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IRUCAA@TDC : 早期口腔癌におけるNarrow Band Imaging(NBIⓇ)システム搭載拡大内視鏡で描出された上皮乳頭内毛細血管ループ(Intrapapillary Capillary Loop:IPCL)に関する研究

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Title

早期口腔癌におけるNarrow Band Imaging(NBIⓇ)シス

テム搭載拡大内視鏡で描出された上皮乳頭内毛細血管ル

ープ(Intrapapillary Capillary Loop:IPCL)に関する

研究

Author(s)

関根, 理予

Journal

歯科学報, 117(2): 120-126

URL

http://doi.org/10.15041/tdcgakuho.117.120

Right

Description

(2)

120

解説(学位論文 解説)

早期口腔癌における Narrow Band Imaging(NBI

)システム

搭載拡大内視鏡で描出された上皮乳頭内毛細血管ループ

(Intrapapillary Capillary Loop:IPCL)に関する研究

A study on the intrapapillary capillary loop detected by narrow band imaging system in early oral squamous cell carcinoma

関根 理予 東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座助教

Riyo Sekine 略歴 2008年東京歯科大学歯学部卒業,2013年東京歯科大学大学院歯学研究科

(口腔外科専攻)文部科学省がんプロフェッショナル養成プラン(口腔がん専門医 養成コース)修了(博士)。同年4月より東海大学医学部附属八王子病院口腔外科 臨床助手。2014年4月東海大学医学部附属病院歯科口腔外科臨床助手を経て2016 年4月より現職に至る。研究テーマ:「Narrow Band Imaging(NBI Ⓡ)システム搭

載拡大内視鏡による早期口腔癌診断法の確立」本研究テーマは第30回日本口腔腫 瘍学会総会・学術大会にて優秀ポスター賞,第61回日本口腔外科学会総会・学術 大会にて学術奨励賞を受賞した。趣味:御朱印集め

キーワード:Narrow Band Imaging,早期口腔癌,上皮乳頭内毛細血管ループ,三次元構築

Key words:Narrow Band Imaging, early oral squamous cell carcinoma, intrapapillary capillary loop, 3D imaging construction

(2016年9月6日受付,2017年3月21日受理,歯科学報 117:120-126,2017.) http : //doi.org/10 .15041 /tdcgakuho.117 .120 ステムではヘモグロビンに強く吸収される415 nm はじめに と540nm という2種類のスペクトルの幅を狭めた 近年,上部消 化 管・下 部 咽 頭 領 域 で は Narrow 光を照射することで粘膜表層の血管構造や微細な変

Band Imaging(以下 NBI)システム搭載拡大内視鏡 化を明瞭に描出することが可能となる3,4)

。上皮乳頭

を用いたスクリーニングが適用され,早期癌の描出 内毛細血管ループ(Intrapapillary Capillary Loop 以

に有用であると報告されている1) 。本法は,拡大機 下 IPCL)は上皮基底層にもっとも近接して存在す 能を有した内視鏡下に粘膜の観察を行うことで,粘 る血管であり,これまでに食道領域では早期癌にお 膜表層の血管形態変化から早期癌のスクリーニング いて IPCL の形態変化が組織の異型度や癌の深達度 - が可能であり,さらに狭帯域フィルターにより,表 を反映していると報告されている5 7) 。口腔や食道 層の血管のコントラストが明瞭となることで診断能 は似た血管構造の扁平上皮で被覆されている。それ が向上したものである。 ゆえ,著者は口腔粘膜でも同様にスクリーニングが NBI は新しい内視鏡方法で,この技術は2003年 行えるのではないかと考え,2009年から NBI の観 に国立がんセンター東病院消化器内視鏡科とオリン 察を行っており,NBI は 血 管 構 造,特 に IPCL の パスメディカルシステム社で共同開発された新しい contrast の観察を行うことが早期 OSCC の診断に 画像強調技術である2) 。 有用であった。いくつかの研究では上皮の毛細血管 一般的な内視鏡による検査では,広いスペクトル が表面的な粘膜癌に有用であると報告されている をもつ通常の光を照射して観察を行うが,NBI シ が8,9) ,それは二次元的な視診的評価のみであり現在 ― 34 ―

