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平安末期の受身表現についての一考察

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(1)

受身 @非梢の受身 自動詞に 又身

言彗的[H叫〗

[宣

[冨

な数字が得られた" 記す)について受身表現の用例を説査すると、 次のよう 日本語における受身表現の分類.のしかたには、 ろあると思うが 私は次のようにしてみた。

ヲ梵ェク。私ハ刷引dクノ ・ダ .ック. (「歎

C

平安末期の受身表現についての一考察 いろい : O 例囮'1, 私^凄二先ダクレグ C . @日・'・・私^使ニャラ 彼/駕街ノ戸ヲ削クヤ、 ヲ」の省略) @翌ハ菊ヲ戟きァイクガ、 人――制引いク。 の省略) 「菊ヲ」 約私ハ人二菊ヲ訓引叫ク。 © : '・・・(私ノ)菊^人 -l 抑引叫ク C この分類に従って、平安末期の十六祇の文献(末尾に たとえば次の如ぎである。 一瞬頬二私X痛ミ 129

(2)

-()の中は全体に対するバーセントを示す。 数字は用例数 (B) (A)

. . .. . . . ' .

1424 (87.75)

..___

(b) (a) ,. 1 4 2 2 (8 7.6 6)

,

- (二) • -(一) 1 9 9 1 5 1 (9.3) (12) (2) (1) 1 12 2 (0.0 9) 1 4 6 (9) 7 8 3 6) (イ) (ア) (0.3) 142 4 (8.7 5) (0.2 5)

©

..

。.. (「此レヲ」の省略) (宝物祭) 御前の低餘、いとおびただしげなる政とか いふ物かけられたり。 拿炉岐典侍日記) 本稿で、私が低匙にしたいのは、口と⑪、つまりへ次 ぃ泊海の底なる犀はこれにゑひて角をきられ (今昔物語巻二十六・一) (「功徳ヲ」の省路) 切家ノ女子、此レヲ惜テ衣筑昧卜辞フ程 ト云へ、ハ (今昔物語巻二十・三十六)

云テ、音ヲ挙テ叫ベバ 0●● .. 0 . 0 ... .

a

① 'ヽギュ、しカ ー (大杓、天) 「此ル色翌功徳好炉嘉悶‘悲キ事也」ト 伶囮`…•とき

r

\来る男、来たりけるに 雨に即引 こめられて居たるに(古本説話梨) @け。・・人のもとにやしなはれて、十二三まで侍り 糀師、「:・・・咄�師ノ施経愚ナラバコソ ニ布ラメ、我ガ甜ノ迎クラム^ ... 翌螂乃此

3

その用例は次のようである。

(3)

て 、 「A」に 河出裕房 昭和二八年「外国文学の日木文体に与 の二点についてである. ①「ヲj格を残す受身表税の坦合 ②非俯のものを主飴とする受身表祝の坦合 に、 同一文内に「ヲ」格の明記されているりを中心に述 ①は本来、 (Aノ)CハBニーサレク。 形である。前者は「A」という有梢のものを主体にし 「Bガじ)ラーック」という事態の影膀が、 及ぶことを表わした一『 g い方であり、 後者は、 非悧の物を 主体とした酋い方である。 古文では、 非常の受身は、

1 3 語本来の受身としては極めて例が少ないとされ >る そして、 これが急激にふえてくるのは明治以後で、 それ は客観的表現を好む欧米諸国語の翻訳語の影懃によるも

2) のだろうと言われ >る 恒屋社厚生閣 -1-0頁ーニ――頁 明治四一年一囚四頁 伍星社屏生

iM

0

i

ニニ・

•山本正秀『近代日本文学謡座第二巻』 久脳品『現代日本話の表現と詰法』 大正一三年「第七章助励詞」二0二瓦s二〇三頁 ・小林好日『新体国語法粒説』大同館宙店 •三矢重松『高等日本文法』明治も院 (注 2)

