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(1)

東京商品取引所

貴金属検定試験対策セミナー

2018年11月28日

(2)

目的:商品先物取引に関する専門知識の普及を促進し、もって投資家、ヘッジャー、ブローカー等の資質向上に資す ることを目的とする(「東京商品取引所専門性向上試験実施細則」第1条目的)

商品先物取引の主要な機能と本試験で求められている知識との関係

・透明な価格形成機能 ⇒ 相場を予測する上での商品知識の取得

(投資家・ヘッジャーともに必要)

・リスクヘッジ機能 ⇒ 価格変動に対するリスク管理に係る基礎知識の取得

(主にはヘッジャー、ロスカットなどのリスク管理手法は投資家も必要)

・投資手段の提供機能 ⇒ 投資理論に係る基礎知識の取得

(主には投資家、価格形成の観点からヘッジャーにも関係)

・換金機能・現物取得機能・在庫調整機能

⇒ TOCOM受渡制度に係る基礎知識の取得

(主にヘッジャーに関係、現物に投資する投資家にも関係)

※ブローカーは顧客(投資家とヘッジャー)に対し、適切な情報を提供するために、

上記の商品先物取引のすべての主要な機能に係る知識を取得する必要がある。

⇒ 昨今の経済環境とブローカーに求められる知識

・ITC技術の進歩 ⇒単なる注文仲介者では不足、分析能力や付加価値の高い情報提供が必要

・リーマンショック後の規制環境の変化 ⇒ 特にリスク管理の知識不可欠

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2

・本試験制度は2004年5月に開始した金先物オプション取引の普及啓発の一環で始まったオプション検定試験が 前身で、2008年に現在の制度となった。 ・今年度から、オンライン化した上で、年間3回(1月、7月、10月)開催することとなった。 ・合格者は「当社認定商品アナリスト」と称することができ、毎年の更新講習を受けることで、資格更新ができる。 ・また、当該有資格者が5名以上在籍する法人を「人材高度化法人」として表彰している。 ・「金」は世界的に原油と並ぶ大型商品で、金融商品の側面も有しており、TOCOMでも主力商品として普及啓発 に注力しており、基礎的な商品知識の普及は不可欠との認識から、今回のセミナーの開催となった。

2018年度第2回

H30.10.9~10.15実施 ※ ※ ※ 受験者数 標準偏差(A) 平均正答率(B) 変動係数(A÷B) 最高正答率 最低正答率 70%以上 合格率 オプション 10名 20.85 73.25% 28.46 100% 35% 7名 70.0% 石油 50名 15.31 63.40% 24.15 100% 35% 22名 44.0% 貴金属 58名 12.72 63.15% 20.14 95% 35% 17名 29.3% ゴム 5名 5.15 76.50% 6.73 82.5% 67.5% 4名 80.0% 農産物 4名 14.23 69.38% 20.51 85% 52.5% 2名 50.0% 52名 54.7% ※2018年度より、問題数40問となったため(従前は2点×50問の100点満点)、得点ではなく、正答率での評価に変更し、正答率70%以上を合格とする。

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(1)金属の種類

種類

特徴

主な金属

貴金属

(貴金属以外の金属を

「卑金属」と呼ぶこともある)

希少で耐腐食性があるのが

特徴の金属

金 (Au)、銀 (Ag)、白金

(Pt)、パラジウム (Pd)、ロジ

ウム (Rh)、イリジウム (Ir)、

ルテニウム (Ru)、オスミウム

(Os) の8つの元素

ベースメタル

社会の中で大量に使用され、

生産量が多く、様々な材料

に使用されてきた金属

鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛

(Zn)、鉛(Pb)、アルミニウム

(Al)など

レアメタル

「地球上の存在量が稀であ

るか、技術的・経済的な理

由で抽出困難な金属のうち、

安定供給の確保が政策的に

重要(経済産業省)」 で、

産業に利用されるケースが多

い希少な非鉄金属

白金(Pt)、パラジウム

(Pd)、リチウム(Li)、チタン

(Ti)、コバルト(Co)、バナジ

ウム(V)、ストロンチウム(Sr)、

モリブデン(Mo)、タングステン

(W)、レアアース(希土類金

属)17種類など

出所:国立研究開発法人物質・材料研究機構のHPをもとに作成

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4

(2)価格形成の特徴

◆ Indexリンク取引の例

銅、アルミニウム

⇒ LMEリンク

ドバイ原油

⇒ Plattsリンク(TOCOM)