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121 歯科学報 Vol.117,No.2(2017) まで微細血管組織像の詳細は明らかになっていな い。それゆえ,視診と3次元画像構築との関係性を 明らかにするために,IPCL の変化について PC 上 で3次元画像構築を行い,健常粘膜,良性病変, OSCC の血管面積,体積,密度の比較を行った。わ れわれの研究の目的は,口腔癌発見の為に NBI を 用 い て 早 期 腫 瘍 性 病 変 の IPCL を 描 出 し,早 期 OSCC の特徴を分析,そして病理組織学的検査との 関係性を明らかにすることである。 対 象 本研究では,東京歯科大学病院の口腔外科にお いて2007年4月~2011年10月にかけて実施された。 被験者は合計119症例で,良性病変,または OSCC と診断された症例に対し,病変とその周囲粘膜の NBI 検査を行った。OSCC は T1,T2症例に限定 とした。 正常粘膜と診断されたその他の40名の患者に対し ては,歯肉,下唇,頬粘膜,口底,舌縁,舌背の領 域に対し NBI 検査を行った。本研究は東京歯科大 学(承認番号235)の倫理委員会によって承認され, ヘルシンキ宣言に従って実施された。全ての症例を ボランティアに対しては実施する前に,インフォー ムドコンセントの承諾を得て行った。 NBI を用いた口腔粘膜の観察 NBI 検査はプロトタイプ EVIS ルチェーラススペ クトラムビデオイメージングシステム(CV-260 SL プロセッサーと CLV-260光源,オリンパスメディカ ルシステム㈱,東京,日本)を用いて行った。NBI はヘモグロビンの吸収帯に対応する2狭帯域の波長 (390~445nm と530~550nm)を照射することにより 毛細血管を表示した。粘膜表層の毛細血管のような 血管はよいコントラストとして描出が可能であった。 IPCL 分類

119症例の IPCL 画 像(OSCC 48cases,良 性 病 変

71cases)はわれわれの分類3) によって分類を (図1) 行っ た。TypeⅠは 規 則 正 し い 点,TypeⅡ,IPCL パターンは拡張し交差,TypeⅢ,IPCL は延長し蛇 行,TypeⅣ,癌になるにつれて IPCL は破壊され 血管新生を伴う。IPCL 分類の結果から,159症例 の IPCL パターンは TypeⅠ,Ⅱと TypeⅢ,Ⅳの二 つのグループに分けた。そして OSCC に対する偽 陰性と偽陽性を算出した。 3次元構築と血管径の計測 NBI の観 察 を 行 っ た119症 例 の 中 か ら,切 除 を 行った16症例から連続切片を作成した。3次元構築 画像は免疫組織学的染色を行った後に構築を行っ た。これらの8症例は OSCC,8症 例 は dysplasia (mild:1,moderate:4,severe:3)と診断され た症例を使用し,切除した Dysplasia 症例の中の周 囲粘膜を正常として使用した。(3症例)全ての切 除検体は口腔病理医に診断された症例である。血 管内皮細胞を識別する為に,パラフィンブロック 図1 口腔内における IPCL 分類 ― 35 ―

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122 関根:OSCC における NBI で描出された IPCL に関する研究

から4 μm の60連続切片を作製し自動免疫染色機

(DISCOVERY;Ventana Medical Systems Inc, AZ, USA)を用いて染色を行い,血管内皮細胞のマー カーとして抗 CD34抗体を一次抗体として使用し た。二次抗体は iVIEW DAB Universal Kit のビオ チン標識二次抗体を使用した。CD34で染色をした 後,対比染色の為,H-E 染色を行った。

