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博士(工学)劉 大宇 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)劉   大宇 学位論文題名

中国花烏画の構図情報処理とその応用に関する研究 学位論文内容の要旨

  近年,計算機に よる絵画の作成技術の進歩と多様化に伴い,伝統中国絵 画の計算機作画 法の研究が開始さ れ,絵の初期入カと自動構図構成が重要な課題となっている.このため,

従来あまり検討さ れていなっかった,作画の構想段階から構図構成段階ま で一貫した絵の 自動作成技術の確 立が本研究の目標となっている,構想を生かし,入カと 構図構成を一括 して行える中国花 鳥画の構図法を完成させる重要ナょ条件として,絵を描く知識の規則化が あり,絵を構成す る方法としての構図規則を計算機処理として取り込むことが司能である.

  中国花鳥画の縦 横や構成バランスの持つ美しさの条件を計算機内に表現 し,絵画の評価 や絵画作成に利用 する研究は,規則にのっとった美しい絵の作成を支援す る上で重要と考 えられる.しかし ,これまでこの方面の研究はあまりなされていなかった .構図の観点か ら見た絵の美しさ に関する知識は,中国花鳥画の長い歴史においては,画 家の経験による 構図規則の知識と して確立されている,しかしながら,これらの規則や知 識は,表現の抽 象度が高く,あい まいさを伴うため,このままでは計算機ヘ取り込むことは困難であった.

  本研究では白黒 ,疏密,集散,縦横などに関する中国花鳥画の構図規則 にっいて,精緻 化の過程を経て, 絵の構図上の美しさの条件を明確にする手順を導いてい る.っまり,中 国花鳥画の構図形 成を支援できる構図情報処理方法,すなわち,絵素の作 成,初期絵の入 力,構図の形成, 構図の評価などが満足のいく構図処理システムを構築す るための基礎研 究を目的とする. 具体的には,中国花鳥画の構図形成規則の獲得と構図形成を目的として,

構図モデルによる 額枠形式の構図肌理,構図認識などを行う計算機支援シ ステムの実現を 目指している.

  本 論 文 は5章 か ら 構 成 さ れ て お り , そ の 内 容 は 以 下 の よ う に 要 約 さ れ る .   第1章 では ,本 研究 の目 的を述べると共に,構図情報処理の基本問題と 構図情報処理の 方法にっいて論じ る.すなわち,人間の構図形成行為における構想段階と 構図形成段階に 従って,本研究の 概要を述べる,ここ章では構図情報処理が計算機の内部 での表現と外部 での表現としての 機能に分かれることを指摘し,さらに中国花鳥画の構図 固定書式規則に 基 づ く 構 図 形 成 問 題 を 解 決 す る た め に , 構 図 情 報 処 理 の 基 本 思 考 を 提 案 し てい る ・   第2章 では ,白 黒, 疏密 ,集散,縦磯などに関する中国花鳥画の構図規 則にっいて,洗 練化と詳細化の過 程を経て絵の構図上の美しさの条件の明確化を進める手順を導いている.

っまり,構図形成 規則の獲得と支援のための構図情報処理手法を開発する ことを主たる目 的として,構図知 識を表現するための構図固定書式の構図型を利用して, 専門家にも素人 にも使用可能な自 動構図構成法(画面分割構図法)を提案している.本構 図固定書式の構

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図型を 用いれば,構図規則の表現,計算機による柵図の評価・ 修正などを絵索を単位とし て行な えることを明らかにした.本手法では,構図固定書式規 則を解析して得られた知識 を用い ,構図型の種類によらず,入カする絵索で構成する初期 絵に対しても絵索の位置と 姿勢を 決定できる.さらに,構図形成が行える特徴量を初期絵 から抽出し,この特徴量に より画 面分割モデルを求め,構図偏差を算出することにより所 望の構図が得られるように してい る.本章では,構図形成が横幅を処理対象としての特定 実験結果を出カさせて,中 国 花 鳥 画 の 額 枠 形 式 の 構 図 処 理 手 法 の 確 立 た め の 基 礎 的 知 見 を 得 た .   第3章 にお いて は第2章で 提案した画面分割構図法を中国花鳥 画の芸術的な表現形式の ー種で ある額枠形式(形状の異なる紙を使って描かれた絵)の 構図形成に適用することを 試みた .すなわち,額枠形式の構図上の特徴を分析して,額枠 形式の画面分割モデルを抽 出する ための画面分割の度合の表現,ならびにその分割数と分 割変位を決定するアルゴリ ズムを 確立し,額枠形式の構図形成にっいて例示した.その結 果,額枠の縦長/横長比,

および 画面重心の変化率を導入することにより,.画面分割構図法の構図形成手続きが適用 できる ことを明らかにした.また,構図規則の適用条件と表現 法に関して,量感の類型に よる絵 索構図特徴の分類,絵索の造形とばかしデータを利用す る絵索構図特徴の定式化に っいて 検討し,絵索構図特徴量の算出に絵素の造形とぱかしデ 一夕の利用できることを明 らかに した.

