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論文 高炉スラグ微粉末を用いた超高強度コンクリートの耐久性

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(1)

論文 高炉スラグ微粉末を用いた超高強度コンクリートの耐久性

宮澤 祐介*1・横室 隆*2

要旨:本研究は,設計基準強度が

60N/mm

2を超える超高強度コンクリートについて,高比表面積の高炉スラ グ微粉末を用いた超高強度コンクリートの基礎性状および耐久性ついて,普通ポルトランドセメントと比較 検討した。その結果,高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの圧縮強度は長期間にわたり増進するが,そ の増進率は普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べ小さいことが明らかとなった。また,長 さ変化は小さくなり,中性化および耐凍害性に対する抵抗性が高いことを明らかにした。

キーワード:高炉スラグ微粉末,温度上昇,圧縮強度,長さ変化,中性化深さ,凍結融解

1.

はじめに

近年,地球温暖化防止の機運が高まる中,代表的な 温室効果ガスである

CO

2の排出量の削減が急務となっ ている。我が国の

CO

2排出量は年々増加傾向にあり,

その中でもセメント産業から排出される

CO

2排出量は 我が国の

CO

2総排出量の約

4%

を占めている1)

このため,セメント産業における

CO

2排出量削減が 重要な課題となっており,その方策の一つとして,混 合セメントの利用拡大が挙げられる。代表的な混合セ メントとしては高炉セメントがあり,グリーン購入法 の特定調達品目に選定されるなど,地球環境保護の観 点から利用拡大が期待されている。

その一方で,高炉スラグ微粉末をセメント置換の混 和材として利用する取り組みも進められている。高炉 スラグ微粉末は,

JIS A 6206

「コンクリート用高炉スラ グ微粉末」において

3000

4000

6000

および

8000cm

2

/g

4

種類の比表面積が規定されている。また,コンク リートの用途・条件に応じて置換率を自由に設定でき るので,高炉セメントより広範囲な利用が可能となる。

高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートは,長期強 度の増進,アルカリシリカ反応や塩害に対する耐久性 の改善が期待できるが,強度発現が遅いため初期強度

が小さく,早期脱型などに問題がある。また,養生が 不十分な場合には,強度発現や耐久性が低下すること が明らかになっている2),3)

初期強度の改善方法としては比表面積が大きな高炉 スラグ微粉末を利用することが有効であり4)6),比表 面積が異なる高炉スラグ微粉末を用いたコンクリート の強度に関する研究例えば7)~9)が報告されている。しかし,

既往の研究では高炉スラグ微粉末の比表面積が

JIS

規 定の範囲内に限定された範囲にとどまっている。

近年では,粉体技術の発達により比較的低コストで 品質が安定している比表面積

10000cm

2

/g

を超える高 炉スラグ微粉末も入手できるようになってきている。

そこで,高比表面積の高炉スラグ微粉末を用いること による初期強度の改善および高炉スラグ微粉末の特色 である長期強度の増進を踏まえ,その有用性について 検討する必要がある。

本研究では,高比表面積の高炉スラグ微粉末を用い,

実機ミキサで練混ぜた超高強度コンクリートについて 基礎性状を把握し,材齢

8

年までの強度発現および耐 久性を明確にし,その有用性を検討することを目的と した。

表-1 コンクリートに使用した材料の種類および物性

使用材料 記号 種類 物性

セメント C 普通ポルトランドセメント 密度3.16g/cm3,比表面積3370cm2/g 高炉スラグ微粉末 BF BF11000 表-2および表-3参照

BF15000 同上

細骨材 S 川砂70%,砕砂30%の混合砂 絶乾密度2.56g/cm3,吸水率1.46%,F.M. 3.0

粗骨材 G 石灰岩質砕石2005 絶乾密度2.71g/cm3,吸水率0.58%,実積率57.8%,Gmax20mm

練混ぜ水 W 地下水

化学混和剤 Ad 高性能AE減水剤

ポリカルボン酸エーテル系複合体

*1 足利工業大学 総合研究センター 客員研究員(正会員)

