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慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する運動療法の最前線

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 420 43 巻第 5 号 420 ∼ 428 頁(2016 年) 理学療法学 第 43 巻第 5 号. 理学療法トピックス シリーズ 「内部障害に対する運動療法の最前線」. 連載第 2 回 慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する. 運動療法の最前線*. 小 林   茂 1)2) 平 田 一 人 2) 吉 川 貴 仁 3) 藤 本 繁 夫 4).  この運動療法の歴史は 1900 年代の中ごろ,日本にお. はじめに. いて理学療法士の資格制度がない中での臨床現場で,呼.  慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary. 吸理学療法としての運動療法が結核術後の後療法として. Disease:以下,COPD)は気管支狭窄と肺の過膨張を. 行われていた. 特徴とする慢性の炎症性肺疾患であり,呼気制限を特徴.  1970 年代,喫煙率の増加とともに COPD が増加した. とする換気障害は運動時に増強する気流制限と動的過. が,その時点ではまだ呼吸リハの治療対象とはほとんど. 膨張(Dynamic hyperinflation)のため,同対象者は呼. 認識されておらず,きわめてマイナーな領域であった。. 吸困難感を訴えて運動中断することが多い。また,ガス. その後 80 年代以後より COPD がさらに増加し,死因. 交換障害のために運動時に低酸素血症が強くなる運動誘. トップ 10 以内に入るようになり,同対象者の呼吸リハ. 発性低酸素血症(exercise-induced hypoxemia:以下,. が注目されるようになった。次いで 1990 年代以後,呼. EIH)や高炭酸ガス血症が生じやすい。これらの換気障. 吸リハは胸・腹外科術の前後や急性期の疾患にも深く関. 害とガス交換障害のため運動制限が引き起こされ日常生. 与するようになってきた. 活活動(activities of daily living:以下,ADL)が低下. 対象者がさらに増加することが予想され,呼吸リハの果. する。低下した活動性は二次的な廃用症候群を生みだ. たす役割が大いに期待されている。. し,運動するとさらに呼吸困難感が強くなる不活動性の.  そこで本稿では COPD 対象者の運動療法について,. 悪循環となり,障害が慢性的に重度化するのが特徴であ. エビデンスを交えてその実際と呼吸・循環機能,筋機能. 1). 3). 。. 3). 。今後,高齢化に伴い COPD. る 。. さらに認知機能への効果について,その最前線を解説.  この COPD 対象者の治療は禁煙教育,薬物療法,酸. する。. 素療法,呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)な どがある。この呼吸リハは非薬物療法として重要視され ており,その中心に運動療法が位置づけられている. 2). 。. COPD の運動療法についての背景 1.COPD とは. 図 1 に COPD 対象者の障害と運動療法などの治療介入.  COPD とは「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸. の関係,および治療目標を示す。. 入暴露することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機 能検査で正常に復することのない気流閉塞を示す。気流. *. The Adovance Line for Therapeutic Exercise in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease 1)宝塚医療大学保健医療学部理学療法学科 (〒 666‒0162 兵庫県宝塚市花屋敷緑ガ丘 1) Shigeru Kobayashi, PT: Takarazuka University of Medical Health Care, Department of Physical Therapy 2)大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 Shigeru Kobayashi, PT, Kazuto Hirata, MD: Osaka City University, Graduate School of Medicine Department of Respiratory Medicine 3)大阪市立大学大学院医学研究科運動生体医学分野 Takahiro Yoshikawa, MD: Osaka City University, Graduate School of Medicine Department of Sports Medicine 4)相愛大学人間発達学部発達栄養学科 Shigeo Fujimoto, MD: Soai University, Department of Development Nourishment Faculty of Human Development キーワード:慢性閉塞性肺疾患,呼吸リハビリテーション,運動療法. 閉塞は末梢気道病変と気腫病変が様々な割合で複合的に 作用することによって起こり,進行性である。臨床的に は徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳,痰を特徴 とするが,これらの症状が乏しいことがある」と定義さ れている. 2). 。このように COPD は肺の慢性炎症疾患で. あるが,炎症病変は末梢血中の C 反応性蛋白や TNF- α などの炎症物質を増加させ,低酸素血症で修飾されるか たちで血管内皮障害を介して障害が全身に波及する. 4). 。. すなわち心・血管機能障害や骨格筋機能障害をはじめと して全身に併存症を生じるため全身の炎症疾患として捉.

