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特別支援学校における発達の視点を軸にした事例検討会の実践 : 質の高い「個別の指導計画」の作成を目指して

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(1)

特別支援学校における発達の視点を軸にした事例検

討会の実践 : 質の高い「個別の指導計画」の作成

を目指して

著者

高尾 政代, 山之口 和孝, 新條 嘉一, 脇 博美

雑誌名

鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要

24

ページ

279-286

別言語のタイトル

A report of case meetings focusing on children

’s development in special needs education

school : to make a high quality “Individual

educational plan"

(2)

BulletinoftheEducationalResearchandDevelopment,FacultyofEducation,KagoshimaUniversity 2015,Vbl24,279-286'

特別支援学校 における発達の視点 を軸 に した事例検討会の実践

一 質 の 高 い 「個 別 の 指 導 計 画 」 の 作 成 を 目 指 し て 一 高 尾 政 代[鹿 児島大学教育学部附属特別支援学校]・山 之 口 和 孝[鹿 児島大学教育学部附属特別支援学校] 新 條 嘉 一[鹿 児島大学教育学部附属糊J支 援学校]・脇 博 美[鹿 児島大学教育学部附属特別支援学校] Areportofcasemeetingsfocusingonchildren'sdevelopmentinspecialneedseducation school‐Tomakeahighquality"lndividualeducationalplan" TAKAOMasayo・YAMANOKUCHIKazutaka・SHINJOYoshikazu・WAKIHiromi キ ー ワ ー ド:発 達 の 視 点 、 個 別 の 指 導 計 画 、 事 例 検 討 会 、 特 別 支 援 教 育 1.は じめ に 本 校 は 、 知 的 障 害 の あ る児 童 生 徒 が 学 ぶ 特 別 支 援 学 校 で あ る 。 小 学 部 、 中学 部 、 高 等 部 の 三 つ の 学 部 か らな り 、59人 の 児 童 生 徒 が 学 ん で い る 。 特 別 支 援 教 育 は 児 童 生 徒 一 人 一 人 に 応 じた 教 育 で あ り、 そ の 実 践 に 当 た っ て は 、 児 童 生 徒 の 実 態 を 的 確 に 把 握 し 、 そ れ に 合 わ せ た 指 導 内容 ・方 法 を 工 夫 し、 実 践 し、 そ して 評 価 ・改 善 が 必 要 で あ る 。 そ の ツ ー ル と し て 、 「個 別 の 指 導 計 画 」 が 作 成 さ れ る 。 そ こで 、 本 稿 で は 、 教 師 が 発 達 の 視 点 を 軸 と し 、 児 童 生 徒 に つ い て 話 し合 う方 法 を 通 し て 、 質 の 高 い 「個 別 の 指 導 計 画 」 の 作 成 や 一 人 一 人 の 児 童 生 徒 に 応 じ た 指 導 の 実 践 に 生 か さ れ た 事 例 と そ の 成 果 及 び 課 題 に つ い て 報 告 す る 。 1.1「 個 別 の 指 導 計 画 」 の 質 ど の 特 別 支 援 学 校 に お い て も 、 児 童 生 徒 一 人 一 人 に 「個 別 の 指 導 計 画 」 が 作 成 さ れ て い る 。 「個 別 の 指 導 計 画 」 は 、 計 画 す る こ と だ け を 指 す の で は な く 、P(計 画)-D(実 践)-C(評 価)-A(改 善)の 一 連 の サ イ クル を 有 す る こ と が 大 切 で あ る 。 「個 別 の 指 導 計 画 」 の 質 はPDCAの 質 と と も に 、 よ り具 体 的 な 内 容 面 か ら捉 え る こ と も で き る 。 そ の 主 な 内 容 に は 、 ・児 童 生 徒 の 実 態 ・長 期 及 び 短 期 の 目 標 ・指 導 内 容 ・指 導 及 び 支 援 の 方 法 ・評 価 や 今 後 の 課 題 が 挙 げ られ る。 こ れ ら一 つ 一 つ の 内 容 を 設 定 す る 根 拠 や 妥 当 性 を 問 う こ と は 、 そ の 質 を 問 う こ と で あ る と 言 え る 。 ま た 、 特 別 支 援 学 校 に お い て は 、 複 数 の 教 師 で 授 業 を行 う 場 合 が 多 く、 共 通 理 解 す る た め に使 う こ と も あ り、 そ の 役 目 を果 た す ツー ル に な っ て い る か 、 と い う 点 も質 を 問 う こ と に な る 。 さ ら に 、P-D-C-Aの サ イ クル が 滞 りな く 流 れ て い る か 、 つ な が りに 整合 性 が あ る か 、 な ど も質 を考 え る 側 面 で あ る。 し か し、 最 も 問 わ れ る こ と は 、 一 人 一 人 の 児 童 生 徒 が 成 長 ・発 達 す る た め に 、 有 用 な も の で あ る か とい う こ とで あ る 。 一 人 一 人 の児 童 生 徒 の た め に、 教 師 が 責 任 を も っ て 作 成 す る こ と か ら、 当 然 、 教 師 の 専 門 性 や 指 導 力 も 問 わ れ る こ と と な る 。 1.2児 童 生 徒 の 実 態 把 握 「個 別 の 指 導 計 画 」 作 成 の ス タ ー トは 、 ま ず 児 童 生 徒 の こ と を よ く知 る こ と で あ る 。 児 童 生 徒 の 実 態 を把 握 す る た め に は、 様 々 な視 点 や 方 法 が あ り、 そ れ に よ っ て 得 られ る 情 報 は 異 な る 。 教 師 が 実 際 に 児 童 生 徒 と 関 わ っ た り 、 日 頃 の 様 子 を 見 た り し な が ら、 情 報 を 得 る こ と が 中 心 で あ る が 、 保 護 者 か ら 家 庭 や 地 域 で の 様 子 を 聞 き 取 っ て 得 る こ と も 重 要 で あ る 。 日々 の 様 子 だ け で は な く、 障 害 や 疾 病 の 診 断 の 時 期 を知 り、 治 療 歴 や 療 育 歴 な どの 過 去 の 情報 も 児 童 生 徒 を よ り知 る た め に 役 立 つ 。 ま た 、 知 能 検 査 や 発 達 検 査 な ど 、 決 め られ た 道 具 を使 い 、 定 め られ た 手 続 き通 り に行 っ て 得 られ る 情 報 も あ る 。 これ らは 、 何 の た め に ど の よ う な 情 報 が 欲 し い か に よ っ て 、 ど の 検 査 を す る か が 決