天然ゴム

⇒ TOCOMリンク

とうもろこし

⇒ CMEリンク

金融商品・・・

理論価格が求めやすい(理論価格から現物価格が決定し、現物価格から、

金利等を考慮して自動的に先物価格が決まる)。

株式 ⇒ 将来のキャッシュフローの割引現在価値

コモディティ・・・

理論価格が求めにくい(先物価格から現物価格が決定。金融商品とは逆の

アプローチ)。

コモディティ ⇒先物市場で形成された価格が、現物価格の値決めにお

いても参照されるIndexリンク取引が多い。

1

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「逆の見方をすれば?」 先物市場の価格によって現物価格 が決定することから、実体経済にも大 きな影響を及ぼすため、先物市場で いかに実需を反映した価格を形成さ せるかが重要。 + (コンビニエンスイールド)

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3 3 2 2 1 :金利 :配当 :現物価格 r D S

(6)

(3)流動性リスクと価格形成

◆ 流動性とは取引の活況度合

◆ 流動性リスクとは取引が不活発であることに起因して取引機会を失ってしまうリスク、あるいは、

たとえ取引できたとしても不利な条件となってしまうリスク。

◆ 流動性リスクが存在する下で取引をする場合、より流動性の高い取引所で取引することが選

好されるため、流動性が流動性を呼ぶ状態(取引の集中化)が発生する。⇒同一商品であ

れば流動性の高い二つの取引所が同じ時間帯に並存することはまれ(マザーマーケットの存在、

「なぜ2番じゃだめなのですか?」)。

⇒我国の需給を反映した価格で実際の商取引が行われるためには、自国内に流動性の高い

先物市場が必要である。

マザーマーケットの態様

かつての日本株式

東証(大部分)

大証(任天堂など一部)

非鉄金属

LME(地域需給差はプレミアム・ディスカウントで取引)

東京、ロンドン、ニューヨーク

(ビジネス時間帯ごとにマザーマーケットがかわる)

株式市場では日次収益率の分散のうち日中の分散が夜間の分散の平均で2.5倍程度(早稲田大 宇野教授 1998) 金市場の日次収益率のうち夜間の占める割合が8割程度(青山学院大 芹田教授 2005)

(7)

6

(4)世界の主要な商品先物取引所

ICE Futures Europe

ロンドン金属取引所 LME シンガポール取引所SGX (シンガポール商品取引所SICOM) シカゴ・マーカンタイル取引所 CME シカゴ・ボード・オブ・トレード CBOT

ICE Futures Canada

東京商品取引所 TOCOM 香港取引所 HKEx NFX

Nasdaq グループ

CME グループ

ICE グループ

香港取引所 グループ ニューヨーク・マーカンタイル取引所 NYMEX

ICE Futures U.S.

NLX OMX

ICE Futures Singapore

Nasdaq 台湾期貨交易所 TAIFEX ドバイ金商品取引所 DGCX モスクワ取引所 Moscow Exchange 欧州電力取引所 EEX インドマルチ商品取引所 MCX サンパウロ証券・商品・先物取引所 BM&F Bovespa オーストラリア証券取引所 ASX 大連商品交易所 DCE 上海期貨交易所 SHFE 鄭州商品交易所 ZCE ヨハネスブルグ証券取引所 JSE 韓国証券取引所 KRX

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(5)世界の金属商品別先物取引出来高(2017年先物+オプション)

出所:Futures Industry Association(FIA)

