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17.1 産業ピックアップ 第 次産業革命 人口減少下の日本 費を更なる展開へつなげていくために 越境 ECは非常に大きな役割を担っていると言える このように インバウンドで商品が売れ それが口コミとなって越境 ECでも売れるようになるという一連の流れは 日本経済にとっても好ましいことである 8 図

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Academic year: 2021

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本―

(9)小売

1. 2020 年にはネット通販が小売業の首位に

2. 百貨店はインバウンド需要の集中する都市部に集約

3. 惣菜市場、生活スタイルや社会構造の変化を背景に拡大

①ネット通販がスーパー・コンビニを追い抜き独走 近年の日本では人口減少に伴い消費者の需要も減少しており、小売市場は縮小傾向 にある。そのような中、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模の拡大が続いてい る。要因として、ネット上での商品の多様化、物流事業者による宅配時間の大幅な短 縮化、スマートフォンの普及、SNSによる「口コミ」の影響力増大化等が挙げられる。 2016年の物販系BtoC-EC市場の規模、すなわち物販系ネット通販市場規模は約8.0兆 円(前年比10.6%)と、2015年を上回る成長率であった。今後の伸びは徐々に落ち着 いていくものの、緩やかな成長を続けると見込む(図表9-1)。 図表9-1 2020年以降はネット通販が首位を維持 (注)ネット販売額(物販系)及び前年比は各年の平均値。 (資料)経済産業省『商業動態統計』、『電子商取引に関する市場調査』、日本経済研究センター 『第44回中期経済予測』 また、越境BtoC-EC市場の拡大もネット販売の成長をけん引していると考えられる。 2016年の米国・中国から日本のECサイトを利用して物品が購入された額は、それぞれ 6,156億円、1兆366億円であり、特に中国からの購入額は前年比30.3%増と急拡大が 続いている。中国からの購入は今後も増加が予想されており、2030年には2兆9,348億 円に達すると見込む(図表9-2)。なお、2016年の日本から米国・中国のECサイトを 利用した額はそれぞれ2,170億円、226億円であり、米国からの購入は日本からの購入 の2.8倍、中国については45.9倍もの規模に及ぶ。 越境ECを利用する理由として、2016年最多の訪日外国人(インバウンド)数(約637 万人)を誇る中国の場合、「海外で購入した経験があり、自国からリピート購入したい」 と答えている消費者が35.0%に上る。自分自身の目で見て商品に触れ、信頼できると 認識した経験が起点となりリピート購入につながっている。さらに、彼らがSNS等によ ってその商品の存在や価値を発信することで、訪日していない他の消費者にもその口 コミが広まり越境ECを利用するきっかけとなる。このような消費行動は中国人に限定 される話ではなく、他国でも同様のケースが生じうる。海外旅行者のインバウンド消 110 120 130 140 150 0 10 20 30 40 05 10 15 20 25 30 百貨店 スーパー コンビニ ネット通販(物販系) 小売業全体(右目盛) 予測 【業態別販売額】 (暦年) (兆円) (兆円) 0 10 20 30 40 50 0 4 8 12 16 20 2005-2008 2009-2012 2013-2016 2017-2020 2021-2025 2026-2030 ネット通販額(物販系) 前年比(右目盛) 【ネット通販(物販系BtoC-EC)市場規模】 (兆円) (%) (暦年) 予測