(3)

ま る 。 本 校 で は 、 平 成19年 度 か ら 、 新 版K式 発 達 検 査2001(以 下 、 新K式 検 査2001と 示 す 。)を 実 施 して い る 。 こ の 検 査 は 、0歳 児 か ら 成 人 ま で を 対 象 と した 検 査 で あ る。 本 校 小 学 部 の児 童 を対 象 に 、 発 達 の 状 況 や 課 題 を知 る こ とを 目的 と して 始 めた が 、 全 校 教 師 が 、 発 達 の 視 点 を も ち 指 導 に 当 た る こ と 、 児 童 生 徒 に お い て は 、 小 ・中 ・高 一 貫 し、 長 期 に 渡 る ア セ ス メ ン トが 指 導 上 重 要 で あ る こ と か ら 、 年 次 計 画 的 に全 校 児 童 生 徒 に実 施 した い と考 え た 。 現 在 で は 、 小 学 部1・4年 、 中 学 部1年 、 高 等 部 1年 の 児 童 生 徒 に 定 期 的 に実 施 し 、 事 例 検 討 会 も 行 っ て き た(片 岡 ほ か 、2012)。 1.3発 達 の 視 点 の 有 効 性 現 在 の 発 達 の状 況 や 課 題 を 詳 し く知 る こ と は、 「個 別 の 指 導 計 画 」 に お け る 目 標 の 設 定 や 指 導 内 容 ・ 方 法 を導 き 出 す た め に 大 き な 手 掛 か り と な る 。 ま た 、 教 師 が 児 童 生 徒 の 発 達 と い う 長 期 的 な 視 点 を も ち 、 段 階 性 や つ な が り を 考 え な が ら、 あ る 時 期 の 指 導 や 支 援 を 計 画 し 実 践 し て い く こ と は 、 大 事 な こ と で あ る 。 「個 別 の 指 導 計 画 」 は 、 毎 年 作 成 さ れ る が 、 担 任 教 師 が 替 わ る こ と に よ っ て 、 児 童 生 徒 の 見 方 や 指 導 ・支 援 の 設 定 が 変 わ る 場 合 が あ る 。 前 任 の 教 師 と児 童 生 徒 の 見 方 が 全 く 異 な っ た り、 急 に指 導 や 支 援 の 仕 方 が 変 わ った りす る と 、 児 童 生 徒 は 大 き く 戸 惑 う こ と に な る 。 指 導 や 支 援 の 方 法 が 多 少 変 わ る 場 合 も 、 変 わ っ て い く段 階 や そ の 根 拠 も 、 「個 別 の 指 導 計 画 」 に 反 映 を し な け れ ば な らな い 。 作 成 す る 教 師 は 替 わ っ て も 、 児 童 生 徒 を 中 心 と して 継 続 す る こ と が 、 個 に 応 じ た 教 育 と し て 重 要 で あ る 。 こ の よ う な こ と か ら、 教 師 が 発 達 と い う 共 通 の 視 点 を も っ て 、 「個 別 の 指 導 計 画 」 を 作 成 す る こ と は 、 教 師 間 の 有 効 な 引 継 ぎ 資 料 と して 役 割 を果 た し、 年 々 引 き 継 が れ る こ と で 、 長 期 的 な 教 育 の 質 を維 持 す る た め に 有 効 で あ る と 言 え る 。 新K式 検 査2001の 結 果 は 、 「姿 勢 一 運 動 」、 「認 知 一 適 応 」、 「言 語 一 社 会 」 の 各 領 域 と 、 これ ら三 つ を 合 わ せ た 「全 領 域 」 の 発 達 年 齢 、 発 達 指 数 が 算 出 さ れ る 。 各 項 目 は 、 そ の 発 達 年 齢 の50%の 通 過 率 で 設 定 され てお り、 通 過 、 不 通 過 と表 現 す る 。 検 査 項 目 を通 過 又 は 不 通 過 だ っ た い う結 果 だ け で な く 、 検 査 に 取 り組 む 様 子 を丁 寧 に見 て 、 児 童 生 徒 の 内 面 の 質 的 分 析 を 行 う こ とが 大 切 で あ る 。 検 査 に 向 か う 姿 や 意 欲 、 取 り組 み 方 を 分 析 し 、 そ の こ と を 通 し て 、 児 童 生 徒 の 内 面 や 発 達 状 況 を 明 ら か に した い と考 え た 。 そ れ ぞ れ の 教 師 の 「発 達 」 と い う概 念 の 認 識 や 知 識 は 様 々 で も 、 「発 達 の 視 点 」 で 考 え る こ と は 、 児 童 生 徒 の 内 面 を含 め た 全 体 の 姿 を 、 言 語 面 、 行 動 面 、 情 緒 面 、 認 知 や 知 的 の 発 達 面 な ど 多 面 的 な 方 向 か ら、 包 括 的 に 細 か く成 長 を 見 る こ と と捉 え た い。 1.4事 例 検 討 会 の 意 義 私 た ち は 、 一 つ の 検 査 か ら 、 児 童 生 徒 の 全 て を 把 握 で き る と は 考 え て い な い 。 検 査 を 通 し て 、 児 童 生 徒 の あ る 時 期 の あ る 側 面 を 知 り、 そ の 結 果 を 学 習 や 生 活 の 様 子 に 照 ら し 合 わ せ て 、 発 達 の 状 況 や 課 題 、 配 慮 す る 事 柄 を 導 き 出 し て い き た い 。 藤 本(1989)は 、 「た と え ば 、 発 達 診 断 か ら体 を 使 っ て の 遊 び が 必 要 と い う所 見 が 、 発 達 段 階 的 に 必 要 と い う 結 果 が 出 た 場 合 、 教 師 が 考 え る こ と は 、 体 を使 っ た 遊 び の 中 身 と して 、 そ の 文 化 性 、 ス ポ ー ツ に つ い て の 吟 味 を し て、 実 践 を組 み 立 て る こ と で す 。 そ こで 、 教 師 本 来 の 専 門 性 が 出 て く る べ き で す 。 教 育 学 の フ ィ ル タ ー を と お して 、 発 達 診 断 の 結 果 を 教 育 実 践 に 生 か し て ほ し い と思 い ます 。」 と 述 べ て い る。 発 達 検 査 の 結 果 を 指 導 や 支 援 に 生 か し て い く た め の 内容 や方 法 を 見 出 さな けれ ば い けな い 。 つ ま り、 活 用 さ れ る 検 査 結 果 で な け れ ば 、 現 場 で は 意 味 が な い 。 日々 児 童 生 徒 に 関 わ る 教 師 が 集 ま り 、 学 校 に お い て 実 現 可 能 で 具 体 的 な 指 導 内 容 ・方 法 、 配 慮 す べ き 事 項 な ど を 考 え 導 き 出 し て い く こ とが 事 例 検 討 会 の 意 義 で あ る 。 そ こ で 、 検 査 後 す ぐ に 、 全 て の 児 童 生 徒 に つ い て 、 指 導 の た め の 事 例 検 討 会 を行 っ た 。 本 校 の 全 教 師 が 検 査 に精 通 し 、 検 査 の 結 果 を 正 し く 分 析 す る 力 を 十 分 に備 え て い る わ け で は な い 。 し か し、 そ れ ぞ れ の 教 師 が 、 日頃 関 わ っ て い る 児 童 生 徒 に つ い て 、 意 見 を 出 し合 い 、 話 し合 い を 行 っ た 。