(2) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する運動療法の最前線. 421. 図 1 COPD 対象者の運動制限因子と各治療介入の関係さらに治療目標 COPD:慢性閉塞性肺疾患 VD/VT:死腔換気率. えられている 2)。. 3.呼吸リハの中の運動療法.  一方,COPD は喫煙に基づく生活習慣病として捉え.  呼吸リハはコンディショニング,ADL トレーニング,. られ,厚生労働者が進める国民の健康増進計画「健康日. 運動療法で構成され,その中心は運動療法である. 本 21(第 2 次) 」で循環器疾患や代謝疾患とともに生活.  呼吸リハでは全身持久力や筋力トレーニングを運動療. 習慣病として位置づけられた。その中で重点項目として. 法として扱う。理学療法では運動療法の範疇となる呼吸. 喫煙率の低下に加えて COPD の認知度の向上が提示さ. 体操や柔軟性改善練習・ストレッチィングなどは排痰法. 5). れている 。. 10). 。. などとともにコンディショニングとして分類される。ま た,具体的な ADL 動作のパターン指導や環境調整など. 2.COPD の治療目標と管理. の生活機能に即した指導は ADL トレーニングとされて.   か つ て は 治 療 の ア ウ ト カ ム は 運 動 耐 容 能 の 改 善,. いる. 10). 。. ADL 改善,さらに Quality of Life(以下,QOL)の向 上とされていた。しかし,10 年前 Garcia らが身体活動. 4.運動療法の適応と禁忌について. 量を維持・改善することが COPD 対象者の予後に関係.  年齢や呼吸機能による制限はなく,症状が安定してい. 6). 以来,身体活動性が重要視される. る COPD をはじめとして,症状のあるほとんどの呼吸. ようになった。その後 Waschki らは高活動群が他群に. 器障害対象者が適応になる。運動療法の禁忌としては不. 比べて明らかに予後が良好であることを明らかにし,死. 安定な循環器疾患,コントロール不良の高血圧症や糖尿. 亡原因にもっとも高いリスク要因は身体活動量であるこ. 病,急性の炎症性疾患,さらには重篤な合併症がある場. することを述べて. とを明らかにした. 7). 。また,COPD 対象者は低活動で. 合とされる. 10). 。. あることが述べられ,生命予後との関係がもっとも強 いことも報告されている. 8). 。一方,我が国においても. 5.運動療法の進行. COPD のガイドラインにおいて身体活動性を向上させ.  呼吸リハのプログラム構成は前述の 3 要素であり,病. 2) る重要性が強調されている 。. 期や障害程度に合わせ,各要素を組み合わせて実施する.  このように,近年の治療の管理と目標の考え方はかつ. ことが提唱されている。さらに安定期,急性期・急性期. ての項目に加えて,身体活動性が最重要因子とされ,そ. からの回復期,術後回復期における開始時のプログラム. の向上を目標とするパラダイムシフトが提示されてい. 構成と運動療法の進め方が提示されている. る. 9). 。運動療法がこの身体活動性の向上の一方法として. 中心的な位置づけとされている. 10). 。. 10). 。. 1)安定期の運動療法  運動療法のプログラム構成については縦軸に重症度, 横軸に 1 セッションでの運動療法の割合として示され 9) る(図 2) 。軽症例では開始時より全身持久力や筋力.

(3) 422. 理学療法学 第 43 巻第 5 号. 重要である。さらに,健康関連 QOL の評価も重要とさ れる。同評価として CAT(COPD Assessment test)は 簡便かつ有効であり,他の QOL 評価との関係性も指摘 されているため. 10). ,近年多くの施設において実施され. ている。詳細は同書を参考にしていただきたい。 7.運動療法のエビデンス  COPD 対象者を中心とする呼吸リハのエビデンスは, 1990 年 代 よ り Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease( 以 下,GOLD) や American College of Chest Physicians/American Association of Cardiovascular and Pulmonary Rehabilitation(以下,ACCP/AACVPR) などよりエビデンスレベルの定期的な報告がされている。. 図 2 COPD 対象者の安定期におけるプログラム構成 (文献 10)呼吸リハビリテーションマニュアル─運 動療法─第 2 版より引用). 2007 年 ACCP/AACVPR の報告では,歩行にかかわる筋 群,すなわち下肢の運動トレーニングは 1A として強い 根拠と推奨レベルが示されている. 11‒14). 。本邦の COPD. トレーニングが主体となり,強度も高負荷より開始する. ガイドライン第 4 版においても,発症初期より非薬物療. ことが可能である。