A^BCラーサレタ ペていきたい。 昭和二六年「うけみと使役」 昭和二六年「うけみと使役」.‘ •佐久間鼎『現代日本語の表現と語法』 一六二頁 蹂勁詞の除分及び内容による分類」

2

頁S ただし、①については、 その特徴がわかりやすいよう •安田 i .丑代門『国語法概説』中典館胎和三年「第八 大正一三年「第七箪助懃詞」―

10

二頁ーニ

0

三頁 ・小林好日『新体国語法料説』大同姐害店 (注 1)

(4)

-131-きりきりめく 6淀河の底の探きに鮎の子の、 我いかにせん (古本説話染) 9999,91,'’ 沿といふ烏に背中くは (保座秘抄) (” 人) 5あしきだになきはわりなき世の中によきを取られて 込 し ヵ � • � •� 4きぬかづけられたりしもからくなりにきとて

(”

地)

3この君の頭とら 給ひしいといみしく侍りしことぞ (川は受身の主格‘)ヽ�は目的格、 ①「ヲ」格を残す受身の用例 えた影栂 ( ff 地) ・。 ... 。・は動作の 主体を示す。) l勾大将因り祐ぷ沼的べ収Wむ船が以 僻、町句ぶぷ己5 紛加 、’|. 1,\、9,'‘• けるを人にとられければすべきやりなくて (大競・天) ‘,/ヽJー..ー/’ヽー‘ー.) 2御つかさくらゐとられてただ大宰の権師になりて まず、①及び②の主な用例を掲げてみよう。 1さごそげに君なげくらめ心そめし山のもみじを人に 鉦礼門院右京大夫集) おられ 8めしとりて命をほろぽされ {(松浦宮物語)

,

.

.

.‘.5\

9かたじけな(かしこき君につかふまつることをゆる 身にあまる位にそなばりて ,9,�,.�,;� 2命をうしなひて家をほろぽさる (以上和文) .i11,

n-―ーツノ旭有ルヲ一ッ殿―ー披郊取ヌ.

-l

.

訟阿椅世王ハ既二知ヲ取レヌトUe心フニ

(三宝絵詞) 999,:{}才尋レ ⑬甜ヲ取テ仕――涵気二身ヲ不犯,ス。 ' ’99991••99,ih¢ 4我等、金翅烏ノ為二子ヲ被取テ、事無シcー II·巻二)

i

誓ノ医師、首村斬レニケリ。 ( Il 註先年二幻り酌見敏"fiJ5以瞑刃ナム崎詞ニシ,\ 1我レ、此ノ次デニ・功ノ根元ヲ申テ 困王ノ御孫也ヶ.リ \) .卜云事・ヲ知ラレ牽ラム ( 191,., ⑬祀王二珠ヲ施シテ命ヲ.ハ存スト云ヘドモ、国王二必

巻四) 巻四) 巻三) (今背物語巻 l)

、-^

132

(5)

-山様 逸ムト為ルヲ 9 巻二十三) ?,.,...,J 碑冒極テ怖シキ奴ニテ布ケルニ、暗朋二会テゾ除神 刃勘クリケル. V

//

巻二十pJl) 邸引、 町且悶プ 、内梅ノ有ケルヲ泥ギ渡テ向ノ

II 巻二十) 、. �, . , 4此生尉 i .JJJ徒ヲ捗妨タル、悲キ 7牛 2

巻二十)

i

,ヲラレ 3老法帥ノ胎踏`、被折テ臥セル所 2

II 巻十九) �‘‘‘‘‘`'`'`,`‘,',', 'z 、―フレ 笠名其ノ衣梱一ツ被垢ム 何事力有ラム

巻十九)

i

ゥ、、レ 21海敗二値テ財 筏却ルハ常ノ事也

‘’

巻十三) ⑳我 行テ雨ノ戸 開テハ、 願ヒ祈ル問 (II 巻十二) i

引可

忽二牧ガ顆ヲ被bーレナム 釦紬加 ナ ム し 塩い為ぶ品幌布ヲ止メムト、 必ヲ至テ泣々ク (今昔物語巻十一) i

.ヽ/�}\

&只独リ持テ候フ子ノ窟ヲ、 2 二十五) ( サ

r

誓判

ii

、然々ノ事二祓婆テ、歎キ経シ (ir 巻二十六)