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2事 例 検 討 会 の 実 践 方 法 及 び 成 果 と 課 題 に つ い て 、 報 告 す る 。 2.1発 達 検 査 の 実 施 と 対 象 表1の と お り 、 平 成26年5∼6月 に 小 学 部4 年 生3件 、 中 学 部1年 生7件 、 高 等 部1年 生8件 、 計18件 の新K式 検 査2001を 実 施 し事 例 検 討 会 を 行 っ た 。 2.2事 例 検 討 会 の 方 法 検 査 の 結 果 を 基 に 、 当 該 学 部 の 全 教 師 と 検 査 者 が 集 ま り、 以 下 の よ うな 方 法 で 一 人 一 人 の 児 童 生 徒 に つ い て 話 し合 い を 行 っ た 。 ど の 学 部 も 同 じ手 順 で 実 施 し た 。 ① 検 査 者 が 、検 査 の結 果 や 様 子 につ いて 報 告 す る 。 ・ 検 査 全 般 で 見 られ た 児 童 生 徒 の 様 子 (検 査 に 取 り 組 む 姿 勢 や 意 欲 、 注 意 力 、 持 続 の 仕 方 や 疲 れ 方 、 掛 か っ た 時 間 な ど) ・ 「姿 勢 一運 動 」、 「認 知一適 応」、 「言語 一社会 」 の 各 領 域 及 び 全 領 域 の 発 達 年 齢 と発 達 指 数 ・ 検 査 項 目 ご と の 結 果 と取 り組 む 様 子

