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第38条関係(立木の移植補償) 項 目 立木補償金算定について 【質疑の概要】 立木の補償金算定で、留意する点は、どのようなことか。 【対 応】 支障となる立木は、公園事業等のように取得用地の立木を取得して、 そのまま利用する場合を除き、一般的には建物等と同様に起業者にとっ ては必要としないものであるから、どこか別な場所に移転する補償を行 えばよい訳である。通常、庭木類は移植に要する費用を補償し、移植す るよりも伐採したほうが合理的なもの、例えば、用材林などの立木は伐 採に要する費用等を補償することになり、どちらの補償方法によるかに ついては補償対象となる立木の種別、利用方法、移植場所の有無等を総 合的に考慮して判断すべきと思われる。 ( ) 移植補償について1 移植に適する立木には、庭木や収穫樹があり、これらの立木を移 植する場合の補償金には掘起し、運搬、植付け等に通常要する費用 のほかに、枯損に係る損失補償や収穫樹の場合は移植後の一定期間 の減収補償等を含む。ただし、その補償金額は、通常、立木の取得 額を超えてはならず、その理由として、移植対象となる立木は、同 種同価値のものが市場に存すると考えられ、過大な費用をかけて移 植するよりも、新しい立木を取得して、移転先に植樹したほうが合 理的な場合があるからである。この場合、市場価格には、立木その ものの店頭価格のほかに、植樹費用も含まれる。しかし、最終的な 移植か伐採かの判断は、補償額の比較により行うが、庭木類の場合 、 。 の伐採補償額は 樹価(市場価格)+伐採除却費−発生材価格となる ただし、天然記念物等については、特別な補償方法となる。 ( ) 伐採補償について2 山林に存する立木など、移植に適さない、あるいは必要としない 立木は、伐採補償を行うことになる。伐採補償を行う立木には、① 建築物等に利用する用材林、②炭などに利用する薪炭林及び野立の 雑木、③果樹等の収穫樹。④竹林の4種類がある。そのなかで、① の用材林を伐採する場合を例として、補償方法を見てみる。 用材林は当該立木の育成期間により、次の3つに分けて補償して いる。( )伐期未到達で市場価格のない立木の補償、( )伐期未到達a b で市場価格のある立木、( )伐期の到達した立木である。c

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( )については、その立木が伐期に到達した時に得られるであろb う収益を現在価値に置き換えた額に間伐等による収益があれば、そ の分を控除した額を補償する。 ( )については、現在でも立木を成木として通常価格で市場に出c すことができる訳で、実質的には何等損失はないのであるから、起 業者の工事施行の都合によって伐採時期を選定できないことによる 費用の増加と需給バランスの不均衡等が生じることによる買い叩か れの損失を補償することになる。 一般的な算定方法は、用材林木は、1ヘクタール単位、収穫樹は 10アール単位で算定し、最終的に1本当たりに換算する方法をと っている。庭木類については、一度に多量の立木を調査、算定しな ければならないから、樹種、樹径などで区分し、それぞれの分類ご とに樹価を決め、算定している。 しかし、このような場合でも特殊な立木がある場合、例えば、樹 齢が相当に経っており、現実に用材として利用できない立木等につ 、 。 いては 個々の事情に適合した補償を行うよう留意すべきであろう 【その他参考】 「月刊用地」 1987年 1月

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項 目 立木補償の税務について 【質疑の概要】 公共事業により土地を収用したが、その土地に「鑑賞用の立木」があ り、次の事例のようにこの立木について移植補償を支払った。ところが 被収用者は、移植と、伐採と新規購入を併せて行った場合、すなわち補 償した内容と被収用者が行った内容が異なるときは、税法上どのように 取り扱うか。 (例) 立木補償 松 本移植補償額 イ 円 ロ 円 ハ 円 1 3 50,000 30,000 20,000 﨔 本移植補償額 円( 本当たり 円× 本 2 10 100,000 1 10,000 10 円) =100,000 梅 本移植補償額 円( 本当たり 円× 本 3 10 1,000,000 1 100,000 10 円) =1,000,000 合計23本 1,200,000円 被収用者が実施した内訳 移植に要した費用 松イ 円 梅 本 円 1 40,000 5 400,000 伐採に要した費用 松ロハ、﨔 本、梅 本 円 2 10 5 10,000 新規購入植込費用 松 本 円、梅 本 円 3 1 500,000 1 100,000 庭石組一式150,000円 合計1,200,000円 【対 応】 植木など鑑賞用の立木(山林所得の対象となる立木を除く。)の移植補 償金は、被収用者が補償対象となった立木を移植するか、又は伐採する かによって、その取り扱いは、次のようになる。 補償対象となった立木を移植する場合は、その交付を受けた移植 1 補償金は、原則として一時所得の収入金額となる。しかし、立木の 移植のために要した運搬費用、植付費など、交付の目的に充てられ た金額は、一時所得の収入金額から除かれる。 補償対象となった立木の一部又は全部を伐採した場合は、被収用 2 者の選択により、伐採した部分の移植補償金を譲渡所得の収入金額 とすることができる。 ( ) 交付を受けた移植補償金を一時所得とする場合は、移植補償金1 、 、 、 、 の 合計額から 移植のために要した運搬費用 植付費用のほか 伐採に要した費用を除いた残額を、一時所得の収入金額として計 算する。

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部分の移植補償金は一時所得の対象として、前記1により取り扱 う。 なお、譲渡所得の収入金額とした部分については、収用等の場合の 譲渡所得の課税の特例の対象となる。 【その他参考】 名古屋国税局見解

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項 目 立木取得補償における消費税額の補償の要否について 【質疑の概要】 個人(事業者ではない者)の立木が取得補償の対象となる場合、起業者 は「消費税等の税額の補償」をすべきか否か。 【対 応】 「公共事業の施行に伴う損失の補償等に関する消費税及び地方消費税の 取扱いについて (平成9年3月14日中央用地対策連絡協議会理事会決」 定)において、事業者である土地等の権利者から課税資産の譲渡等を受け る場合の対価たる補償金については、消費税及び地方消費税を含まない価 、 。 格等に 消費税及び地方消費税率を乗じた額を加算するものとされている 事業者が課税資産を譲渡等した場合には消費税及び地方消費税が課さ れ、公共事業のために事業者が国や地方公共団体に課税資産を譲渡した場 合でも例外ではない。そのため上記の取扱いは、公共事業による資産の譲 渡がなかったならば課されることのなかった消費税及び地方消費税の税額 について、これを対価補償金の一部として補償するとしたものである。 立木の取得に係る補償金は、権利者から資産の譲渡を受けることの対価 たる補償金に該当するが、質疑のように権利者が事業者でない個人の場合 は資産を譲渡しても消費税上の納税義務はなく、消費税及び地方消費税を 課されることはない。したがって、上記のように税額分を補償する必要は ない。 なお、課税資産の譲渡等を受ける場合の対価たる補償金についての「消 費税等の税額の補償」の要否については 「公共用地の取得に伴う消費税、 等取扱いマニュアル」のP46フロー図1を参考に判定されたい。

