千葉県サッカー審判協会（ＲＡちば）
２０１６年１1 月号
RA ちば講演会（2016 年第 2 回）及び懇親会
今年 12 月の講演会では、千葉恵美さんのご登壇をいただきます。 千葉さんは 1996 年に 4 級審判員の資格を取得され、あれよあれよ、たった 10 年で 1 級審判員に昇格。その後も順風満帆、2009 年には国際副審に指名され、2012 年、 2014 年それぞれ U-20、U17 の WC をはじめとする国際舞台、なでしこリーグや皇后杯、 あるいは千葉県リーグでのレフェリングと、八面六臂の活躍です。 千葉さんのサッカーの出会いは、意外。“キャプテン翼”。サッカーの虜とな るきっかけになり、そして、“高校の部活（入間向陽高校）”でサッカーに親し まれています。その後、就職後当時の勤務先であった下総自衛隊のサッカー 部監督に薦められて審判の道に進まれています。 講演のタイトル（仮称）は、“フィールドの中で“。きっと”翼“君のことから、 FIFAU20 女子ワールドカップでのエピソードまで、ピッチ上の期待、緊張、 判定、選手との関わり等、様々に話してくれると思います。 千葉さんは今年で国際副審から降りられます（同様、五十嵐さんも）。と ても残念！ しかし、審判活動をやめるのではなく、これからも、割り当てられ た“1 試合 1 試合を大切に、準備を怠らずにやっていきたい”と抱負も述べて います。醸成された経験された言葉は美しく。これからからの審判に対する思 いも情熱的。We really like you ! ぜひお話を聞きたいものです。女子審判のみなさ んのみならず、多くの方々のご参加をお待ちしています。 日時及び会場： 2016 年 12 月 17 日(土) ・講演会 15:30 － 16:30 明海大学 2201 教室 ・懇親会 17:00 － 19:00 明海大学内 明海クラブ 演 題： フィールドの中で（仮） 参加費： 男性 5,000 円、女性 4,000 円、学生 3,000 円 申 込： 五十嵐泰之 締 切： 2016 年 12 月 10 日(土)
Mail： ref_hiroyuki_igarashi@yahoo.co.jp FAX： 043-290-9239 ＜千葉さんのプロフィール＞ 1996 年：４級審判員 当時の下総自衛隊サッカー部の監督に薦められて 1997 年: ３級審判員 自衛隊全国大会に行けるというのを聞き、関東審判インストラクターで自衛隊の先輩 である谷口さんと出会う。 1998 年: ２級審判員 関東の女子審判員育成の追い風にのって……… 2006 年: １級審判員 3 度目のチャレンジでした。 2007 年: なでしこ担当 信頼ある審判員としての活躍 2009 年: 女子国際副審 世界の檜舞台 2012 FIFA U-20 女子ワールドカップ 日本 2014 FIFA U-17 女子ワールドカップ コスタリカ Est. Year of 2000
2016 年 10 月 1 日（土）にリニューアル オープンしました。月例のトレセン、勉強会、フットサルをはじめ、RA ちばやレフェリングなど、様々な情報を紹介いたします。
ＲＡちば公式ホームページＵＲＬ：http://www.sportsite.jp/ra-chiba/
More Participation in RA Activities
もっともっと交流しましょう
船橋ＦＡ審判委員会のトレセンに“ＲＡちば”も乗っかってのトレーニングです。 10 月はインターバルトレーニングでしっかり汗を流しました。今月も主審の動き方や 副審のフラッグの使い方など、基礎からしっかりトレーニングします。 ママさん審判も多数参加していますので遠慮なくご参加ください。 日 時： 11 月 1 日（火） 19:00 － 21:00 場 所： 船橋アリーナ体育館 主 催： 船橋市ＦＡ 審判委員会
申 込： 稲葉太郎 Mail： t-inaba@mwb.biglobe.ne.jp Tel ： 090-4005-6434
TRAINING CENTER トレセン 第 183 回（通算 211 回）
11 月はまだまだ大会のシーズン。審判のみなさんは引っ張りだこではないでしょうか？ポジ ショニングやフラッグテクニックなどは、経験数を重ねて体でおぼえることも多いです。でもやっぱ
STUDY of “The LAWS of the GAME” 競技規則勉強会
10 月はコロンビアから帰国された松崎さんから、いつものわかりやすい競技規則の解説がありま した。FIFA Futsal World Cup Colombia 2016 の PK でのハプニングを動画で紹介され、 みんなでその判定について意見しました。
また、新ためてオフサイドの判断基準を確認しました。
日 時： 11月16日（水） 19:00 － 21:00
場 所： 新習志野公民館２F研修室 （最寄り駅：ＪＲ京葉線「新習志野」）
