平成26年7月11日
農林水産省食料産業局企画課
食品企業行動室長 横田美香
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食品製造におけるHACCPの導入等
安全・安心対策について
平成26年度第2回農林水産業再生セミナー本日のお話
1 食品安全の考え方の潮流とHACCP
2 海外の食品安全をめぐる状況
3 国内の食品安全をめぐる状況
4 HACCP導入の課題と支援策
5 フード・コミュニケーション・プロジェクト
2
1 食品安全の考え方の潮流とHACCP
4
食品安全行政
<近年の世界における食品安全行政の考え方>
① 消費者(国民)保護の強調
② フードチェーンの全部をカバーする必要性を強調
③ 事後対応より未然防止に重点を置く
※ 問題発生の未然防止
、
悪影響の可能性を低減
するための枠組み
をリスクアナリシス(リスク管理、リスク評価、リ
スクコミュニケーション)といい、日本では「食品安全基本法」(平成15年)でこの考え方を導入。
製品検査
工程管理
取り組む
段階
最終製品
原材料受入れから最終製品までの
全工程
方法
一定率の抜き取り
危害を予測し、危害防止になる重
要な工程を、全ての製品について
継続的に監視・記録
事故対応
検査で不適合をみつけたら、
一連の全ての製品の廃棄
が必要
効果的に問題のある製品の出荷を
未然に防止
5
■ WTO加盟国の
食品安全
に関する措置は、
① 科学的原則
に則っていなければならない~科学的根拠なしに維持して
はいけない(第2条2)
② 国際的な基準(
Codex規格
)が存在するならば、それに基づいていなけ
ればならない(第3条1)
③ リスク評価に基づいていなければならない(第5条1)
S
anitary and
P
hyto
s
anitary(人、動物、植物の生命もしくは健康)
食品の安全性を確保し、公正な国際貿易を担保するための国際的なルール。
WTO協定に含まれる協定(付属書)の1つであり、正式には「衛生植物検疫措置の適
用に関する協定」と訳されている。
検疫だけでなく、最終製品の規格、生産方法、リスク評価方法など、食品安全、動植物
の健康に関するすべての措置(SPS措置)を対象。
WTO/SPS協定
コーデックスにおける議論
○ 国際的な食品流通・海外旅行の増加
⇒ 疾病の世界的拡散をより容易に
⇒ 健康や経済的利益のために効果的な衛生管
理が、極めて重要
○ 1969年、FAO/WHO合同食品規格委員会
(コーデックス委員会)が「食品衛生の一般原則」を
国際的に勧告
○ 1993年、「HACCPシステム及びその適用のた
めのガイドライン」を公表
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HACCPとは
1 原材料の受入れから最終製品までの各工程ごとに、
微生物によ
る汚染、金属の混入などの危害要因を分析(HA)
した上で、危害
の防止につながる
特に重要な工程(CCP)を継続的に監視・記録
する
「工程管理システム」
2 これまでの品質管理の手法である最終製品の抜取検査に比べ、
より効果的に
問題のある製品の出荷を
未然に防ぐ
ことが可能
HACCP
方式
※重要管理点
(CCP)の例
継続的な監視・記録
異物の検出
温度の管理
H:
(Hazard Analysis)
危害要因の分析 微生物、異物など
CCP
(Critical Control Point)
重要管理点 殺菌工程における温度、時間など
工
程
例
原
材
料
入
荷
保
管
加
熱
冷
却
包
装
出
荷
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HACCPのポイント①
事後対応
未然防止
対応時点
事故が起こった後 事故が起こる前
考え方
・被害の拡大防止 ・被害の発生その
ものを未然防止
1 事後対応から未然防止へ
2 科学的根拠の提示の必要性
1 事後対応から未然防止へ
8
食品の安全性を向上させるためには、
「後始末より未然防止」
HACCPのポイント②
○ 食品製造段階と消費の分離
食の外部化・複雑化により、消費者から農業生産
や食品流通が見えにくい
○ 調達のグローバル化
原材料や加工食品の調達・供給は、国内に
とどまらずグローバル化が進展
○ 事故が起きた場合の被害の最小化、原因究明
食品製造過程における記録等の科学的な
根拠・証明の必要性が増加
2 科学的根拠の提示の必要性
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HACCPの導入によるメリット
