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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

(氏名 金子 稔) 印

(学位論文のタイトル)

The significance of strong ion gap for predicting ROSC in CPA patients

(心肺停止患者における自己心拍再開予測におけるStrong ion gapの有用性)

(学位論文の要旨)

【目的】来院時心肺停止(cardiopulmonary arrest、以下CPA)患者における自己心拍再開

(return of spontaneous circulation、以下ROSC)予測因子の確立は、蘇生処置続行の指標になるとともに医療経 済においても重要な課題であるが、未だなされていない。我々は過去の研究でアニオンギャップ(Anion Gap、

以下AG)およびアルブミン補正アニオンギャップ(

albumin-corrected anion gap、以下ACAG

)のROSC予 測因子としての有用性を報告した。AGとACAGよりも緻密な酸塩基平衡の指標としてStrong Ion Gap(SIG)が あり、その有用性は集中治療領域等で報告されている。今回、我々は来院時CPA症例におけるROSC予測因子と してのAG、ACAG、SIGの有用性について検討した。

【対象および方法】研究に先立って群馬大学医学部附属病院倫理委員会の承認を得た。2013年1月から2014年12 月までの170人の来院時心肺停止患者を前向きに検討した。全例心肺蘇生ガイドライン2010に基づいて蘇生処置 が行われた。対象をROSC(+)群とROSC(-)群の2群に分け、来院時におけるacute physiology and chronic health evaluation (APACHE)Ⅱスコアおよびsequential organ failure assessment (SOFA)スコア(いずれも集中治療における 重症度評価と予後予測のスコア)、さらにAG、ACAG、SIGを2群間で比較した。

さらにAG、ACAG、SIGのROSC予測因子としての優劣をreceiver operator characteristic (ROC) 曲線を作成する ことにより検討した。

【結果】170例のうち50例がROSC(+)群、120例がROSC(-)群であった。患者背景については男女比、初期 波形、原因疾患、APACHEⅡスコア、SOFAスコアのいずれも2群間に有意差は認められなかった。ROSC(+)

群ではROSC(-)群と比較し有意にAG、ACAGが低値であった。SIGについては両群間で有意差を認めなかっ た。また、各パラメーターにおけるthe areas under the ROC curve(AUC)はAG:0.72、ACAG:0.708、SIG:0.57 と、AC、ACAGと比較してSIGで低値だった。

【考察】AGは歴史的に代謝性アシドーシスの指標として用いられ、陽イオン・陰イオンバランスの指標として 臨床の現場で広く計算されている。しかしながら、重篤な症例(特にケトアシドーシスや低アルブミン血症)で はAGの有用性は低下すると言われている。酸塩基平衡の指標として集中治療領域で使用されているものにSIG があり、SIGは陽イオン・陰イオンの項目を増やし、より正確な酸塩基平衡の状態をみる指標とされている。ま た、過去の報告ではSIGはCPA患者や小児熱傷の予後の指標として有用であるとの報告がある。本研究の結果、

CPA患者ではSIGが著明に上昇していることがわかった。しかしROSCの有無とSIGはAG、ACAGと比較して関

連性が低かった。SIGは肝不全や腎不全でも影響を受けると報告されている。本研究では心肺停止の原因として 様々な因子が関わっていたため今回の結果になった可能性もある。

【結論】CPA患者におけるROSC予測因子としては、SIGと比較してAGおよびACAGがより有用であると考えら

れる。

参照

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