問 い 合 せ ： 松田卓磨 Mail： mellamotakuma@gmail.com Tel ： 090-7187-1139 ※勉強会だけでなく、疑問・質問はいつでもお受けします。ご遠慮なくMailを下さい。
日頃の質問 ： 松崎康弘 Mail： y.zak.matsuzaki@nifty.com Tel ： 090-3068-1889
MONTHLY FUTSAL
月例フットサル
10月のフットサルも、いつもの“フットボールコミュニティー美浜”で開催しました。10分間 のゲームを回していきます。普段は審判という立場なので、ファウルには厳しいです（笑）。 みんなのジャッジが違うとさらに盛り上がります。 11月もお待ちしています。 日 時： 11月30日（水） 20:00－22:00 場 所： フットボールコミュニティー美浜（人工芝） 最寄り駅：ＪＲ京葉線「稲毛海岸駅」 またはＪＲ総武線「稲毛駅」からバスで「団地東」下車 費 用： 2,000円（学生は半額） 申 込： 五十嵐泰之 Mail： hiroyuki.1979.01.05-bull57@ezweb.ne.jp Tel ： 090-7410-8013RAJ 第１回全国交流サッカー大会 チーム関東に参加して
10 月 22 日に大阪府堺市にある J グリーン堺において、RAJ(日本サッカー審判協会)第 1 回全国交流サッカー 大会が開催されました。関西地区を中心に約 50 名の参加者を得て、秋晴れのもと和やかにサッカーを楽しみまし た。
チーム関東は、RA 東京、RA 神奈川、RA 埼玉、そして RA ちば（片桐が参加）の総勢 12 名で編成されまし た。予選は、4 チームの総当たり戦で、チーム関東は 1 勝 1 敗 1 分けとなり、得失点差で決勝進出を果たしました。 決勝戦はチーム関西との対戦で、善戦したものの敗れてしまい、結果は準優勝となりました。 奈良県から参加された小学生と中学生の陶浪兄弟は、お父さんとおかあさんと一緒に参加してくださいました。 来年は三男と長女（来年小学 1 年生）も参加して下さるそうです。 上は 80 歳代から下は小学生まで世代を超えた素晴らしい交流会となりました。 来年は皆さんも是非ご参加下さい。
第６回日本アンプティーサッカー選手権大会 2016 に参加して
皆さん、アンプティーサッカーをご存知ですか？ 10 月 1 日の RA 関東主催のアンプティーサッカー審判研修会が、富士通スタジア ム川崎で開催されました。この大会は RA 東京と RA 神奈川で協力して審判を担当し ています。今回、RA 埼玉と RA ちばからも参加者を募り、研修会が開催されました。 RA ちばから片桐が参加させて頂きました。 私自身、初めてのアンプティーサッカーで素晴らしいプレーに感動の連続でした。 ルールの大方は通常のサッカーと同じですが、７人制、オフサイドがないこと、杖で 故意にボールを触れるとハンドになることなど、幾つかの違いがあります。 しかし、激しさやボールテクニックは変わりません。審判法は、２人制でフットサルに 似ています。 来年は RA 東京と RA 神奈川と協力して大会のお手伝いをさせて頂きたいと思います。 参加チームには千葉県チームもあり、小学生や女性のプレーヤーも一緒になって戦っていました。 サッカーが幅広い多くの皆さんに愛好されていることの素晴らしさを感じ、また、審判としてこのような機会に関われ たことに感謝した一日でした。 片桐 正広（
2016.10.10 サッカー）極東の笛
◆ ワールドカップ予選・日本対イラク戦 10 月 6 日、埼玉スタジアムにイラクを迎えての W 杯最終予選。日本は、後半アディショナルタイムに山口蛍のボ レーシュートによる得点。2－1 で逃げ切った。 埼玉スタジアムのメインから見て左側のゴール。アディショナルタイムには日本勝利の女神がやってくる。2004 年ド イツＷ杯アジア 1 次予選のオマーン戦、2005 年ドイツＷ杯アジア最終予選の北朝鮮戦、同バーレーン戦、そして 2011 年ブラジル W 杯 3 次予選の北朝鮮戦。9 月 1 日の UAE 戦に女神のご降臨はなかったが。今日は来てく ださった。感謝。 主審、副審は、韓国の 3 人。第 4 の審判員は、シンガポール。試合後、レフェリーが負傷者の再入場を認めなかっ たから失点したとイラクの監督が審判批判したとの記事を読んだ。 それは違うだろ。そもそも負傷したとしての時間稼ぎは露骨だった。あの場で入場を認めさらなる時間稼ぎを許すほ ど、レフェリーはナイーブではない。 ◆ 副審は約 100 ミリ秒のズレを克服してオフサイドを判定する それよりも 26 分。清武弘嗣が右から鋭く低いクロスを上げ、原口元気がヒールで得点としたが、本田圭佑が清武 にパスを送った瞬間、清武はオフサイドだった。 原口が日本ハーフ内でボールを奪い、清武にパス。清武はドリブルを経て本田圭祐にパス。