一方重症例では呼吸練習や柔軟性を. 法の重要性が述べられ,理学療法の重要性,特に下肢の. 改善する運動などのコンディショニングと,基礎的な. 運動療法がもっともエビデンスレベルの高い治療法とし. ADL トレーニングを行いながら,低負荷での全身持久. 2) て推奨されている 。. 力や筋力トレーニングより開始することが望ましい. 10). 。.  その後も明らかでなかった項目についても証明されて. 2)急性期,急性期から回復期の運動療法. おり,2015 年 GOLD の報告では運動耐容能の改善,呼.  COPD の急性増悪や急性呼吸器疾患からの回復期に. 吸困難感の改善,健康関連 QOL の向上,入院回数・日. ある対象者では,開始時には 1 セッション内での割合は. 数の減少,不安・抑うつの軽減,増悪による入院後の回. コンディショニングを中心に,重症度に応じて ADL ト. 復促進がそれぞれ A レベルとされている. レーニングと低負荷での全身持久力や筋力トレーニング. 今まで明らかでなかった不安や抑うつといった精神・心. を追加して実施する。特に重症例では人工呼吸管理下の. 理症状の軽減についても明らかにされている. 対象者もあり,ベッド上でのコンディショニングや起.  このような背景の中で,コクランレビューは 1996. 座・起立といった ADL トレーニングが重要になる. 10). 。. 14). 。さらに,. 14). 。. 年 以 後 の 最 新 の 無 作 為 化 比 較 対 照 試 験(randmaized. 3)術後回復期の運動療法. controled trials:以下,RCT)論文をアップデイトして.  1 セッションにおけるプログラム内容は安定期のもの. きた。しかし,2015 年 COPD に対する呼吸リハが健康. と基本的に同じであるが,縦軸(重症度)を術後経過と. 関連 QOL などを改善することは強い根拠があり,もは. して捉え,開始時はコンディショニング中心に進め,離. や当然の治療法となっているため,これ以上同分野の. 床が進むにしたがい徐々に全身持久力や筋力トレーニン. アップデイトは行わないと同気道グループ編集委員会が. グを増やしていく。ADL トレーニングは体位変換や起. 結論をだした. 座から離床が主となり,さらに術後の痛みを軽減する動. の本質的な研究方法に限界があることなどの問題を挙げ. 作の指導が主体となる. 10). 。. 14)15). 。包括的な呼吸リハビリテーション. ているが,すでに呼吸リハは高い質のエビデンスがある ことによるものと考えられる。. 6.運動療法のための評価.  しかし,包括的な呼吸リハとしての細部の介入方法は.  運動療法の評価は呼吸リハマニュアルにおいて,必須. エビデンスが明確となっていないものもある。特に本. の評価,行うことが望ましい評価,可能であれば行う評. テーマである運動療法についての対象や方法の選択など. 価の 3 分類が提示されている. 10). 。フィジカルアセスメ. ント,スパイロメトリー,胸部単純 X 線画像,心電図や 酸素飽和度(SpO2)でのモニタリング評価,呼吸困難感 などの自覚症状,さらに筋力や歩行テストなどの運動機. は検討の余地を残している。今後も明らかでない項目に ついて証明されていくものと思われる。. 運動療法の実際. 能評価と ADL テストは必ず実施されている。身体機能. 1.運動療法の対象. や運動能力の評価だけではなく,循環器疾患や運動器障.  COPD 患者(軽症と重症)の相違が運動療法の効果. 害の併存症も多くあり,そのリスク管理としての評価も. に差があるかを比較した結果では,中等症対象者におい.

(4) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する運動療法の最前線. 423. てもっとも効果があるとの報告が多い 13)16)。しかし,. きく減少し,それに伴って換気量が減少すること。さら. GOLD Ⅰレベルの COPD103 例の軽症例で 6 分間歩行距. に運動時の呼吸困難感の減少を伴って運動耐容能が改善. 離の増加,在院日数の減少,救急受診の減少,健康関. することを述べている. 17). 21). 。その後,緒家により運動ト. がされ. レーニングの検討が報告され,COPD 対象者のトレー. ている。また,逆に GOLD Ⅲ∼Ⅳレベルの 437 例の重. ニングによって,骨格筋の好気性代謝の改善に伴う酵素. 症から最重症例で下肢筋力の改善,最大吸気筋力の改. の濃度改善を生じることが報告されている. 善,自転車での仕事量の改善,6 分間歩行の増加,健康.  一方で運動療法の原則については,個別性,過負荷,. 連 QOL の改善などが認められたとする報告. 関連 QOL の改善などが認められた. 18). とする報告があ. 22)23). 。. 継続性,漸進性,頻度,栄養素,漸進性,自覚性に基づ 11). 。そ. る。