希釈ではなく部分希釈であるミ ニトンネルやマイクロトンネルの使用も検討されているが認証用として認められてい るものは現在のところ、フルトンネルのみである。. 拡散させて 25℃ 大気圧に戻す 〜10m. CVS フィルタ (部分捕 集) CVS. 図3.4.5 トンネル法によるPM排出重量測定. 3-12.

(13) 表3.4.1 各種のPM測定方法 フィルタ重量法. フィルタ式スモー クメーター. オパシ式ス モークメーター. Scanning Mobility Particle Sizer. Electrical Low Pressure Impactor. 測定対象. PM総重量. 黒煙濃度. 黒煙濃度. 粒子径分布、個数. 粒子径分布、個数. 測定原理. エンジン排ガスを清浄 空気と混ぜて52℃以下 になるようトンネル内で 希釈し、後部に設置し たフィルタペーパーに て採取し、重量増加を 測定する。. 一定堆積の排ガ スをフィルタペー パーに導き、汚 染されたフィルタ と未汚染フィルタ の光反射率の比 較し、汚染度 (%) を測定する。. 排ガス中の粒 子やミストに よって光源から の光 が吸収・ 反射 され透過 率が変化する のを利用し、不 オパシ 透過率 ( ある ティ)(%) いは吸光係数 ( m-1)で評価す る。. PMをニュートライ 排ガス中の粒子は ザーにて一価に帯 予め帯電され、粒径 電させる。帯電した 毎にトラップされると 粒子は質量と電化 き微弱電流 が流れ の比ごとに計測器 るのを使用して粒子 に導かれ、レーザ 径分布をカウントす 光にて粒子径毎の る。 個数をカウントする。. 特徴. フ 全量希釈トンネル( は 唯一公 ルトンネル) 式認定 されている測定 法。 装置が 高価で巨大。 排ガスの一部をその 流 量に比例して採取し、 小型のトンネルで希釈 する方法も公式認定し ようという動きがある。. 排ガスの光 の透 過度という観点 からPM量を評価 する方法。 日本の認証試験 で採用されてい る。. 排ガスの光 の 透過度という観 点からPM量を 評価する方法。 米国、欧州の 認証試験で採 用されている。. 今後自動車からの排ガス排出量、および 規制値が極めて少なくなると予想されるの で、フィルタ重量法に変わる個数規制の 導入が検討されている。. その他のろ過特性評価装置には、スモークメーターやオパシメーターがある。それぞ れの原理を図 3.4.6、図 3.4.7 に示す。スモークメーターは排気ラインより任意の時間 ソークを行い、ろ過紙にガスを通す。その際にろ過捕集され黒色化したろ過紙上の反射 率を測定することによって排ガス中にある黒煙の濃度を規定するものである。すべての PM が測定できるわけではなく、黒色化に寄与する固体の C の濃度を測定することにな る。オパシメーターも同様に排気ライン中の排気ガスをソークするのであるが、ろ紙上 に通す代わりに測定セルに導き、光源から受光器に到達する光の量の減衰を測定するこ とによって排ガスの光の透過度を測定するものである。この方法は白煙や硫酸ミストと など白いものも透明光の減衰に寄与する。したがって、測定原理からスモークメーター とオパシメータの測定値には完全な相関はなく、目的に応じて使い分ける。. 3-13.

(14) Probe. Mounting Screw cap. Exhaust flow Sample volume Leak volume Effective volume Dead volume IN. OUT. Clean Air. Filter Paper. PB = 10 ・(1−RB / RW ) RB … Power of reflection of blackened filter paper. RW… Power of reflection of white filter paper.. 図3.4.6 スモークメーター の原理 Sample IN. Detector element. Calibration filter insert Flam e. Measuring Sample OUT Sample OUT Deflector cell. Halogen lamps. •The light extinction behaves as follows. I = Io ・e−kL I ……….. intensity of the light after traveling the measuring length. Io ..…….. intensity of the light on entering the absorbing medium. K〔m-1〕… absorption coefficient. L〔m〕…… measuring length. I. Soot particulate. Detector. Io Lamp. L= Leaf •Opacity N〔%〕is defined by I/I o = 1−(N/100). 図3.4.7 オパシメーターの原理. 3-14.

(15) さ ら に 、 ろ 過 特 性 評 価 装 置 には 粒 度 毎 に粒 子 数 を 計数 で き る 装置 が あ る 。 ELPI:(Electric Low Pressure Impactor )と SMPS: Scanning Mobility Particle Sizer である。それぞれ図 3.4.8、図 3.4.9 に示す。SMPS はあらかじめエアロゾル中の粒子を 帯電させておき、高電圧をかけた電極棒の周りに流す。帯電された粒子は電界によりそ の軌道を変位されるが、その変位量は粒子の持つ質量から生じる慣性モーメントとつり あうところで決まる。電圧を変化させ中心部に集塵される粒子の数を計測することによ って粒度毎の粒子数を得ることができる。 ここまで PM 粒子の種々の測定法を述べてきたが、本節の主題はろ過効率に対する気 孔構造の影響を調べることである。特に対象 PM 粒子の大きさと気孔構造による捕集効 率を調べることにより DPF の捕集特性の特徴と最適化を追究するために PM 粒子毎の粒 子を計数できる SMPS: Scanning Mobility Particle Sizer を主に使うこととした。. Impacto r Inlet △P. Neutralizer Polydisperse Aerosol Am-241. Sheath Collector rod Outer cylinder. High Voltage Power Supply. Ground. Monodispers e Aerosol. Bypass. 図3.4.8 SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)の原理. 3-15.