3次元画像は IAS(IAS, HIROYA Corp., Tokyo, Japan)と TRY3D(RATOC Corp, Osaka, Japan) (図2)を用いて構築された。血管と基底層は IAS を用いて連続切片の中の病変の中心部のトレースを 行い,血管の面積,体積,密度は内皮細胞が染色し トレースしたものから計測を行った。また,面積, 体積,密度は TRY3D ソフトウェアを用いて任意 の範囲内のものを測定した。 統計分析 データは n を標本の数としウィスカー5-95%タ イル値として表した。 クラスカル・ウォリス検定と Dunn‘s ポストホッ クテストはノンパラメトリック統計的に有意性を決 定するために使用した。0.05未満の P 値で有意で あった。統計分析はグラフパッドプリズム5.0を用 いて行った。 結 果 119症例の内訳:OSCC 48症例(40%),白板症26 症例(22%),扁平苔癬18症例(15%),歯肉炎5症例 (4%),潰瘍4症例(3%),紅板症3症例(2.5%), 母斑3症例(2.5%),その他8症例(8%)でその他 の内訳はカンジダ症2症例,cGVHD 2症例,乳頭 腫1症例,天疱瘡1症例,骨肉腫1症例,抜歯後治 癒不全1症例であった。TypeⅠとして分類された 全ての健常粘膜は IPCL が規則正しく分布してい た。健常粘膜の IPCL は上皮の薄い(100-150 μm) 口底,舌縁部,頬粘膜できれいに観察された。一方 , で上皮の厚い(100-150 μm),歯肉,硬口蓋,舌背 でははっきり観察できなかった。良性病変(n=71) の多くは,TypeⅠやⅡ(59症例,83%)に分類され た。いくつかの良性病変では TypeⅢやⅣ(12症例, 17%)に分類されるものもあった。特に炎症性の強 い扁平苔癬では TypeⅢやⅣに分類された。多くの OSCC(n=48)は TypeⅢやⅣ(45症例,94%)に分類 さ れ た。厚 い 角 化 上 皮 の OSCC で は TypeⅠやⅡ (3症例,6% Table1)に分類されるものもあった (表1)。OSCC に対する感度,特異度は89%と93% であった(表2)。 免疫組織学的染色を行った正常症例の血管は規則 図2 3次元構築画像 図のごとく,連続切片のトレース線を連続させ3次元構築画像を作成し計測を行った ― 36 ―

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123 歯科学報 Vol.117,No.2(2017) 表1 健常粘膜,良性病変,OSCC における IPCL 分類 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 健常粘膜 40 0 0 0 良性病変 28 31 9 3 OSCC 1 2 24 21 計 69 33 33 24 正しく配列され血管の大きさもほぼ同等であった。 健常粘膜の重層扁平上皮は膠原繊維,筋組織,脂肪 組織から成っていた。血管の拡張や増生は見られな かった。Dysplasia 症例では血 管 数 の 増 加 を 認 め た。異型上皮では基底膜から中層にかけて核の腫大 や N/C 比の増大を認めた。毛細血管の増生,およ びリンパ球を主体とした炎症性細胞浸潤が認められ た。OSCC の血管は不規則で更なるサイズの増加を 認めた。血管の増生や拡張は腫瘍細胞周囲で観察さ れた。 健常粘膜の3次元画像では,IPCL は平行でまっ す ぐ で あ っ た(図3a)。Dysplasia や OSCC で は IPCL の血管数の増加や蛇行,集積が認められた (図3b)。特に OSCC 症例ではレギュラー,イレ ギュラーの形が混在し,一つの血管が拡張し,また 分裂するといった形態学的変化を認めた(図3c)。 血管の面積,体積,密度では健常粘膜と比較して OSCC に有意差を 認 め た(図4a-c)。血 管 の 体 積,密度では dysplasia と比較して OSCC に有意差 を認めた(図4b-c)。 表2 健常粘膜,良性病変と OSCC の IPCL 分類結果の比較 OSCC 健常粘膜と良性病変 Ⅰ・Ⅱ 3 99 Ⅲ・Ⅳ 45 12 感 度:89% 特異度:93% 考 察 治療を行う上で,健康に深刻な影響を与える口腔 粘膜や顎骨の変化を発見することは重要な要素とな る。これらの影響を与えるものの中には OSCC の リスクがひとつとしてあげられる10) 。初期の段階で がんを発見することが重要とされるのは,進行した 病変では拡大切除が必要となるからである6) 。その ため,初期の悪性腫瘍を診断するためには粘膜の微 細構造や色調の観察が必要となる1,11) 。悪性腫瘍の スクリーニング検査にはトルイジン・ブルーやヨー ドといった生体染色12) や細胞診,組織診などが一般 的なスクリーニング方法として用いられているが, 生体染色はアレルギー等の問題から全ての症例に適 応できるとは限らず,細胞診,組織診と同様に侵襲 的な検査であることが欠点としてあげられる。ま た,一般的に腫瘍血管新生はがんの浸潤転移に深く 関与していることは広く理解されている13) 。血管新 生とは既存の血管から新たに血管分岐が発芽して伸 長することをいい,脈管形成は血管前駆細胞から分 化によって血管内皮細胞が発生し管腔を形成する過 a 健常粘膜 b 上皮異形成 c OSCC 図3 IPCL 三次元構築画像 ― 37 ―