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第39条関係(用材林の伐採補償) 項 目 立木の伐採補償について 【質疑の概要】 土地等の取得又は土地等の使用に係る土地に用材林等の立木がある場 合において、これを伐採することが相当であると認められるときは、用 材林の伐採補償基準等に基づき補償額を算定しているところである。 しかしながら少数の用材林等の立木がある場合は、伐採を請け合う業 者が見つからないなど補償金を支払うだけでは移転補償の契約ができな い場合がでてくるが、こんな場合はどのように対応すべきか。 【対 応】 用材林の場合、通常の山林経営として一定規模を予定して市場価格、 経営費及び事業費等の各要因が積み上げ計算されているので、一定規模 以上の場合は問題ないが、規模が小さい場合及び支障部分が少量で伐採 等の事業内容が相違する場合は問題がある。 起業者が、事業の用に供する目的及び保安防災上の目的で立竹木を存置 させることが相当と認めた場合のほか、適正な立木の管理を行っていない 場合や、適正な立木の管理を行っていても被補償者の利得がマイナスの場 合においては、取得補償することができる。

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第43条関係(営業廃止の補償) 項 目 営業廃止補償の要件について 【質疑の概要】 営業廃止補償の対象に、平成10年度の基準改正により、下記が追加 されましたが、具体的にどのような職種があるのかご教示願いたい。 ・細則第26 1−五 生活共同体を営業基盤とする店舗等であって、当該生活共同体の外に 移転することにより顧客の確保が特に困難になると認められるもの。 【対 応】 平成10年度の基準改正により、営業廃止補償を行う対象に、生活共 同体の外に移転することにより顧客の確保が特に困難となる営業所等が 追加された。 地域の社会・生活と一体となっているような店舗等にあっては、その 移転先等によっては、店舗の再開が著しく困難と認められる場合がある ので、このような営業所等については、営業廃止補償の対象に加えられ たものである。 例えば、農村、山村又は漁村地域にあっては、ひとつの集落の住民が 色々な面においてお互いに助け合って、又は補完し合って、生活共同体 としてひとつの地域社会を形成している場合が多いと思われる。 このような地域社会の住民は、誰かが困ったときには互いに援助し合 うという一種の社会保険に入っていることと同様であると見ることもで きる。このような地域社会・生活共同体にあって営業を行っていた営業 体の中には、当該地域社会・生活共同体を離れては、営業を継続するこ とが著しく困難であると認められる場合がある。 例えば、山間地のダム事業予定地になっている集落で、地域住民のみ を顧客として、食料品・日用雑貨品店を老夫婦が営業しているような店 舗にあって、移転により、当該地域社会・生活共同体を離れることとな った場合で、移転先地が市街地となるようなときは、移転先地において 新たに顧客を開拓し、従前の営業を継続することは困難と考えられるの で、営業廃止補償の対象となり得ると考えられる。 なお、集団移転地が計画され、当該地域社会・生活共同体が集団移転 地に移転するときで、当該店舗も集団移転地に移転するようなときは、 従前の生活共同体の構成員の多くが集団移転地に移転するから、顧客の 確保ができることになるので、このような場合にあっては、営業廃止補 償の対象とはなりません。 、 、 なお 営業廃止補償対象として掲げられている各号に該当するものは 必ず、営業廃止となるものではなく、個別的な事業を調査し、社会通念

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上、当該店舗等の妥当な移転先がないと認められるときに営業廃止の補 償となるものである。

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項 目 堤外民地における青空駐車場について 【質疑の概要】 河川法第 6条第 1項第3号の指定を受けている地域内の土地を未利用 のまま放置していた土地所有者の妻は、当該土地の付近地の職場に勤務 する民間会社等のサラリーマンの通勤用の駐車場が不足していることを 奇貨として、ここ数年当該土地(約300m2)をなんら手を加えることなく 青空駐車場としてサラリーマン相手(20 台分)に副業的に月極めの駐車 、 。 料を得ていたが このたび河川改修により全面買収されることになった このような場所的限定による土地利用の形態を復元することは客観的状 、 。 況から判断して困難となるので 土地代のほか営業廃止補償が出来るか 【対 応】 土地についての現実の使用方法は、必ずしもその土地の効用が最高度 に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)に基づいているもので はなく、不合理な又は個人的な事情による使用方法のため、当該土地が 十分な効用を発揮していない場合があるが、土地の価格は最有効を前提 として把握される価格を標準として形成される。取得する土地に対して は正常な価格をもって補償することになるが、この正常な価格を求める にあたって最有効使用の原則は前提条件となる。 河川区域における堤外の民地は、周囲の土地利用の動向とも関連があ るが、土地利用の規制等の行政的要因が働くため、限定的な使用方法に 限られることが通例であると考えられる。周辺が農地地域であれば土地 評価上は農地であることが一般的であり、農地としての価格は災害等の 危険を考慮すれば減価要因の働くことは十分予想され、付近の、堤内民 地の農地より減価した価額が成立するのが一般的である。 一方、設例のごとく当該土地が付近地との関係からサラリーマンの通 勤用の車を駐車することとした利用が①良識と通常の使用能力をもつ人 が採用するであろうと考えられる使用方法であること②使用収益が、将 来相当の期間にわたって持続しうる使用方法であること③効用を十分に 発揮しうる時点が予測しえない将来でないことの諸点から判断して最有 効であれば駐車場を前提とした評価は可能であろうが、これとて市街地 にある設備等を具備した駐車場と同一視することは当該土地のもつ諸条 件からして困難であろう。 ところで、上記の駐車料(総収益)は、いかなる意味をもつかを分析す ることが設例の解決のキーポイントとなる。一般に土地、資本、労働及 び経営(組織)の各要素の結合によって生ずる総収益は、これらの各要素 に配分される(収益配分の原則)といわれている。したがって、このよう な総収益のうち、資本、労働、及び経営(組織)に配分される部分以外の

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部分は、それぞれの配分が正しく行われる限り土地に帰属するものであ り、これが地代に相当する部分であり、この地代等から算定される推定 の価格が不動産の鑑定評価でいう収益還元価格である。 また、基準でいう「営業」の概念は、収益配分の原則でいう経営(組 織)体に着目したものであり、経営体が実在しないものは営業として取 扱うことはできない。 経営体とは「一定の継続的施設を基礎として人による組織的協働によ って生産活動が持続的に営まれる計画的な活動の組織をなすもの」と定 義される。すなわち、人的あるいは物的な各要素が結合した有機的な働 きを有する統一体と解することができる。それ故、当該設例において駐 車場として運用するにあたって、人と設備等の結合により有機的働きを するもの(経営体)が実在すれば「営業」としてとらえることができる。 、 、 したがって 設例の場合においては経営体が実在するかどうかを精査し 実在すれば損失の実態に着目して補償することになる。また、当該土地 に囲障とかコンクリートのたたき等の施設が実在している場合には、支 障物件の補償で対応すれば十分である。 おわりに、当該土地の単位当たりの駐車料>当該土地の単位当たりの 地代という関係が存し、かつ、経営体が実在しない場合は、買い急ぎ等 の理由で正常価格以上で入手した者に対しても正常価格で買い取るのと 同様、ただ、元本と果実との相違はあるが、同様な理由により賃借人に おいて正常な賃料以上のものを支払っているのみにすぎず、賃貸人の過 剰な利益を補償の対象とすることはできない。 【その他参考】