翌:述

JVI幻総記索が指貨ヲ被路テ保ル、ニ ヽ .1, t'9,9 ,',',',‘ッカレ. 江大紀一・一ハ吉キ所ヲ被突ニ ど^

畠即贔.—

i�

ふ咤デ`

•9.. 其ノ崖一仰胚―副”匹畷均ーケレバ L-ヽ 訊寺ノ 否不堪ズシテ (II 巻二十九) 召が何カデカ恣二廼素,こ認笠゜ (” 巻三十一) ’�,.,' 呼笠を借て手をひろげずして首を切られるAと云事也。

巻二十八)

亦モ不起上.スシテ 巻二十も133

//

巻二十九)

出月

i 肌ら閉畠仇 .一蔚ーー レ・ハ 2

..

(今昔物語巻二十五) ー,99, H司レ 盗人二質二被取テ候フ也 (宝物集)

(6)

“刀山、 (以上、 和漠混渚文) , . ��‘’ 効樹ノ山二身ヲツラヌカレー 心男にぐして西臣へ下る程に、 海ぞくにあひて、 ,9J...' た所きられて

il’�,4

,ヽ\、Iし、 伍我いみじぅ宝にせし玉をなむ盗れにし (打開集)

ff 9, '�',','�' あま ^ II

9, '.','り’',',' ,�,9 , .', ,' _、う� “ただいまぞくびをもあしをもきられなんずと思ひて

、-99999 , '). ,. ,1J 心迦利王に足手をきられしをし 94‘, •••• ','.. ,.. 9 • • 9 , 心我年来の后を竜王にぬすみとられたる故に

ヽノ

// 祝我命と云第一の宝をとられず。 .. .. ... .. . , .... .. ’ • 9,9 、','J`'‘:‘, 碑提婆逹多に御はぎをうたれ給。 ... -'ヽ'、'、',1,',',',:/`’ ⑲智臣はもとどりをきられて参内をとゞむ。( 咆門に酔てふせりて fitI ( 9, ' , `' “沿海 底なる犀はこれにゑひて角をきられき。

、一

I/ 、ー‘

II

、-ヽ'’: 6かばねをながさるAとも申゜3

、-(宝物梨) (11 は非常の受身の主格、 ・・・・・は動作の主体を示す) 1 げしのきはに、 四尺の御几帳立てられたり。 2慈き阿闇梨の御戸おしけたれて聞ゆ( 3御低、 几帳のかたびら、 御節子など取り払はれて、 4御帳もなかりつれど、 (御帳の)ありしやうに立て 43られなどして、.

5笛のねのおされし壁のあとみれば過ぎにし事は夢と l 党ゆる 6さくらのはなのかめにさ・ヽれたるを御らんして、 (大敏・天) t花すAき我こそしたにおもひしか •19,

にいてA人にむすはれにけり&楽府の屏風にかAりてそこなはれたなる ③非常の受身の用例

.^

// 地) 天) (花すAきは)ほ

(

、-

、一

(讃岐典侍日記)

(7)

(松浦宮物語) (建礼門院右京大夫集) -1-. . 認大曲の様は皆唱はれにき ••••.••••••••• 且たけの薬はつよき日によられたるやうにてまとにつ ちさへさけて (梁艇秘抄口伝染) E甲胄をはしめ物の具・・・・・夢にもあらすさなからま ヘにをかれたり たのもしううれしとは世のつねな 盛其/骸ヲ誰卜不知.スト云ヘドモ ・・・・フ・‘-っMフ 人二踏レシヲ哀プガ故二埋.、、隠シテキ (骸ノ)道二有テ (. II 褐キ事モ底キぷモ永ク酬判 永ク知釦り'、事無シ 邸御衣ノ朽クルガ 風ノ入テ吹ヶバ 塵函テ

Il

..