702 329 103 91 74 73 65 54 53 51 6 3 0 100 200 300 400 500 600 700 800

1.鉄筋(Shanghai Futures Exchange) 2.鉄鉱石(Dalian Commodity Exchange) 3.熱延鋼(Shanghai Futures Exchange) 4.亜鉛(Shanghai Futures Exchange) 5.ニッケル(Shanghai Futures Exchange) 6.金(COMEX:CME Group) 7.アルミニウム(Shanghai Futures Exchange) 8.銅(Shanghai Futures Exchange) 9.銀(Shanghai Futures Exchange) 10.アルミニウム(London Metal Exchange)

金(Tokyo Commodity Exchange) 白金(Tokyo Commodity Exchange)

(9)

8

(6) 金の主な価格変動要因

需給バランス

産金国での生産コストの上昇や鉱山スト(産金国の政治リスク)

中国・インドの経済成長がもたらす旺盛な需要増

ドルと金価格

ドル相場の上昇(下落)、あるいはドル高(安)見通しは、マイナ

ス(プラス)要因

世界的な金融緩

和・金利動向

金には金利がつかないため、金利が上がれば、金利の付かない資産で

ある金の魅力は低下、反対に、金利が下がれば、金の魅力が上昇

⇒マイナス金利は金価格の押し上げの要因となる

インフレ懸念

インフレ(物価が上昇し、貨幣価値が低下)は金価格の上昇要因

⇒インフレヘッジ

有事の需要

世界的な経済危機や戦争・紛争などで通貨への信頼が揺らぐことによ

る金需要の上昇⇒リスク逃避資産・有事の金

(近年の事例では、サブプライムローン危機やリーマンショック)

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(6)金の主な価格変動要因

投資マネーによる金

投資

欧米の機関投資家やヘッジファンドによる、分散投資・リスクヘッジの用

途として、金の保有や金融商品としての金投資

(株価の停滞・金利低下や新興国の経済成長が不安定な状況で

は、金の需要が増えて価格が上昇、逆に先進国・新興国とも景気が

良く、株式投資や債券投資で十分に収益が上がる局面では金投資

への需要は減り価格が下落)

中央銀行の金売買

各国の中央銀行は、ドルやユーロ(米国債などの国債)などとともに

金も外貨準備の一つとして保有

(以前は、欧州の中央銀行を中心に保有している金を売却する流れ

があり、公的保有金を売り出すことで金価格が下落していたが、最近

では、特にインドや中国など新興国は、保有する金を増やしている)

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4. 過去問の解説

問1.「2012年1月1日から、金地金等の譲渡の対価の支払いをする金地金等の売買を業として行う者が、国内 においてそれらの譲渡を受け、200万円超の対価を支払う場合に、税務署に対して支払調書を提出することが義務 付けられた。ここで規定されている金地金等には、白金、銀やパラジウムも含まれる。」

正解× :白金は含まれるが、銀とパラジウムは含まれない。

問2.「レアメタル(希少金属)とは、地球上の存在量が少なく、単体として取り出すことが技術的に困難で採掘や 製錬のコストが高い金属を指し、金、白金、パラジウムはこれに含まれる。」

正解× :金、銀はレアメタルではない。

問3.「銀の鉱山生産の約70~80%は副産物によるものである。副産物の比率が高いということは生産量の見通 しが立てにくく、ヘッジの必要量が確定しにくいため、ヘッジが行われにくいことを意味する。」

正解〇 :銀は副産物としての生産が多い。

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問4.「銀は昔から金と同様、宝飾品や通貨として利用されてきた。時代が進むにつれ、銀の特性に着目した工業需 要が高まってきたが、依然として宝飾需要は20%程度あり、現在のところ、インドが世界最大の宝飾・銀器需要国と なっている。」

正解〇 :2014年、15年とインドでの銀の宝飾が急激に増加している。

問5.「LPPMはイングランド銀行の監督下において、白金やパラジウムの取引を行う自主規制団体である。」

正解× :金は外貨準備など通貨的側面があるので、LBMAはイングランド銀行

の監督下にあるが、白金やパラジウムは外貨準備として中央銀行が保有している

わけではないので、イングランド銀行の監督下にはない。

問6.「金の先物取引・ETN・ETF・現物投資・鉱山会社の株式への投資のうちでは、現物の保管に係る費用、現 物の売買に係る手数料・鑑定料、信託報酬等が不要という特徴があり、株式投資に対する分散投資という視点から 有効な投資手法と考えられるものはどれか。