このように臨床的にも中等症の対象者で効果がある. いてプログラミングすることが推奨されている. ものと考えられてきたが,どの病期(障害レベル)の対. の中でも,Frequency(運動頻度),Intensity(運動強. 象者にも運動療法の効果は期待でき実施されている。た. 度),Time(運動時間),Type(運動の種類)として. だし,そのレベルや障害特異性,負荷強度,方法などを. FITT が重要とされている. 考慮し選択実施されている。どのレベルについて何をど. 1)運動療法の頻度と期間. のように実施するのがよいのか,細部についてのエビデ.  運動の介入頻度と期間についての報告では 3 回 / 週を. ンスがまだ十分ではない。. 12 週間とする報告が多く見られ. 10)13)14). 。. 24). ,呼吸リハマニュア. ルにおいても,最低 1 セット 10 ∼ 15 回を 2 ∼ 3 回 / 週 2.運動療法の構成. で実施すると 4 週から効果が出現するが長期間の継続が.  コンディショニングは呼吸練習・体操,リラクセー. 必要であるとされている. ション,胸郭可動域改善,柔軟運動,ストレッチ運動,. を 6 ∼ 12 週間,毎回 20 ∼ 60 分実施するのが一般的で. 排痰法などである。エビデンスレベルは決して高くない. ある. が,その必要性と効果については多くの報告があり実施. QOL などの改善により効果があるとされている. 14)19). 10)13)14). 10). 。このように 3 回 / 週以上. が,より長期に継続するほうが健康関連 10). 。. 。そもそもコンディショニングの多く.  一方,運動療法の実施期間が COPD 患者に及ぼす効. の方法は,それに引き続き実施される運動療法や ADL. 果についての報告では,COPD48 例を対象に 7 年間に 8. トレーニングを行いやすくするための準備や調整であ. 週間のリハプログラムを 5 回反復した結果,1 秒量が 1. り,それらとのセットとして実施されている。コンディ. 年ごとに 118 ± 22 mℓ ずつ低下し BODEindex は悪化し. ショニングそれ自体での実施にエビデンスを求めること. た。しかし,運動耐容能,呼吸困難感や健康関連 QOL. に無理があり,準備や調整としての効果は十分あり実施. は維持することができたと報告しているものや. すべきである。. 動療法による運動耐容能や QOL の効果の持続期間は 1.  また,ADL トレーニングは実際の ADL 動作に即し. ∼ 2 年であるとしている報告がある. て,習得した呼吸法と各動作の協調を指導し,運動耐容. から重症 COPD619 例を対象にメタ分析した結果では,. 能レベルにあった各動作の Action-rest リズムと動作の. その長期効果は週 3 回の運動療法で 12 ヵ月後の急性増. パターンを指導している。呼吸リハの目標は運動耐容能. 悪によるドロップアウト率が高く,運動プログラムだけ. レベルの改善だけではなく,日常生活における身体活動. ではなく包括的呼吸リハの必要性を述べている. 性の向上,さらには QOL の向上である。日常生活にお.  以上のことから頻度については 3 回 / 週以上を 6 ∼ 8. ける具体的な身体活動性が改善されるためには ADL ト. 週間以上,毎回 20 ∼ 60 分間実施されている。また,運. されている. レーニングが不可欠である. 20). 。特に中等症以上の対象. 25). ,運. 12). 。また,中等症. 26)27). 。. 動療法の長期効果はおよそ 1 年と考えられ,運動療法の. 者には必ず実施されるべきである。. 継続や他の治療法を組み合わせた包括的な呼吸リハが実.  一方,運動療法は多くのメタアナリシスによって,最. 施されている。. もその効果が明らかとなっている. 2)10)11)14). 。持久性や. 2)運動の強度. 筋力トレーニングを部位として下肢,上肢,体幹,全身.  運動強度(高強度と低強度)の相違が COPD 患者の. に実施している。各対象者の運動耐容能レベルと障害特. 運動耐容能,呼吸困難感,健康関連 QOL に及ぼす影響. 性に合う負荷や種類や時間・期間を運動の原則に従って. を検討した報告では,運動耐容能,呼吸困難感,健康. プログラミングしている。以下順に紹介する。. 関連 QOL について,より高強度での改善が認められた が,2 群ともに改善効果があることが認められたとして 28). 。両者に利点・欠点がある 10)14) が,おもに換. 3.運動の原則. いる.  運動療法の生理学的な意義については,Casaburi が. 気障害で運動制限を呈する COPD では,有酸素性運動. 十分な強度のトレーニングは低強度のトレーニングに比. 能力を高め,他の身体機能にも有効な負荷となるように. 較し,骨格筋の機能改善に伴い運動時の血中乳酸値が大. 嫌気性代謝閾値(Anaerobic threshold:以下,AT)レ.

