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高炉スラグ微粉末を高混入したモルタルのひび割れ閉塞状況の観察

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Academic year: 2022

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(1)

高炉スラグ微粉末を高混入したモルタルのひび割れ閉塞状況の観察

東京都市大学 学生会員 ○渡邉和貴 福田和世 東京都市大学 正会員 栗原哲彦

1. はじめに

コンクリートへの産業廃棄物の利用は,コンクリー トの性能向上および資源の有効利用の観点から,様々 な用途で実施されてきた.特に我が国では,高炉スラ グ微粉末等の混和材の発生量が極めて多く,混合セメ ントや混和材としての

JIS

化もあり,利用が促されてき た.高炉スラグ微粉末などを適切に利用することによ って,コンクリートのワーカビリティーの改善等の効 果が期待でき,コンクリートの各種性能の改善に貢献 してきた 1).本研究では,2013年に

JIS

化されたブレー ン値

3000cm

2

/g

の高炉スラグ微粉末を対象に,それを高 混入したモルタルを用いてひび割れ閉塞状況について 実験的に検討した.

2. 実験概要 2.1 供試体概要

モルタルの配合を表 1に示す.

この配合表は,粗骨 材を含めたコンクリートの配合を示しているが,こ れより粗骨材を除いた配合によりモルタルを作製し た.

高炉スラグ微粉末には,ブレーン値

3000cm

2

/g

のも のを使用し,セメントに対する置換率を

0,40,60,80%

とした.作製した供試体は,寸法

40×40×160mm

の角柱 供試体とした.各置換率で

3

本ずつ打設し,脱型後,28 日間の水中養生を実施した.

2.2 ひび割れ作製方法および観察方法

28

日間の水中養生後,一点集中載荷による曲げ破断 させた.その後,破断した供試体を復元し,輪ゴムで固 定した.これにより微細なひび割れを再現した.なお, ひび割れ幅の計測を容易にするため,観察部分の供試 体表面を青色に着色した.

ひび割れ再現後の水中養生(自己治癒)では,水の循 環を定期的に行い,養生温度を

20℃に保った.供試体を

観察する際は,ひび割れ幅を大きくしないように慎重 に取り出し,マイクロスコープと画像解析ソフトを用 いて,0,1,3,7,28日後にひび割れ閉塞状況を観察した.

W C BFS3000 S G Ad1 Ad2

置換率0% 167 330 0 750 1034 3.3 3.3 5%

置換率40% 167 198 132 750 1034 3.3 3.3 5%

置換率60% 167 132 198 750 1034 3.3 3.3 5%

置換率80% 167 66 264 750 1034 3.3 3.3 5%

空気量 (%) 単位量(kg/m3

置換率

(%)

キーワード 自己治癒 ひび割れ閉塞 高炉スラグ微粉末

3000 置換率

表 1 モルタルの配合

連絡先 〒158-8557 東京都世田谷区玉堤

1-28-1 東京都市大学 栗原研究室 TEL:03-5707-0104(代)[email protected]

図 2 ひび割れ閉塞過程 置換率 0%②

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2:マイクロエア

303A

図 1 圧縮試験結果

図 3 ひび割れ閉塞過程 BFS 3000 80%③

図 4 閉塞状況 置換率 0%③

図 7 閉塞状況 BFS 3000 80%② 図 6 閉塞状況 BFS 3000 60%① 図 5 閉塞状況 BFS 3000 40%③

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑319‑

Ⅴ‑160

(2)

3. 実験結果および考察

圧縮試験結果を図 1に示す.高炉スラグ微粉末の置 換率を大きくするほど,圧縮強度が低下した.

置換率

0%, 80%のひび割れ閉塞状況の一例を図 2~3

に示す.水中養生(自己治癒)が進むにつれ,ひび割れ 幅が減少し,28日後にはほぼ閉塞した.これは閉塞した 他の供試体においても同様の減少を確認できた.

各ケースで再現したひび割れ幅の初期値が最大とな った供試体を例に,そのひび割れ閉塞状況を図 4~7に 示し,全供試体のひび割れ閉塞状況を表 2に示す.図よ り最大ひび割れ幅を生じた供試体においては,置換率

0%でほぼ閉塞,置換率 40%, 80%では閉塞せず,置換率

60%では閉塞した.表 2

に示すひび割れ閉塞状況よ

り,0.1mm以下の場合,置換率

60%③を除き全ての供試

体でひび割れが閉塞している. 羅らの研究2と同様 に,置換率の変化で自己治癒効果の差は認められず,

高混入した場合でも同様のことが確認できた.

ひび割れ部を再度割裂し自己治癒部を削り出し

X

線 回折分析を行なった. 分析結果を図 8~9に示す(比 較対象としてコンクリートの主成分である炭酸カルシ ウムと水酸化カルシウムの分析結果を併記する).図 8 より,自己治癒部の成分は炭酸カルシウムで形成され ていることが確認された.図 9より炭酸カルシウムの 含有量は置換率が大きくなるほど相対的に減少してい るが,置換率の差によるひび割れ閉塞への影響は認め られなかった.以上より,置換率に関係なく,高炉スラ グ微粉末(ブレーン値

3000cm

2

/g)を高混入した場合

においても自己治癒によるひび割れ閉塞を期待できる ことがわかった.

4.まとめ

(1)

水中養生(自己治癒)が進むにつれて,ひび割れ幅が 減少し,0.1mm以下の場合は,置換率

60%③を除き

全ての供試体でひび割れ幅が閉塞した.

(2) X

線回折分析結果より,置換率が高くなるにつれ炭 酸カルシウムの含有量が相対的に減少するが,自己 治癒への影響は認められない.

(3)

今回の実験結果からは,各供試体にばらつきがあり 閉塞速度の差異は認められなかった.

(4)

置換率に関係なく,高炉スラグ微粉末を高混入した 場合においても,自己治癒によるひび割れ閉塞を期 待できる.

参考文献

1)

日本コンクリート工学会:混和材積極利用によるコンクリート 性能への影響評価と施工に関する研究委員会,p1,2013

2)

羅承賢・濱幸雄・谷口円・佐川孝広:フライアッシュおよび高炉 スラグ微粉末を混和したコンクリートの自己修復効果の比較,コ ンクリート工学年次論文集,vol.34,No.1,pp.1402-1407,2012

導入時 7日後 28日後

0.03 0.00 0.01

0.05 0.02 0.00

0.07 0.01 0.006

0.08 0.00 0.00

0.09 0.04 0.04

0.15 0.10 0.07 ×

0.15 0.00 0.00

0.07 0.10 0.00

0.03 0.10 0.10 ×

0.06 0.04 0.00

0.13 0.07 0.05 ×

0.08 0.03 0.00

60

80

ひび割れ幅(mm)

閉塞状況 No.

置換率(%)

0

40

0 10 20 30 40 50 60

°

BFS3000 40%

BFS3000 60%

BFS3000 80%

表 2 各供試体のひび割れ閉塞状況

○:閉塞している △:見掛け上閉塞している×:閉塞していない

図 8 X 線回折分析結果

水酸化カルシウム 炭酸カルシウム

BFS 3000 80%

BFS 3000 60%

BFS 3000 40%

0 3 5 4 2 1 0 0 0 0 1 1 1 1 2 2 2 2 3 3 3 3 4 4 4 4 5 5 5 5

Co u n ts( × 1 0

3

)

2θ(°)

0 10 20 30 40 50 60

図 9 X 線回折分析結果比較(BFS3000)

3 0 1 2 4 5 6 7

Co u n ts( × 1 0

3

)

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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参照

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