担 任 か ら、 日頃 の 様子 につ いて 説 明 した り、

検 査 の 内容等 について 質 問 した りす る。

・ 児童 生徒 の 日頃 の様子 や家 庭で の様 子

・ 検 査 の結 果か ら、児童生徒 について理解で

きた こと

・ 学習 や 生 活 上 で 困 って い る こ とに つ いて 、

検 査 か ら手掛 か りにな る ことは な いか等 の 質

全員 で検 査の結果 と児童生徒 のエ ピソー ドか ら、

発達 の状況 や行 動 の 背景 、思 考 の特 性 な どにつ

いて 仮説 を立 て る。

③ を基 に、 これ か らの指 導や 支援 に生 かせ る

こ と、 配慮 す べ き事 項 につ いて 協議 す る。 指 導

内容 や支援 の 手立て の工 夫 を導 き 出 しま とめる。

2.3小 学 部の 事例検 討 会

小 学部 で は、4年 生3人 につ いて行 った。 小 学

部 の教 師 は、算 出 され た発達 年齢 や発 達指 数か ら、

児 童 の発 達 の状 況 を想 像 し、 児童 の 具体 的 な 目標

や指導 内容 を設定 しやすか った と感 じて いる。 特 に、

年 間 を通 して 身 に付 けさせ た い 力、 つ ま り 「

個 別

の指 導計 画 」 にお け る長期 の 目標 を設定 す る際 の

根 拠 にな った。 小学 部 の学 習活 動 は 、学 級 を 中心

に して行 わ れ るが 、基 本 的 には小 学 部全 体 での 学

習 活 動 の時 間が 多 く、 休 み時 間 はプ レイ ルー ム や

校 庭 な どで 、各 学年 の 枠 を超 えて 、 どの学年 の 担

任 教 師 と も関わ りなが ら遊 ん で いる 。 この よ うな

学 校 生活 の ス タイル で 、 小学 部 の教 師全 員 が、 児

童 と深 く関 わ った経 験 を通 して、 実態 を把握 した

上で 、事 例検 討 会 に参 加 して い る。 このよ うな 理

由か ら発 達 年齢 等 か ら児童 の発 達 の 状況 を考 え や

す か っ たの だ と思 われ る 。 また、 事例 検 討会 で 導

き 出され た指 導 内容 や 配慮 事項 を、 遊び の時 間 や

学 部 全体 の活 動 の 時間 を通 して、 どの教 師 もす ぐ

に実践 で き る利 点 があ る。

中学部 ・高等 部 は、 入学 時 の実 態把 握 を大 きな

目的 として検 査 を実 施 して いる の に対 し、今 回検

査 を実施 した小 学部 の 児童 は4年 生 で あ り、す で

に本校 で3年 間学 んで い る。 した が って 、教 師 に

は児 童 の育 ちや 発達 と現在 の 状況 とそ のつ なが り

が ある程 度 分か った上 で 、事例 検 討会 に参加 して

い る者 が多 い。

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以 上 の よ う な こ と か ら、 児 童 の 生 活 全 般 に お け る エ ピ ソ ー ドを 、 発 達 の 視 点 で 捉 え て 、 議 論 す る こ と が ス ム ー ズ で あ っ た 。 今 年 赴 任 し て き た 教 師 は 最 近 の エ ピ ソ ー ドを 出 し た り、 以 前 か らい る 教 師 は 、 過 去 の 様 子 と 照 ら し合 わ せ た り して 意 見 を 出 す な ど、 ど の 立 場 の 教 師 も 意 見 を 出 しや す い 雰 囲 気 で あ っ た 。 以 下 に4年 生 の 事 例 を通 し て 、 小 学 部 の 事 例 検 討 会 の 特 徴 を 述 べ る 。 【小 学 部4年 生 の事 例 】 か ら入 学 した4人 、 合 わ せ て7人 に つ い て 実 施 した 。 一 般 的 に 、 生徒 一 人一 人 の実態 は異 な る と言 う も の の 、 発 達 の 視 点 か らだ け で も、 様 々 な 実 態 が 明 らか に な っ た 。 こ こで は 、 小 学 校 か ら入 学 した 生 徒Fの 事 例 を 通 し て 、 中 学 部 の 事 例 検 討 会 の 特 徴 を 述 べ る 。 