(16) 図3.4.9 ELPI(Electrical Low Pressure Inpactor)の原理. 3.4.4. ろ過特性評価. SMPS にて SiC‑DPF のろ過特性を評価した。図 3.4.10 に評価系を示す。エンジンを出 た排気を分流し、DPF のセグメント(34x34x150)に対して実車搭載する DPF の断面流速 と等しくなるように導いた。その際、装置の都合のため SMPS 装置に 1/000 に希釈して 導き、PM 濃度を測定した。 Air,N2. DW10 Super heater. Simulated gas. T.C Pressure. Valve SMPS Air. Spot heater Air. MEXA7500 Dilution 1. Dilution 2. 34x34x150 SiC-DPF. Measurement site of Filtration property (Dilution rate 1/1000). 図3.4.10 SMPSを用いたDPFのろ過効率評価装置. 3-16.

(17) 3.4.4.1. ろ 過 初 期 段 階 に お け る PM ろ 過 特 性. 図 3.4.11 に付録 4 におけるろ過理論により計算したろ過特性を示す。これより、気 孔径/気孔率が大きいほどろ過効率が低下することが明らかである。図 3.4.12 に各気孔 構造における PM 粒子径と PM 数を示す。図 3.4.11 と図 3.4.12 より、計算と実験が良く 一致し、また PM 粒子径における最も捕集効率の悪い領域は、PM の粒子径が 100nm 前後 であることが分かる。Opris[55]によると PM のろ過メカニズムには次の3つがある。 ① 慣性衝突 ② さえぎり効果 ③ ブラウン運動による吸着 PM の粒子径に対して①と②においては、粒子径が大きくなるほどろ過の効率が高く なる。一方、③の効果は粒子径が小さくなるほど大きくなるという性質がある。そのた め、中間の粒子径に対してもっとも捕集効率が悪くなるという。実験結果からも特に高 気孔径、高気孔率の DPF において 100nm 領域の PM 漏れが著しい。このようにハニカム 型の DPF においては、とくにナノ粒子に対してのろ過効率を大きくできることが特長で ある。. 100. ろ過効率[%]. 90 80 70 60 50 40. 9um 20um 30um 40um 50um. 30 20 10 0. 40. 45. 50. 55. 気孔率[%]. 図3.4.11 気孔構造とろ過効率計算 ガス流速 3m/sec ○は実測ポイント. 3-17. 60.

(18) 粒子数[ #/cm3(x1000)]. 60000 ブランク(平均). 50000. 30mm/50%. 40000. 20/50. 30000 20/60. 20000 10000. 9/42. 0 10. 100 粒子径[nm]. 1000. 図3.4.12 各気孔構造におけるPM粒子径とPM数 ガス流速 3m/sec. 3.4.4.2. PM 捕 集 効 率 の 過 渡 応 答. さらに図 3.4.13 に PM 捕集量に対する捕集効率の過渡応答を示す。PM 層が形成され るとその層も PM 粒子に対する捕捉層となり、捕集効率が向上していく。この結果によ ると、15µm/45%以下の気孔構造においては、0.1g/L もの少量の PM が堆積すれば、捕集 効率は、ほぼ 100%に達した。 100. セル構造:. ろ過効率 [%]. 90. 16/170- 9/42 12/300- 10/40 12/300-12.5/45 12/300- 15/50. 80. 12/300-17.5/55 12/300- 20/60. 70. 60 0. セル構造表記: 壁厚[mil]/ セル 密度 [cpsi]-気孔径 [um]/気孔率[%] 16 / 170 9 / 42. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 捕集PM量 [g/L]. 図3.4.13 SMPSにて測定したDPFによるPMろ過効率の時間依存性. 3-18.

(19) この実験結果より、DPF に触媒などが担持されていない条件では、 気孔構造を 9µm/42% とすることで、PM ろ過初期段階から高い捕集効率を達成することができる。そこで、 この気孔構造にて実車における PM 排出量削減効果を評価した結果を以下に述べる。 3.4.5. DPF 装 着 に よ る PM 排 出 量 削 減 効 果. ディーゼル乗用車車両に SiC‑DPF を装着した効果として[3‑7]、SMPS にて測定した PM 粒子数の低減特性を図 3.4.14 に示す。10nm‑1000nm の全領域において 3‑4 乗のオーダ ーで PM を低減出来ろ過効率では、99.98‑99.99%のレベルであることが判明した。また、 図 3.4.15 に見られるように SMPS によると SiC‑DPF の下流のガス流にある PM 粒子排出 量と空気中にある PM 粒子排出量との区別はできず、きわめて高いろ過効率が得られて いる。このように測定限界以下であり、空気との清浄レベルを判断するには至らないが、 PM 粒子を大幅にろ過浄化できることが確認された。 SMPS の測定に加え現在、重量法での試験を試みた。図 3.4.16 に示すように副室ディ ーゼルエンジンから直接噴射エンジンに換えることにより PM を著しく削減でき、さら に SiC‑DPF を搭載することにより空気中の粒子数を測定したときに得られる PM 排出量 2‑4mg/km というレベルに PM 排出量を抑制することができる。. PM粒子排出数 [dW/dlog(Dp)] (1/km). 1.0E+14 HDi + 酸化触媒. 1.0E+13 1.0E+12. PM削減. 1.0E+11 HDi +酸化触媒 + SiC -DPF. 1.0E+10 1.0E+09 1.0E+08. 2l HDi - 406 32 kph - 2nd gear. 1.0E+07 1. 10. 100. 1000. PM粒子径[nm]. 図3.4.14 PSA 2l Hdi 406 (32 kph)上におけるSiC-DPFによるPM削減効果[3-8]. 3-19.

(20) PM粒子排出数 [dW/dlog(Dp)] (1/cm3). 1000 空気中のPM粒子. 100. HDi +酸化触媒 + SiC-DPF. 10. 2l HDi - 406 32 kph - 2nd gear 0 1. 10. 100. 1000. PM粒子径[nm] 図3.4.15 PSA 2l Hdi 406 (32 kph)上におけるSiC-DPFによるPM粒子と 空気中のPM粒子の比較 [3-8]. 605 -DK5 PM量 0,1 g/km. 605 -HDi. 605 -HDi+DPF. Air Dilution. PM量. PM量. PM量. 0,035 g/km. 0,004 g/km. 0,004 g/km. 図3.4.16 重量法におけるPM粒子の測定(MVEG cycle). 3.4.6. 考察. 今回設計した SiC‑DPF を用いて空気レベルまでディーゼル排ガスを制御することが できた理由について考察する。2.3 節で述べたように今回設計した再結晶 SiC の気孔分 は従来材料に比較して均一である。図 3.4.17 にその気孔分布の均一度の違いについて 示す。. 3-20.