(6)

124 関根:OSCC における NBI で描出された IPCL に関する研究 図4 程である。成体でおこる血管新生は,がんや創傷治 癒の際など蘆血に陥った組織において低酸素や増殖 因子の影響などでがん細胞が血管新生因子を放出す ることで誘導される14) 。それゆえ,悪性病変の発見 には IPCL のような血管の観察が効果的な方法とい える。 今日,消化器内視鏡として開発された NBI の有 - 用性についていくつかの報告がある15 17)。内視鏡下 の観察は内視鏡操作の習熟が必要となるが,非侵襲 的であり,患者の苦痛を最小限に軽減することがで きる。片田らは,食道癌の精査中に偶然発見した舌 癌,口底癌の2例を報告している。報告によると NBI と消化器内視鏡による観察は,通常内視鏡に よる観察では視認できなかった臓器表面の微細血管 構造がより明瞭に認識できるようになることから, 頭頸部領域の表在癌の診断に有用であるとしてい る18) 。Muto らは NBI によって18人の表在性病変が 同定できたと報告している。報告では咽頭,下咽頭 における粘膜部位の上皮内癌は NBI では境界明瞭 な Brownish area として視認されるとしている19) 。 Yang らは臨床病理学的,NBI で観察された血管 構築の形態,OSCC 患者の病理組織学的検査につ いて検討を行っている。その研究では血管新生に IPCL の破壊的なパターンを示す上皮内微小血管パ ターンが最悪の疾患の重症度と関連していると述べ ている20) 。 現在ヨード生体染色は一般的なスクリーニング検 査のひとつである。Yokoo らは中程度,および重 統計分析 度の異型性群で PCNA と P53タンパクは対照群と 軽度異型性群と比較して有意に高かったと報告して いる。それゆえ,中程度,重度 dysplasia のヨード 不染体は悪性病変の疑いがあると述べている21) 。し かし,岩本らの報告では早期舌癌症例に対し,ヨー ド染色をおこなったところ不明瞭な不染体を示し たため,NBI 観察された境界明瞭な Brownish area のほうが病変域を捉えるうえでは有用であったとの 報告もある22) 。井上らは食道の IPCL のパターン変 化を捉えることが,癌・非癌の質的診断や深達度 診断にきわめて有用であると報告しており5) ,IPCL の形態学的変化が早期癌の診断,深達度7,23),切除 範囲24) に有用であるとされている。われわれもこ れまでに口腔領域の IPCL パターンを分類し観察を 行ってきた3) 。単一の重層扁平上皮から成る食道, 咽頭領域と違う点として,それぞれ上皮の厚径が異 なる。口腔粘膜は被覆粘膜,咀嚼粘膜,特殊粘膜の 3つの粘膜からなる。NBI 光源は415nm では0.16 mm,540nm では0.24mm 上層 の み に 光 が 到 達 す る。深層に病巣がある病変や強い角化を呈する病変 の観察が難しい。NBI は角化層の厚みがあるほど 粘膜下の観察は難しくなるため,口蓋,舌背では NBI 観察は適応ではない。 本研究では,ほとんどの OSCC は IPCL 分類にお いて TypeⅢ,Ⅳを示し,3症例では TypeⅠ,Ⅱを 示した。これは,われわれの行った IPCL の Type Ⅲ,Ⅳが悪性の指標となることと,ほぼ合致する結 果であった。3症例において,TypeⅠ,Ⅱを示し ― 38 ―

