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小学校の校内授業研究会における指導教員の助言機能に関する研究 : 関連性評定質的分析法を用いて

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Academic year: 2021

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(1)小学校の校内授業研究会における指導教員の助言機能に関する研究        一関連性評定質的分析法を用いて一                          教育実践高度化専攻                          授業実践リーダーコ」ス.                                P09039A                                 平田幸男. 部分が参加教員の授業に関する力量形成にとっ. I.問題の所在と研究目的.  授業に関する教員の力量形成において校内授. て機能していたのかを選定し,それがどのような. 業研究が注目されている。教員へのアンケート調. 構造を持っているのかということに焦点を当て. 査によると,授業研究を充実させるために効果的. て分析した。その分析にあたり,本研究では,関. だと思っていることの一つとして,指導主事や外. 連性評定質的分析法(以下,「K目1法」)を用いた。. 部講師を要請して研修することが挙げられてい. KH法は,数量化理論皿類の適用により,逐語録. る。また近年,指導主事が学校を訪問して校内研. から得てきた質的なデータを数学的論理的に表. 修を支援することの重要性が高まり,実践研究を. 現することによって,言語的資料をより的確に理. 通じたリーダー層の教員の養成と合わせ,地方自. 解するための手がかりが得られることを目指し. 治体の教育政策で取り組まれるようになってき. た手法である。また,質的データの数理的分析を. ている。しかし,その助言がどのように機能して. 行い分析に客観性を持たせていることから,単一. いるのかということについての研究は看見でき. の言語的資料であっても分析可能な手法となっ. ない。. ている。.  そこで,本研究では,小学校における校内授業.  本研究では,指導助言のとくにどの部分の内容. 研究会での指導教員の助言が,参加教員の授業力. が機能していたのかを分析するために,まず「参. 向上のためにどのように機能しているのかにつ. 加教員のコメント」と「助言内容の分節化ラベル」. いて,現任校(以下,「対象校」)での実践から明. の2つの資料を準備した。r参加教員のコメント」. らかにすることを目的とした。本研究における指. は,校内授業研究会の終了後に,指導助言から一. 導教員とは,「指導主事やスーパーアドバイザー. 番自分の授業に関する力量につなかったと思う. といった指導的立場に立つ校外の教員」を指す。. ことについて21名の各参加教員が短く記述した. なお,本研究では,指導教員の助言機能を明らか. ものである(以下,rコメント」)’r助言内容の分. にする上で,機能を「役割」と「作用」とに分け. 節化ラベル」は,あらかじめ分析者とO指導教員. て研究をすすめた。分析する指導助言は,平成22. と共同で校内授業研究会での指導助言内容を分. 年6月に対象校で行われた校内授業研究会での0. 節化して要約し,ラベル付けしたものである(以. 指導教員によるものである。. 下,「分節化ラベル」)。そして,各コメントがど. の分節化ラベルに対応するかを評定することで, 1I 指導助言の役割. 指導助言のとくにどの部分の内容が参加教員に. 助言の役割については,助言の中のとくにどの. とって機能していたのかを選定した。それをrコ. 一38一.

(2) メントと分節化ラベルの対応表」(以下,対応表). 学び」は「念頭操作ができるようになるという目. の一覧にまとめ,その対応表について数量化皿類. 標にどうつなげていくかを忘れず,念頭操作とブ. を用いて数理的に処理し,カテゴリー間の関連性. ロック操作をくり返して指導することが大切で. を分析した。そして,その解釈により,助言に2. ある。そのくり返しの中で,動作や思い浮かべた. つの構造があることを見出した。すなわち,連動. こと,考えたことが大切であると子どもたちが意. 性と対比性である。また,見出された理解図式を. 識し,学習に見通しを持つことができるようにす るとともに,最終的な記号化は子ども自身にさせ. r助言内容の解釈モデル」として提示した。.  以上から,本研究における分析を通して,校内. るようにする」である。助言の対比性がもたらし. 授業研究会における指導教員の助言が,連動性と. た「教師の学び」は「動作化の仕方は,教師が教. 対比性の構造を持って授業構成の理論を参加教. えることと,子どもたちに発見させることがある。. 員に示しているという役割が明らかになった。. 子どもたちが授業の中心なので,子どもたちに発 見させていくことは大切である。動作化は難しい. I工11指導助言の作用. が,自分が中心になって動作を考えるとわかりや.  助言の作用については,助言の持つ構造がどの. すい。子どもたちに発見させながらおさえるとこ. ような「教師の学び」をもたらしたのかに焦点を. ろをおさえるような授業を展開するには,教材研. 当てて分析した。r教師の学び」とは,参加教員. 究が大切である」である。助言の連動性・対比1性. による指導助言の受けとめを指す。また,それに. 以外がもたらしたr教師の学び」はr算数は,子. 焦点を当てるためコメントが分析の対象となる。. どもたち1人1人がイメージしやすい方法で感覚. 分析にあたり,本研究ではr助言内容の解釈モデ. 的に学ぶ」である。. ル」を手がかりとした。KH1法によって得られた 分析結果を手がかりとすることで,r教師の学び」. 1V.研究の成果と今後の課題. に関しても妥当性のある分析が可能である。.  本研究の成果として,以下の2点があげられる。.  まず,r助言内容の解釈モデル」を手がかりと.  すなわち第1は,校内授業研究における指導教. しながら,コメントを,助言の持っ連動性,対比. 員の助言機能についてその内実を実証的に示す. 性,連動性・対比性以外がもたらしたものに類別. ことができたことである。指導教員の助言の効果. した。その後,類別されたそれぞれのコメントを. を検証する上で一つの基礎資料となる。第2は,. 基に,助言がもたらしたr教師の学び」を総括し. KH1法を用いたことにより,1回の校内授業研究. た。なお,その類別や総括にあたり,客観性のあ. 会の言語資料について,より客観性,妥当性のあ. る分析を行うため,参加教員に行ったインタビュ. る分析を行うことができたということである。. ーの回答も参考にした。そのインタビューとは,.  一方,残された課題は,指導助言によって得ら. コメントの収集時に合わせて個々の教員に「なぜ. れた学びがその後の教師の力量形成や教育実践. そう思うのか。(なぜ自分のコメントがその分節. にどのようにつながったのかを明らかにすると. 化ラベルに対応すると考えるのか。)」を問うたも. いうことである。. のである。.        修学指導教員  (佐藤 真).  以上から,助言の連動性がもたらした「教師の.        指導教員 (佐藤真). 皿39一.

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