(21) Log 微分気孔容積 [cc/g]. 均一気孔分布構造. 不均一気孔分布構造. 気孔径[um] 図3.4.17 多孔質体における気孔分布の不均一度. (a) 均一気孔分布におけるガス流れ模式図. (b) 不均一気孔分布におけるガス流れ模式図. 図3.4.18 気孔分布の不均一度によるガス流れ模式図 多孔質体の気孔分布の不均一差により流れ込むガス流体の流速分布も影響を受ける と推察される。図 3.4.18 にその概念を示す。気孔分布が均一であると流速分布も均一 でありその流線に乗っている PM も均一である。よって必要な気孔が均一に形成されて いる場合にはすべての PM 粒子が捕集されることになる。一方、気孔分が不均一である. 3-21.

(22) と流速分布も不均一でありそのその流線に乗っている PM も不均一である。よって大き い気孔には多くの流線が流れ込んでおり大きい気孔はろ過効率が低いため結果として PM がすり抜けろ過効率が悪くなる。同じ気孔径、気孔率においても気孔分布の違いに よりろ過効率が異なると容易に推察される。 3.5. アッシュ堆積に対する最適セル構造. 図 3.5.1 に DPF のろ過壁上に堆積するアッシュの様子示す。このようにアッシュは DPF 中に堆積し再生されることがないため圧力損失を継続的に上昇させる。物理的な破 壊や損傷がなくともアッシュが堆積し圧力損失の上限を越えると、エンジンの排気圧力 が過大となり自動車は走行不能になる。そのためアッシュに対して耐性が高いフィルタ 設計を行うことが重要である。特に燃料添加剤システムは燃料中に触媒を混入させ、PM の燃焼温度を低減させるものであるので、PM燃焼に対して大きな効果が得られる反面、 アッシュによる圧力損失の増加を招く。燃料添加剤が混入したアッシュは DPF の後方か ら堆積する。この点は触媒化 DPF とは異なり、ほぼ 100%の割合にて後方堆積を示す。 その理由は燃料添加剤の混入により、アッシュ凝集体同士の結合力が小さくなることに よると推察される。このような堆積形態から考えてアッシュが堆積してもセル容積が十 分確保される構造が望ましい。このような構造の提案として入り口側の容積を出口側の 容積に対して大きくする前後非対称の構造がある[3‑9]。このようなセル構造体はアッ シュ堆積後の圧力損失は低減できるものの出口側のセル幅が小さくなりその通過抵抗 が増大するため初期圧力損失が大きくなる。このように、初期の圧力損失増大とアッシ ュ堆積後の圧力損失低減を勘案した適正な設計が必要である。. アッシュ. SiC気孔構造. 図3.5.1 DPF内に堆積するアッシュ成分. 3-22.

(23) 燃料添加剤を使う場合、 CeO2やFeO2などのアッシュ成分はセルの後方 より順に堆積する。触媒化DPFの場合は、壁上に堆積することが多い. 有効ろ過 面積 アッシュ PM (a) 入口セル/出口セル対称構造. (b) 入口セル/出口セル非対称構造 入口セル容積>出口セル容積. 図3.5.2 非対称セルのアッシュ許容構造コンセプト 図 3.5.2 に入口セル容積が出口セル容積より大きい非対称セルを用いたアッシュ許 容構造コンセプトを示す。アッシュ堆積のための容積を確保し堆積後も残された有効ろ 過面積を大きくしようという試みである。非対称度を大きくし過ぎると出口セルを通過 する際の抵抗が大きく圧力損失の増加が大きくなりかえって許容度が下がることが予 測でき非対称度や形状に最適設計があると考えられる。本節においてはこの最適構造設 計、最適値を求める。 3.5.1. 実験水準. 表 3.5.1 にアッシュ堆積に対する耐久性を評価したセル構造を示す。通常の入り口も 出口も正方形形状であるセル構造に比較して、六角/三角形状、正方形/長方形状、八角 /四角形状などのセル構造の DPF を作製した。六角/三角形状は、入り口側と出口側のセ ル数の比が 3:1 となる。出口側のセル幅は小さくなるので、出口セルの圧力損失増加が 懸念される。このためその出口セル幅を大きくとろうとすると、入り口側の六角セルの 幅が大きくなりろ過面積が小さくなることが欠点となる。正方形/長方形状は任意に入 り口側のセル容積と出口側のセル容積比率を変えられる。入り口側セルは大きいセルと 小さいセルに分離され、小さいセルの幅は極端に小さく圧力損失に寄与することが困難 であると推測される。八角/四角形状も任意に入り口側/出口側のセル容積比率を変更で き、入り口側のセル同士に共通する壁が存在することが他のセル構造とは異なり特徴的 である。共通な壁とは表 3.5.1 の八角/四角セル図に示す矢印の部位のろ過壁を表す。 通常であれば圧力差が生じないためろ過壁としては機能しないとも予想されるが、この セル壁の役割がこのセル構造の特質を決めることが判明した。 表 3.5.2 に実際に作製したセル構造の仕様を示す。それぞれの構造において最適値が. 3-23.