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125 歯科学報 Vol.117,No.2(2017) た原因として考えられることは,NBI 光源の到達深 度,粘膜の違いが考えられた。対照的に12症例の良 性病変では,TypeⅢ,Ⅳを示した。関川らは,化 学発癌させたラットの舌癌モデルを用いて癌の毛細 血管構築について報告している。報告によると,過 角化や異型上皮を伴う病変の IPCL について,拡張 し形態の不正,不規則があると報告している25)。本 研究においても炎症性の強い扁平苔癬のような病変 では血管が拡張し,辺縁不正や不規則な走行をして いたためと考えられた。Epstein は口腔においてト ルイジン・ブルー,ルゴール生体染色が上皮異型 性,悪性病変の診断に有用性であるかを報告してい る。報告ではトルイジン・ブルー,ルゴール染色の 両者を行った結果,感度,特異度ともに高く,スク リーニング検査として有用であるとしている12) 。一 方,われわれは IPCL 分類に対し感度,特異度を算 出したが,感度は89%と低い値を示したのに対し特 異度は93%と高い値であった。感度が低値となった 原因としては先に述べた理由に加え,炎症性病変に おける IPCL 診断の難しさがあげられる。 3次元構築画像では健常粘膜,OSCC と比較し て,血管面積,体積,密度に有意差が認められた。 さらに dysplasia,OSCC と比較して体積,密度に 有意差を認めた。血管三次元構築画像所見は NBI 所見と比較をしても一致するものであり,NBI を 用いた IPCL の観察が有用であることを裏付けるも のであった。対照的に健常粘膜と dysplasia では面 積,体積,密度で健常粘膜と比較して有意差は認め られなかった。Dysplasia は一般的に mild~severe とさまざまな病態を示す。血管の三次元構築画像で も,mild では健常粘膜に severe では OSCC の形態 と類似する傾向があり,そのため Dysplasia と健常 粘膜と比較して明らかな有意差が認められなかった のではないかと考えられる。正確な計測を行うため には,Dysplasia の範囲を統一して比較,検討する 必要性がある。 今回の研究では IPCL の形態変化が粘膜の悪性化 を示す重要な所見の1つであることが客観的に示唆 された。また三次元構築画像においては健常粘膜, OSCC と比較し血管の面積,体積,密度に有意差を 認めることから,これらの数値により OSCC の診 断が客観的に評価が可能であると考えられた。すな わち内視鏡的診断学が OSCC のスクリーニング検 査の一つとして有用であることが示唆された。しか し,口腔内における NBI 検査は粘膜の違いによる NBI 光源の深達度や炎症性病変の診断の難しさな どが課題としてあげられる。Lova らは喫煙習慣の ある capillary loop は血管径が狭く,彎曲している と報告しており26),たばこなどの生活習慣や微小血 管の破壊を伴う糖尿病などの患者背景別に検討を 行っていく必要性がある。今後,口腔癌患者の予後 や QOL のさらなる向上を目指し,OSCC のみなら ず口腔粘膜疾患の診断基準のツールの確立を目指し たい。 まとめ われわれの結果から,IPCL の形態学的変化は診 断に重要であり,IPCL の3次元構築画像は OSCC 発見する為の重要な所見であることが示唆された。 謝 辞 本研究を遂行し学位論文をまとめるに当たり,実験結果の 解釈,論文作成に至るまで多大なるご支援とご指導を賜りま した指導教官である柴原孝彦教授,指導医である藥師寺 孝 臨床講師,また3次元構築画像についてご指導頂いた東京歯 科大学口腔科学研究センター岡野 茂主任研究技術員に心か ら感謝の意を表します。 文 献

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本論文は,下記学位論文の内容を解説した。

A study on the intrapapillary capillary loop detected by narrow band imaging system in early oral squamous cell carcinoma. Sekine R, Yakushiji T, Tanaka Y, Shibahara T. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology, 27;624-630:2015.

連絡先:〒101 ‐0061 東京都千代田区三崎町2-9-18 東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座 関根理予

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