• 検索結果がありません。

〈巻頭言〉免疫性神経疾患の診療ガイドライン作成をしながら考えたこと

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "〈巻頭言〉免疫性神経疾患の診療ガイドライン作成をしながら考えたこと"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)近畿大医誌(MedJKi nkiUni v)第38巻1,2号. 2 01 3. 免疫性神経疾患の診療ガイドライン作成をしながら えたこと 近畿大学医学部長 近畿大学医学部神経内科教室教授 楠. 進. 免疫性神経疾患,すなわち免疫メカニズムにより病態が形成され る神経疾患は,有効な治療法が少ない「神経難病」の中にあって目に 見える治療効果の期待できる疾患が多いのが特徴です.したがって, 適切な治療法を選択してできるだけ有害事象が出ないように治療す ることが専門医に求められる疾患群であり,それだけに診療ガイド ラインの必要性も高いものがあります.我が国の免疫性神経疾患の ガイドラインは,2004年に作成されたものがあり,その中で多発性 化症だけは2010年に改訂されましたが,その他の疾患はそのままと なっていました.私は2008年から,厚生労働省の「免疫性神経疾患に 関する調査研究」班の班長をつとめていることもあり,ギラン・バレ ー症候群(GBS)(フィッシャー症候群を含む),慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CI DP) (多巣性運動性ニューロパチーを含む)および重症筋無力症についてのガイドラインの改訂を関 係各方面にはたらきかけました.その結果,2011年から日本神経学会が中心となって改訂作業が はじまり,私自身は GBSのガイドライン作成委員会委員長,CI DPの評価調整委員としてそれに 関わることとなりました. 今回のガイドライン作成ではマインズ法に基づき,AからDの推奨度をつけることになって います.多数の症例について,Randomi (RCT)を施行して有効性が確認 zedCont r ol l edTr i al された治療法がエビデンスの高い治療であり高い推奨度となりますが,そのためには有力な英 文のジャーナルに掲載された論文が必要です.今回の作成作業であらためて感じたことは,そう した文献は現状ではほとんどが欧米で行われた臨床研究についてのものだということでした. 我が国でも,新しい薬剤や治療法が保険適用となる際には, 「治験」という RCT が行われている わけですが,それらはほとんど有力英文誌には掲載されていません(最近は少し違うようです が).既に欧米で行われた結果を確認するだけではそうしたジャーナルへの掲載は難しいのでし ょう.しかし,例えば GBSについていえば,我が国では欧米と比べて軸索型とか亜型であるフ ィッシャー症候群が多いことなどが知られており,欧米での結果をそのまま我が国に当てはめ ることが必ずしも適切とは限りません.したがって,我が国発のエビデンスを得ることがきわめ.

(2) 楠. 進. て重要であり,それを有力英文誌に論文として掲載して世界に発信していくことが大切である ことをあらためて実感した次第です. また,各疾患の治療法を. える上で,詳細な疫学調査が重要であることも今回感じたことのひ. とつです.欧米で得られたエビデンスを,我が国にそのまま適用してよいのか等の判断には,我 が国における正確な疫学調査が必要となります.そんなこともあって,現在 「免疫性神経疾患に 関する調査研究」班では,多発性. 化症の類縁疾患である視神経脊髄炎(NMO)の疫学調査を,. 疫学研究班との共同で行っています.我が国で多い NMOの疫学調査の結果から,その治療戦略 の構築に有用な情報が得られるものと. えています.. さて,2 012年10 月から医学部長を拝命して約半年が経過しました.神経内科の主任教授として の研究活動をつづけながら,近畿大学医学部のブランド力を,さらに向上できるように,微力な がら頑張っているところです.近畿大学医学部の評価をさらに高めるためには,情報発信がきわ めて大切です.近畿大学医学雑誌は,若い先生方の論文デビューの場として大きな意義をもつも のと. えます.そのためには指導にあたる先生方の御尽力が欠かせません.近畿大学医学会の先. 生方には引き続き御協力をよろしくお願い申し上げます..

(3)

参照

関連したドキュメント

B001-2

イルスはヒト免疫担当細胞に感染し、免疫機構に著しい影響を与えることが知られてい

肝臓に発生する炎症性偽腫瘍の全てが IgG4 関連疾患 なのだろうか.肝臓には IgG4 関連疾患以外の炎症性偽 腫瘍も発生する.われわれは,肝の炎症性偽腫瘍は

Hallmark papers from a number of distinguished laboratories have identiˆed phenotypically diverse B cell subsets with regulatory functions during distinct autoimmune diseases,

梅毒,慢性酒精中毒,痛風等を想はしむるもの なく,此等疾患により結石形成されしとは思考

 膵の神経染色標本を検索すると,既に弱拡大で小葉

 神経内科の臨床医として10年以上あちこちの病院を まわり,次もどこか関連病院に赴任することになるだろ

添付)。これらの成果より、ケモカインを介した炎症・免疫細胞の制御は腎線維