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 費を更なる展開へつなげていくために、越境ECは非常に大きな役割を担っていると言 える。このように、インバウンドで商品が売れ、それが口コミとなって越境ECでも売 れるようになるという一連の流れは、日本経済にとっても好ましいことである28 図表9-2 外国人向け越境EC市場は順調に拡大 (注)2017~2020年 は経 済産業省による推計。 2025年、2030年は訪日 外国 人客数の予測(( 11) 観光)の伸びを基に推計。 (資料)経済産業省『電子商取引に関する市場調査』 ②百貨店は実店舗の強みで生き残りを模索 百貨店では減収傾向が続くが、都市部の店舗では持ち直しの動きが見られる。商品 別に見てみると、化粧品の売れ行きは前年比15.6%増と好調である。他商品と比べ売 り上げシェアは低いものの、不振が続く衣料品に代わって百貨店各社の業績を下支え している(図表9-3)。高品質な日本製の化粧品は訪日外国人からの人気が高く、特 に訪日中国人の消費が売れ行きに大きく寄与している。化粧品だけでなく、百貨店全 体がインバウンド需要に下支えされている。 図表9-3 2017年の百貨店売上は回復 (注1)10都市は札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡。 (注2)2017年は10月までの実績を年換算。 (資料)経済産業省『商業動態統計』 28 経済産業省(2017)『平成 28 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商 取引に関する市場調査)』。 0 1 2 3 4 5 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2025 2030 中国 米国 (兆円) 【越境EC市場規模】 予測 (暦年) -10 -5 0 5 10 15 20 10 11 12 13 14 15 16 17 総額 衣料品 食料品 化粧品 その他 【百貨店売上 全国商品別売上高】 (前年比%) (暦年) -6 -4 -2 0 2 4 10 11 12 13 14 15 16 17 全国 10都市 10都市以外 【百貨店売上 地域別売上高】 (前年比%) (暦年)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 百貨店での免税売上高は増加を続けている。2016年は中国人を中心とした「爆買い」 が一服したことにより前年割れしたものの、株高や円安を背景に2017年は回復を見せ ている(図表9-4左)。訪日外国人の増加により百貨店の購買客数の伸びも好調であ り、2014年以降の購買単価の低下を補い免税売上高を押し上げている(図表9-4右)。 また、来夏には訪日客の免税拡大が予定されている。これまでは一般物品と消耗品を それぞれ5千円以上買う必要があったが、今後はそれらを合算し5千円以上になれば 免税対象とする29。この免税拡大が訪日客の需要喚起につながれば、百貨店の免税売り 上げはさらに勢いを増すことになるだろう。 図表9-4 外国人購買客数の増加により百貨店の免税売上高は拡大 (注)2017年の免税総売上高・外国人購買客数 は10月までの実績を年換算。百貨店売上高に占 める割合・1人当たりの購買単価は10月時点の実績。 (資料)日本百貨店協会『外国人観光客売上・来店動向』、『最近の百貨店売上高の推移』 百貨店における免税売上高は大都市圏の店舗に集中している。観光中に荷物を増や したくないという心理から、お土産は観光の最終地点で買う観光客が多い。地方で観 光したとしても、買い物場所として選ばれるのは国際空港のある東京や大阪等の大都 市圏なのである。実際、大手百貨店では大都市圏の店舗がグループ全体の免税売上高 の大半を占める。近年、百貨店の店舗の閉鎖が相次ぐが、このようにインバウンドの 需要を上手く取り込めていない地方の店舗数の減少が特に目立つ(図表9-5)。 こうした中、百貨店各社は大都市圏の店舗開発に力を入れる。例えば、J.フロント リテイリングでは2017年4月に「GINZA SIX(ギンザシックス)」をオープンした。当 社はこれまでも自前の売り場を縮小し、従来の百貨店のイメージにこだわらずにテナ ント化を進めてきたが、GINZA SIXではその傾向をより一層加速させた。このように「脱 百貨店」に取り組む一方で、施設中央の吹き抜け空間やエレベーターホール等に国内 外で活躍する芸術家の作品を展示したり、庭園を屋上に設けたり、百貨店ならではの 上質な空間や充実の時間・体験の提供にも注力している。また、観光案内や手荷物預 かりなど便利な機能を兼ね備えた「ツーリストサービスセンター」や観光バスの乗降 所等を設置し、訪日外国人対応も手厚く行う。これまで日本がお手本としてきた米国 では百貨店の閉鎖が続くが、丁寧な接客やプロからのアドバイスを好む顧客が多い日 本の百貨店は、特別な空間やサービスの体験を提供し、またインバウンドを上手く取 り組むことで生き残りの道を探っている。 29 日本経済新聞 2017 年 11 月 15 日付夕刊。 0 1 2 3 4 5 6 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 11 12 13 14 15 16 17 免税総売上高 百貨店売上高に占める割合(右目盛) (億円) (%) 【百貨店の免税総売上高】 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 11 12 13 14 15 16 17 購買客数 1人当たりの購買単価(右目盛) (万人) (万円) 【購買客数は増加するものの、購買単価は低下傾向】 (暦年) (暦年)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 図表9-5 地方を中心に店舗の閉鎖が相次ぐ (注1)10都市は札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡。 (注2)年末時点の店舗数。17年は10月時点の実績。 (資料)日本百貨店協会『全国百貨店売上高概況』 ③2030 年の惣菜市場は現状の2割増で 11.5 兆円に 手軽に料理できる商品や惣菜などの中食市場は女性の社会進出や単身世帯、高齢者 の増加を背景に需要が増加している。特に惣菜の市場は食品スーパーやコンビニを中 心に拡大が続く(図表9-6)。スーパーではすぐ加熱できるようカットしてある野菜、 味付けしてある肉や魚、電子レンジで温めるだけの商品などが並ぶ。また、和えるだ けのパスタソース、ごはんに混ぜるだけの具材などのバリエーションも増えてきた。 また、野菜コーナーの横に料理の素や鍋のつゆを置いたり、温めるだけの商品やその まま食べられるローストビーフなどのコーナーを隣接させたりするなど、来客に商品 を選びやすくする工夫をしている。コンビニではPB(プライベートブランド)のパン や冷凍食品、おかずのパウチパック開発に力を入れている。また、小容量のカット野 菜は買ってすぐ使える簡便さと安心感、100円台という手ごろな値段が受け、ヒット商 品となっている。このような時短料理や小容量の商品は、働く女性や単身世帯、高齢 者の増加トレンドにマッチし、売り上げを伸ばしている。 図表9-6 拡大を続ける惣菜市場 (注)予測は、単身世帯と 65 歳以上人口の伸び率を基に推計。 (資料)一般社団法人日 本惣菜協会『惣菜白書』、国立社会保障・人口問 題研究所『日本の世 帯数の将来推計(全国推計)』、総務省『国勢調査』『日本の統計』 0 50 100 150 200 250 300 11 12 13 14 15 16 17 10都市以外 10都市 (店) 【百貨店店舗数】 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 11 12 13 14 15 16 17 10都市以外 10都市 【百貨店店舗数前年比】 (%) (暦年) (%) (暦年) 0 2 4 6 8 10 12 14 2013 2014 2015 2016 2020 2025 2030 【惣菜市場規模】 (兆円) 予測 専門店他 百貨店 総合スーパー 食料品スーパー コンビニ 31.6% 29.5% 25.8% 9.3% 3.7% <2016年> 25.9% 34.2% 24.4% 11.0% 4.5% <2010年> 【惣菜市場業態別構成比】 (暦年)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 最近では時短料理に加え手作り感も求める消費者のために、カット野菜や調味料が セットになった「ミールキット」が人気を集めている。野菜や肉を切る工程を省くこ とができ、付属の調味料で簡単に味付けができる。容器の中で調理を完結できる商品 も開発されている。容器の中にはカットして下味がついた食品があらかじめ入ってお り、電子レンジで加熱すると容器内で発生した蒸気でスチーム調理ができるものだ。 これらは時短や個食化、栄養バランスなどのニーズへ対応できる新商材として開発さ れた。 こういったミールキットのほか、食品宅配サービスやネットスーパー、コンビニ宅 配などの利用者が増え、食品宅配市場は堅調な伸びを示している。新日本スーパーマ ーケット協会の調査によると、通信販売で食品や生鮮品を購入する理由として「自宅 まで運んでもらえる」、「お店に行く手間が省ける」が上位に挙がった(図表9-7)。 これは時短を求める主婦や働く女性だけでなく、遠くまで買い物に出かけられない高 齢者にとっても食品宅配にニーズがあるということを示している。各社は若い世代だ けでなく、シニア層も意識した品揃えとサービスの強化で囲い込みを図ることがビジ ネスとして重要になる。 図表9-7 今後も成長が見込まれる食品宅配市場 (注)2020 年の予測は矢野経済研究所による推計。2025 年以降の推計は社人研の 65 歳以上人 口の伸び率を基に推計。 (資料)矢野経済研究所 2017 年9月 12 日プレスリリース『食品宅配市場に関する調査を実施』、 総務省『日本の統計』、新日本スーパーマーケット協会『消費者調査 2015』 食品宅配市場規模は拡大しているものの、現在の日本人全体でみると、食品を宅配 で買うという文化はあまり根付いていないようだ。同調査によると、食品宅配の利用 経験がない人の割合が生鮮品を除く食品は 62%、生鮮品については 75%にも上り、4 人に1人しか食品宅配の利用経験がない。利用しない理由としては、「自分の目で見て 商品を選べない」が1位に挙げられている(図表9-8)。自分や家族が食べる食品に ついては自分の目で新鮮さや安全性を確かめたうえで購入したいと考える消費者が多 く、日用品のように利便性だけでは消費者の心は動かせない。しかしそれは裏を返せ ば、食品宅配市場はまだまだ開拓の余地があると言える。 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 2.6 2.8 2012 2013 2014 2015 2016 2020 2025 2030 【食品宅配総市場規模】 (兆円) 予測 (暦年) 1 63.1% 2 53.5% 3 44.8% 4 21.4% 5 19.6% 6 18.2% 7 16.8% 8 13.9% 9 12.2% 【通信販売で食品・生鮮品を購入する理由】 自宅まで運んでもらえる お店に行く手間が省ける 営業時間にお店に行く時間がとれない お店の混雑に関係なく商品を選べる お店に行って買うのと変わらない商品が届く 種類・品揃えが豊富 24時間いつでも注文できる パソコンの画面で選べて便利 お店では買えない商品が選べる