^

、一

訟隊は月の光に照らされて (古本説話染) めきたり 5我ガ持ッ所ノ法ハ

――-_

• 1

-__

-i ... 3:・・・・・・・ 訟突ノ仏舎利ハ 劫焼ノ火ニモ不被焼ズ クダカレ・ モ不被砕ズ

n

「いかやうにかその木は面かれたる」と 三) 古ヨリ術辰ラシテが知畔打 ^ ... にとられたるは よからぬ布にや』と(

人) 風の吹きまつひて 、東大寺の大仏段の御前におとし •••••••••••••••• 『春日 御前なるものの 源氏の氏寺 る.を 2御前のものともの参らせすゑたりけるを俄かにつし 9御ほとけなとちかうておかみたてまつらんものともとりをかれぬさきにとおもひてまゐりて侍しに (大鋭・人) II

巻十) 巻 六 ) 金罰ノ杵ニ 巻六) .••... •••• , .•• • は正見のまことは(もりかくれて魔界のやみにくらさ れに しかば (松浦宮物語) 立また古歌 掛かれたるを見て (四条宮下野梨) .. (以上和文) ー,.,' 此池日二煤ラ テ魚皆死ムトス (三宝絵詞) _ ⑲出ムト為ル戸 忽品Eラレヌ ((今昔物語巻一) 'r-m●一 ⑳棺ノ蓋、本ノ如ク披寝ニケリトナム語リ伝へ.クルト 135

(8)

-二 5

'

-_.

狙胡桃ノ多ク被盛クルヲ見

// テ見ュル也ケリ。 碑此ノ仏ノ像 、.忽二失セ給ヒヌ。

H

被取 」卜捩フ。 5

叶尉‘固ぶ5讐を

28

計序.癖然

l知

--11

プ炎盛也 巻十二) 巻十二) 糸直シク中ョリ破レクリ C

29ZII

、袋ヨーリ嗣岬畷戸‘ ,ヽ 巻二十) 益敗ノ御前ノ桜ノ器ノ大キーー神サピテ艶ヌガ、枝モ 庭マデ差取テ● .. .. -��窃ッツ、水 浪ナド 巻二十七) 巻二十八) て、主話である彼女の所有物、 2の「御つかさくらゐ」 ノ様二、 出甘讐;フ、水二有リ ルニ

⑬人ノ家ノ門^被閉クリ 芦罪子仁霰認クリ ど^ 御屎ノ内ヨリ御覧.シケル ①の目的語をみると、1は‘父大将(済時)がいま一所 の女君(敦道痘王妃か)に与えた「処分の額所」であっ

巻二十七)

巻二 四) 巻二十七)翌ウ寺吹キ鈷露 .向①と②それぞれの述語について' まず、的について詢べてみよう。 約①の目的飴と主語との関係について

//

//

ため、次の二点に対版して考察していきたい。 巻十九) 巻十四) (今昔物語巻十 l) 「引、盗バ,ん為,i (今昔物語巻二十九) 訂巴却劉 リケリ。 ⑰門UI郡二右ケル浜ニ 巻三十一) 菜池二多ク澁ケル程二●其ノ穴ヲ本トシテい立姻砂

ニケリ (以上和漢混惰文)

63 では、①及び②のそれぞれの文の特徴を朋らかにする一

碑引印虹ぃ9幽翌ァ有ケレバ

II

巻一一一十一)

..