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第44条関係(営業休止等の補償) 項 目 平均賃金の算出について 【質疑の概要】 、 、 営業休止の補償のうち 休業補償(人件費の補償)の平均賃金の算出は 決算書の数値によるのか、又は給与台帳の賃金によるのか。 【対 応】 補償額算定の時期は、用対連基準第3条により契約締結の時の価格に よって算出するものとされているので、算定資料は至近のものでなけれ ばならない。 、 、 営業補償における至近の資料としては前期決算書があり 収益の認定 固定的経費の認定等これに基づいて算出する。 収益額認定の基本となる営業利益は この期の売上げから原価計算(期、 首たな卸し+当期仕入れ−期末たな卸し)による原価を差し引き、更に 販売費及び一般管理費を差し引くことにより算出されるが この期の 売、 「 上げ」と「原価」とは個別的な対応関係にあり、また、この期の「売上 げ」と「販売費及び一般管理費」は期間的な対応関係にあるということ がいえる。 したがって 「収益減の補償」をする場合の認定収益額の算出は決算、 書の数値の中から導き出せるし、また、損金として処理された経費の中 から補償の対象となる固定的経費を認定することになるので、これら補 償の基礎となる客観的資料は、決算書以外にはないということになる。 しかし、休業補償(人件費の補償)の算出に必要な社員の給与について 、 、 、 みると この科目は単独で(対応関係がなく)存在するといえるし また 前期決算時と契約時では社員数が異なることも多いので決算書でなく、 給与台帳により算定すべき日以前 3 ヵ月間に支払われた賃金(賞与を除 き、給料、手当その他通常賃金の一部として認められる家族手当等)を 調査し算出する。 【その他参考】 「月刊用地」1980年4月

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項 目 短期借入金の利子について 【質疑の概要】 営業休止補償の場合、固定的経費の内訳で長期借入金の金利は補償さ れるが、短期の場合は対象外である。 中小企業あるいは零細企業にあっては長期の借入れがむずかしく「書 」 。 、 換えによる手形融資 の方法が通常である 銀行の申し合わせによれば 3 6 この資金繰りを「短融」即ち「一時的な短期決済融資方」として ∼ ヵ月の期問内でこれを行っている。中小企業若しくは零細企業において は、この「短融」を運転資金等に運用されているが、なぜこの支払利息 は対象外になるのか。 【対 応】 企業は、営業を休止しても一定の経費を固定して支出しなければなら ない。これらの経費は、営業をしていれば売上利益の中から補填するこ とができるが、営業休止期間中はそれができないので、これらの経費を 補償する必要がある。 借入金には、長期と短期の2通りがあり借入金の返済期日が決算書の 決算期日より、1 年以上のものを長期借入金といい、1 年未満のものを 短期借入金という。 長期借入金は貸借対照表の固定負債の項で表示され、短期借入金は流 動負債の項で表示されている。 このように短期借入金利子は、取引先や銀行等から短期的に融資を受 けた場合に生ずる利子であるので、これが休業期間中にかかるものであ るのかどうかを借入期間や利子率等を調査して算定することは、実務的 に作業が繁雑になることと部分的に精度を高めることによる営業補償全 体への影響が微少であることにより長期借入金利子のみをもって固定的 経費とし、短期借入金利子は原則として固定的経費から除くこととされ た。設問のように形式的には短期借入金であるが実質的に長期借入金そ のものであり、休業期間中にかかる借入金利子であることが明確であれ ば、短期借入金であっても固定的経費として補償の対象となる。 【その他参考】

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項 目 サービス・ステーション・マネージャー契約に基づき営業し ているガソリンスタンドの営業補償について 【質疑の概要】 道路事業の施行に伴い A 石油会社が所有するガソリンスタンドが支 B 障となり移転の必要が生じている。このガソリンスタンドの経営は 氏が A 石油会社と「サービス・ステーション・マネージャー契約」を 締結し、A石油会社の施設を貸借し委託販売を行っている。この場合に 販売委託者である A 石油会社に対して当該ガソリンスタンドの営業を 休止することに伴う営業補償を行うことができるか。 なお、サービス・ステーション・マネージャー契約に基づくガソリン スタンドの営業形態は、次のとおりである。 土地については、委託販売者所有の場合と石油会社所有の場合の 1 両形態があるが、本件の場合はA石油会社が所有している。 施設については、 石油会社の所有でマネージャーがこれを賃借 2 A して営業を行っている。 委託商品は、ガソリン類だけでその他の商品についてはマネージ 3 ャーが自己仕入れで販売している。 、 、 4 委託商品の販売価格は A石油会社が基準価格を設定しているが 実際の販売価格はマネージャーの判断に委ねられている。 委託商品の所有権は、顧客に販売されるまでは 石油会社に属 5 A している。 委託商品の売上代金は一旦 石油会社に納入されるが、納入さ 6 A れる代金は実際の販売価格ではなく A 石油会社が決定した「基準 価格×計量器の吐出量」である。 石油会社は、マネージャーに対して「 ㍑当たり単価(石油会 7 A 1 社が定めた価格)×計量器の吐出量」の販売手数料を支払う。 公租公課については、 石油会社所有の施設不動産、動産及び委 8 A 託商品は A 石油会社の負担であり、営業に伴う事業税等の諸税は マネージャーの負担となっている。 【対応】 石油会社が土地買収代金、物件移転料に加えて営業補償の請求をし A たのは、当該ガソリンスタンドは A 石油会社において直接経営してい るものではないがサービス・ステーション・マネージャー契約により委 託販売しているとの認識に立っているためと考えられる。したがって、 問題となるのは販売委託者である A 石油会社を当該ガソリンスタンド の営業主体として認定することができるかどうかについてである。サー ビス・ステーション・マネージャー契約の内容及び当該ガソリンスタン