(5) 424. 理学療法学 第 43 巻第 5 号. ベル以上の高い負荷をかけ運動耐容能を向上させるのが. し,上記のように低負荷強度のままでの運動療法も可能. 理想である。しかし,運動療法のリスク回避とアドヒア. であり,その場合は運動時間を 40 ∼ 60 分と延長して行. ランスを保ち確実に実施できるためには,AT レベルあ. う。機器を用いた運動負荷試験が困難な場合には 6 分間. るいはそれ以下の低強度で実施することが必要であり,. 歩行やシャトルウォークテストなど平地歩行テストより. そのために低強度運動も多く活用されている。. PeakVO2 を予測式より求め負荷設定して実施されてい. 3)運動の方法. る(詳細は成書を参照していただきたい) 。COPD 対象.  運動の方法(インターバル運動と持続運動)の相違. 者では運動制限が換気制限であることが多く,負荷強度. が,COPD 対象者に及ぼす効果を比較した結果では呼. の評価に Borg スケールなどの自覚的呼吸困難尺度が有. 吸困難感,6 分間歩行テスト,健康関連 QOL は共に改. 用である. 善効果があることが認められたため,インターバル運動. 3)頻度と期間など. を種々の COPD 患者に用いることが考慮されてよいと.  先に述べたように,週に 3 回以上を 6 ∼ 8 週間以上と. している. 29). 。特に,運動耐容能の低い対象者や呼吸困. 11). 。. し,毎回 20 ∼ 60 分の運動時間として実施されている。. 難感の強い対象者,さらに運動時の乳酸処理能力の低い. 運動継続することが重要でありアドヒアランスを保つた. 筋機能レベルの対象者では,運動時の乳酸産生亢進を抑. めには,目的性の提示と意欲向上のための定期的な評価. 制するような運動としてインターバル法が実施されてい. による数値をフィードバックすることが重要である。. る。また,同様の対象者の ADL トレーニングとして, Action-rest リズムの活動パターン指導の方法としても. 5.運動療法の実施環境. 活用されている。.  運動療法の実施場所(在宅リハと外来リハ)の相違が. 4)運動療法の種類. COPD 患者に及ぼす効果を比較した結果では,在宅リ.  運動の種類(持久力トレーニングと筋力トレーニン. ハ 149 例と外来リハ 137 例の COPD に 4 ∼ 6 回 / 週で. グ)の相違が COPD 患者に及ぼす効果を比較した結果. 6 週間呼吸リハを実施した後に,在宅は 1 回 / 週・8 週. では,持久力トレーニングよりも筋力トレーニングがよ. 間の訪問で歩行と筋力運動を実施し,外来リハは 4 回 /. り健康関連 QOL に及ぼす効果は高いことが報告されて. 週・8 週間の外来での自転車と筋力運動を実施した。両. いる. 30). 。また,最近では COPD328 例を対象に両トレー. 群ともに 6 分間歩行の増加,健康関連 QOL の改善など 32). 。また,在宅呼吸リハにつ. ニングのメタ分析を行った結果では死亡率,有害事象. が認められたとしている. 例,呼吸困難感,除脂肪体重に差を認めず,同様の効果. いて COPD733 例を対象にしたメタ分析の結果では 1 秒. 31). 。こ. 量が改善し,健康関連 QOL は有意に改善したが,他の. の運動の種類についても,対象者の障害の特異性や実施. 最大運動能,再入院の回数,医療費,死亡率は改善しな. 環境,さらに対象者の好みに合う両トレーニングの組. かったと報告している. み合わせを考慮したプログラムが実用的に実施されて.  一般に在宅での実施は非監視下となり,そのアドヒア. いる。. ランスに依存し,実施そのものが不十分となりがちで効. があり両トレーニングの併用が推奨されている. 33). 。. 果が少ないと考えられている。しかし,一度監視下で十 4.運動方法の実際. 分に指導された後の在宅での運動療法は,十分に効果が.  運動療法の実際例を簡単に示す。. 期待できることから,実施方法とその効果に関する見直. 1)方法. しが必要である。.  持久性トレーニングとして,運動の種別は平地歩行, 階段や踏み台昇降,上肢の挙上運動,さらに自転車やト. 運動療法とその他の併用療法. レッドミルなどの機器を用いて実施されている。運動の.  COPD 対象者の運動療法と他の治療法との併用につ. 種類は障害度に合わせ持続運動,多様な時間の分割をし. いて比較した結果。. たインターバル運動が実施されている。一方,筋力ト レーニングとしては,自重を用いたスクワット運動,ゴ. 1.薬との併用. ムバンドや重錘などの重り,さらに抵抗運動機器を用い.  気管支拡張薬(抗コリン薬または β 刺激薬)を中心と. た運動が実施されている。. した薬物療法に運動療法を組み合わせることによって,. 2)強度と時間. 同薬を単独で使用するよりも気流制限や動的過膨張を軽.  基本的に運動耐容能を評価(各種運動負荷試験)し. 減し,呼吸困難感さらに運動耐容能を改善するとされ,. て個別な負荷設定がなされている。PeakVO2 を求め開. 上乗せ効果があるエビデンスが認められている. 始時はその 40%程度を 20 分間から開始し,目標を 60 ∼ 80%負荷強度として漸増して実施していく. 21). 。しか. 2)12). 。.