(24) 大きく異なることが予測されるので、開口率を変化させた 2‑3 水準を作製し見落としの ないように留意した。. 表3.5.1 入り口側セル堆積を大きくできる3つのセル構造 正方形/正方形 (従来構造). 六角形/三角形. 正方形/長方形. 八角形/四角形. b. b. 構造設計. *. a セル密度 壁厚 入口容積 ハニカムバルク密度 開口率 (入口) (出口). 初期有効ろ過面積. 178cpsi 0.40mm 0.30L/L (1) 0.72g/cm3 30.6% 30.6%. 172cpsi 0.40mm 0.50L/L (1.7) 0.71g/cm3 53.3% 7.0%. 0.80m2/L. 178cpsi 0.40mm 0.39L/L (1.3) 0.72g/cm3 39.6% 21.5%. 0.58m2/L. a. 178cpsi 0.40mm 0.46L/L (1.5) 0.70g/cm3 37.0% 24.2% 0.63m2/L (共通壁*考慮無し). 0.80m2/L. 0.84m2/L (共通壁* 含む). 表3.5.2 実験の要因と水準 要因. 水準 従来構造. 八角形/四角形. セル設計. 壁厚 [mm]. 0.4. セル密度 [cpsi ]. 178. OS1. OS2. OS3. OS4. 0.4. 0.4. 0.4. 0.4. 158. 比率 a/b. -. 1.2. 1.4. 1.8. 2.5. 有効容積 [L/L]. 0.30. 0.38. 0.46. 0.53. 0.61. 開口率 in/out[%]. 30.6/30.6. 38.0/25.0. 44.8/19.2. 51.8/13.3. 59.0/7.5. 六角形/三角形. 正方形/長方形. セル設計. 壁厚 [mm]. HT1. HT2. HT3. SR1. 0.2. 0.3. 0.3. 0.4. セル密度 [cpsi ] 比率 a/b. 124 -. 178 -. -. SR2 0.3 178. 2.3. 1.7. 有効容積 [L/L]. 0.63. 0.58. 0.55. 0.37. 0.38. 開口率 in/out[%]. 65.3/16.0. 60.8/12.3. 58.4/10.5. 37.3/21.9. 38.1/31.2. 3-24.

(25) 3.5.2. セル構造選択. 上記各セルの評価項目としては初期圧力損失と PM 堆積後圧力損失に着目して比較し、 セル構造の選択をした。初期の圧力損失を図 3.5.3 に、PM 堆積後の圧力損失を図 3.5.4 に示す。表 3.5.3 に PM 捕集に用いたエンジン仕様を示す。初期圧力損失はいずれの構 造においても出口側のセル幅が小さくなるため大きくなる。とくに六角/三角形状では その影響が大きい。この理由は入り口/出口積比率が 3:1 と固定であるため、圧力損失 を低減する手法は壁厚を減じる他にない。しかしながら、壁厚みは強度に影響するので 実用的な範囲で検討すると有効なセル設計は存在し得ないことになる。正方形/長方形 セルと八角形/四角形セルの初期圧力損失上昇は入り口側/出口側セルの容積比率に依 存する。つまり、入り口側のセルを大きくするとその容積は大きくなるが、反面、出口 セル幅が大きくなりその分の抵抗が増すのでその間で最適値が存在することが予測さ れる。 14. 圧力損失 [kPa]. Pressure loss [kPa]. 12. OS2 HT3. 10. HT2 HT1. 8. OS1. SR1. SR2. 従来セル. 6 4 2 0 0. 5. 10 Flow rate [m/sec] 流速 [m/s]. 図3.5.3 ガス流速と初期圧力損失 ガス流速: 5m/sec : サンプルサイズ □34.5×150mm. 表3.5.3 PM捕集に用いたエンジン仕様 製造メーカー. PSA. 型式. DW10. シリンダー容積. 2.0 liter. 燃焼システム. コモンレール式直噴. 3-25. 15.

(26) 18 SR1. 16. SR2. 圧力損失 [kPa]. 14. 従来構造. 12. OS1 OS2. 10 8 6 4. フィルタサイズ: Φ143.8×150mm( 2.4L) エンジン運転条件: 3000rpm/50Nm. 2 0 0. 1. 2. 3. 4 5 6 捕集PM量 [g/L]. 7. 8. 9. 図3.5.4 入り口大構造における圧力損失の過渡応答特性 図 3.5.4 から八角/四角セルの特質を判断することができる。初期の圧力損失は通常 の四角セルよりもわずかながらに大きいものの、PM を堆積するにつれその圧力損失は 四角セルよりも低圧力損失側になる。この現象は PM に対するろ過面積が四角セルより も大きいことを示している。 そこでこの理由を明確にするために、PM 堆積後のセルを切断し PM 堆積層の観察をし た。結果を図 3.5.5 に示す。図において、入り口側の八角セル同士が共有する壁に PM が堆積していることが観察される。すなわちこの壁も PM ろ過壁として機能できること が判明した[3‑9]。ガスの流れは入り口セル側から出口側セルへ存在することがシミュ レーションによっても示唆された。このようにろ過面積を大きくできる結果を得たので 八角/四角セルを耐アッシュセル構造として選択することとした。 conventional cell. OS2. 0.135mm. 0.130mm. pic.. soot layer thickness. 図3.5.5 壁上に捕集されたPM層の観察(PM量 10g/L). 3-26.

(27) 入り口側のセルを大きくしていくと共通壁の長さが長くなっていくので、PM 堆積後 の圧力損失を低減していく効果が高くなる。一方で初期圧力損失が大きくなるので入口 /出口容積比には最適値が存在することが予測される 3.5.3. OS( 八 角 /四 角 ) セ ル 構 造 の 最 適 化. 入口セルの共通壁に PMが堆積することが分かったのでこのセルに PMが堆積するスキ ームを考え入口/出口セル構造比を最適化することを試みた。. ②圧損の高い壁を避ける流れが発生 ①壁を通過する流量に伴い圧損上昇. ③壁を通過する流量で圧損の上昇率が変化. 図3.5.6. OSセルにPMが堆積していくスキーム. 図 3.5.6 に OS セルに PM が堆積していくスキームを示す。つまり入口のセルから 圧力の低い出口セルにガスが流入する。しかしその際 PM のろ過捕集を伴うのでやが てその壁は圧力損失が上昇する①。次に圧力損失の高かった共通壁をガスが通過する。 この壁も PM のろ過捕集を伴うのでやがては徐々に圧力損失の上昇を伴う。このような スキームで圧力損失の低いところにガス流が優先され共通壁もろ過壁として機能する と考えた。図 3.5.7 に CFD(Conputer Fluid Dynamics)にて定義した OS セルを示す。図 3.5.8 には 1 セルの 3D モデルを示す。図 3.5.9 には 3D モデルにて計算したそれぞれの セル断面流速を示す。入口から出口までの各断面において流速分布はほぼ均一であり 2D モデルを用いて計算してもそれほど誤差が無い事から計算時間の短縮のため以下の 計算は 2D モデルを用いて計算した。. 3-27.