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ドの営業内容に沿って分析してみると以下のようなことがいえる。 石油類の販売価格について 1 契約上の委託者である A 石油会社は、販売基準価格を設定してい るが、それはあくまで A 石油会社が定めた販売基準価格であり、マ ネージャーである B 氏が当該ガソリンスタンドを経営するにあたっ ては、この販売基準価格に何ら拘束されるものでないことは契約上か らも、経営実態からも明らかである。したがって、石油類の実際の販 売価格は、マネージャーである B 氏が自己の営業方針に基づいて決 定している。A石油会社の定めている販売基準価格の内容は、A石油 会社の卸価格に一定の手数料(マネージャーの得るべき標準的利益)を 加算した価格であり、マネージャーがガソリンスタンドの営業を行う にあたっての販売価格の指針であり A 石油会社における収益の安定 的確保のためのものといえる。 売上代金を 石油会社へ納入させていることについて 2 A 売上代金を一旦 A 石油会社へ納入させる形式をとっていることの 理由としては、① A 石油会社における販売実績確認のため② A 石 油会社における収益の安定的確保のため③納入することを契約内容 にしていることは当該ガソリンスタンドにおいて A 石油会社以外 の製品を取扱うことの防止のための手段といえ、これは両当事者間 の合意による特約契約の一形式にすぎないものといえる。 営業に関する危険負担について 3 石油会社は、販売基準価格を設定することにより、実際にマネ A ージャーの販売する価格にかかわらず一定の利益を得ている。また 施設に関しては、賃貸料をマネージャーから徴収していることによ って施設の所有者としての収益を安定的に確保している。これに反 し、マネージャーは販売価格によっては、欠損を生じても A 石油 会社に販売基準価格に基づく販売量に対応する一定額を納入しなけ ればならない。したがって、当該ガソリンスタンドの営業に関する リスクはマネージャーが負担しているといえ、A石油会社は、実質 的には卸元としての危険負担をおっているだけといえる。 施設について 4 A B 前述したように、 石油会社は施設(土地を含む。)の賃貸料を 氏より徴収しており、A 石油会社と B 氏の間に家主(地主)と借家 人の関係が成立していることを認めることができる。 以上のようなことからして、サービス・ステーション・マネージャー 契約(A石油会社のいう委託販売契約)は、委託販売方式というよりも一 種の特約店販売方式とみるのが妥当と考えられる。つまり両者の関係は 販売委託者と販売者というより特約契約を交わした卸元と小売業者の関

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結論としては、このような場合に A 石油会社を当該ガソリンスタン ドの営業主体として認定することはできない。A 石油会社の蒙る営業上 の損失は、特約店である B 氏のガソリンスタンドが休業することに伴 い、特約契約を結んでいる卸元が小売販売店を一時的に喪失したと考え るべきものであり、現行基準においては、小売店が休止した場合その卸 元へ遡及する二次関連の補償までもを補償対象として措置することは認 めていない。したがって A 石油会社に対する補償としては、土地売買 代金、物件移転料、家賃減収補償等の補償を行えば足り、営業補償は二 B 次補償となるため補償することはできない。一方マネージャーである 氏は、サービス・ステーション・マネージャー契約による石油類の販売 以外に、自己仕入れによる自動車用品の販売、洗車、オイル交換及び軽 微な点検整備等の営業も併せて行い、当該ガソリンスタンドを経営して B いるものであり、当該ガソリンスタンドの営業主体はマネージャーの 氏といえる。したがって当該ガソリンスタンドが公共事業の施行のため 移転する場合には借家営業者として措置することとなる。 【その他参考】 「月刊用地」1978年12月

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項 目 アパートの家賃収入と営業補償について 【質疑の概要】 アパートの家賃収入は営業補償として補償することはできないか。 【対 応】 一般的に家賃収入に対する損失は家賃減収補償(用対連基準第 33 条) によることとされており営業補償(同基準第 44 条)として補償すること はできない。 営業補償というのは、本来、資本・労働及び収益に関する補償が主た る内容となっており、そこには営業体が存在することが前提となってい る。 そして、公共用地の取得等に伴って、これら営業体に損失が発生した ら、起業者がその損失を補償する、即ち営業補償を行うということにな る。 したがって、内職とか、青空駐車場とか、そこに営業体の存在が無い 場合には、営業補償はすることができない。そこで、設問のアパートに ついて考えてみると、アパートとは小規模的概念で、不動産賃貸業とし ての業登録はされていないのが一般的であり、家賃減収補償が適用され る。 しかし、その規模が大きくなり、かつ、レヂデンス等と名称も変り営 業そのものとなると補償する場合の考え方が違ってくる。 例えば、多くの賃貸ビルを持っている経営者のビルの一つが公共事業 で移転することになったとしたら、これは用対連基準第 33 条による移 転期間中の家賃収入を補償するのではなく、その経営者に対して、用対 連基準第 44条による営業休止等の補償を行うのだということになる。 以上、大別すると、個人所有の賃貸建物は家賃補償(所得補償)、業に 係る法人所有の賃貸建物は営業補償(収益補償)ということになる。 なお、家賃を補償するというのは売上だけの補償であるが、営業補償 は収益、人件費、得喪、固定的経費等と、それぞれの損失に対する補償 であるということが言える。 【その他参考】

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項 目 倉庫業の補償について 【質疑の概要】 倉庫業においては、仮倉庫補償を行えばよいか。又この場合通常の 1 営業補償は不要と考えてよいか。 預け入れ荷主が ∼ 社で大口である場合、荷主に営業上の支障が 2 1 2 出るとしたら二次的補償として荷主に対し営業補償を行うのか。 【対 応】 倉庫業の定義は「保管料を受けて、自己所有の倉庫に他人の寄託貨物 を保管して、寄託者に対し倉庫証券を発行し、倉庫を賃貸し、又保管物 の質入れ、代金取立て、売買の周旋などもする営業」である。 それで、倉庫業者所有の倉庫だけ(営業所等は別のところにある。)が 公共事業のため支障になった場合は、次のように考える。 倉庫を移転させるには、まず倉庫を空にしなければならないので 1 中にある貨物を①一時他所(仮倉庫)に移し、移転工事期間中仮保管 する②荷主との契約を解除させ空にする③新たな保管(預かり)をス トップして倉庫が空になるのを待つ④②と③の方法を併用し空にす るという方法が考えられる。 保管に係る貨物が簡易な仮倉庫になじむものであれば①の方法を 採用し仮倉庫の補償を行えばよいと思われるが、②③④の方法を採 用した場合の営業休止補償、再建工法との経済比較は当然必要であ る。仮倉庫補償を行う場合は、営業上の損失は特に生じないので通 常の営業補償は不要である。 用対連基準第 条で「損失の補償は土地等の権利者に対してする 2 4 ものとする 」と規定され、荷主に営業上の損失が発生したとして。 も起業者は荷主に対して補償することはできない。 荷主はただ単に倉庫業者と関係があるだけで、もし、保管契約の 解除等に伴い損失が生じ、約款上も補填の規定があれば、荷主はそ の損失を倉庫業者に負担させることになる。倉庫業者が荷主の損失 を負担することによって営業上の損失が生ずれば、起業者は倉庫業 者に対して補償を行うことになる。 【その他参考】 「月刊会報」1984年8月