【中 学 部Fの 事 例 】 写 真1はB児 の 話 し合 い の 記 録 で あ る 。 「(気持 ち の)立 て 直 し の 力 が ま だ つ い て い な い 。」、 「不 安 的 な と き は(何 か の)行 動 で 表 す 。」 な ど 、 発 達 段 階 を 想 像 し、 学 習 や 生 活 全 般 で 取 り組 む べ き 課 題 は た く さ ん 出 て き た 。 ま たA児 、C児 も 同 じ よ う に 、 生 活 全 般 で 取 り組 む べ き 課 題 や 、 「学 習 課 題 を提 示 す る と き の 位 置 や 大 き さ 、 色 な ど に 配 慮 す る 。」 な ど配 慮 す べ き 事 項 な ど も 、 ど の 学 習 に お い て も 生 か せ る 内 容 が 導 き 出 さ れ た 。 し か し 、 ど の 教 科 や ど の 単 元 で 、 ど の よ う に 指 導 し て い け ば よ い か と い う こ と ま で に は 、 話 し 合 い は 至 らな か っ た 。 児 童 の 姿 を 生 活 全 体 で 包 括 的 に 捉 え て 話 し合 う こ と は 、 小 学 部 と い う時 期 に お い て 妥 当 で あ る と考 え ら れ る 。 しか し 、 高 学 年 で の 教 科 指 導 や 中 学 部 へ の 移 行 支 援 、 引 継 ぎ を 考 え る 上 で は 、 教 科 に特 化 し た 具 体 的 な 指 導 内 容 を 段 階 的 に考 え て い く 必 要 が あ る と 思 わ れ る 。 ま た 、 話 し 合 い の 中 で 、 も っ と 知 り得 た い 情 報 も 挙 が り 、 他 の テ ス トバ ッテ リー で の検 査 を 実 施 す る こ と に な っ た 。 2.4中 学 部 の 事 例 検 討 会 本 校 の 小 学 部 か ら 入 学 し た3人 、 地 域 の 小 学 校 Fは 、 「言 語 ・社 会 」 領 域 が 「認 知 ・適 応 」 よ り も 高 く、 項 目 に よ っ て は 生 活 年 齢 同 等 、 そ れ 以 上 の 課 題 に 挑 戦 し よ う とす る意 欲 も あ っ た 。 日 常 の 会 話 は ジ ェ ス チ ャ ー や 表 情 な ど を使 っ て 支 障 な くで き て お り、 言 語 面 に つ い て の 課 題 が 特 に あ る と感 じて い な か っ た 。 しか し、三 つ の 単 語 を 聞 い て 、 一・つ の 文 章 に す る 「三 語 一 文 」 の 検 査 項 目(以 下 、 項 目 と 略 す 。)で は 、 「あ る と こ ろ に … 」 で 始 ま り、 指 示 さ れ た 三 つ の 単 語 を 含 む も の の 長 々 と 話 を し、 話 を終 え る こ と が で き な か っ た 。 ま た 、 項 目 「理 解(1)」 の 「食 べ 物 を 長 く 保 存 す る に は 、 ど う した ら よ い と思 い ま す か 。 あ な た が 考 え た こ と を で き る だ け 詳 し く 話 し て く だ さ い 。」 と い う 検 査 者 の 問 い に 対 して 、 「肉 は 冷 蔵 庫 の 下 か ら二 番 目 の 引 き 出 し に 入 れ 、 魚 は … 」 と 自 分 の 家 の こ と を 詳 し く長 々 と話 し 出 し た 。 項 目 「語 の 差 異 」 で の 「砂 糖 と塩 は ど う違 い ま す か 。」 問 い に 対 し て 「砂 糖 は 甘 く て 、 塩 は す っ ぱ い 。」 と 答 え た 。 ど の 質 問 に対 して も、 意 欲 的 に 回答 し た 。 これ に 対 し て 、 Fの 日 ご ろ の 様 子 を 照 ら し 合 わ せ た 。 写 真2は 、 中 学 部 生 徒Fに つ い て の 話 し合 い の 記 録 で あ る 。 生 徒 が ど の よ う な 考 え 方 を し て 、 問 題 を解 決 し よ う と し て い る の か を想 像 し い く つ も の 仮 説 を 立 て 、