(6) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する運動療法の最前線. 425. 2.酸素吸入との併用. クトルク値の改善は少なかったが,6 分間歩行では差を.  低酸素血症のない COPD の酸素投与下での運動療法. 認めなかったとしている. について,安静時低酸素血症のない COPD36 例を対象. 頻度電気刺激,低頻度電気刺激,筋力トレーニングを 8. に,酸素 4 ℓ/ 分吸入下で運動群 19 例と圧縮空気吸入. 週間施行し比較した結果では,ピークトルク,仕事量,. 下での運動群 17 例を週に 3 回,12 週間と 24 週間で比. 耐久時間で高頻度電気刺激がもっとも改善し,6 分間歩. 較した結果では,酸素吸入群で 12 週後の最大運動能,. 行,呼吸困難感,ADL,健康関連 QOL については 3 群. PeakVO2,6 分間歩行が増加し,健康関連 QOL が有. 間で差を認めなかったとする報告もある. 39). 。また,COPD 対象者に高. 40). 。電気刺激. 34). 。低酸素血症が認められる. の周波数,頻度などのプロトコルや対象の選択が検討さ. COPD 対象者への運動療法には酸素吸入を併用するこ. れなければならないが,廃用症候群やサルコペニアを合. とはもちろんであるが,低酸素血症のない対象者への併. 併する COPD 対象者は多く,そのような対象者では有. 用も運動耐容能を改善することが考えられている。. 用性があり実施されている。. 3.吸気筋トレーニングとの併用. 7.作業療法との併用.  COPD における吸気筋トレーニング単独あるいは運.  作業療法のエビデンスは十分ではないが,呼吸リハの. 動療法の併用による比較では,吸気筋トレーニングを併. 一方法として実施されている。ADL 評価と指導を具体. 用することによって,吸気筋力が有意に増大し,運動耐. 的な動作として指導し,身辺動作などの動作の仕事量を. 意に改善したとしている. 容能も有意に改善する有用性が報告されている. 35). 。ま. た,GOLD ガイドライン 2015 でも,COPD 対象者にお. 最小限に要領よく行えるようにするには,作業療法の知 識と技術が必要である. 14). 。運動療法の効果をより具体的. 14). な ADL 改善に反映させ,前述したように身体活動性の. 吸気筋トレーニング単独でのエビデンスは十分ではない. 向上を図るために実施が必要である。未だ実施度は少な. が,運動療法と併用して実施されている。. いが,運動療法と併用され効果を上げている. いて全身運動と併用すると効果があるとされている. 。. 14). 。今後作. 業療法の呼吸障害分野への関わりがさらに期待される。 4.栄養療法との併用  呼吸リハと経口栄養補助剤,テストステロンの投与を. 8.音楽療法との併用. 90 日間実施した 60 例と対照群 62 例の比較では,併用.  音楽を用いると聴覚刺激が呼吸困難感を軽減するこ. 群において運動耐容能,栄養指標,QOL,生存期間な. とが,COPD415 例を対象としたシスティマティックレ. どが改善したとしている. 36). 。栄養療法単独でのエビデ. ビューにおいて述べられており,呼吸困難感を軽減し, 41). 。音楽の種類や. ンスは十分ではないが,対象者の選択(痩せ型)と強度. 運動耐容能が向上するとの報告がある. を考慮した運動療法の併用が実施されている。. テンポなど検討される必要があるが,運動療法に音楽療 法を併用することも有用な方法とされている。. 5.非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation:以下,NPPV)による換気補助と. 運動療法の効果 1.心・肺・筋機能への効果. の併用  在宅 NPPV +呼吸リハと呼吸リハのみを比較した結.  運動療法のターゲットはおもに不活動性の悪循環を止. 果では,在宅 NPPV +呼吸リハ群は 6 分間歩行距離と. めるとともに,心肺機能と低下した末梢組織としての骨. 37). 。ま. 格筋機能を改善することにある。特に,運動療法を行う. た,COPD82 例を対象に NPPV 装着下での運動療法の. ことによっておもな運動筋である下肢の筋肉内での代謝. 効果をメタ分析した報告では,トレーニング期間は 6 ∼. 機能の改善が得られる。その機序を考えてみると,図 3. 8 週間,毎回 20 ∼ 60 分実施し,換気補助を併用すると. に示すように,酸化酵素活性による酸素利用能の改善が. 同一負荷での心拍数が減少(平均 6.0 拍 / 分),負荷量. 見られる。すなわち,同一運動負荷に対する酸素摂取量. が(9.7 watt)増加し,PeakVO2 が(平均 242.1 mℓ)改. の改善に伴い乳酸処理能力が改善し,乳酸産生が抑制さ. 活動制限スケールが有意に改善したとしている. 善したとしている. 38). 。特に換気制限が強く,それが運. れる。そのことは AT レベルの改善につながる。また,. 動制限のおもな原因となっている対象者には有用であり. 筋組成の変化に伴い筋力,筋持久力が改善され各動作に. 実施されている。. おける収縮効率が改善され,歩行動作など ADL 各動作 の仕事率と仕事量が改善される。. 6.電気刺激との併用.  心機能については酸素摂取量の時定数が改善され,同.  COPD167 例に下肢筋への電気刺激と下肢運動療法を. 一運動負荷に対する循環血液量の抑制や心拍出量の低下. 行い比較したメタ分析での報告では,電気刺激群はピー. は,その主たる心拍数の増加抑制と血圧抑制に伴って心.