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 図表9-8 食品宅配の市場開拓の課題 (資料)新日本スーパーマーケット協会『消費調査 2015』 そこにいち早く目をつけたのがアマゾンだ。アマゾンは 2017 年 4 月に生鮮食品の宅 配サービス「アマゾンフレッシュ」を開始した。10 万点以上の豊富な品揃えに加え、 ICT をフル活用して注文から最短4時間で配達するというサービスだ。また、11 月に はセブン&アイ HD がアスクルと提携し、食品 EC 事業「IY フレッシュ」を開始した。 時短を求める利用者のニーズに合わせ、加工肉や魚、カット野菜など、包丁やまな板 を使わずに調理できる食材を多く取り揃え、アマゾンに対抗する。配達時間も1時間 刻みで指定可能であり、例えば夕食を作る直前に届くように指定をすれば、新鮮な食 材で夕飯を作ることができる。 アマゾンやセブン&アイ HD のような小売の巨人の参入により拡大が期待される食品 宅配市場も、今後は競争が激化することが予想される。大型店舗を構える総合スーパ ーや店舗数の拡大が成長の源泉であるコンビニなどの実店舗型の小売業は、新たな消 費者のニーズを掘り起こさない限り、生き残りすら厳しいかもしれない。 <予測方法について> 業態別販売額は、各種販売額が小売業全体の販売額に占める割合の直近5年間の伸 び率を基に推計。小売業全体の販売額は日本経済研究センター『第44回中期経済予測』 を使用。ネット通販(物販系BtoC-EC)については、日本のEC化率(商取引市場規模に 対するEC 市場規模の割合)が2030年には現在のアメリカを超え、現在の中国と同程度 まで上昇すると想定。 <参考文献> 一般社団法人日本惣菜協会(2016)『惣菜ホットニュース』 経済産業省(2017)『平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電 子商取引に関する市場調査)』 矢野経済研究所(2017)『食品宅配市場に関する調査を実施』 0 20 40 60 80 食品(生鮮品を除く) 生鮮品 (%) 【通信販売での購入実態】 1 自分の目で見て商品を選べない 61.9% 2 送料がかかる・送料が高い 53.6% 3 配達時間に家にいないといけない 32.7% 4 商品の品質に不安 27.6% 5 すぐに手に入れることができない 23.2% 6 店舗に行く楽しみがない 12.8% 7 支払が面倒・わからない 9.3% 8 仕組みが良くわからない 6.4% 9 商品の検索が面倒・わからない 6.1% 【通信販売を利用しない理由】

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