  第4章 では中国花鳥画のエキースパートシステムを制作するた めの画家の構図技法に関 するデ ータベースを作ることを目的とした構図認識方法を提案 している.これは特定画家 の 絵をスキャナを使って計算機に入 カし,処理された画像の構図情報を第2章で提案した 構図モ デルによって認識できる手法の提案である.すなわち, 絵画の画像を文字列にする 方法を 提案し,認識処理はあらかじめ計算機内に作成した構図 型パ夕一ンのモデルと構図 型判定 規則のもとにモデルマッチングを行う方法を提案する. 本研究では,構図型の種類 の認識 が可能になった.

  第5章は「まとめ」として結論と 今後の課題にっいて言己述する.結諭にっいては第2章 で 提案 した 画 面分 割構 図法 と第3,4章で額枠形式の構図処理, 構図認識への応用で得ら れた結 果を総括し,構図処理システムを媒体として人間ー計算 機の系統の基本関係を検討 し,考 察を加えた.すなわち,絵索の作成と入力,構図形成, 構図評価など各種機能を持 つ 構 図 情 報 処 理 方 法 の 確 立 に よ っ て 得 ら れ た 成 果 を 要 約 し て 述 べ て い る .   本章 の最後では,今後の課題として,他の絵画情報,たとえ ば,絵の配色,構図や配色 の学習 支援システムを展開するための方向を示した,

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

中国花鳥画 の構図情報処理とその応用に関する研究

  近年 、計算機 による絵 画作成技 術の進歩と多様化に伴い、伝統中国絵画の計算機作画法 の研 究が開始 され、計 算機によ る自動構 図構成法がこの技法開発の課題となっている。こ の課 題は従来 充分な研 究がなさ れていな かったこともあり、本研究では作画の構想段階か ら構 図構成段 階まで一 貫した中 国花烏画 の構図形成を、計算機支援のもとで行うための構 図情 報処理方 法と構図 処理シス テムにっ いて、絵索の作成、初期絵の入力、構図の形成、

構図の評価の段階に分けて基礎研究がなされている。

  本論文における研究成果の評価は以下のように要約される。

1)伝 統的中国 花烏画の 構図法に 基づいて 、計算機を 利用して 専門家にも素人にも使用可 能な 自動構図 構成法( 画面分割 構図法) を提案し、実験を行い、提案した方法の妥当性を 確か めている 。ここで は、教科 書的な構 図法として定まっている構図知識を、計算機内で の規 則として 表現する ため、構 図固定書 式の構図型を解析し、白黒、疏密、集散、縦横な どに 関する中 国花烏画 の構図規 則にっい て、洗練化と詳細化の過程を経て絵の構図上の美 しさの条件を明確化するための手順を導いている。さらに、構図規貝lJの表現、計算機によ る構 図の評価 や修正な どを、絵 素を単位 として行なえることを明らかにしている。これら の検討結果に基づ。ヽて、絵素の入力後に規則化された構図法により中国画を構成すること が可能なことを実験により確かめている。

2)上 記の成果 を発展さ せ、中国 花烏画の 芸術的な表 現形式の 一種である額枠形式(形状 の異 なる紙を 使って描 かれた絵 )を構図 形成ヘ適用できることを明らかにしている。ここ では 、額枠形 式の構図 上の特徴 を分析し て、額枠形式の画面分割モデルを抽出するための 画面 分割の度 合の表現 、ならび にその分 割数と分割変位を額枠の縦と横の比、および画面 重心 の変化率 を導入す ることに より求め ている。画面規則の適用条件と表現法に関して、

量感 の類型に よる絵素 構図特徴 の分類、 絵素の造形とぼかしデータを利用する絵素構図特 徴の 定式化に ついて検 討し、絵 素構図特 徴量の算出に絵素の造形とぼかしデータが利用で きることを実験結果により示して、知見を得ている。

3)中 国花烏画 のエキス パー卜シ ステムを 制作するた めに、画 家の構図技法に関するデー タベ ースを作 ることを 目的とし た構図認 識方法を提案している。これは、絵画の構図情報 を本 研究の検 討成果で ある構図 モデルに よって認識可能にする手法の提案であり、絵画の 画像 データを 文字列に 変換する 方法と、 あらかじめ計算機内に作成した構図型パターンの モデ ルの構図 型判定規 則もとで のモデル マッチングを行う構図認識方法の提案である。こ の結 果、構図 型の種類 の認識が 可能であ ることを明らかにしている。本論文の研究は技術 と美 術の接点 での研究 でもあり 、今後こ の種の研究が増えていくものと予想され、この点 においても本研究は先駆的研究と認められる。

直 次

由 香

木 内

青 栃

授 授

教 教

査 査

主 副

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これを要するに、本論文は中国花鳥画を計算機支援のもとで描いていくに際して、伝統 的構図法を計算機内での規則に置き換えることにより、初期入カされた絵素をもとに、構 図という美的基準に合致した中国花烏画が形成で巻ることを実験的に確かめている。さら に、額枠形式の構図形成と構図型の種類の認識を可能にし、計算機による中国絵画の構図 情報処理技法開発の基礎となるものであって、情報メディア工学の分野において、価値あ る手法と貴重な知見を得たものである。

  

よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格があるものと認める。

参照

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