(28) 対称境界. 対称境界. 対称境界. 図3.5.7. 対称境界. 対称境界. 対称境界. 対称境界. 対称境界. CFDで定義した OSセル. 対称境界. 図3.5.8 3Dモデル B. B 入口. B部分速度分布. A. B. C. C部分速度分布. 図3.5.9. 断面流速計算結果. 3-28. 出口. 出口部分速度分布.

(29) 2D モデルにて計算する際に用いた仮定を示す。 仮定: (1)入口から入った流れが均等にフィルタ面に達する。 (2)実験の圧力損失は、全てフィルタ部で生じる。 また、CFD において圧力損失は図 3.5.10 に示すように Porosity factor として壁 1m あたりに生じる圧力損失として定義した。CFD により計算されたガス流速より時間あた りに通過壁上に堆積した PM 量が計算できる。この PM から生じる圧力損失を Porosity factor を用いて表現し過渡的な OS のガス流れを計算し PM の様子をシミュレーション する手法を用いた。式(3.5.1)‑(3.5.3)に圧力損失の定義式を示す。. Vfil. 1mあたりの△ P. 図3.5.10. 圧力損失定義方法. 流速 Vfil= Sin / Sfil × Vin Sin :入口面積. ‑式(3.5.1). = 4.595×10−6 m2. Sfil:フィルタ表面積=(1.5+0.495)×4×150/106 =1.197×10−3 m2 式①, ②より、 △P=13.9 × Sfil2/ Sin × Vfil. ‑式(3.5.2). = 4.466× Vfil[kPa] 更に、1m あたりの圧力損失に換算すると、 △P1m = 4.466 /(0.4/1000) [kPa/m] =1.117 × 107 [Pa/m]. ‑式(3.5.3). ―――Porosity Factor 表 3.5.4 に OS セル構造最適化に用いた計算と実験に用いたセル構造を示す。従来の 正四角形/正四角形セル(S200)の入口容積を 1 として OS1 から OS4 まで 0.25 ピッチで入 口の容積比率を変化させ計算と実験を行った。. 3-29.

(30) 表3.5.4 OSセル構造最適化に用いた計算と実験のセル構造 要因. 水準 1. 2. 3. 4. 5. 名称. S200. OS1. OS2. OS3. OS4. 有効体積比 (OS比). 1. 1.25. 1.5. 1.75. 2.0. 図 3.5.11 に計算された各 PM 堆積量における OS セル構造の速度ベクトル図を示す。 PM 堆積に伴い共通壁にガス流れが生じてくる様子が分かる。この速度ベクトルより壁 上に堆積する PM をシミュレーションした結果を図 3.5.12 に示す。共通壁まで均一に PM が堆積している様子と OS 比が大きくなるに従って PM 層の厚みが薄くなっている様 子が分かる。. セル構造 OS1. OS2. OS3. PM堆積量[g/L]. 0g/l. 1g/l. 2g/l. 図3.5.11 OSセルの速度ベクトル図. 3-30. OS4.

(31) すす量. OS2. OS1. OS3. OS4. 2.0 g/l. 4.0 g/l. 6.0 g/l. 8.0 g/l. 図3.5.12. 図3.5.13. 各PM堆積時OS構造におけるPM堆積の様子(計算). PM堆積時OS構造におけるPM堆積の様子(実測). PM=8g/L. 図 3.5.13 に実際に PM を各 OS セルに堆積した際の PM 層の様子を示す。計算と実験が 良く一致することが分かる。今回の OS セルに対する PM 堆積スキームが妥当なモデルで あるとが検証された。. 圧力損失[kPa]. 40. S200 OS1 OS2 OS3 OS4. 30 20 10 0 0. 2. 4. 6. 8. 捕集PM量[g/L]. 図3.5.14. PM堆積時の圧力損失変化(計算). 3-31.

(32) S200. 25. OS1 OS2. ⊿P[kPa] 圧力損失[kPa]. 20. OS3 OS4. 15 10 5 0 0. 2. 図3.5.15. 4 Soot mass[g/l] 捕集PM量[g/L]. 6. 8. PM堆積時の圧力損失変化(実測). 図 3.5.14 には PM堆積に伴う圧力損失の過渡変化を計算によりシミュレーションした 結果を図 3.5.15 には実測した結果を示す。実験に用いたエンジンは表 3.5.3 に示した ものと同様なものを用いエンジンの運転条件は 3000rpm, 50Nm であった。計算ならびに 実験は傾向が良く一致している。特に従来セルに比較して OS セルの PM 堆積に伴う圧力 損失上昇の傾きは一様に小さいことが分かる。これは共通壁がろ過壁として機能してお りろ過面積が増加している効果による。OS 比率を適当に設定すると PM 堆積後の圧力損 失が従来セルより低くなる。. 圧力損失[kPa]. 40. 30. 20. 10. 図3.5.16. S200 OS1 OS2 OS3 OS4 8g/L. PM堆積時の圧力損失比較(計算). 3-32.

