Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
骨補填材(α-TCP,β-TCP)と各種の濃縮した血小板
(PRP,PRGF,CGF)を用いた抜歯窩の経年変化
Author(s)
佐々木, 脩浩; 佐々木, 紀子; 広瀬, 立剛; 西村, 優;
小林, 史卓
Journal
歯科学報, 111(2): 225-225
URL
http://hdl.handle.net/10130/2396
Right
目的:現在,歯槽骨が吸収し,インプラント治療が 困難な場合の歯槽骨再生におけるゴールドスタン ダードは自家骨移植である。しかし,骨採取に際 し,健常部に大きな侵襲を加えなければならず,骨 採取量にも制限されるなど問題点が上げられる。こ れら問題点を解決すべく各種の組み合わせ骨補填剤 と各種の濃縮した血小板(PRP,PRGF,CGF)を 用いた抜歯窩の経年変化を比較検討した。 方法:2007年から2010年11月まで本施設にて,抜歯 窩 にα-TCP,β-TCP,PRP,PRGF,CGF お よ び コーケンティシュガイドを用いて骨造成の7名を対 象と し た。PRP の 調 整 は Okuda ら の 方 法 に 準 じ 行った(J. Reriodontal 76:890∼898,2005)。PRGF の調整は Anitua の方法に準じて行った(Int J Oral Maxillofac Implants 14:529∼535,1999)。CGF の調整は Sohn の方法に準じて行った(Dental Inc. March/April 42∼47,2009)。抜歯窩の再生はデン タルレントゲン写真,CT 画像および肉眼的に6ヵ 月後に評価を行った。 成績:β-TCP および PRP,β-TCP および PRGF そ して,β-TCP および CGF の組み合わせでは歯槽骨 項部に皮質骨で完全に閉鎖をしていたが,インプラ ントホールを形成時にβ-TCP の残留顆粒の一部が す べ て の 組 み 合 わ せ で 認 め ら れ た。さ ら に α-TCP,β-TCP を4:1の割合で補填し,PRP と組 み合わせた例では,皮質骨も完全な閉鎖が認めら れ,肉眼的には全く顆粒が認められなかった。一 方,PRP,PRGF および CGF 単独使用群ではすべ ての皮質骨での閉鎖が認められないが,最も閉鎖し たものが PRGF であった。 考察:β-TCP と PRP,PRGF および CGF を用いた 抜歯窩の閉鎖は容易に形態を付与することができ る。しかし,6ヶ月を経過してもβ-TCP の顆粒が 患者自身の骨と置換できずに存在することが示され た。一方,α-TCP と β-TCP を4:1の割合の場合 は残留顆粒が全く認められずに骨との置換が完全に 行われ,従来の方法に比較して有効な方法である。 今後もさらなる検討を加える必要がある。 目的:顎変形症患者に対する口腔インプラント治療 では,歯槽堤の対向関係の異常により,治療に難渋 することが多い。さらに,歯の喪失に伴う歯槽堤萎 縮によって対向関係のさらなる悪化や骨量不足によ り,そのままではインプラント治療が不可能となる 症例もある。私たちは下顎前突を伴う上顎多数歯欠 損により従来の義歯の使用が困難になった症例に対 し,下顎枝矢状分割術と下顎枝部より採取した移植 骨による歯槽堤形成術後にインプラント治療を行い 良好な結果を得たので報告する。 症例:患者は,47歳の女性。主訴は上顎義歯の不安 定。下顎前突を補綴治療によって正常被蓋としてい たが,歯周病の進行により欠損範囲が拡大し局部義 歯の維持が困難となり,平成20年10月東京歯科大学 千葉病院口腔インプラント科を受診した。初診時, 上顎は局部義歯を使用していたが,支台歯の動揺と 歯槽堤の吸収が著しく,さらに下顎前突症も伴うた め,義歯の安定は得られていなかった。治療方針と しては,上顎歯槽堤に対する骨造成と,顎間関係修 正のための下顎枝矢状分割術を行った上でインプラ ント治療を行うこととした。骨造成に関しては腸骨 移植を避けたいとの患者の希望をふまえ,下顎枝矢 状分割術に伴って下顎枝部に生ずる余剰骨片を用い ることとした。下顎の移動量については上顎へのイ ンプラント埋入をコンピュータ上でシミュレーショ ンし,さらに咬合器上でモデルサージェリーを行っ て決定した。平成22年1月,AOP 全身麻酔下に下 顎枝矢状分割術と下顎枝からの骨移植による歯槽堤 形成術を行った。平成22年7月および8月に静脈内 鎮静下に上顎に対してインプラントを計7本埋入 し,約3ヶ月の治癒期間の後に上部構造の作製を開 始した。上部構造は,患者希望とメンテナンス性を 考慮し,Auro Galvano Crown(AGC)を利用した 術者可撤式の上部構造とし,平成23年4月に装着し た。 考察:下顎枝矢状分割術により上下顎の歯槽堤の対 向関係が改善され,インプラント埋入から上部構造 作製については通法に従って行うことが可能であっ た。また,骨造成に関しては下顎枝矢状分割術に伴 う下顎枝の余剰部分を用いることにより,口腔外か らの骨採取を避けることが可能であった。今後は咬 合および移植骨部の変化について,厳重なフォロー を行っていく予定である。