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項 目 事業税は固定的経費の補償の対象になるか 【質疑の概要】 用対連細則第27の ( )の固定的経費のうち、一の公租公課について「固定資産税、都2 市計画税、自動車税等を対象として補償し、営業収益又は所得に応じ て課税される法人税、所得税及び印紙税、登録税等は除外する」とな っており従前補償の対象として例示されていた事業税の記載がないの で事業税を補償対象から除外すると解してよいか。 【対 応】 事業税を固定的経費の対象とすることは下記理由によりできない。 1 事業税は道府県税の一つであり法人事業税と個人事業税に区分さ れるが、個人及び法人に対して、個人にあっては所得、法人にあっ ては所得又は収入金額を課税標準として課税する収益税である。 2 用対連細則第27−1−( )においても補償の対象となる公租公課2 は、営業収益又は所得に応じて課税される法人税、所得税及び印紙 税、登録免許税等を除外するとなっており、1において説明したと おり事業税もこれら除外される税と同じ並びである。 3 固定的経費は収益額認定の過程で損金として処理された経費の中 から認定することになっているが、営業損益計算書の「販売費及び 一般管理費」の中で経費として処理されている公租公課のうち、収 益に応じて課税されるもの及び臨時・異常なものは、収益額認定の 過程で必要経費に算入しない。例えば、所得税、法人税、道府県民 税、事業税、延滞金及び罰金等である。 4 収益額の認定は至近の資料に基づいて、これを分析することによ り、当該企業が営業を継続していたならば通常得られるであろう利 益を算出することにより行う。 したがって、当該営業のためには通常必ずしも必要な経費と認められ ないもの、例えば、火災等による損失や罰金等については臨時・異常な 、 。 費用と考えられるので経費として認定せず 収益からの控除は行わない また、法人事業税は申告納付制度をとっており、納税義務者は各事業 年度終了の日から2カ月以内に確定した決算に基づき申告納付しなけれ ばならないことになっているので、この期の収益に対する事業税の納付 は決算後の次の事業年度で支払うことになる。すなわち決算書で損金経 理される事業税は前期の収益に対するもので、当期の経費とすることに すると問題がある (個人事業税は3月。 15日までに申告書を提出するこ

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ては、その期の収益と対応していないということができ、これを経費と するときは収益判断に必要な「費用収益対応の原則」からはずれること になる。 したがって、起業者が行う収益額の認定は損益計算書上の営業利益に 営業外収益のうち収益に加算できるものを加算し、営業外費用のうち費 用として収益から除外すべきものを控除し、それに販売費及び一般管理 費のうち必要経費に算入しなくてよいものが含まれている場合にはその 額を加算して認定する。即ち、事業税については経費として認定しない (したがって固定的経費としない )で収益に含めて補償すれば、企業。 はその中からその期の事業税の納付を行えばよいことになる。事業税を 固定的経費の対象とすることは上記理由によりできない。

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用対連基準第44条関係 項 目 移転補償を受けるコンビニエンスストア加盟店とフランチャイ ズ契約をしているコンビニエンス本部への営業補償について 【質疑の概要】 コンビニエンスストア加盟店(土地建物所有者)への移転補償(構外再 築工法)に関連して、コンビニエンスストア加盟店とフランチャイズ契約 をしているコンビニエンス本部より「加盟店と本部は共同経営者であるた め、起業者は本部に営業補償を行うべき」との主張があった。 フランチャイズ契約を「共同経営」と見なして、本部に営業補償が出来 るか。 ※本部はコンビニエンスストア加盟店に対し、経営指導、技術援助及び商 品仕入れ等のサービスを行うフランチャイズ契約を締結しているが、契約 内容を確認したうえで、基本的には両者は経営上独立の事業者と判断でき る(加盟店基本契約書第2条「独立の事業者」についての記載がある 。) 【対 応】 1)本部に対する営業補償について 営業補償の対象は事業用地に権利を有し、営業活動をおこなっている加 盟店である。本部は二次補償に当たるため、営業補償ができない。 2)コンビニエンスストア加盟店に対する通常の営業補償の他の補償につ いて 休止期間中でも加盟店が本部に負担しなければならない固定的経費(商 標使用料やリース料、ロイヤリティ等)があれば、加盟店に対し営業補償 を行うことになるが、その場合には、手数料等が加盟店の売上げに応じた 変動費の可能性があるので、本部と加盟店との契約書の内容を含めて調査 確認が必要である。 例えば、変動費と認定される場合には、契約書上で本部への手数料はど のように扱われているか、休止期間中は売上げがないので本部への手数料 を納めなくてよいのか等の契約書上の契約内容を踏まえた慎重な調査が必 要である。 なお、得意先損失補償は、売り上げ減で加盟店に補償する。

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第45条関係(営業規模縮小の補償) 項 目 損益分岐点売上高について 【質疑の概要】 倉庫業者が所有している3棟の倉庫のうち1棟が、道路事業で支障と なる。付近には適当な移転先地もなく、またどの倉庫も在庫(預り商品) が半分程度しかなく、同倉庫業者の話ではここ2∼3年は不況で現状程 度の状態が続いているということなので、営業規模縮小の補償が適当と 考えられるが実務的にはどういう点に留意すべきか。 【対 応】 営業規模の縮小を考える場合、縮小後の規模で将来とも営業が成り立 つかどうかの問題が生じる。これが損益分岐点の問題であり、次により 検討することを要する。 損益分岐点は営業を維持するにはどの程度の売上高が最低限必要であ るかを解明するためのもので、本件は残りの倉庫2棟がこの最低限売上 高に対応できる容量を有しているかどうかということになるので、次式 により算定する。それで縮少後の売上高が算出された損益分岐点売上高 の額を上回ると利益が発生し、反対に下回ると損失が発生する。したが って、前者の場合のみ、規模縮小が可能といえる。 固定費(縮小後) 損益分岐点売上高= 変動費(縮小後) 1− 売上高(縮小後) 備 考 固定費−直接労務費、間接労務費、福利厚生費、賄費、減価償却 費、賃借料、保険料、修繕料、電力料、ガス料、水道料、 旅費、交通費、その他製造経費、通信費、支払運賃、荷 造費、消耗品、広告宣伝費、交際接待費、役員給料手当、 事務員、販売員給料手当、支払利息・割引料、租税公課、 その他販売・管理費 変動費−直接材料費、買入れ部品費、外注工賃、間接材料費、そ の他直接経費、重油等燃料費 【その他参考】 「月刊補償コンサルタント」1985年4月