•••• .•• 巻三十一) 蹄家ノ内ノ万ソ物共皆靭細覇い、細虚罰ル頑無限。

(9)

4ー主語の奉仕に対する報酬 ーー主語が心にかけて大切にしているもの ,ー喜が誓している行為

n|‘

主語が同情していると思われるもの L

孟仕悶盆

30狂邸ー主語の所有物 1427282943ー主語 肉萩 器の官戟。身分。地位を示すもの 23 このように して以下をみていくと、 68訟⑬店18⑳邸幻狂⑫33⑮⑰⑱

Ss40“42“位“ー

1主語 身体の一部· は主語である伊周の官琺地位を示すもの、 3の「頭」は、 主語である前頭中将兼網の官

ntt

(蔵人頭)を示すもの 4の「きぬ」は、 主詰である直木が柏の木を据ってきた ことに対する報酬で、 「かづけらる」ことにより主語の 所有物となるもの、 5の「よき」は、 主語である木こり の所有物、 6の「背中」は、 主語であ る鮎の子の身体 一部、 7の「もみじ」は、 語であ る君が、 格別心にか けて大切に思っていたもの、 などという具合に考えられ ”ー主語の氏・素姓を示すもの 匹ー主語の行為に対する神仏からの果報 痴ーー主器の行為の結果出現したもの のようになる。 これらに共通して習えることは、 すぺて、 とい 点である J なお、 ここに掲げなかった他の用例に ついても、 すべて同様で、 例外は全くみられなかった。 換言すると、 「ヲ」格を残す受身では、 .目的語に必ず、 主語の付屈物、 所有物、 その状艇などを示すこと、ばが( るのである。 次に、 向について調ぺてみよう。 「ヲ」格を残す受身 の場合、,述語は とらる、 くはる、 をらる、 ほろぼさる、 犯さる、 らる、 盗まる、 召さる、 壊らる、 切らる'、 奪はる、 妨げらる

f

粘らる、 隠さる、 討たる、 差さ 、突かる、,咋はる .、突付けらる、 押取らる、 殺さ る、 ながさる、 打たる、.しぽらる、' 破らる、 砕かる、 胎折らる、 打付ちる、 茉ら まる\巻寵めらる 、· などが用いられている C これらは、,主語である人間、 目的語が、 主飴の付屈物、 所有物、 状態等を示している

(10)

-137-示している。 b主語 的語と述語によってなされる結果を、 くる 向がはなはだ強いといえる。 「今昔物語」では、 前者が の生物の付屁物、 有所物、 付帯甚情を示すことばが 「ヲ」格を残す受身は、 被害意識を伴って使用される傾 aその目的語には、 必ず主語である人間またはその他 従って、 和澳混消文においてはもちろん、 和文でも、 ①「ヲ」格を残す受身 もなっているのである。 上述したところをまとめると次のようになる。 例についても、 害意諧を伴う場合が多く、 ここでも和文では一・五倍、 和漢混惰文では五倍になっているc さらに、 「ヲ」格を 残す受身では、 前者がニ・五倍に、 後者が六ニ・五倍に 一例に対し、 後者が一

0

四例もみえ、 最も顕著な領向を す表現が多い。 ここに掲げなかった他の非常の受身の用 だいたいこの煩向がうかがえる。 前者に多く用いられ、 である。 すなわち、 受身表現は本来、 利益意錨よりも被 .だ 和文と和漠混消文を比べてみると 状態性表現は 月狂ば荘諒註”⑱江れ郊茫註狂邸邸 どである 83 後者では、 むしろ動作・行動を示一 以下、 同様に状態性表視とみられるものは、 �' ーニ五対二(今昔物語では、 ·L' ①4の「かづけらる」、 9の「ゆるさる」、 17の「知ら る」などのような利益を及ぼすものもみられるが、 割合 はごく少ない。 識を伴うものと利益意維を伴うものとの割合は、 和文で 「ヲ」格を残す受身の全用例中、 被害意 1 五対七、 和涙混汚文で、 10四対一)の比で` 圧街的に被害意諦を伴う用例が多 い。 因に、 受身表現の全用例についてみると、 その 比は、 和文で、 一六0対九七、 和漠混消文で、 八五四対一 .七一 るいは、 他の生物に悪影響を及ぼすもの ある。中には、 述語が何であろうと、 その主語は利害意識など感じるは ずはない. ここで気づくのは、 述語が状態を示している ものの多い点である。 たとえば、②の1「立てられたり」 一立てられている」状態を、 2の「おしけたれて」 「おしけたれている」状態を、 l2345 3の「取り払はれて」 「取り払われている」状態を表現していると言える。 一方、 非常の受身では、 非偕物を主語としているため、

