ラナ州はブラジルの主要な州のひとつであ り、農業、畜産、採鉱、工業を中心とする多 様な経済基盤を持つ。しかしここ10年間で、 同州に投資する投資家の数は国内投資家、外国人 投資家ともに激減していた。こうした状況を改善する ため、パラナ州政府は2011年初頭に「競争力あるパ ラナ」と銘打ったプログラムを打ち出した。同プログ ラムは、様々な改革によって州の税制を刷新し、パ ラナ州に投資する企業への優遇措置を提供するも のである。 「州政府はふたたび民間企業のパートナー となった。今の州にとって資金は友人だ」と語るの は、パラナ州産業商業メルコスール担当局長のヒカ ルド・バホス氏。税制改革によって、州税である商品 流通サービス税(ICMS)の繰延べ可能な割合も変 更した。改革以前には繰延べ額は固定で、州内の 地域ごとに決定されていた。「現在の繰延べ割合は 10パーセントから90パーセントとなっており、これまで こうした制度がなかったクリチバやサンジョゼ・ドス・ ピニャイス、アラウカリアといった都市でも同様の優 遇措置が受けられるようになった。実際に適用される 比率は、専門家や州の局長らによって構成される委 員会で決定される。さらに産業、商業、農業、交通業 界、各種協同組合の代表者からなる諮問委員会も 設けられている」とバホス氏は説明する。 さらに商品流通サービス税の納付延期可能 な期限も変更された。以前は延期期間が4年で支払 い期間も4年と、政令で期間が固定されていたが、税 制改革によって、延期期間は2年から8年の間で設 定できるようになり、支払い期間も最大で8年まで延 ばせるようになった。 バホス氏によると、パラナ州への新規投資額 は、税制改革の実施後1年も経たないうちに75億レ アルに達した。さらに現在交渉が進められている新規 投資の案件総額は150億レアルにのぼる。これらの 投資の大半は、パラナ州がすでに強い競争力を持ち 需要も順調に伸びている自動車産業や、食品加工、 ジュース、牛乳その他の乳製品製造などの分野に対 して行われている。 「最近発表されたパラナ州内の自動車分野 への大規模投資の一つに、日本の住友ゴムによるフ ァゼンダ・リオ・グランデでのタイヤ工場建設がある。 そのほかにも、アメリカのパッカー社はポンタ・グロッ サでトラックの生産を、キャタピラー社もカンポ・ラル ゴで油圧ショベルの生産開始を予定している」とバ ホス氏は話す。 その他にも同氏は、ITや建設機械、リサイク ル、製材、セルロース、家具産業、石油やガスの生産 設備、代替燃料(バイオディーゼル燃料)、アパレル 産業などをパラナ州内の有望な投資分野に挙げる。
日
本とのつながり
パラナ州は、サンパウロ州に次いでブラジル で二番目に大きな日系人社会を抱える。マリンガや ロンドリーナ、ホランジアといった都市では特に日系投資誘致を目指し
州政府が税制改正
特集:
パラナ州への投資
C O V E Rパ
ている。 パラナ州には現在数十社を超える日本の民 間企業が進出しており、直接、間接雇用を含めると、 約1万人の雇用を生み出している。業種別では自動 車産業が最も多く、パラナ州内に拠点を持つ日本企 業は7社を数える。 「州別の対日輸出額で、パラナ州はサンパ ウロ、ミナスジェライス、リオデジャネイロ、エスピリト サントに次いでブラジルで5番目に多く、総輸出額の 5.56パーセントを占める。日本からの輸入額でも全体 の3.54パーセントを占め、州別で6番目に多い」とバ ホス氏。パラナ州の主要対日輸出品はコーヒー、鶏 肉、大豆で、日本からは主に自動車部品、金属加工 資材、直流電動機、工業機械などを輸入している。
投資に最適な条件を
備えたパラナ州
ブラジル南部に位置するパラナ州は、大西 洋に面し、マットグロッソ・ド・スル州、サンパウロ州、 サンタカタリーナ州と隣接している。同州はまた、メ ルコスールの主要国であるアルゼンチンとパラグア イとも国境を接しており、貿易に適した地理的条件 にも恵まれている。州の総面積は19万9314.9平方 メートルで、399の自治体に分かれている。総人口は 約1070万人。パラナ州の州内総生産は899億レアル (2009年)で、ブラジル国内第5位。 パラナ州の特筆のひとつに水資源利用が挙 げられる。世界最大の水力発電所であるイタイプー発 電所はパラグアイとの国境にあり、ブラジル側の施設 はパラナ州内に位置している。その恩恵を受ける同州 は電気料金がブラジル国内で最も安いことでも知らラジル進出やブラジルでの事業拡大に興味のある経 営者の方たちへ。皆さん是非パラナ州へいらしてくだ さい。パラナ州はビジネスチャンスの豊富な土地であり、勤勉な 労働力と、州の収入と雇用拡大を目指し民間企業の誘致に積 極的な州政府が日本企業の進出をサポートします。現在パラナ 州のビジネス環境はブラジル国内でも最高のレベルにあること に疑いの余地はありません」