*2 足利工業大学 工学部 創生工学科 建築・土木分野 建築学コース 教授 博士(工学)

(正会員)

コンクリート工学年次論文集,Vol.39,No.1,2017

(2)

2. 実験概要 2.1 使用材料

表-1に,コンクリートに使用した材料の種類および 物性を示す。また,使用した高炉スラグ微粉末の種類 および物性を表-2に,その化学成分を表-3に,各種高 炉スラグ微粉末の表面形状の

SEM

画像を写真-1にそ れぞれ示す。

2.2 コンクリートの調合

表-4にコンクリートの調合を示す。結合材として普 通ポルトランドセメントのみ使用したコンクリート

(以下

PL

コンクリートと略す),一部を高炉スラグ微 粉末で置換したコンクリート(以下

BF

コンクリート と略す)の

2

種類があり,それぞれの水結合材比

W/(C+BF)

)は

25

および

30%

2

水準とし,コンク リートの目標強度

74

および

60N/mm

2を超えるものと し,試し練によって調合を定めた。また,スランプフ ローは

60±5cm,空気量 2±1.0%とした。

2.3

コンクリートの練混ぜ

コンクリートの練混ぜには

JIS

表示認定を受ける生 コン工場の大型ミキサによって実施した。まず,細骨 材,セメント,高炉スラグ微粉末の順にミキサに投入 し,

10

秒間練り混ぜた。その後,あらかじめ化学混和 剤を混入した練混ぜ水を投入して水結合材比

25%

では

105

秒間,30%では

90

秒間練り混ぜ,さらに粗骨材を 投入して合計

6

分間練り混ぜた。輸送はアジテータト ラックで

20

分程度要する実験室へ運搬した。

なお,水結合材比によって練混ぜ時間が異なる理由 については,試し練りの結果により調合に応じて時間 を設定した。

3 実験項目と方法

3.1

フレッシュコンクリートの性状

(1)

スランプフロー

スランプフロー試験方法は,

JIS A 1101

(コンクリー トのスランプ試験)に従った。

(2) 空気量

空気量試験方法は,

JIS A 1128

(フレッシュコンクリ ートの空気量の圧力による試験方法)に従った。

(3) コンクリートの練上り温度

コンクリートの練上り温度は,棒状温度計を用いて 測定した。

(4)

ワーカビリティー

ワーカビリティ

については,スランプ試験の際,

スランプしたコンクリートの形状や,くずれ方などか ら目視によって判断した。

(5)

ブリーディング量

ブリーディング量試験方法は,

JIS A 1123

(コンクリ ートのブリーディング試験方法)に従った。

表-2 高炉スラグ微粉末の種類および物性 種類

BF11000 BF15000 密度(g/cm3) 2.92 2.92 比表面積(cm2/g) 11800 16690 平均粒径(µm) 3.0 1.0 フロー値比(%) 94 96 活性度

指 数 (%)

7日 158 162 28日 124 131 91日 117 121

表-3 高炉スラグ微粉末の 化学成分

化学成分 (%)

種類 BF11000 BF15000 ig.loss 0.07 0.14 SiO2 34.40 34.12 Al2O3 13.86 13.82 Fe2O3 0.49 0.47 CaO 43.08 42.96 Na2O 0.32 0.33 K2O 0.44 0.45 SO3 0.10 0.10 R2O 0.61 0.62

表-4 コンクリートの調合およびフレッシュ試験結果

調 No.