(11)

実の仏舎利ハ、劫焼ノ火き承釦ぎ、金鋭ノ杵ニ 。(今昔物賠巻六) ? ,' ,' , , 9 ・時其尊灼、為レ人所レ盗(日本霊異記巻上) に対して 作用の表現が多くみられる。 a和文では、非常物を主体において、 「ーサレテイ 「ーサ テアル」という状態性の表現を 場合が多く、勁作・行動の表現は少ない。 b和漠混惰文では、逆に、状態性表現よりも、動作・ この②bに見られる特殊な 象は、漢文の直訳の影勝 によるものかと思われる。たとえば\. 令昔物語」の各 説話の .出典となった主なものである「法苑珠林」とか、 「日 ・本謡異記」には、次のような一致が見出される。 •仏え知答骨金筵ごV不 朽劫火ーーモ叩バ釦リ椎砧ーーモ 1,’', �,.,.' , ', 不レ砕 (法苑珠林、舎利稲第三十七) ②非常の受身 が著しい。 ほとんどである。 惑、不本意、被害などとして受け取っている場合が 「今昔物語」では、特にその頷向 •若(しは ‘若( )号令する 述語 (と 若(しは)缶苫研

C

胃皆]

(成実跨天長五年点二十一、 大坪併治先生の御教示による) 薗と口莱ーと‘ 身の例がいくらも見出される。 その他、平安時代の、仏寄 訓読した安料に非常の受

石身

送ノ辺骰骸有テ、人二枯踏ル。 (今昔物語巻十九) ‘、/' ,',' 4

・為 ー一人畜 l 所レ履 に対して (日本鐙異記巻上) \,',., ', '19t . トラ 彼ノ銅ノ像六体、盗人ノ為二被盗ヌ に対 其ノ絵像、盗人ノ 二蝠塾ヌ

t'.

,‘99 。彼銅像六体盗人所レ取(日本盤異記巻中) に対して (今昔物語巻十六) (今昔物語巻十二)

(12)

-139-^

為乍諸 煩悩ぇ云螺りと稼叙上せ、 // ヽノ 貧人の有―-(り )トモ真金蔵 l を不そ 能レ (は 得レ(る)こと (る)こと。 如下し彼の •今普

v

示下 (.す 一切衆生 所レる有らい口叫 (山田本妙法趣華経巻二方使品古点 “) ば如三シ

...

,・一切 星宿邸―-、ル、カ 迄恥ーを。 (石山寺本守起固界主陀羅尼経古点” 毒伍寃常 に為 ーー �―― L ・如レき是 我が義は、 無危孟色の即'たり詔心。 (石山寺本大般 浮爺禿証 治安四年点巻七 と‘.

//

、-

、-ふ は四稲に所レ 断(せ)らゆ 成実論天長五年点十二 キは俊袋華の一切に皆愛楽せラエ、天人に ・・牲ーニ如 えて希れらに有―

、ー‘ 9. -―― (ゆ.) せ) 辺見も亦四種に に多いと感じられたぃ ある。少ないとされながら、この数字は私にとって以外 これは、全用例の約十ニバーセントを占めているので 非常の受身は、 一九九例みられた。 結果では、本来主語であるものが、被迫体修飾語となっ いる例も含めると、受芽表現全用例一六二三例のうち、 ている例や 文脈の前後戚係によって主語 が省略されて みられない」と 言されている。しかし、,.今回調査した 少ない」とあり、 さらに「非竹 受身が会話文には全く 「無生物を主語にした受身の首いようはきわめて -140-ぐちー文体論のためにー』 (「解釈」第十八巻第十号)に (れは) ・見 ) (に ヽ 大松柏千株 (り て)

9

(を) 山下 レ木 (の 町4糾dT□剥A面叫5流!積セ (前田家本冥報記長治二年 非常の受身は、,古文においては、用例が少ないと一般 に言われている。例えば、根来司氏の『古典文学の語り