正解:先物取引

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5. 予想問題

問1「ドル建て金現物価格の上昇要因として正しいものはどれか選びなさい。」 ①景気の拡大 ②ドル安 ③ドル金利低下 ④個人可処分所得の増大 ⑤投資家心理におけるリスク・オフ状態の一般化によるラストリゾートとして金に対する認識の高まり ⑥インフレ懸念の台頭 ⑦地政学的リスクの増大 ⑧米国マネーサプライの大幅な伸び ⑨金融システムにおける信用リスクの高まり ⑩ゴールドローンの減少 正解:すべて〇 ①景気拡大 ⇒ 金需要増 ⇒ 金価格上昇 ②ドル安 ⇒ 相対的なドルの価値低下 ⇒ 金価格上昇 ③ドル金利低下 ⇒ ドル建て債券を売って金投資に資金シフト ⇒ 金価格上昇 ④個人可処分所得増 ⇒ 宝飾需要増 ⇒ 金価格上昇 ⑤投資家心理の冷え込み ⇒ ラストリゾートしての金の評価高まり ⇒ 金価格上昇 ⑥インフレ懸念台頭 ⇒ 価値保存手段としての金投資ニーズ高まり ⇒ 金価格上昇 ⑦地政学的リスク増大 ⇒ 株安・債券安・各国通貨安 ⇒ ラストリゾートとしての金 ⇒ 金価格上昇 ⑧マネーサプライの伸び ⇒ 過剰流動性 ⇒ 金価格上昇 ⑨信用リスクの高まり ⇒ 価値保存手段やラストリゾートとしての金 ⇒ 金価格上昇 ⑩ゴールドローン減少 = 売りヘッジ量の減少 ⇒ 売りヘッジ解消のための買い戻し圧力増 ⇒ 金価格上昇

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問2.効率的市場仮説と投資戦略 <モダン・ポートフォリオ理論と市場の効率性の関係> 「リターン(期待収益率:投資収益の発生確率による加重平均)」と「リスク(実際の収益率の期待収益率か らのずれ:収益率の分散)」の関係から最適な投資における意思決定問題を明らかにしたモダン・ポートフォリオ理 論は、「市場の効率性」を前提としている。 なお、「効率的な市場」とは、「価格が利用可能なすべての情報を常に反映している市場」のことである。 <市場の効率性の程度> ・ウィークフォーム・・・過去の価格情報を用いても超過収益を得ることはできない。 すなわち、ウィークフォームの効率性が確保されている市場では、 過去の価格データを分析しても超過収益を得ることはできない。 = テクニカル分析は有効でない。 ・セミストロングフォーム・・・公開情報を用いても超過収益を得ることはできない。 すなわち、セミストロングフォームの効率性が確保されている市場では、 公開情報を分析しても超過収益を得ることはできない。 = ファンダメンタル分析は有効でない。 ・ストロングフォーム・・・未公開情報を用いても超過収益を得ることはできない。 すなわち、ストロングフォームの効率性が確保されている市場では、 未公開情報をもとに取引しても超過収益を得ることはできない。 = インサイダー取引は材料にならない。 <投資戦略> ・アクティブ運用 割安・割高な価格形成を取引することで超過収益を得る投資戦略 ⇒ セミストロングフォームの効率性は確保されていないことが前提 ・パッシブ運用 分散投資により、市場パフォーマンスに追従した投資リターンを追及する投資戦略

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本日はご清聴ありがとうございました

東京商品取引所の立会場 ㈱東京商品取引所 市場構造研究所 [email protected] http://www.tocom.or.jp/jp/ 2016年5月9日に当社1階にオープンしたTOCOMスクエア ※TOCOMスクエアは、商品先物取引の普及啓発を目的とした東京商品取 引所のアンテナショップです。ラジオNIKKEIとコラボレーションした公開放送や 多様なセミナーのほか、最新のマーケット情報を閲覧できるコーナーを設置する など、魅力いっぱいの情報発信基地です。

参照

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