(7) 426. 理学療法学 第 43 巻第 5 号. 図 3 COPD 対象者の運動療法の効果 呼吸・循環・筋機能における関係 (文献 11)初学者の呼吸理学療法テキストより一部修正引用) ADL:日常生活活動 QOL:生活・生命の質 PeakVO2:最高酸素摂取量 VE:分時換気量 AT:嫌気性代謝閾値(Anaerobic threshold). 46). 筋の酸素摂取量の抑制(ダブルプロダクトの軽減)など. されている. が生じ心機能は軽減される。.  健常高齢者に対する運動療法の介入は,前述の心・.  さらに,このサイクルは肺機能に及び,上記の同一. 肺・筋機能といった運動機能面だけではなく注意・認. 運動負荷に対する乳酸産生の抑制は,AT レベルの改善. 知機能などの脳機能や心理機能面をも改善することが. につながり,そのことは CO2 の産生増加抑制に伴って,. RCT のメタ分析によって証明されている. 換気量の増加が抑制されることによって運動中の呼吸困. COPD 対象者に対する同機能への運動療法の影響は,す. 難感の軽減につながる。. でに不安や抑うつを軽減するエビデンスが明らかとなっ.  以上,図 3 に示すように筋機能と心循環機能,さらに. ている. 肺機能の改善は有機的に連動し,持続運動の延長と身体. ンスが未だ不十分であるが,同対象者への運動療法介入. 活動性の向上を生みだし,そのことで ADL の改善さら. は運動機能と併せて日常の活動性の改善,さらに注意・. に QOL の向上につながることが考えられる. 11)21). 。. 47). 。同様に. 14). 。しかし,注意・認知機能への影響はエビデ. 1) 認知機能が改善することも述べられている 。運動療法. 。. による脳血流量の改善や交感神経活動の賦活など健常高 2.認知機能への効果. 齢者と同様の機序が考えられる。.  次に認知機能との関係について述べる。COPD 対象.  COPD 対象者の注意・認知機能と治療目標・管理と. 者の脳機能との関係について,Dodd らは理解力の低下,. して最も重要な身体活動性との間には相互関係が考えら. 記憶と学習障害,運動に関する機能が低下していること. れる。そのため運動療法の介入により身体活動性を向上. 4). 。また,認知機能との関係について. させ,認知機能へ働きかける(その逆もあり得る)こと. は Incalzi や渡辺らは慢性の低酸素血症のある COPD 対. は同対象者の生命予後の延長につながることが考えられ. 象者では,同年代の健常者に比較して認知機能が低下し. る。今後,COPD 対象者への運動療法は運動機能面だ. ており,なかでも言語性の記憶が低下していることを述. けではなく,注意・認知機能などの脳機能に及ぼす影響. を報告している. べている. 42‒44). 。さらに,COPD 対象者の認知機能低下. は脳血液環流配分の低下と関係している報告もある. 45). 。. さらに,COPD 対象者の多くには運動時に低酸素血症 を呈する症例が認められ,運動時の低酸素血症と日常の 活動性の低下が認知機能低下に関与していることも報告. を併せて,同対象者の身体活動性の向上に努めることが 必要である。. 今後の課題  今後の課題として,運動療法をいかに継続すべきかが.

(8) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)対象者に対する運動療法の最前線. 重要になっている。運動の原則で述べたが,一般に運動 療法による運動耐容能や QOL の効果の持続期間はおよ そ 1 年が限界と考えられる。そのためアドヒアランスを 保ち運動療法を継続していくことが重要であり,持久力 や筋力トレーニング,さらにコンディショニングの各種 や ADL トレーニングを組み合わせることや,作業療法 や他の治療法を併用した包括的な呼吸リハをプログラミ ングして,定期的に実施することが必要である。それら のことが COPD 対象者の身体活動性を維持し,QOL の 向上と生命予後の延長につながるものと考えられる。. 結  語  COPD 患 者 の 呼 吸 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン と し て 運 動 療法はすでに多くのエビデンスが示され,明らかでな かった内容についても順次明らかとなっている。すでに COPD に対する運動療法は非薬物治療の中心的位置づ けとなり,普遍的な要素となっている。しかし対象者の 選択や負荷設定,さらに具体的な方法の決定は十分とは いえない現状でもある。一部ではレビューをアップデイ トしない報告もあるが,さらなる臨床における症例の積 み重ねと研究・報告がさらに必要であり,運動療法の直 接の担い手である理学療法士がその役割を果たすことに 期待されている。  現在,呼吸リハビリテーションにおける運動療法は, 対象の背景や疾患の特徴より,呼吸機能や運動耐容能の 向上に限らず,全身の機能障害があることを認識して, 他の内部障害や運動器障害を考慮して指導すべきであ る。さらに,認知機能などの精神・心理機能への影響に も考慮した,身体活動性の向上を目標とした包括的かつ 統合的ケアとしての臨床と研究を推進していくことが本 領域での最前線と思われる。 文  献 1)小林 茂,藤本繁夫,他:慢性閉塞性肺疾患(COPD)患 者の認知機能に及ぼす運動療法介入の検討.総合リハ. 2013; 41: 553‒559. 2)日本呼吸器学会 COPD ガイドライン第 4 版作成委員会: COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドラ イン(第 4 版).メディカルレビュー社,東京,2013. 3)千住秀明,髻谷 満,他:呼吸理学療法の過去・現在・未 来.PT ジャーナル.2013; 47: 955‒962. 4)Dodd JW, Getov SV, et al.: Cognitive function in COPD. Euro Resp Jour. 2010; 35: 913‒922. 5)健康日本 21(第 2 次):国民の健康の増進の総合的な推進 を図るための基本的な方針,厚生労働省告示第四百三十 号,(平成 24 年 7 月 10 日). 6)Grcia-Aymerich J, Lange P, et al.: Regular physical activity reduces hospital admission and mortality in chronic obstructive pulmonary disease: A population based cohort study. Thorax. 