水結合 材比

(%)

高 炉 スラグ 微粉末 の種類

(%)

(%)

単位量(kg/m3) フレッシュ試験結果

W C BF S G スラ ンプ フロー

(cm) (%)

練上り 温 度 (℃)

最終ブリー ディング量 (cm3/cm2)

凝結時間 (h-m)

ワ ー カ ビ リ テ 始発 終結 ィ―

1 25

- 0 41.8 160 640 0 665 969 62 2.3 24.5 0 5-25 7-10 2 BF11000 20 42.1 160 512 128 665 961 58 1.7 24.5 0 3-50 5-10 3 BF15000 10 42.2 160 576 64 671 961 57 1.7 25.5 0 3-20 4-30 4

30

- 0 44.8 160 533 0 752 969 65 2.0 24.0 0 5-50 7-20 5 BF11000 20 45.1 160 426 107 754 961 62 1.7 24.5 0 4-45 6-05 6 BF15000 10 45.2 160 480 53 758 961 59 1.8 25.5 0 4-30 5-40

※化学混和剤の使用量はW/(C+BF)=25%および30%ではセメント質量に対して1.7%とした。

BF11000

BF15000

写真-1 高炉スラグ微粉 末の SEM 画像

10005µm 10005µm

(3)

(6) 凝結

凝結試験方法は,

JIS A 1147

(コンクリートの凝結時 間試験方法)に従った。

(7) 温度上昇量

コンクリートの温度上昇量は,鋼製型枠(1000×1000

×1000mm)を用い,厚さ

150mm

の発泡スチロールで 上下面および側面を覆い断熱した。温度測定およびコ ア採取位置を図-1に示す。鋼製型枠の中心に銅-コン スタンタンの熱電対を埋め込み,5 日間の内部温度を 測定した。型枠は材齢

10

日に脱型し,その後材齢

28

日まで散水し,写真-2に示す通り屋外暴露した。

3.2 硬化コンクリートの試験方法 (1) 圧縮強度

圧縮強度試験の供試体(φ

100

×

200mm

)は,

JIS A 1132

(コンクリートの強度試験用供試体の作り方)に 従って作製した。型枠に打込み後

24

時間は

20℃・ 60%

R.H.の恒温恒湿室にて養生し,翌日脱型した。その後,

試験材齢まで

20

℃水中養生を行った。なお,コンクリ ートの圧縮強度試験は

JIS A 1108

(コンクリートの圧 縮強度試験方法)に従って行った。試験材齢は,

3

日,

7

日,

28

日,

91

日,

1

年,

3

年および

8

年とした。

(2)

コア強度

コア強度試験は,上記

3.1 (7)

の模擬試験体からコア 採取機を用いてφ100mm のコアを抜き取り,JIS A

1107

(コンクリートからの採取方法及び圧縮強度試験 方法)に従って行った。試験材齢は,

28

日,

1

年,

3

年および

8

年とした。

(3) 長さ変化および質量変化

長さ変化試験の供試体(

100

×

100

×

400mm

)を用い,

JIS A 1129-1

(モルタル及びコンクリートの長さ変化試

験方法)に従って,20℃・60% R.H.の恒温恒湿室に放 置した長さ変化および質量変化を測定した。

なお,基長は材齢

7

日とし,乾燥期間

8

年までの長 さ変化率および質量変化率を求めた。

(4) 中性化深さ

中性化深さ試験は,上記

3.1 (7)の模擬試験体から図

-1 に示す通りコア採取後の上下面(φ

100

×

50

)を用 い,屋外自然暴露した材齢

1

年,

3

年および

8

年の中 性化深さを測定した。

なお,中性化深さの測定は供試体(φ100×50)を割 裂し,その断面にフェノールフタレインアルコール溶 液(

1%

)を噴霧し,

10

ヶ所ノギスを用いて測定し,

平均中性化深さを求めた。

(5)

凍結融解作用に対する抵抗性

凍結融解作用に対する抵抗性試験は,

ASTM C 666 A

法(Resistance of Concrete Rapid Freezing and Thawing)

により,300 サイクルまでの相対動弾性係数を測定し た。

4. 実験結果と考察

4.1 フレッシュコンクリートの性状

表-4 にフレッシュコンクリートの実験結果を示し,

以下の項目について検討する。

(1)