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第46条関係(農業廃止の補償) 項 目 農業廃止補償における転業に通常必要とする期間の考え方につ いて 【質疑の概要】 農業と兼業で養鶏業を営んでいる者が、公共用地取得のため農地及び 養鶏場の大部分を取得され、養鶏業の継続が不可能となり廃止すること となった場合、転業に必要とする期間はどのように考えるべきか。 また、養鶏業を専業としていた場合はどうか。 【対 応】 用対連基準によれば、営業廃止の場合の転業に必要とする期間は2年 以内、農業廃止の場合は3年以内となっているため、養鶏業を営業と認 定するか農業と認定するかによって、転業に必要とする期間が2年以内 と3年以内の相違が生じるが、農業と養鶏業の兼業の場合及び養鶏業専 、 、 業の場合とも 農業廃止の補償として3年以内で扱うべきであるとして 以内の判断について種々の議論がなされてきた。 又、養豚業については、畜産に起因して発生する悪臭、水質汚濁、廃 棄物処理に関する法規制及び地区住民の反対等のため、客観的に移転先 を求めることが著しく困難である場合があり、収用裁決においても、移 転先の取得は困難であり、仮に、山間地に移転先を求めうるとしても、 養豚経営上最も大切な飼料(残飯の収集)が不可能となり、経営が成り立 たないのは明白であるとして農業廃止補償を認めた事例がある。しかし ながら、設問のごとく養鶏業で兼業である場合は、収入の依存度、労働 の投下割合等からみて廃止よりむしろ規模縮少又は部門廃止として処理 するのが相当と考えられる場合もあるので、その部門が経営上占める大 きさによって廃止か、規模縮少かの判断を的確に行う必要がある。 次に、廃止せざるを得ない場合の転業に必要な期間3年間の取扱につ いては、収益性の高い経営や大規模な資本投下により法人的経営を行っ 2 ている場合には、営業補償に準じて、所得も収益により、転業期間も 年以内を適用するのが妥当であると思われる。また、養鶏業は今日にお いては、集中的及び半流れ作業的な管理のもとに経営の合理化が図られ ており、純農業あるいは養豚業とは労働力の性格が異っていると考えら れる。したがって、転業能力を有しているとみなされるものもあり、こ のような事例においては、転業期間は営業補償に近い取扱いをするのが 妥当であると思われる。 なお、具体的な転業期間の決定にあたっては、地方公共団体等の協力

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( ) 従前の農業経営状況による職業の転換能力(経済、社会への順応1 能力) ( ) 年齢及び性別による職業の転換能力2 ( ) 従前の職業と類似した職業の有無(転業可能な職業)3 ( ) 地域的な雇用機会の有無又は多少4 ( ) 技能修得までの期間(職業訓練)5 【その他参考】 「月刊用地」1980年6月

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項 目 堤外民地の取得に伴う農業補償について 【質疑の概要】 江戸時代から先祖代々、居住の基盤として生計をたてていた下記記載 の堤外民地の専業農家の宅地(建物)と農地を河川事業用地として全部買 収することとなった。 この堤外民地の買収価格は堤内地の 1/3 であり、堤外での代替地の取 得は困難である。 なお、この農家は、堤内地には土地を所有していない。 記 ① 宅地面積1,000㎡ ② 建物面積300㎡ ③ 農地面積20,000㎡(まとまっている) ④ 家族構成大人4人子供3人 以上のような場合、農業補償を行う必要があるか。 【対 応】 (問題点) 堤内地との土地価格差があるため、代替農地の取得が非常に困難で 1 ある。 代替農地を取得するとしても、一団のまとまりのある代替農地を取 2 得することは不可能で、点在することになれば、農作業の不効率化が 生じる。 (対応策) 本事例の場合、全農地面積(20,000 ㎡)が取得されることに伴い、専業 農家として農業を継続していくため、従前と同程度の面積の確保可能性 のある堤外の農地の取得が客観的にみて著しく困難と判断される場合に は、農業廃止補償を行わざるを得ない。 また、代替農地が堤外に取得可能と判断される場合には、農業休止補 償で対処することになる。 なお、いずれの補償を行う場合にも、次式による条件を満たす必要が ある。 −( − )>0 H X Y ( :用対連基準第H 46 条から第 48 条までの規定により算定して得た 額、 :別記土地評価事務処理要領により算定した土地の正常な取引価X 格に取得面積を乗じて得た額、 :収益還元法により算定した農地価格Y に取得面積を乗じて得た額、0:農地の正常な取引価格)

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【その他参考】

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項 目 農業廃止補償の特例について 【質疑の概要】 農業補償の特例とは、どのようなものであるか。 【対 応】 農業補償の特例とは、取得又は使用しようとする土地の正常な取引価 格が、農地として利用して得られる平均純収益を資本還元して得た(収 益価格)額より上回るときには、農業補償に相当するもの全部又は一部 が当該土地価格に含まれていると考えられるので、このような場合、農 業補償額から土地価格に含まれていると考えられる農業補償相当額を控 除した額をもって補償しようとするものである。 宅地見込地のように農地地域から宅地地域へ移行しつつある地域内の 土地にあっては、近傍の取引事例から求めた当該土地の正常な取引価格 が農地として得られる純収益を資本還元して求めた収益価格を大きく上 回るのが通常であり、このような場合は、その土地価格に農業補償に相 当するものが含まれていると考えることもできるので、農業補償の全部 又は一部を行う必要はないと思われる。 なお、土地の正常な取引価格に相当するものの一部が含まれているか の認定方法は、土地の正常な取引価格( )から農地として利用して得らX れる平均純収益を資本還元した収益価格( )を差し引いた額と用対連基Y 準第 46 条、第 47 条及び第 48 条によって算定された農業補償額( )とH を比較して後者が前者より大きいかどうかによって判断することとある が、純農地地帯といえる地域においても、農地の取引価格が収益価格を 大きく上回って取引される場合も多く見うけられるので、この方式には 疑問があるとする有力な見解もある。

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第47条関係(農業休止の補償) 項 目 農業休止の補償について 【質疑の概要】 農業休止の補償とは、どのようなものであるか。 【対 応】 土地等の全部又は大部分を取得し、又は使用することにより、客観的 に農業を一時休止せざるを得なくなった場合は、農業休止の補償を行わ なければならない。 従前の農業規模面積の全部又は大部分が取得され又は使用されても、 代替地の取得が可能な場合は、農業廃止補償によることなく、農業休止 補償を行うこととなる。農業休止期間中の損失の補償としては、休止期 間中の固定的経費の補償及び休止期間中の所得減の補償が必要となる が、土地を使用する場合には、休止期間中の固定的経費については、土 地の使用料積算中に含まれている公租公課等と重複させてはいけない。 また、休止期間中の所得減については、休止期間中他の所得をあげる ことも予想されるので、従前の所得相当額からこのような予想所得相当 額を控除した額を補償する必要がある。 なお、補償額の算定方法は、以下のとおりである。 補償額 休止期間中の固定的経費 休止期間中の所得減= + (注) 1 休止期間中の固定的経費 年間固定的経費÷経営面積= ×休止面積 固定的経費とは 次の各号に掲げるものをいう。 2 , ( ) 公租公課1 ( ) 施設の減価償却費2 ( ) 施設の維持管理費3 ( ) その他用対連細則第4 27の1の( )に定めるところに準じて2 必要と認められる経費 休止期間中の所得減 3 休止期間中の所得減 年間農業所得÷経営面積×休止面積×使= 用期間 年間農業所得 農業粗収益一農業経営費=