資料:平成24年度食品製造業におけるHACCP手法の導入状況実態調査
注:HACCP導入状況について「導入済み」、「導入途中」又は「導入を
検討」と回答した企業を対象に調査
95.1
78.0
71.7
50.7
45.1
27.9
16.9
10.6
4.2
0.7
0.7
-
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
品質・安全性の向上
従業員の意識の向上
企業の信用度やイメージの向上
製品イメージの向上
事故対策コストの削減
取引の増加
製品ロスの削減
製品の輸出が可能(有利)
製品価格の上昇
その他
特に効果はない
品質・安全性の向上
従業員の意識の向上
企業の信用度やイメージの向上
製品イメージの向上
0.0
(%)
10
食品の仕入れ時にHACCP導入を考慮する割合
資料:(株)日本政策金融公庫による平成25年度下半期食品産業動向調査結果
11
57.9%(296社)
【食品販売業者(卸売業・小売業・飲食業)511社に対する調査結果】
1.6%(8社)
9.0%(46社)
①HACCP導入が必須
②HACCP導入の
仕入れ先を優先
③HACCP導入も
検討材料
31.5%(161社)
HACCP導入は検討
材料としない
HACCP導入を考慮する割合
(①~③の合計)
=
68.5%
HACCPの導入状況
○ HACCP導入率は、大手規模層は8割だが、中小規模
層は27%で伸び悩み
全
体
中小規模層
(1億~
50億円)
(参考)大手層
50~100
億円未満
100億円
以上
(参考)
平成12年度
10%
-
35%
59%
平成18年度
15%
16%
68%
73%
平成22年度
19%
22%
77%
73%
平成23年度
24%
27%
67%
76%
平成24年度
24%
27%
80%
84%
出典:平成18年度は「食品産業動向調査」、平成22年度以降は「食品産業に
おけるHACCP手法の導入状況実態調査」(農林水産省調べ)
平成12年度は回答の選択肢が異なるため、参考として掲載
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国内のHACCP認証制度
2.
都道府県等における取組
(通称:自治体HACCP)
・都道府県、政令指定都市等が、食品関連事業者を対象に、HA
CCPの考え方を参考にして構築した独自の衛生管理認証制度
1.
総合衛生管理製造過程承認制度
(通称:マル総)
・HACCPの概念を取り入れた厚生労働大臣による承認制度
(食品衛生法第13条第1項)
・「乳」、「乳製品」、「食肉製品」、「魚肉練り製品」、「容器包装
詰加圧加熱殺菌食品」、「清涼飲料水」の6品目が対象
4.
大手小売業者等における取組
・大手小売業者等が、HACCPの概念を取り入れた衛生管理基
準を定め、取引先となる食品製造事業者に当該基準による管
理を要求
・取引条件として用いられる場合がある(大手コンビニチェーン等)
3.
業界団体等における取組
・業界団体が、HACCPの概念を取り入れた業界独自の衛生管
理基準を定め、認証を実施
・業界内の衛生管理水準を向上
承認施設
524施設
(平成26年2月現在)
自治体独自
に44制度
(農林水産省調べ)
導入状況
業界団体に
より多様
企業により
多様
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2 海外の食品安全をめぐる状況
主要国における 国内食品へのHACCP義務化
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2.
EU
一次生産を除く全ての食品の生産、加工、流通事業者にHACCPの概念を取り入れた衛生
管理を義務付け。(2006年完全適用)ただし、中小企業や地域における伝統的な生産方法
等に対しては、弾力的運用。
1.
米国
一部の食品(水産物及びジュースの加工・輸入、食肉及び食肉製品)に、HACCPによる衛
生管理を義務付け。(1997年~2002年に、品目ごとに導入)
【食品安全強化法】 平成23年1月成立。米国内で消費される食品を製造、加工、包装、
保管する全ての施設について、①FDAへの登録とその更新、②HACCPの概念を取り入れ
た措置の計画・実行を義務付け。(なお、②は、計画の要件、適用スケジュール等を定めた
規則案のパブコメを実施(平成25年1月~11月)、最終案の公布後に施行。)
3.
台湾
一部の事業者(食肉加工事業者、乳製品加工事業者、水産食品事業者)に対して義務化
(2003年以降、品目ごとに導入)。
4.