(33) 圧力損失[kPa]. 20. 16. 12. 8. 図3.5.17. S200 OS1 OS2 OS3 OS4 8g/L. PM堆積時の圧力損失比較(実測). 8g/L の PM を堆積させた際の圧力損失をそれぞれの OS セル構造により比較した。計 算の結果を図 3.5.16 に実測による結果を図 3.5.17 に示す。ともにその傾向は一致し OS2 という構造がもっとも圧力損失が低いという結果を得た。すなわち従来の正方形/ 正方形セルに比較して入口のセル容積が 1.5 倍である八角形/四角形セルが最適構造で あることが分かった。 3.5.3. アッシュ堆積後圧力損失. 初期圧力損失とアッシュ堆積後圧力損失の背反関係は入り口/出口セルの容積比率に 依存するので、詳しく検討した結果、最適構造は入り口セル容積を出口セル容積の 1.5 倍とするセル構造(OS2)であることが分かった[3‑9]。この OS2 構造を用いて実際に燃 料添加剤アッシュを堆積した。その様子を CT(Computer Tomographic methodology)に より観察した結果を図 3.5.18 に示した。 同アッシュ量のときはアッシュ堆積容積(長さ)が 2/3 になり、同アッシュ堆積容積 (長さ)のときはアッシュ量が 1.5 倍堆積されていることが判明した。実際にアッシュ 量に対して圧力損失の経過を図 3.5.19 に示す。プロットは実際に PM を 8g/Le(有効容 積)堆積し再生する間の再生直後の圧力損失である。OS2 セルはアッシュ量に対する圧 力損失上昇が緩慢であり、同圧力損失限界(例えば 30kPa)を制限すると約 1.5 倍寿命 が延長したことになることが分かる。これは実車上で 1.5 倍 DPF の寿命が延びることに 相当する。実際に燃料添加剤の工夫と相まって 2 倍の寿命を得ることができた。初期の 燃料添加剤システムでは、8 万 km が DPF の洗浄寿命であったが、この方策により 20 万 km にまで伸ばすことが可能となった。20 万 km はディーゼル車両の 85%が廃車される走 行距離であり、ほぼメンテナンスフリーとすることができた。. 3-33.

(34) 従来セル(正方形/正方形) OS2セル( 八角形/四角形). 従来セル(正方形/正方形) OS2セル( 八角形/四角形). 排ガス流れ方向. CT断層 写真. アッシュ長さ 量 アッシュ. 63mm. 44mm. 100-101mm. 73.3-73.6g/Filter. 108.6g/Filter. 172.4g/Filter. 図3.5.18 四角セルとOSセルにおけるアッシュ堆積の比較. 30. 従来セル (正方形/正方形). 25 圧力損失[kPa]. OS2セル (八角形/四角形). 150. 100. 20 15 50. 10. アッシュ長さ[mm]. 35. 5 0 0. 50. 100 アッシュ量[g]. 0. 40,000. 80,000. 150. 120,000. 0 200. 160,000. 耐久距離換算[km] 図3.5.19 OSセルにおけるアッシュ耐久性の向上 3.6. 繰り返し再生が性能に与える影響. 3.6.1. 試験方法. 前件までに求めた再生限界条件ならびに最適化された DPF の気孔構造において、繰り 返し再生サイクルによりアッシュが DPF 内に堆積していく過程で、DPF 内の温度勾配がど のように変化し、クラックを生じ実際のろ過効率にどのような影響を与えるのか、また、 圧力損失はどのように推移し、洗浄により DPF 内のアッシュを除去し、圧力損失を初期 状態に戻すことができるのかどうかについて検証した[3‑10]。. 3-34.

(35) 図 3.6.1 に PM 捕集時に用いた実験系を示す。表 3.6.1 に仕様したエンジンを示す。燃 料中には、CeO2 系の燃料起源触媒を 50ppm 混入し、捕集には排気量 7L のディーゼルンジ ンを用いた。試験に使用した DPF は、気孔構造:気孔径/気孔率=9µm/42%、セル構造:壁 厚/セル密度=16mil/ 160cpsi であり、本研究により最適化された分割型 R‑SiC‑DPF であ る。. 表3.6.1 繰り返し再生が性能に与える影響を調べる実験に 用いたエンジンの仕様 製造メーカー. 三菱. 型式. 6D15. シリンダー容積. 6919cc. 燃焼方式. IDI, w/o EGR 6in line. 最大出力. 125kW/2900rpm. 最大トルク. 450Nm/1800rpm 熱電対( 再生ガス温度 ) 3m ボッシュスモークメーター (JIS8004). 7Lエンジン. オパシメーター 圧力計. ボッシュスモークメーター (JIS8004). オパシメーター. 燃料添加剤; 50ppm. 図3.6.1 再生サイクル試験におけるPM捕集実験系 図 3.6.2 には再生装置を示す。再生 PM 量は最適 PM 量である 8g/L を毎回一定量になる ように捕集した。再生は電気ヒーターシステムを用い、再生条件は第 2 章で求めた最も 厳しい条件である流速 0.5 m/s の空気を導入しながら、再生温度まで昇温し再生を行っ た。. 3-35.

(36) ガス 流速計. フィルタ. 電気ヒーター(12kW). 熱電対(1-10) DPF内温度測定. PC 熱電対(11) DPF前ガス温度測定. 熱電対(12) DPF後ガス温度測定. 図3.6.2 再生サイクル試験におけるPM再生実験系 再生サイクルは全 250 サイクルとした。一定量の PM を捕集して再生し続けるとアッ シュ堆積により DPF 内の有効容積が減少し、温度勾配が序々に大きくなりクラックが入 ることが想定された。そこで 170 サイクルまで継続した後、アッシュを高圧洗浄水によ り除去し軸方向に切断してクラックを観察した。半分を新品のものと貼り合わせ再度、 再生サイクルを 250 回まで継続した。 評価した項目を以下に示す。 ①. 捕集 PM 量. [g], [g/L]. ②. 圧力損失. [mmAq]. ③. DPF 重量. [g]. ④. スモーク濃度. [%]. ⑤. 透過スモーク濃度 [%]. ⑥. 最高温度. [℃]. ⑦. 最高温度位置. [mm]. ⑧. 最高温度勾配. [℃/cm]. ⑨. 再生重量. [g]. 図 3.6.3 に温度計測のための熱電対挿入位置を示す。 ガス入口 ・ 6〜10 ・ 1〜5. ・ 11. ・ 6. ・ 7. ・ 8. ・ 9. ・ 10. ・ 1. ・ 2. ・ 3. ・ 4. ・ 5. 50 5. 143.8mm. 35. 35. 35. 150mm. 図3.6.3 再生試験における熱電対挿入位置. 3-36. 35. 5 50. ガス出口. ・ 12.