2006; 61: 772‒778. 7)Waschki B, Anne K, et al.: Physical activity is the strongest predictor of all-cause mortality in patients with COPD a prospective cohort study. Chest. 2011; 140: 331‒342.. 427. 8)Vase AW, Garcia-Aymerich J, et al.: Changes in physical activity and all-cause mortality in COPD. European Respiratory Society. 2014; 44: 1199‒1209. 9)間瀬教史:これまでの 10 年とこれからの 10 年─理学療法 の発展と課題と夢 呼吸理学療法.PT ジャーナル.2016; 50: 26‒29. 10)日本呼吸ケアリハビリテーション学会,日本呼吸器学会, 他(編): 呼吸リハビリテーションマニュアル ─運動療 法─(第 2 版).照林社,東京,2012. 11)小林 茂 : 運動負荷試験に基づく運動処方,初学者のため の呼吸理学療法テキスト.堀 竜次(編) ,メディカ出版, 大阪,2010,pp. 234‒240. 12)Ries AL, Baildoff GS, et al.: Pulmonary rehabilitation, Joint ACCP/AACVPR Evidence-based Clinical Practical Guidelines. Chest. 2007; 131(5 Suppl): 4‒42. 13)石川 朗,沖 侑大郎,他:内科呼吸器疾患に対するリハ ビリテーションのエビデンス─ COPD 患者に対する運動 療法の実際─.クリニカルリハ.2015; 24: 440‒449. 14)高橋仁美,宮川哲夫,他(編) :動画でわかる呼吸リハビ リテーション(第 4 版).中山書店,東京,2016. 15)Lacasse Y, Cates CJ, et al.: This Cochrane Review is Closed: Deciding What constitutes enough Research and where next for pulmonary Rehabilitation in COPD. Cochrane database syst rev. 2015; 11: ED000107. 16)Lacasse Y, Wong E, et al.: Meta-Analysis of respiratory rehabilitation in chronic obstructive pulmonary disease: Lancet. 1996; 384: 1115‒1119. 17)Jacome C, Marques A, et al.: Pulmonary rehabilitayion for mild COPD: A systematic review. Respir Care. 2014; 59: 588‒594. 18)Van Ranst D, Otten H, et al.:Outcome of pulmonary rehabilitation in COPD patients with severely impaired health status. Int J COPD. 2011; 6: 647‒657. 19)千住秀明,神津 玲:「エビデンスに基づく理学療法─理 学療法診療ガイドラインを読み解く─」慢性閉塞性肺疾患 (COPD)理学療法診療ガイドライン.理学療法学.2016; 43: 64‒66. 20)間瀬教史,野添匡史:呼吸器疾患の理学療法における臨床 推論のパラダイムを考える─慢性閉塞性肺疾患をモデルと して─.理学療法.2015; 32: 711‒718. 21)Casaburi R, Patessio A, et al.: Reduction in exercise lactic acidosis and ventilation as a result of exercise training in patients with obstructive lung Disease. Am Rev Respir Dis. 1991; 143: 9‒18. 22)藤 本 繁 夫, 栗 原 直 嗣, 他: 慢 性 肺 疾 患 患 者 に 対 す る 運 動訓練の効果判定の検討.臨床スポーツ医学.1993; 10: 768‒775. 23)Sala E, Roca J, et al.: Effect of endurance training in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir Crit Care Med. 1999; 159: 1726‒1734. 24)Singh S: Physical activity and pulmonary rehabilitation-A Competing agenda. Chron Respir. 2014; 11: 187‒189. 25)Foglioa K, Bianchia L, et al.: Seven-year time course of lung function, symptome, health-related quality of life and exercise tolerance in COPD patients undergoing pulmonary rehabilitation programs. Respir Med. 2007; 101: 1961‒1970. 26)Beauchamp MK, Evens R, et al.: Optimal duration of pulmonary rehabilitation in individuals with chronic obstructive pulmonary disease -Systematic Revieew. Chron Respir Dis. 2011; 8: 129‒140. 27)Beauchamp MK, Evens R, et al.: Systematic Revieew of Supervised Exercise Programs After Pulmonary Rehabilitation in Individuals With COPD. Chest. 2013; 144(4): 1124‒1133..

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