ワーカビリティー

ワーカビリティ

は,荷卸し時の際に目視で観察し た。いずれのコンクリートともスランプフローおよび 空気量は目標とした値が得られ,ワーカビリティーは 良好であった。

(2)

スランプフロー

図-2 に各種コンクリートの経時変化に伴なうスラ ンプフローを示す。全体的に

BF

コンクリートのスラ ンプフローは

PL

コンクリートに比べて小さい値とな り,水結合材比が小さいものほどスランプフローは小 さくなる傾向であった。

(3)

ブリーディング量

表-4に示した通り,いずれのコンクリートからもブ リーディングの発生は認められなかった。この理由に ついては,水結合材比が小さく,高比表面積の高炉ス ラグ微粉末を用いたためと推察される。

図-1 模擬試験体の概要 写真-2 模擬試験体の養生状況

28 日 1 年 3 年

6 年

8 年

700 100 100 100 100 100 100 100

50 200 200 200 50 700

1

2

3 1

2

3

1

2

3 100 100 100 100 100 100 100

700 1000

100 100 100 100 100 100 100 700

1000

28 日 1 年 3 年

8 年

(4)

(4)

凝結

図-3に各種コンクリートの凝結時間を示す。水結合 材比が大きいものほど凝結の始発および終結時間が長 くなる傾向を示した。また,高炉スラグ微粉末の比表 面積が大きいほど始発および終結時間が短くなる傾向 が認められた。この理由については,高炉スラグ微粉 末の比表面積が著しく大きくなったことで初期の反応 が一層早くなったことによる影響と推察される。

(5)

温度上昇量

図-4に各種コンクリートの温度上昇量を示す。水結 合材によらずコンクリート打込み後,

12

時間程度で最 高温度となっている。水結合材比

25%の PL

コンクリ ートでは

74.5℃, BF

コンクリートでは

78.5℃

(BF11000)

および

77.2

℃(

BF15000

)となっており,

BF

コンクリ ートは

PL

コンクリートに比べ

4

℃程度高い傾向が確 認された。

同様に水結合材比

30%では PL

コンクリートでは

66.6

℃,

BF

コンクリートでは

68.9

℃(

BF11000

)およ び

67.5

℃(

BF15000

)となっており,

BF

コンクリート は

PL

コンクリートに比べ

2℃程度高い傾向が確認さ

れた。また,水結合材比が小さいものが全てのコンク リートにおいて

10

℃程度高い温度となった。この理由 については,高炉スラグ微粉末の比表面積が大きいも のほど初期に著しい水和反応が起こり,発熱が大きく なったことによる影響と推察される。

4.2

硬化コンクリートの性状

(1)

圧縮強度

図-5 に水結合材比別に分類した各種コンクリート の圧縮強度を示す。

水結合材比

25%

の材齢

3

日では,

PL

コンクリートに 比べていずれの

BF

コンクリートの強度は高くなって おり,高炉スラグ微粉末の比表面積が大きいものほど 高い強度を示した。また,材齢

28

日でも同様の傾向を 示しており,いずれのコンクリートも目標強度を大き く上回る結果となった。さらに,材齢

1

年では

PL

コ ンクリートに比べて

BF

コンクリートの強度は全て小 さくなっており,これ以降の材齢も同様の傾向を示し た。これらのことから,

BF

コンクリートは材齢の経過 とともに強度が増進するが,その増進割合は

PL

コン クリートに比べて小さい傾向を示した。

水結合材比

30%

の材齢

3

日および

28

日では,水結

合材比

25%と同様な傾向が認められた。また,材齢 1

年では

BF11000

を用いた

BF

コンクリートが

PL

コン クリートに比べて小さい強度となった。さらに,材齢

3

年でも同様の傾向を示した。また,材齢

8

年では

PL

コンクリートに比べていずれの

BF

コンクリートは小 さい値となった。

40 50 60 70

0 10 20 30 40 50

ンプフロー(cm

経過時間(分)