(37) 3.6.2. 試験結果. 図 3.6.4 に全試験時間にわたる結果を示す。(a)には PM 捕集時に計測する項目を、(B) には PM 再生時に計測する項目を示す。図 3.6.4(a)‑a)PM 捕集より全サイクルにおいて 一定量の PM が捕集されたことがわかる。図 3.6.4(a)‑b)圧力損失より圧力損失の推移 は、170サイクルまでほぼ線形に上昇し、洗浄により初期の状態まで戻すことができた。 図 3.6.4 (a)‑c)堆積アッシュ量より積算のアッシュも洗浄により0になっていること がわかる。3.6.4 (a)‑d)オパシメーターによるスモーク濃度, e)s ボッシュスモーク メーターによるスモーク濃度から、ろ過効率は全サイクルに渡りスモーク濃度に変化が ないことから、低下などの変動がないことが確認された。3.6.4(b)‑f)最高温度 からフ ィルタ内の最高温度はサイクルが推移するにつれて高くなっていることが分かる。また、 3.6.4(b)‑g)最高温度位置 から最高温度を示す位置がサイクルが推移するに従い前方 に推移している。さらに、3.6.4 (b)‑h)最高温度勾配から温度勾配も大きくなっている ことが分かる。これは DPF 内の容積がアッシュにより占められ、有効容積あたりの負荷 が高くなったことを示す。これらも洗浄とともに初期状態に戻すことが可能である。最 後に 3.6.4(b)‑i)再生 PM 量から毎サイクルに 8g/L の PM がほぼ完全に再生されたこと が分かる。. 3-37.

(38) PM捕集量[g]. 25.0 22.5 20.0 17.5 15.0 12.5 10.0 7.5 5.0 2.5 0.0 50. 100. 圧力損失 [kPa]. 250. 150. 200. 250. 150. 200. 250. 150 再生回数[回]. b) 圧力損失 圧力損失 1400rpm 280Nm (約8g/L) 圧力損失 1400rpm 280Nm (約 0g/L). 0. 50. 100. c) 堆積アッシュ量 堆積アッシュ量[g]. 200. PM捕集量[g] PM捕集量[g/L] 0. 60 50 40 30 20 10 0. 200. 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 250. PM捕集量[g/L]. a) PM 捕集量. 120 100 80 60 40 20 0. 150 再生回数[回]. 実測重量 計算重量. 0. 50. 100 再生回数[回]. スモーク濃度[%]. d) オパシメーターによるスモーク濃度測定 25 20 15 10. 前 フィルタ 後 フィルタ. 5 0. 0. 50. 100 再生回数[回]. スモーク濃度[%]. e) ボッシュスモークメーターによるスモーク濃度測定 25 25 20 20 15 15 10 10 5 5 0 0 0 0. Before filter フィル タ前 After filter フィルタ後. 1400 rpm 2500rpm 1400 rpm 280Nm 280Nm 280Nm 50 50. 100 100. 150 Frequency 150 再生回数[回] Figure25 Result of regeneration cycle test during soot loading. 200 200. 図3.6.4 250回再生サイクル試験における全試験結果 (a) PM捕集時における計測結果. 3-38. 250 250.

(39) CONFIDENTIAL. 温度[℃]. f) 最高温度 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 0. 最高温度(1〜5) [℃] 最高温度(6〜10) [℃] 50. 100. 150. 200. 250. 150. 200. 250. 150. 200. 250. 再生回数[回]. 入口からの距離[mm]. g) 最高温度位置 150 120 90 60 30 0. 最高温度(1〜5) [℃] 0. 50. 100 再生回数[回]. 最大温度勾配[℃/cm]. h) 最大温度勾配 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 0. 最大温度勾配(1〜5) [℃/cm] 最大温度勾配(6〜10) [℃/cm] 50. 100 再生回数[回]. 25.0 22.5 20.0 17.5 15.0 12.5 10.0 7.5 5.0 2.5 0.0. PM捕集量[g] 再生PM量[g]. 0. 50. 100. 150. 200. 再生回数[回]. 図3.6.4 250回再生サイクル試験における全試験結果 (b) PM再生時における計測結果. 3-39. 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 250. 再生PM量[g/L]. 再生PM量[g]. i) 再生PM量.

