第 3 号 査読付論文掲載を始めるに当たって 119 Preface(序文) 日本熱電学会誌 第 14 巻第 3 号(2018)119
査読付論文掲載を始めるに当たって
-和文論文投稿のすすめ!
河本 邦仁
1* 1 豊田理化学研究所,〒 480-1192,愛知県長久手市横道 41 番地の 1The Journal of the Thermoelectrics Society of Japan Vol. 14, No. 3 (2018), p. 119 Ⓒ 2018 The Thermoelectrics Society of Japan
Commencing Publication of Peer-Reviewed Papers
– Submit your manuscripts written in Japanese
Kunihito Koumoto
1*1 Toyota Physical and Chemical Research Institute, Yokomichi 41-1, Nagakute, Aichi 480-1192, Japan
(Received September 3, 2017; Accepted September 3, 2017; Published April 20, 2018)
和文論文を日本熱電学会誌に投稿しよう!
本学会は年々会員数が増加の一途をたどり,約 500 名の立 派な学会に成長してきました.しかし一方で,機関誌である 日本熱電学会誌には肝心のオリジナル研究論文は掲載され ず,すべて欧文(英文)論文として日本金属学会の“Material Transactions”誌に投稿・掲載されるという,学会としては 不完全な状態が続いてきました.そこでこの機を捉え,これ まで懸案事項の一つであった学会誌改革の一環として,査読 付論文の投稿を受け付け,採択論文を掲載することに決定し ました. 査読付論文には学術論文と技術論文の 2 種類があり,それ ぞれに原著論文とレビュー論文が含まれます.将来的には, 日本熱電学会誌をすべての熱電関連論文を掲載する専門誌に したいと願っていますが,今はまだ過渡期の状態にあるため, 和文論文と英文論文の投稿をともに受け付けることにしては いるものの,先ずは和文論文の投稿を奨励して,なるべく多 くの論文を掲載することにしました. 和文論文投稿を奨励する背景には,学生・若手技術者の論 文作成能力向上の手助けをする意味が実は込められていま す.科学・技術の研究成果をまとめて論文にする能力を身に 着けるためには,それなりの訓練が必要です.つまり,デー タの解析・解釈・評価,図・表の作成,文献調査・整理など を行い,これらの情報を関連付けることによって,新しい発 見・発明など自分の主張したい事項をサポートする論理を構 築することが論文作成の最も重要なプロセスですが,一朝一 夕にできるようにはなりません.やはり,これができるよう にするための訓練が必要です.この訓練をいきなり英語でや ろうとすると,日本語を母国語とする人にとってはバリアが 高く,なかなかその気になれませんし,簡単にできるもので はありません.そこで,先ずは和文論文を書く訓練を通じて 論理的思考力や論理構築力を養い,次第にインパクトのある 英文論文が書ける研究者・技術者に育っていってほしいとい う親心から,学生諸君や若手技術者の皆さんが論文を書く能 力をアップさせていくのをお手伝いする狙いで,和文論文の 投稿ができるようにしました. もちろん,若い人だけでなく,多くの人たちに有効に利用 していただければ幸いです.掲載された和文論文を英文論文 に直して Material Transactions 誌に投稿することが認めら れていますので,業績としては合わせて 1 報としかカウント されませんが,論文執筆訓練には十分使っていただけるで しょう.また,和文論文投稿・掲載の効果はこれだけでなく, 他にもいろいろ考えられます.英文論文にするのが面倒なた めに公表されないまま埋もれている貴重なデータが沢山あり ますが,和文論文で比較的簡単に公表できれば,重要な資料 を世に提供することになります.こうした資料が増えてくれ ば,海外からの注目度も次第に高まっていき,学会誌として の質も向上し,さらに熱電科学技術の進歩・発展にも繋がっ ていくでしょう.和文論文の積極的な投稿をお願いします.* Corresponding Author: [email protected]