ヒカルド・バホス局長から日本の
経営者へのメッセージ
「ブ
C A R L O S B A R R O S ▪ デンソー・ド・ブラジル・リミターダ(クリチバ) ▪フルカワ・インドゥストリアルS.A.(クリチバ) ▪ジェイテクト・アウトモチーバ・ド・ブラジル・リミターダ( ピラクアーラ、サンジョゼ・ドス・ピニャイス) ▪クラシキ・ド・ブラジル・テキスタイル有限会社(クリチバ) ▪ ハリマ・ド・ブラジル・インドゥストリア・キミカLTDA (ポンタグロッサ) ▪フジムラ・ド・ブラジル株式会社(アルト・パラナ) ▪イグアスコーヒー社(コルネリオ・プロコピオ) ▪ ブラジル日産自動車会社(サンジョゼ・ドス・ピニャイス) ▪ シスメックス・ブラジル(クリチバ) ▪ 矢崎自動車部品ブラジル有限会社(クリチバその他) ▪ KYB-Mando・ド・ブラジル(ファゼンダ・リオ・グランデ) ▪マキタ・ド・ブラジル(ポンタグロッサ) ▪東芝電力流通システムブラジル社(クリチバ) ▪ ペクヴァル・インドゥストリアル・リミターダ(クリチバ) ▪ NTN-SNRホラメントス(ファゼンダ・リオ・グランデ) ▪ 住友ゴム(進出予定、ファゼンダ・リオ・グランデ) ▪ ハマヤ(ファゼンダ・リオ・グランデ)パラナ州内に拠点を持つ主な日系企業
パラナ
▪
州内総生産はブラジルの国内総
生産(GDP)の5.9%
▪
ブラジル国内の総水力発電量の
25%を供給
▪
国内第2位のアルコール生産
C O V E R去7年間に所得階層で上位へ移動したブ ラジル人の数が6400万人にのぼることが 分かった。「この数字はイタリアの人口に匹 敵する」と指摘するのは、マーケティングリサーチ会 社のイプソスと共同でブラジル観測調査2012を実 施したセテレムBGN (BNPパリバグループ)のマル コス・ウェストファーレン・エチゴーエン社長。 この調査は、1万5000人に対するアンケート に基づくブラジルの社会階層に関するサンプル調 査である。アンケートは昨年の12月17日から23日に かけて、ブラジル国内の70都市に住む16歳以上の ブラジル人を対象に行われた。同調査で得られたデ ータは、新しいマーケット開拓に乗り出す企業や、進 行中の事業拡大に必要な決定を下すための参考デ ータとして利用される。 今回の調査結果によると、2005年から2011 年の間に、ブラジルの最貧困層の割合は51パーセ ントから24パーセントに縮小した。一方で、富裕層は 15パーセントから22パーセント、中間層も34パーセン トから54パーセントに拡大し国民の半数を占めるよ うになった。7年前には低所得者の数は9290万人に も上っていたが、昨年には4520万人と半数近くにま で減少した。 富裕層の人数は同時期に2640万人から 4240万人に増加。Cクラスと呼ばれる中間層はこの 期間に急成長し、1億305万人にまで増え、国民の 大多数を占めるまでになった。中間層の平均月収も 2010年から2011年の間に、1300レアルから1450 レアルに増加。全社会階層の平均月収は同時期に 1500レアルから1600レアルに増えた。 これらの数値は、「所得階層の上昇傾向が強 まったことを示している」(ウェストファーレン氏)。一 方で同氏は消費者の間に慎重な動きが見られること も指摘する。全所得層の平均では、Cクラス以外の 全所得層の支出は安定を保持 している。 スーパーでの買い物や電気、ガス、水道など の光熱費、交通費、薬代などの支出に変化は見られ なかったが、家賃などの住宅費は2011年にくらべて 14パーセント増加した。住宅ローンの支出は平均で 23パーセント増。また家事サービス関連の支出も29 パーセントと大幅に増加した。同調査はまた、所得改 善に伴って、家具や家電購買欲も高まったと指摘し ている。富裕層のA、Bクラスでは、住宅や自動車を 現金で購入しようとする人たちが増えている。 セテレムのミルトン・フィーリョ副社長は、所得 改善を背景に、今年もブラジルでは活発な個人消費 が依然として続くだろうと予測。一方で、すでに今年 の予算で住宅ローンや、自動車、電化購入ローンを 組んでしまった人なども多いことから、これからの消 費活動はやや鈍るだろうと見込んでいる。