本田は右に回り込んだ 清武にパスをした。スピードある連携プレーだった。スタンドから見ていて、ぎりぎりオフサイドじゃないか。そう思った。し かし、プレーは続行され、日本の得点。嬉しかった。チェ副審の判定力の高さは素晴らしいと思った。だから、この得 点の 12 分後にとても似たケースで岡崎慎司から酒井広樹にパスが渡り、旗が上がったときは驚いた。パスや酒井の 走り込みは、本田から清武のタイミングとほぼ同じだったから。どうして？パスされた瞬間の選手の位置を頭の中で修正して、フラッシュラグを克服する。それで正しくオン、オフを判断するの だ。 韓国のチェ副審は、良い位置にいた。知覚位置修正なければ、清武はもっと前にいると判断されてしまう。ただ、修 正が過ぎた。1 人分後方に修正してしまったのだろう。オフサイドであったが、ノットと判定された。日本にとっては、ラッ キーな審判のミスだった。 チェ副審。もしかするとこの判定に不安があったのかもしれない。12 分後、同様なケース。チェ副審はより集中した のだろうか、正しく修正し、オフサイドと判断した。 ◆ 中東のチームは、これが普通な感覚、試合運びなのだろう。 イラクは 60 分の同点弾（とてもきれいなヘディングだった）後、明らかに引き分け狙いだった。アウェーでの引き分 け。勝ち点１が喉から手が出るほど欲しい。 選手が倒れれば、なかなか立ち上がらず、コーナーキックとなればゆっくり歩いてコーナーキックに向かった。交代も ゆっくりゆっくり。 なぜレフェリーは注意しないのか？ 日本だと交代する選手に寄り添って、一緒に小走りする、強い注意、しっかりと 警告などの対応をするが、キム主審はどっしりと構えていた。スタンドで見ている我々も苛立った。ようやく 72 分に遅 延行為で警告。続いて、82 分にも。 にもかかわらず、イラクは遅延作戦を続ける。レフェリーはドクターではないので、頭部の負傷などよっぽど明らかで ない限り、負傷した選手に“続けられるか？ ドクターが必要か？”と尋ねざる。ドクターが 1 人でピッチから出られな いと診断すれば、担架も呼ぶ。負傷者が発生した場合の進め方に基づいた対応だ。 時間稼ぎだと分かっていても、まずはそう対処せざるを得ない。歯がゆいところだ。しかし、試合の円滑な運営を考 えれば、時間稼ぎにうまく対応する必要がある。ただただ選手の求めるように対応していたら、果たしてレフェリーが時 間稼ぎに加担することにもなりかねない。 アディショナルタイム。お仕着せどおり３分程度が示されると思っていたが、6 分が示された。スタンドもざわめく。 これだけ負傷者がいて、交代も両チーム合わせて 6 回あった。イラクの選手は、それなりに時間をかけた。アディショ ナルタイムの６～７分は妥当だ。そして、そのとおり示された。イラクは大きく不満だ。 ● サッカー競技規則第 7 条 主審は、下記のように前半、後半に空費されたすべての時間を追加する： ・ 競技者の交代 ・ 負傷した競技者の負傷の程度の判断やフィールドからの退出 ・ 時間の浪費 ・ 懲戒の罰則 ・ 競技会規定で認められる、飲水やその他医療上の理由による停止 交代や負傷者の対応、コーナーキックの際コーナーにゆっくり向かう。その分がアディショナルタイムとして充当追加 されるのは、至極当然。
後半のアディショナルタイム２分が経過したところで、イラクの スアド（14 番）は倒れた。しかし、キム主審がプレーを切らなか ったのでスアドはすくっと立ち上がった。しかし、その後のプレーが 切れたところで、再び倒れこんでしまう。吉田麻也が詰め寄って、 時間稼ぎを非難する。ドクターも入って、結果的に試合再開まで 2 分もかかってしまった。 その後、粘りに粘った吉田が相手にファウルを誘発させて、コー ナー近くフリーキックを得る。イラクの選手はスアドが負傷から立 ち直り、プレーに復帰できているとレフェリーにアピールするが、キ ム主審は認めない。良い。認めれば、ゆっくり歩いてピッチに戻り、さらに時間稼ぎをすることは必至だ。 ナイーブ。もともとはフランス語。日本語では“素直な”とか“純粋”という良い意味と解釈されるが、フランス語本来 は、お人よしとかうぶウブだということ。W 杯最終予選。選手は百選練磨で、したたかだ。審判団も、決してナイーブ ではない。時には笑顔で、時には何もなかったように。また時には、厳しく試合を運営する。 ◆ 極東の笛。 イラクの監督は、帰国後そう言いだすのかもしれない。キム主審は日本にもイラクにも加担せず、ファウルはファウル、 ノーファウルは、ノー。試合時間も、負傷者の対応時間もしっかり考慮し、正しくアディショナルタイムが充当された。た だオフサイドが正しく判定されなかったこと。これは、残念だ。 我々からすると、キム主審の笛は日本人主審の笛とは違う。しかし、イラクの監督からすれば、同じような顔で、し ぐさもレフェリングも日本人と同質に見えるのかもしれない。 松崎康弘●文