(6)

そ れ に対 して ど の よ う に 指 導 ・支 援 を して い くか を 考 え た 。 そ して 三 つ の 身 に 付 け た い 力 を 導 き 出 し た 。1文 章 を ま と め る 力 、2自 分 の 経 験 を 一 般 化 し て 話 を し た り 、 一 般 常 識 を 答 え た りす る 力 、 3味 覚 に つ い て 表 現 す る 力 。 特 に 、3に つ い て は 、 Fが 、 味 を ど う感 じて い る の か を 確 認 し た 上 で 、 毎 日 の給 食 や 調 理 の 活 動 を通 し て 、 指 導 して い き た い と考 えた 。Fは 、 人 と関 わ る こ とが 好 きで あ る 。 そ の 気 持 ち を 大 切 に し、 学 校 生 活 の 文 脈 の 中 で あ らゆ る 機 会 を見 付 けて 表 現 す る 力 を 育 て た い 。 ま た 、 日常 の 会 話 や 宿 題 の 中 にFに 応 じ た 指 導 内 容 を 盛 り込 む よ う に して 、 学 級 や 学 習 グ ル ー プ で 取 り扱 わ な い 内 容 に つ いて 、 個 別 に対 応 す る こ と に した 。 さ て 、 中 学 部 で は 、 国 語 や 数 学 は 学 習 の 習 熟 度 に 応 じ た グ ル ー プ ご と に 学 習 し て い る 。 ま た 、 作 業 学 習 も始 ま り、 一 人 一 人 の 生 徒 の 興 味 ・関 心 や 経 験 を考 慮 し た 上 で 、 学 年 を 均 等 に 分 け て グ ル ー プ を編 成 して い る。 検 査 を実 施 した7人 につ いて も 、 そ れ ぞ れ の グル ー プ で4月 か ら学 習 を行 って いた が 、 こ の 事 例 検 討 会 を 経 て 、 学 習 グ ル ー プ の 再 編 成 を 行 い 、 学 習 の 習 熟 度 か らだ け で な く、 個 別 や 集 団 な ど 、 生 徒 に 合 わ せ た 対 応 が で き や す い 体 制 に 変 更 し た 。 さ ら に 、 検 査 と 事 例 検 討 会 を 例 年 よ り も 早 い 時 期 に行 っ た こ と に よ り、 結 果 を 踏 ま え た 上 で 、 「個 別 の 指 導 計 画 」 を 介 して 、 教 育 相 談 が で き た 。 新 入 生 に 対 して 初 め て 行 う 教 育 相 談 で は 、 保 護 者 か ら これ まで の 生 徒 の様 子 を 聞 く こ とが 多 い 。 しか し 、 今 回 は 、 発 達 状 況 や 課 題 の 視 点 を 共 有 しな が ら話 し 合 い が で き 、 具 体 的 な 情 報 交 換 を し た こ と で 、 よ りよ い 連 携 や 信 頼 関 係 が 築 く こ と が で き た 。 2.5高 等 部 の 事 例 検 討 会 高 等 部 で は 、 本 校 中 学 部 か ら入 学 し た6人 、 地 域 の 中 学 校 か ら入 学 し た2人 、 合 わ せ て8人 の 生 徒 に つ い て 実 施 し た 。 高 等 部 で は 、 教 科 等 や 生 徒 の 課 題 に 応 じ て 、 様 々 な グル ー プ を 編 成 し て 授 業 を 行 っ て い る。 こ う した こ とか ら、 教 師 に よ って は 、 関 わ る 機 会 が 少 な い 生 徒 も い る 。 こ の よ う な こ と か ら、 事 例 検 討 会 を 小 ・中 学 部 と 同 じ よ うな 方 法 で 実 施 した も の の 、 結 果 と して 、 指 導 内 容 ・方 法 を 導 き 出 す た め の 議 論 は 何 段 階 か の 手 続 き が 必 要 で あ っ た 。 こ の 手 続 き に つ い て 、 以 下 の 二 人 の 事 例 で 説 明 を す る 。 【事 例1K地 域 の 小 学 校 → 本 校 中学 部 → 高 等 部 】 項 目 「絵 の 名 称 」 は 、 検 査 者 が 絵 カ ー ドを 提 示 して 「こ れ は 何 で す か 。」 と 尋 ね 、 そ れ に 答 え る 検 査 で あ る 。Kは 、 見 え た 瞬 間 に 絵 の 名 称 を 言 い 、 検 査 者 の 質 問 は 聞 い て い な か っ た 。 「絵 の 名 称1」 、 「]工」 と も に6問 ず つ あ る が 、 「靴 」 の 絵 を 「靴 下 」 と 答 え た 以 外 正 解 で あ っ た 。 カ ー ドを 使 っ て 線 の 長 短 を 比 較 す る項 目や 円 の大 小 比 較 す る 項 目で は 、 誤 答 で あ っ て も 「か ん た ん 。 か ん た ん 。」 と 言 っ て お り 、 絵 カ ー ドを 見 て 答 え る こ と に は 、 自信 が あ っ た と 推 測 さ れ た 。 「3数 復 唱 」 に は 一 つ の 数 だ け 答 え 、 「短 文 復 唱 」 で は 、 検 査 者 の 「犬 は よ く走 り ま す 。」 に 対 し て 「走 る 」 と答 え 、 「夏 に な る と暑 い 。」 は 「な つ い 」 と 答 え た 。 学 級 で は 、 自 分 か ら人 と の 関 わ りを も と う と す る 姿 が ほ と ん ど 見 られ な い 。 中 学 部 か ら一 緒 に 入 学 し て き た 友 達 が ず っ と 声 を掛 け て 、 そ れ を 聞 い て 集 団 の 活 動 に 参 加 し て い る こ と が 多 い 。 作 業 学 習 な ど 自 分 の 作 業 が 終 わ る と 「で き ま し た 。」 と 言 う が 、 物 が 完 成 した と き も 、 自 分 が 止 め た い と き も 、 「で き ま し た 。」 と 言 っ て い る 。 家 庭 で は 、 好 き な 場 所 が あ りそ こ で 落 ち 着 い て 過 ご す こ と が 多 く 、 自 分 か ら母 親 に 要 求 を 出 す よ うな 状 況 は ほ と ん どな い 。 そ の 姿 か ら 、 自 ら人 と の 関 わ り楽 し ん で 欲 し い 、 そ の た め に は ど う し た ら い い か と 段 階 的 に 考 え た(図1)。 Kの 事 例検 討 会 は 、 校 内実 習 の期 間 中 に 行 わ れ た 。 校 内 実 習 と は 、 本 校 を 職 場 に見 立 て て 、 一 日 中 の 作 業 を2週 間 行 う こ とで あ る。 そ こで 早 速 、 友 達 に、 rPさ ん 。」 「(材料 を)く だ さ い 。」 の 言 葉 を 図1 ④ の 方 法 で 指 導 す る こ と に し た 。 以 前 は 、 友 達 の 名 前 や 難 し い 材 料 名 、 「く だ さ い 。」、 「分 か り ま し た 。」、 「お 願 い し ま す 。」 な ど の 動 詞 な ど も言 う よ う に 指 導 を して い た が 、 友 達 の 名 前 と 「くだ さ い 。」 の動 詞 だ け に 絞 り込 み 、 早 速 指 導 を始 め た 。 最 初 は 、 Pの 顔 も 見 ず 、 材 料 を 取 り な が ら 「く だ さ い 。」 と 言 っ て い た が 、 写 真 や ホ ワ イ トボ ー ド を見 な が ら理 解 を 深 め る こ とで 、Pに 向 か っ て 言 え る よ う に な っ て き た 。Pが 嬉 しそ う に 「は い 。 わ か りま した 。」、 「ぼ く は 、 こ こ に い ま す よ 。」 と 言 うの が

(7)