図-2 各種コンクリートの経時変化に伴なう スランプフロー

0 3 6 9 12

PL BF11000 BF15000 PL BF11000 BF15000

凝結時間(時間)

コンクリートの種類

始発 終結

W/B=25% W/B=30%

図-3 各種コンクリートの凝結時間

0 1 2 3 4 5

温度(℃)

日数(日)

PL BF11000 BF15000 W/B=25%

100 80 60 40 20 0 80 60 40 20 0

W/B=30%

図-4 各種コンクリートの温度上昇量

0 40 80 120 160 200

PL BF11000 BF15000 PL BF11000 BF15000 強度(N/mm2

コンクリートの種類 3日 7日 28日 91日 1年 3年 8年

W/B=25% W/B=30%

図-5 各種コンクリートの圧縮強度

標準養生 W/B=25% ●PL ■BF11000 ▲BF15000 W/B=30% ○PL □BF11000 △BF15000

(5)

(2)

コア強度

図-6に各種コンクリートのコア強度を示す。

水結合材比

25%

の材齢

28

日では,

PL

コンクリート に比べて

BF

コンクリートの強度は高い強度となって いる。また,いずれのコンクリートとも目標強度を大 きく上回る結果となった。さらに材齢

8

年まで同様の 傾向を示しており,

20

℃水中養生したものとは異なっ た強度発現を示した。また,いずれのコンクリートで も材齢の経過とともに強度増進が伺えたが,高炉スラ グ微粉末の比表面積が大きくなるほど強度の増進割合 が小さい傾向を示した。

水結合材比

30%でも各材齢とも同様の傾向を示して

いる。しかし,強度の増進割合については,材齢の経 過とともにその値が大きい傾向を示した。さらに,図 -5 および図-6 の結果から同一材齢における圧縮強度 比をみると水結合材比に関係なく,全ての材齢におい てコア強度に比べて

20℃水中養生したものの強度比

が高い傾向を示した。

この理由については,屋外暴露のため養生温度や降 雨による水分の供給などの環境条件が異なることや,

供試体中からの水分飛散による影響と思われる。また,

これらの強度発現が異なる理由については,コンクリ ートの内部温度の影響や水和反応など,そのメカニズ ムについて未だ未解明の部分があるため,硬化体組織 の分析などについては今後検討したい。

(3)

長さ変化および質量変化

図-7に各種コンクリートの長さ変化率を示す。水結

合材比

25%では,全ての材齢において PL

コンクリー

トに比べて

BF

コンクリートの長さ変化率は小さい値 となっている。また,高炉スラグ微粉末の比表面積が 大きくなるほど長さ変化率は若干大きくなる傾向を示 した。水結合材比

30%

でも同様の傾向を示しており,

水結合材比

25%

と比べると若干大きくなった。

また,図-8に各種コンクリートの質量変化率を示す。

各水結合材比ともに

PL

コンクリートに比べ

BF

コンク リートのほうが小さい値となっている。また,高炉ス ラグ微粉末の比表面積が大きくなるほど質量変化率は 若干大きくなる傾向を示した。これらの結果から,長 さ変化率が小さいものほど質量変化率も小さい結果と なった。

(4)

中性化深さ

図-9に各種コンクリートの中性化深さを示す。材齢

1

年および

3

年では中性化は認められず,材齢

8

年で

0.3mm

程度となっており,

PL

コンクリートおよび

BF

コンクリートともに同程度の値となった。

一般に高炉スラグ微粉末の比表面積が大きくなるほ どまた,置換率が増えるほど中性化が進行するといわ

れているがその影響はみられなかった。この理由とし ては,低水セメント比のためコンクリート組織が緻密 になり

CO

2の侵入を阻害したためと考える。また,模 擬試験体が屋外暴露のため降雨による水分の供給が異 なることや,供試体中からの水分飛散による影響も考

0 40 80 120 160

PL BF11000 BF15000 PL BF11000 BF15000 強度(N/mm2

コンクリートの種類 28日 1年 3年 8年

W/B=25% W/B=30%

図-6 各種コンクリートのコア強度

屋外自然暴露

-8.0 -6.0 -4.0 -2.0 0.0

変化率(×10-4

材齢(年)