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第48条関係(農業の経営規模縮小の補償) 項 目 農業の経営規模縮小補償について 【質疑の概要】 農業の経営規模縮小補償とは、どのようなものであるか。 【対 応】 土地等を取得し又は使用することによって、従前の農業経営の規模を 縮少せざるを得ない場合には、農業の経営規模縮小の補償を行わなけれ ばならない。 農業経営規模縮小による損失の補償としては、営業規模縮小補償と同 様、資本及び労働の過剰遊休化による損失の補償及び経営効率の低下に よる損失補償が必要である。 用対連細則第 31 は、資本及び労働の過剰遊休化による損失の補償額 の算定方法について規定しているが、補償額の算定基礎をそれぞれの経 営規模別固定資本額、経営規模別流動資本額及び経営規模別家族労働費 においているので、これにより補償を行えば、経営効率低下による損失 、 。 はないものと考えられるので 経営効率低下による補償は必要としない なお、用対連細則第 31 の適用にあたっては、次の点に留意する必要 がある。 経営規模別固定資本額の差額すなわち、資本の遊休化に伴う損失 1 額の把握にあっては、農業の経営規模とそれに対応する資本装備の 実態に着目し、規模縮少に応ずる遊休資本額を求め、その売却損額 を算定する必要があり、また、経営規模別流動資本額の差額につい ても、これと同様に扱うものとする。 経営規模別家族労働費の差額すなわち労働の遊休化に伴う損失額 2 の把握にあっては、農業の経営規模とそれに対応する労働時間に着 目し、遊休労働時間に相当する労働賃金を求め、これを他に転用す るまでの期間( 年以内)を考慮して算定する必要がある。3

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項 目 年次計画により農地を買収した場合の農業経営規模縮小補償に ついて 【質疑の概要】 、 、 、 同一所有者に属する農地1haが 5ケ年計画により 初年度に0.3ha 次年度に 0.2ha、 年に3 0.5ha と順次同一事業のために農地が買収される 場合、個々の年度においては、農業経営規模縮小の対象にはならず、最 終的に農業経営規模縮小を行わなければならないこととなるが、この場 合、初年度において、将来計画も考慮して、農業経営規模縮小補償を行 ってよいか。 【対 応】 同一所有者の土地を買収する必要がある場合には、同一年度において すべての必要な土地を買収するのが妥当な方法であるが、予算の関係上 の理由等により、同一年度内に一括取得するのが困難な事例が生じてく る場合がある。このように、複数の年度にまたがって農地が買収された 場合に、農業経営規模縮小補償をいかに認定すべきかが間題となる。 すなわち、農業経営規模縮小補償は、個々の年度において認定すべき か、最終年度について認定すべきかの問題があるが、設例のように、本 来予算の関係等の問題がなければ、一括取得されるべきものであれば、 認定にあたっては、一括取得された場合にどのような補償をすべきかを 考えるのが合理的であり、最終年度において、農業経営規模縮小補償を 行わなければならないような損失が結果的に生じる場合には、個々の年 度の認定如何に拘わらず、農業経営規模縮小補償を行うという認定をし て差し支えないものと思われる。 なお、補償にあたり、最終年度までの損失を予想して、初年度におい て予め補償をして差し支えないかどうかの問題については、当該事業計 画の変更等により、農業経営規模縮少補償を行う必要がなかったという 事態が生じることも考えられるので、当該農地の取得に係る最終年度に おいて、精算的に補償を行うのが妥当であると思われる。 【その他参考】 「月刊用地」1971年5月

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第5節

漁業権等の消滅又は制限により

通常生ずる損失の補償

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第50条関係(漁業廃止の補償) 項 目 漁業廃止補償の適用について 【質疑の概要】 漁業廃止の補償はどういう場合に適用するのか、又その内容はどのよ うなものであるか。 【対 応】 漁業権等の消滅補償及び制限補償が漁業権という権利(財産権)に対す る補償であるのに対して、漁業廃止補償は、漁業権等の消滅或いは制限 の結果から、その経営体に生ずる損失を補償するものとして位置付けら れる。 漁業廃止補償は、事業の施行による漁業権等の消滅又は制限に伴い、 当該権利に係る漁場の相当部分が失われ、かつ、代替漁場等を確保する ことが著しく困難となり、漁業の継続が、客観的にみて不可能となった 場合の漁業経営上生ずる損失について補償するものである。これは、営 業補償における営業廃止補償、農業補償における農業廃止補償に類する ものである。 漁業権等の一部のみが消滅した場合に、漁業廃止の補償を行うか、漁 業の経営規模縮少を行うかは、漁業経営体の専業・兼業の別、残存漁場 面積、漁業権等の種類、漁業の将来性、地域等によって個々に判断する ことになるが、通常は3分の 2以上が失われれば漁業を継続することが 不能と認めてもよいかと思われる。 漁業を廃止することに伴い漁業経営上生ずる損失については、次のよ うに大別することができる。 ・資本に関する損失補償……漁船、漁網、養殖施設等については、現 在価額(新品価格から償却分を控除)から 売却価格を控除して得た額、船小屋、集 魚施設等については、その施設の償却不 能分 ・労働に関する損失補償……解雇予告手当相当額及び帰郷旅費相当 額、転業のため従業員を継続雇用する場 合は転業期間中の休業手当相当額 ・所得に関する補償 ……転業に通常必要とする期間中(4 年以内) の従前の所得相当額 【その他参考】

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項 目 転業期間について 【質疑の概要】 転業に通常必要とする期間について。 【対応】 漁業権等の消滅又は制限に伴い通常漁業の継続が不能となると認めら れる場合、転業に通常必要とする期間(4 年以内)中の従前の所得相当額 を補償するものとされている。 転業期間については、漁業経営の特性から営業又は農業の場合に比較 して長くかかるものと考えられるので、漁業廃止の場合は4年以内で決 定することとしている。その決定にあたっては、漁業の種類、漁業依存 度、専業兼業の別、兼業の種類、年齢等を考慮することになる。特に、 専業の場合と兼業の場合とでは、職業転換の難易度について差があるた め十分な検討が必要となってくる。転業に通常必要とする期間の判定に 当たっては、一般的に漁業所得に対する生活依存度によりおおむね、下 表のとおり、区別することができる。 生活依存度 年 数 %以下 年以内 20 1 〃 年以内 40 2 〃 年以内 60 3 〃 年以内 80 4