目線 を そ ら した り 、 分 か っ た と き は うな ず い た り し て 意 思 表 示 を す る 。 徐 々 に慣 れ て き て 、 自分 が お も し ろ い と思 う こ と を 黒 板 に 書 い た り、 伝 え た い こ とが あ る と 文 字 で 書 い た りす る よ う に な っ て き た 。 検 査 で は 、 「言 語 ・社 会 」 の 領 域 の 指 さ し を し て 答 え る 項 目 ま で は 通 過 し た が 、 言 葉 で 答 え る 項 目 は 回 答 せ ず 、 笑 顔 で 体 を 小 刻 み に 上 下 に揺 ら し て い た 。 そ こ で 、 「言 語 ・社 会 」 領 域 と 「全 領 域 」 の 発 達 年 齢 や 発 達 指 数 は 算 出 せ ず 、Mの 書 き 言 葉 や 人 と の 関 わ り方 な ど、 日頃 の様 子 か ら課 題 を 洗 い 出 し、 そ れ を 「認 知 一 適 応 」 の 領 域 の 結 果 と 合 わ せ て 、 Mの 指 導 内 容 や 配 慮 事 項 な ど を考 え た 。

とて も印象 的 で あ り、そ の よ うな環 境 を作 れ た こ

とも大 きな成 果 であ る。

事例2M小

学 校→ 中学 校→ 本校 高等 部 】

Mは 、本 年 度4月 に 中学校 か ら入 学 した 。 小学

校 の高学 年か らこれ まで 学校 では声 を発 して な い。

家庭 で は 、学校 で の 様子 な どを保護 者 に話 して伝

え て い る。 本 校 に入 学 して か らも話 は しな い が 、

人 か ら話 し掛 け る と恥 ず か しそ うに微 笑み な が ら

エ ピ ソ ー ドや 導 き 出 さ れ た 具 体 的 な 指 導 課 題 に つ い て は 省 略 す る が 、 指 導 内容 ・方 法 が 導 き 出 され 、 す ぐ に 指 導 に 生 か し 始 め る こ とが で き た 。 3.考 察 写 真3は 、 高 等 部Nの 事 例 で あ る 。 国語 、 数 学 、 体 育 な ど 、 ど の 教 科 で 何 を 教 え て い くか を考 え な が ら検 討 し た 。 例 え ば 、 国 語 で は 書 字 の 力 が 獲 得 す る の に 時 間 が 掛 か っ て い る の は な ぜ か 。 原 因 の 一 つ は、 中 学 部 で の 欠 席 が 多 く、 学 習 の 積 み 上 げ が 十 分 で は な か っ た の で は な い か と い う 仮 説 を 立 て た 。 ど の 児 童 生 徒 に お い て も 、 こ の よ う に 教 師 の 意 見 を ボ ー ドに 書 き 、 「これ が で き な い の は 、 こ の 力 が 十 分 で な い か ら か 。」、 「こ の 指 さ し に は 、 も っ と 違 う 意 味 が あ る の で は な い か 。」 な ど 、 仮 説 を 立 て な が ら 、 話 を 進 め て い っ た 。 結 果 と して 、

(8)