1 3 8 W/B=25%●PL ■BF11000 ▲BF15000 W/B=30% ○PL □BF11000 △BF15000

図-7 各種コンクリートの長さ変化率

-1.6 -1.2 -0.8 -0.4 0.0

変化率(%

材齢(年)

1 3 8 W/B=25% ●PL ■BF11000 ▲BF15000 W/B=30% ○PL □BF11000 △BF15000

図-8 各種コンクリートの質量変化率

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

PL BF11000 BF15000 PL BF11000 BF15000

化深さ(mm

コンクリートの種類

材齢8年

W/B=25% W/B=30%

図-9 各種コンクリートの中性化

(6)

えられるため今後の検討としたい。

(5)

凍結融解作用に対する抵抗性

図-10 に各種コンクリートの凍結融解作用に対する 抵抗性を示す。各種コンクリートの

300

サイクルまで の相対動弾性係数は,サイクル数が増加しても

92~95%

の範囲にあり,大きな低下は認められなかった。

6.

まとめ

高比表面積の高炉スラグ微粉末を用いた超高強度コ ンクリートの基礎性状および耐久性について検討した 結果,以下のことが明らかとなった。

(1)ブリーディング量は,いずれのコンクリートから も認められなかった。

2

)凝結時間は,いずれのコンクリートも水結合材比 が大きいものほど長くなる。また,普通ポルトランド セメントを用いたものに比べ,高炉スラグ微粉末を用 いたものは短くなった。さらに高炉スラグ微粉末の比 表面積が大きいものほど短くなる。

3

)温度上昇量は,普通ポルトランドセメントを用い たものに比べ,高炉スラグ微粉末を用いたものは水結 合材比

25%

4

℃程度,

30%

2

℃程度高くなる。

4

20

℃水中養生した圧縮強度は,いずれのコンクリ ートも長期にわたって強度増進が確認されたが,普通 ポルトランドセメントを用いたものに比べ,高炉スラ グ微粉末の比表面積が大きいものほどその増進割合が 小さい傾向となった。また,コア強度についても同様 に長期にわたって強度増進が確認されが,水結合材比 の違いによって増進割合が異なる傾向を示した。

5

)長さ変化および質量変化は,高炉スラグ微粉末の 比表面積が大きいものほど若干大きくなるが,普通ポ ルトランドセメント用いたものより小さい。

6

)中性化深さは,普通ポルトランドセメントを用い たものに比べ,高炉スラグ微粉末を用いたものは同程 度となっており,大きな差はない。

(7)凍結融解作用に対する抵抗性は,普通ポルトラン ドセメントを用いたものに比べ,高炉スラグ微粉末を 用いたものは同程度となっており,十分な抵抗性が確 認できた。

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8)

黒田萌ほか:高炉スラグ高含有セメントを用いた

高強度コンクリートの基礎物性(その

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),日本 建築学会学術講演会梗概集

A-1, pp.857-862, 2012 9)

吉田泰,山本佳城,陣内浩:環境配慮型超高強度

コンクリートに関する基礎的研究,日本建築学会 構造系論文集,第

77

巻,第

672

号,

pp.135-142

2012

80 85 90 95 100 105

PL BF11000 BF15000 PL BF11000 BF15000

動弾性係数(%

コンクリートの種類 100 200 300

W/B=25% W/B=30%

図-10 各種コンクリートの凍結融解作用に 対する抵抗性

サイクル

参照

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