韓国
一部の食品(①蒲鉾類、②魚類・軟体類・調味加工品、③冷凍品のうちピザ類・饅頭類、麺
類)、④氷菓類、⑤非加熱飲料、⑥レトルト食品、⑦白菜キムチ)に対して義務化。(2006年
以降、企業規模により段階的に適用)
他に
カナダ、オーストラリア、シンガポール
でも、一部の食品又は事業者に対して義務化
日本からの輸出食品に対する主要国の対応
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○ 日本から輸出する際に、日本政府又は国内の第三者
認証機関等によるHACCP認証が必要な国・地域と対象
食品
・EU
:水産物、水産加工品、牛肉
・米国
:水産物、水産加工品、牛肉
・カナダ:牛肉
・香港
:牛肉
・シンガポール:牛肉
・メキシコ:牛肉
・ニュージーランド:二枚貝(ホタテガイの貝柱を除く)
輸出促進のためには、輸出環境の整備の一環と
して
輸出先国が求めるHACCPに対応する必要
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GFSI(GLOBAL FOOD SAFETY INTIATIVES)
● 2000年5月に、グローバルに展開する小売業が集まり、食品安全の向上と
消費者の信頼強化に向け、The Consumer Goods Forum(TCGF:世界70カ
国、約400社のメーカー、小売業者、サービス・プロバイダーによる国際的な
組織。)の下部組織として発足した機関。
● 食品安全リスクの低減とコストの最適化を目指し、
乱立する食品安全認証
システムの承認
や食品企業の能力向上等の取組を行っている。
食品事故の多発
原料の調達・加工・生産のグローバル化
監査コストの増大
食品安全スキームの多様化
食品安全のグローバル規格の必要性を共有
2000年5月 GFSI発足
(CIES(国際チェーンストア協会)の年次理事会にて)
食品安全マネジメントシステム間で等価性を図り、収束することにより、
食品安全リスクを軽減するとともに、コストを最適化する。
GFSI
承認
ガイダンスドキュメント
への適合性を審査
承認済スキーム
SQF
GRMS
FSSC22000
IFS
CANADA GAP
Alliance
BRC
Global GAP
Prims GFS
承認中スキーム
China HACCP
ガイダンスドキュメント
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GFSI 食品安全認証スキームの承認の仕組み
コカ・コーラ、サプライヤーにGFSI認証取得要請へ
イオン、GFSI取得で監査免除PB供給元の負担軽減
GFSI、FDAと相互承認検討 食品関連施設検査で
日本食糧新聞 2010/10/22
日本食糧新聞 2012/01/25
日本食糧新聞 2012/11/02
キューピー、「食の安全」国際規格で強化
日本経済新聞 2014/02/19
GFSIに関する報道
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ISO22000
(International Organization
for Standardization)
FSSC22000
(Food Safety System
Certification)
SQF
(Safe Quality
Food)
運営主体 国際標準化機構(ISO)
食品安全認証財団(FFSC財団) 米国小売協会(FMI)
主なター
ゲット
世界
欧州
米国・豪州市場
適用品目
一次産品から小売、製造・
加工に利用する機材、途中
の運送など、
フードチェーン
に直接・間接的に関わる全
ての組織
が認証の対象
・生鮮の肉、卵、乳製品、魚製
品等
・生鮮の果実・ジュース、野菜等
・常温での長期保存品(缶詰、ビ
スケット、スナック類、油、飲料
水等)
・ビタミン、添加物等
・一次産品
・加工品
・保管
・物流
特徴
食品に限らず一般的な品質
の管理システムである
ISO9001に、食品安全の基
本である食品の
一般的衛生
管理とHACCPを統合
した管
理システム
ISO22000の
一般的衛生管理部
分をより具体化
した管理システ
ム
・
システムを含む製品
も認証
(製品に認証
マークを付与可)
・食品に対する認証
レベルを3段階設置
・レベル3では衛生の
他に品質における危
害分析も実施
食品安全マネジメントシステム認証制度の例
20
21
日本における認証数の推移
●国際的なマネジメントシステム認証の広がり
出典;ISOホームページ(ISO Survey)、FSSC22000ホームページ( (http://www.fssc22000.com/en/) )より作成