指導 内容が 多 く出 された 生徒 、 配慮 す る事 柄 が話

し合 いの 中心 にな った児 童 、関 わ り方 の工 夫 が 中

心 にな っ た生 徒、 教科 ご とに指 導 内容 が 出 された

生徒 な ど一 人 一人 によ って導 き出 され た 内容 も異

な った 。そ こで 、各 学部 の事 例検 討 会 の結 果 につ

いて 、全 校職 員 で共通 理解 す る時 間 を設 け た。

さて、事例検討会 の方法 であるが、 まず検査者が 、

検 査 結果 の何 に注 目 し、 それ が どの よ うな 意 味 を

もつ のか を事 前 に考 えた り、調 べ た りす るな どの

準備 を した。 そ のた め に、担 任 等 に聞 き取 りの時

間 を設定 しな い まで も、検 査 か ら何 を知 りた いか 、

学習 や 生活 上 で知 りた い情報 は何 かな ど事 前 に 聞

い た。 ま た、 これ まで の学習 や 生活 の様 子 を 「

別 の指 導計 画 」等 の 資料 を通 して情 報 収集 し、過

去 の検 査等 の 結果 も知 る こ とが で きた 。検 査 の対

象 とな る児 童 生徒 と 日頃 か ら直 接 関わ った り、学

習や 生活 の様子 を見 た りで き る ことは 、検 査 の実

施や 事例 検 討 会 をス ムー ズ に進 行 して い く上 で は

大 き く役立 った。 これ は、教 師 が学 校現 場 で検 査

や事 例検 討会 をす る利 点 であ る と言 え る。

また 、検 査 者が 事 前 に得 た情 報 を一方 的 に提 供

してか ら、話 し合 い を始 め るの で はな く、 参加 し

て い る教師 と共 に検 査 の結果 を生活 全般 に照 らし

合 わせ 、お お まか に児童 生徒 の 全体 の姿 を共通 理

解 した 上で 進 め た。 この こ とで 、教 師 の経 験 年数

や児童生徒 の関わ り方 、関わった時間等 に関係な く、

意見 を出す こ とが で き、 有意 義 な議 論 がで き た と

考 え る。児 童 生徒 につ いて共 に考 え、 具体 的 で実

現可 能 な指 導 内容 や 方法 を導 き出 し、 実践 す る こ

とは、 学校 の 日常 場 面 にお いて 教 師 同士 で 評価 が

し や す くな り、 ま た 、 児 童 生 徒 の 成 長 を 共 に 喜 ぶ こ と が で き る 。 こ の こ と は 、 日常 的 に 実 態 把 握 を す る 力 や 評 価 を す る 力 を 高 め る こ と が で き 、 学 校 全 体 の 組 織 力 に も つ な が る と 推 測 さ れ る 。 新K式 検 査2001は 、 年 齢 が 上 が っ て も 検 査 が で き る こ と か ら、 指 導 の 一 貫 性 の た め の 有 効 な 手 立 て に な る の で は な い か と考 え 取 り 組 ん で き た 。 し か し、 同 じ検 査 を 実 施 す る こ と が 一 貫 性 に つ な が る の で は な く 、 発 達 の 視 点 を 軸 に して 、 各 学 部 の 児 童 生 徒 や 学 部 の 体 制 の 特 徴 に 応 じた 事 例 検 討 会 を進 め 、そ の成 果 を蓄 積 して い く こ とが 、 小 ・中 ・ 高 に お け る 指 導 の 一 貫 性 に つ な が る の で は な い か と 考 え 始 め て い る 。 事 例 検 討 会 後 、 教 師 自 身 が 「個 別 の 指 導 計 画 」 の作 成 にお い て 、 「目標 設 定 の 根 拠 を 明 確 で き た 。」、 「これ ま で 以 上 に様 々な 指 導 内 容 を考 え られ た。」、 「学 部 教 師 で 生 徒 に 合 っ た 方 法 を 考 え 出 せ た 。」 と い う 実 感 を も て た 意 味 は 大 き い 。 結 果 を 、 具 体 的 か つ 実 際 的 に 、 児 童 生 徒 の 関 わ り方 の 改 善 ・工 夫 、 学 習 グ ル ー プ の 編 成 や 指 導 内 容 ・方 法 の 改 善 に 結 び 付 け る こ とが で き た の も こ の 実 感 が 大 き か っ た か らだ と 思 わ れ る 。 ま た 、 「個 別 の 指 導 計 画 」 の 作 成 に お い て 、 しば し ば課 題 と な る教 科 問 の 関 連 性 、 指 導 の 段 階 性 や 指 導 目 標 の 重 点 化(優 先 順 位)を 考 え る 上 で の 有 効 な 手 掛 か り が 、 議 論 か ら導 き 出 せ た 児 童 生 徒 の 事 例 も あ っ た 。 今 年 度 の 事 例 検 討 会 を 終 え て 、 私 た ち は 、 発 達 の 状 況 を 十 分 理 解 した 上 で 、 検 査 の 結 果 を指 導 に 生 かす た め の 議 論 が 十 分 にで き た とは考 え て い な い。 今 後 、 児 童 生 徒 が どれ だ け 成 長 し た か が 、 事 例 検 討 会 や 「個 別 の 指 導 計 画 」 の 評 価 で あ り、 これ か らそ れ を 追 求 し な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 日々 の 教 育 実 践 や 研 修 等 を 通 し て 、 児 童 生 徒 を 見 る 力 、 発 達 を 理 解 す る 力 を 高 め 続 け て い か な け れ ば な ら な い と 考 え て い る 。 4.ま と め 「個 別 の 指 導 計 画 」 は 、 教 師 一 人 一 人 が 責 任 を も っ て 作 成 す る も の で あ る 。 そ れ は 、 一 人 で 抱 え 込 ん で 作 成 す る も の で も 、 複 数 の 教 師 の 話 合 い に よ って 、 作 成 の 責 任 を分 散 さ せ る も の で も な い 。 児 童 生 徒 に つ い て 真 剣 に 語 り、 伸 ば し て い く た

(9)

め に 創 意 工 夫 し続 け る 教 師 集 団 こそ が 、 質 の 高 い 「個 別 の指 導 計 画 」 を作 る こ と が で き る と考 え る 。 謝 辞 本 実 践 報 告 の 基 礎 と な る 新K式 発 達 検 査2001 を 本 校 に 取 り入 れ て く だ さ り、 これ ま で も 子 ど も の 発 達 や そ の 理 解 に つ い て 御 教 示 くだ さ い ま した 鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 障 害 児 学 科 片 岡 美 華 先 生 に 深 く感 謝 い た し ます 。 参 考 文 献 生 澤 雅 夫 、 岩 知 道 志 郎 、大 上 律 子 、 大 久 保 純 一 郎 、 大 東 美 智 子 、 郷 間 英 世 、 清 水 里 美 、 中 瀬 惇 、 西 尾 博 、 松 下 裕 、 山 本 良 平(2002)新 版K式 発 達 検 査2001実 施 手 引 書.京 都 国 際 社 会 福 祉 セ ン タ ー 、 京 都 高 片 岡美 華 、 白 土 暢 之 、 内倉 広 大 、 尾 政 代(2012) 発 達 的 視 点 に 基 づ く こ ど も 理 解 と 特 別 支 援 学 校 の 学 部 間 連 携.鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 教 育 実 践 紀 要 第22巻 、PP.91-100 藤 本 文 朗 、 竹 下 秀 子 、 白 石 正 久 、 高 城 寛 志 、 白 石 恵 理 子 、 荒 木 穂 積 、 別 府 哲 、 浅 野 武 男 、 藤 井 克 美(1989)発 達 診 断 と 障 害 児 教 育.青 木 書 店 、 東 京pp.6-8

参照

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