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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

(学位論文のタイトル)

Clinicopathological Significance of LAT1 and ASCT2 in Patients With Surgically Resected Esophageal Squamous Cell Carcinoma

(食道扁平上皮癌手術症例におけるLAT1およびASCT2発現の臨床的意義)

(学位論文の要旨)

1) 背景と目的

癌細胞では一部のアミノ酸輸送体の過剰な発現が確認されており、LAT1(L-type amino acid transporter 1)は多くの腫瘍で発現が確認されているアミノ酸輸送体の1つである。今 回、食道扁平上皮癌におけるLAT1の臨床的意義について解析を行った。また、グルタミン の取り込みを介してLAT1と機能を共役するNa依存性アミノ酸輸送体ASCT2(System alanine -serine-cysteine amino acid transporter-2)についても同様に解析し、食道扁平上皮癌における 両者の存在意義について検討した。

2) 研究方法

2000年1月から2010年12月の期間に当科で根治手術を施行した術前無治療の食道扁平上 皮癌手術検体157例のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いてLAT1、ASCT2およびの 免疫染色を行い、細胞膜における発現頻度によって低発現群と高発現群の2群に分けて予後 および臨床病理学的因子との相関関係を調べた。また、LAT1と二量体を形成する一回膜貫 通型タンパク質CD98、Ki-67、CD34の免疫染色も施行し関連を調査した。

3) 結果

LAT1、ASCT2の高発現はともに壁深達度、リンパ節転移、リンパ管侵襲、静脈侵襲と

正の相関関係を認めた。LAT1およびASCT2とCD98との相関関係も認めたが、Ki-67およびC D34との相関関係は認めなかった。

5年全生存率はLAT1低発現群77.1%、高発現群55.9%(p=0.033)、5年無再発生存率はL AT1低発現群67.5%、高発現群46.8%(p=0.022)だった。ASCT2では5年全生存率は低発現群 70.8%、高発現群56.3%(p=0.068)、5年無再発生存率は低発現群61.8%、高発現群46.4%(p

=0.087)だった。LAT1・ASCT2ともに低発現群およびLAT1・ASCT2ともに高発現群の5年 全生存率はそれぞれ77.8%および48.7%(p=0.012)、無再発生存率はそれぞれ69.3%および38.

7%(p=0.013)だった。多変量解析ではLAT1やASCT2は予後不良因子とはならなかった。

4) 考察

LAT1とASCT2は様々な癌腫において発現が認められており、癌細胞の成長と生存に寄

与することが指摘されている。本研究ではLAT1およびASCT2とCD98の発現に正の相関を認 めたばかりでなく、LAT1、ASCT2の発現と腫瘍の壁深達度、リンパ節転移、脈管侵襲との

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正の相関を認め、予後に影響を与えた。これらアミノ酸輸送体は腫瘍細胞の増殖能や血管新 生能との関連は証明されなかったものの、腫瘍の発生・進展において協調的に機能している と考えられた。

食道扁平上皮癌ではリン酸化mTORの発現亢進は予後不良とされているが、近年ではm TORシグナル系においてASCT2によるグルタミン供給の重要性が注目されており、ASCT2 の供給するグルタミンはLAT1の機能にも不可欠であることから、これらアミノ酸輸送体は 有効な治療標的分子となる可能性が示唆されている。

5) 結語

食道扁平上皮癌において細胞膜表面上アミノ酸トランスポーターLAT1とASCT2の発現 は腫瘍の悪性度を反映し、予後予測因子として有用であると考えられた。また、LAT1とAS CT2に対する阻害剤は食道扁平上皮癌において有効な治療手段である可能性が示唆された

参照

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