(40) 図 3.6.5 に温度勾配の観点からみたサイクル試験の結果を抜粋して示した。サイクル 推移とともにその温度勾配は大きくなり、80 サイクル程度からクラック限界である 100℃/cm を超えるようになった。また、170 サイクル終了後に切断すると 3 本の軸方向 に垂直なクラックが見い出された。写真では、確認し難いのでクラックが存在する位置 を示すため赤色と青色の線によりクラックを挟むようにマーカーをつけた。それらのク ラックはセメントの界面で不連続となり連通している様子はなかった。その後、半分の 新品の DPF を貼り付け 250 サイクルまで再生を継続したが、このときは限界温度勾配 100℃/cm を越えることはなかった。実際に 250 サイクル終了後のクラック観察におい ても、新しく貼り付けた半分の DPF にはクラックが観察されなかった。 図 3.6.6 に圧力損失の観点から見た結果を抜粋して示す。燃料添加剤を使った再生サ イクル試験においてはアッシュは DPF の後方より堆積し、サイクル推移とともに有効容 積が軸方向に減少していく。計算により求めた圧力損失推移とほぼ一致を示した。DPF 内に堆積していくアッシュ量を見積ることができれば、比較的安定して圧力損失を実車 上で予測することができると考えられる。また、洗浄により燃料添加剤アッシュはほぼ 完全に除去でき、圧力損失も初期状態に戻すことができる。このように DPF を市場にて 洗浄回復するという操作が可能であることが示された。 図 3.6.7 にろ過効率の観点からみたサイクル試験の結果を抜粋して示す。明らかに温 度勾配はクラック限界を越え DPF にクラックが生じている状態においてもスモーク濃 度にまったく変化が認められなかった。これは SiC‑DPF のクラックが非常に細く、セメ ントを介して連通することが抑制されているので、クラックの隙間が開きにくいセグメ ント構造の効果であることが推定される。あわせて SiC は融点がなく昇華温度も 2200℃ と高いためクラックの端面が溶け隙間が開くような心配や排ガス中の化合物と反応し 強度劣化を起こすようなこともない。 これらの全 250 サイクルの再生試験により、研究した SiC‑DPF は実際のポストインジ ェクション再生システムによる実車搭載において極めて良好な性能をライフサイクル に渡り維持できる可能性があることが示された。また、アッシュの堆積による圧力損失 も小さい誤差範囲で見積ることが可能であり、洗浄のタイミングも精度よく予測できる ことから極めて安定性の高い DPF であることが検証された。. 3-40.

(41) 手順. クラック マーカー. カット. 温度勾配 [℃/cm). 170サイクル 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0. 80サイクル. 新品. アッシュ除去. 解析. 170サイ クル 完了品. 250サイクル クラック 領域. 最高温度勾配(1〜5)[℃/cm] 最高温度勾配(6〜10) [℃/cm] 0. 50. 100. 安全領域 150. Cycle. アッシュ. 200. 250. アッシュ. A. A B. C. D. B. C. D. B. C. D. B. B. A. D. C. D C. B. C. D A A’. A’. A’. A’. 図3.6.5. DPF内の温度勾配の観点からみた250回再生サイクル試験結果 新品 結合. 手順. 170サイクル 完了品. 圧力損失 [ kPa]. 8000. クラック無し. 170サイクル 完了品. アッシュ除去. 分析. 圧力損失1400rpm 280Nm (約8g/L) 圧力損失 1400 rpm 280Nm ( 約 0g/L). 6000 4000 2000. 堆積アッシュ量[ g]. 0 120 100. Measured weight Caculated weight. 80 60 40 20 0 0. 50. 100. 150. 200. 250. 再生回数[回]. アッシュ堆積モデル. アッシュ. 入口. 出口 PM. 図3.6.6 圧力損失推移の観点からみた250回再生 サイクル試験結果 3-41.

(42) 圧力損失 [kPa ] スモーク濃度[%] スモーク濃度[%]. 圧力損失 1400rpm 280Nm (約8g/L) 圧力損失 1400rpm 280Nm (約 0g/L) 150 100 50 0 25 20. フィルタ前 フィルタ後. 15 10 5 0 25 20 15 10 5 0. 2500 rpm 280N m. 0. フィルタ前 フィルタ後. 1400 rpm 280 Nm. 50. 100. 150. 200. 250. 再生回数[回]. 図3.6.7 ろ過効率の観点からみた250回再生サイクル試験結果 3.7 結 論 第 2 章において DPF が受ける熱応力に対して最適化を行ったのに対し、第 3 章においてはガ ス流れの観点から DPF の性能を最大限に引き出す手法を検討した。理論的な解析を先行さ せ最適解を得ることを試みた。圧力損失はその要求により最適化する手法が異なりそれぞれ の方法を示した。特にはアッシュ堆積に対する許容量を増大させるための非対称セルの構造 設計においては PM 堆積スキームの考案ならびに堆積モデルの実証をし従来セルに比較して 1.5 倍もの寿命増加を可能にするセル構造を発明した。また捕集効率においては実車走行試 験においてもPM を99.9%以上のレベルで除去できることを証明し、SiC-DPF の気孔分布の均 一さが寄与しているという 示唆をした。これらの結果より相反する性能である圧力損失を低く保 ったまま高い PM ろ過効率を達成することができた。第3章で得た結論は以下のようである。 1)DPF の圧力損失ならびにろ過効率の理論と実験は良く一致しその理論を用いあらかじめ DPF 性能の予測をしたり実験結果の解釈に有効でることが分かった。 2)PM 捕集後の圧力損失を低減するには、PM 層の厚みによるガス透過抵抗の影響が大きい ことからセル密度を高くし壁厚を薄くしてろ過面積を増大させることが有効であることが理論と 実験により証明できた。 3)気孔構造と圧力損失/ろ過効率の関係を求めた。触媒を DPF にするためには気孔構造を あらかじめ大きくすることが有効であるがあるガス透過性以上に気孔構造を大きくすることはろ 過効率を低減させるのみで圧力損失の低減効果はない。触媒担持量により気孔の減少度は ことなるのでその量に応じて適正な気孔構造が存在する。. 3-42.

(43) 4)燃料添加剤システムではアッシュ堆積に対する圧力損失増加を抑制するために、入口セル 容積が大きいセルが有効であり、その形状は八角/四角セル構造が最適であり、容積比は 1.5 倍が有効である。 5)実車上でのろ過効率評価により、99.9%以上の粒子ろ過効率が確認されナノ粒子まで補足 されていることが検証された。この理由は気孔径分布が比較的、多材料に比較して均一である ことから壁内の流速分布が一様であることが起因していると考察される。 6)繰り返し再生が性能に与える影響を明確にした。アッシュ堆積により有効容積が減少する ので一定量のPM を繰り返し捕集再生するとDPF 内の最高温度、最高温度勾配は徐々に高く なる。この勾配に合せて PM 量を制御することが必要である。またクラック限界を越えた応力が DPF に掛かり数本のクラックが生じてもスモーク測定による PM 濃度悪化は見られなかった。こ れは DPF の分割構造が寄与していると考察される。. 3-43.

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参照

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