(13)

古本説話集 大 、 鏡 『和..文』 . . -. •• ‘• 堤中納言物語 . ' やや無理な観がある, (11-47 いってゆるやかな曲線を描くこと できる。 この線が、 集で妓少 なり、 また再び、 四条宮下野集まで増加して しかも、 その中には、②の印

na

四⑬れ碑のよう 明らかに会話(心中思惟も含む)文中に用いられた例も みうけられ である。 ここに記していないものが二例 あるから、 会話文中の使用例は、 合計九例とな・冗多く 「全くない」とは言われないであろう。従っ .て、 氏の論文の楊合、 に設定しその語主が飼っている」ことを主張するために、 わり . に1個々の作品について、 非常の受身の使用率 を成立年代順に掲げておこう。 (2_11 一八%)

訟妓典侍日記 10-紐. 三六%) , . 会話文中一例を 含む ..." (.23-g 二五も 会話文中 1 例を 含む 二六%) はないが、 .松浦宮物語 『和漠混悟文』 百座法談伽嘗抄 和文では、

?

-26

一六%) 大鋭から次第に減少し、 廷礼門院右京大夫 今昔物語 •今ヽ 9. ヽ▲ 打即集 ( 2 _21 I 0�)

119 1019 .9, .... ーニ%) 三宝絵詞 .. 宝物集

^

’ 7·­, 138 五%) (3 -53 六%,) 「会話文には全くない」ことをその根拠にされるのは、 141 -四条宮下野集 (5 -15 l6Io) 「日本文学では、 作者が話主を別 寛物 ( 0_2

0%

) (6 -60 10�) 姓礼門院右京大夫集(l-22 五%) 梁麿秘抄 梁臨秘抄口伝祭 ( l -11 九%) (0 -22 山路の認 ( 3 -16

0%

一九%)

(14)

•山路の甜(朝日古典全昏「諒氏物語七」池 田 角條註 。百座法談拙醤抄(桜捩社「百座法談聞密抄」佐藤 洋一郎著) ・宝物集(古典文肛本「宝物集」) 。古本説話集(風間留房「古本説話集総索引」 山 内 集一、 三、四、 五」山 田 孝雄以下校註) ・大鏡(桜楓社「大競の研究」秋葉安太郎著) 。今昔物語(岩波害店「日本古典文学大系今昔物語 井幸助校註) ・曲岐典侍日記(朝E古典全襟「翫岐典侍日記」玉 前後の時代で、 どのように変化していくかは、 大変興味 深いところである。 使用テキスト 一方、 和淡混沿文では、 増加の傾向 にあるが、 和文に比較して使用率が少ない。 これは、 らして、 第三者的・傍観的な立楊で説教するよりも、 観的言い方をした方が、 力強く説得力があり、 それだけ ・染馳秘抄(朝日古典全祖「梁座秘抄」小西甚ー校 ・梁座秘抄口伝集( .莉礼門院右京大夫楳(武蔵野書院「珪礼門院右京 大夫集全釈」本位田重美著) 保崇朋編) 総索引」久保木哲夫組) 。三宝絵詞(古典文庫本「三宝飴詞」) 総索引」土岐武治著) •四条宮下野集(笠問蓋院「四条宮下野集校本及び ・堤中納言物語(風間書房「堤中納言物語校本及び ・笠物語(笠肪租院号物語校本及び総索引」小久 中の「松桶宮物語」) 目的逹成の功果が上ったためであろうかと思われる。 •松浦宮物語(養徳社『桂宮本叢舌第十六巻物語二』 話が仏教の布教とか 教義的な目的で編集されたことか 註) 校註)

、ゴ' •142

(15)

-亮雄校註) こ で 扱 っ た 。 ・ ー 大学大学院一年1 和漢混消文としてこの時期の作品が少ないため、 こ ※「三宝絵詞」は平安末期よりも前の作品であるが、 • 9 ・�

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