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項 目 漁具等の売却損の算定について 【質疑の概要】 資本に関する損失のうち漁具等の売却損の算定について 【対 応】 漁船等売却できるものにあっては、当該漁具等の現有価額(新品価額 −償却分)から売却価額を控除して得た額を損失として、網干場等売却 することができないものにあっては、漁業廃止となることにより当該施 設の償却が不可能となる費用(償却不能分)を損失として算定することに なるが、現有価額及び売却価額は、行政の水産担当課、専門家の意見を 徴して認定することが必要である。この場合において、漁業権等の消滅 又は制限に係る補償(漁業権等の対価補償)の算定時に用いた数字と同一 の資料により認定することが必要である。 なお、漁具等の現有価額は、市場価格により算定するが、取引価格を 把握することが困難な場合は、簡便な方法としては当該漁具等の新品価 格(再建費・再投下経費)に当該漁具等の残価率を乗じて求めることがで き、残価率は、当該漁具等の残存耐用年数を全耐用年数(効用持続年数) で除して求めることになる。この場合、全耐用年数、再投下経費及び効 用持続年数は、県水産担当課や専門家の意見を徴して決定する必要があ る。なお、この場合においても漁業権等の消滅又は制限に係る補償の場 合の漁業権等の対価補償算定時の数字と一致させる必要がある。

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項 目 漁業補償の相手方について 【質疑の概要】 漁業補償契約の相手方は誰になるか。 【対 応】 漁業権等の権利に対する補償及び通損補償(漁業廃止の補償、漁業休 止の補償、漁業の経営規模縮少の補償)を行うにあたって、契約の相手 方は誰になるのかが問題となる。 、 、 、 まず 権利に対する補償であるが 漁業権の権利名義者(漁業権者)は 法人たる組合であるから組合を契約の相手方とするのは当然である。た だし、この場合、交渉並びに契約の前提手続きとして、漁業権の消滅又 は制限について、個々の組合員より委任状を徴し総会の決議を得ておく 。 、 、 場合がほとんどである なお 対価補償を受ける者は契約当事者である 法人たる組合であることは当然のことであるが、組合が漁業権総有の表 見名義者であるという実情から、最終的実質的に補償を受ける者は、所 属組合員全員である。しかし、補償金配分等の処理については、総会の 決議によるところになる。 次に、通損補償の相手方であるが、原則的にいえば、通損をこうむる 者(個々の経営体)を当事者として契約を締結すべきである。しかしなが ら、補償実務上は、組合管理漁業の団体主義的、総有的な性格、及び組 合員の行う漁業実績をもとにして算出される漁業の対価補償と組合員個 人に帰属する通損補償とは、表裏一体の関係にあること、また、多数の 組合員と個別交渉することが事実上、不可能であること等に鑑み、対価 補償と一括して組合を補償交渉並びに契約の相手方としているのが通例 である。

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項 目 漁業補償における被補償者等について 【質疑の概要】 公共事業の施行に伴う漁業補償において、補償金を支払う場合、どの ような点に留意すればよいか。 【対 応】 公共事業等の施行に伴う漁業補償において、その損失補償額を誰に支 払えばよいのか、常に議論されることであり 「公共用地の取得に伴う、 損失補償基準要綱」の解説のなかでも、共同漁業権、特定区画漁業権の ような漁業協同組合が漁業権者である場合でも、漁業権の権利主体は漁 業協同組合なのか、組合を構成する個々の組合員(漁民)であるのかにつ いては問題があり、漁業法上の解釈が必ずしも明確でないとした上で、 漁業補償を支払う相手は、漁業被害の内容に応じて、 ( ) 漁業協同組合には、権利に対する補償(権利対価補償)1 ( ) 組合を構成する個々の組合員には、通常損失の補償(通損補償)を2 支払う 2通りの補償があるとしている。 しかし、実務上は、( )の権利対価補償にしても( )の通損補償にして1 2 も漁業協同組合に対して、一括補償契約を締結している事例が殆どであ る。その前提として、漁業補償交渉を行う漁業協同組合は、組合を構成 する個々の組合員から委任状を提出させている。 これら漁業補償に関する委任状については、漁業法上からも、水産業 協同組合法上からも何ら規定されてはいない。ただ、水産庁の行政指導 として、漁業補償の契約締結にあたっては、漁業協同組合は関係する組 合員全員の同意をとって臨むようにしているが、その手法については何 ら述べていない。なお、補償金の配分については、漁業補償金に関する 委員会等を設置し、明確な配分の基準を作成して、公平かつ適正な配分 を行うよう行政指導を行っている。 漁業補償においてトラブルの生じるのは、殆どの場合漁業協同組合が 権利を所有する共同漁業権であり、その原因となるのが補償金の配分に 関する紛争である。そのとき間題となるのが漁業法第8条の「漁業協同 組合又は漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会が有する漁業 権」と「組合員の漁業を営む権利」との関係である。 この問題について、平成元年度に内水面と海区の漁業権に関しての裁 判事例があり、いずれも権利者である漁業協同組合が勝訴している。特 に、これら 2 つの裁判では 「漁業権」と「漁業を営む権利」との関孫、 を法的解釈において明確に示したものであり、漁業補償を担当する者に

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平成元年 6 月 29 日判決水資源開発公団の筑後大堰建設事業に伴う漁 業補償に関する損害補償請求事件。 ○海面の共同漁業権に係わる事例 平成元年7月13日判決建設省の一般国道10号線拡幅工事に伴う漁業 補償に関する総会決議無効確認事件。 内水面漁業においては、組合員の漁業を営む権利と委任状とが主な争 点であり、海面漁業においては、同じく漁業を営む権利と補償金配分に 関する総会の特別決議について争われている。 内水面と海面の場合とでは、多少表現の違いはあるが両者とも、組合 員の「漁業を営む権利」は、漁業協同組合という団体の構成員としての 地位に基づき、組合の制定する漁業権行使規則の定めるところに従って 行使することのできる権利であると解するのが相当であるとしている。 即ち、組合員の漁業を営む権利は、漁業協同組合の有する共同漁業権 から派生的に生じている権利であって、内部的な社員的権利であるとし ている。このため、漁業協同組合がその有する共同漁業権を適法に消滅 ないしは変更させ、その対価として漁業補償金を取得した以上は、個々 の組合員が組合と別個に独立して漁業補償交渉をして補償額を決定する ことは出来ないとしている。 内水面の場合には委任状の件について、漁業補償交渉が組合の有する 共同漁業権を対象としているのであるから個別に組合員からの委任は必 要ないとしている。漁業権の消滅又は変更などに伴う損失について、組 合の臨時総会において交渉委員を選定して漁業補償交渉を行っているの であるから、個々の組合員からの委任がなくともそれ自体違法とはいえ ないとしている。 海面の場合、補償金の配分について、法律に明文の規定はないとしな がらも、漁業権の放棄について総会の特別決議を要するとする水産業協 同組合法の規定に照らして、補償金の配分も総会の特別決議によって行 うと解するのが相当であるとしている。 前記の裁判事例において、漁業協同組合及び漁業協同組合連合会にの み免許される共同漁業権や特定区画漁業権等を対象とした漁業補償の場 、 、 、 合 その権利主体が組合であるから 補償交渉の相手方は組合であるが その組合は水産業協同組合法に規定されている、組合の総会により組合 員の半数以上が出席して三分の二以上の議決による特別決議により、漁 業権の消滅又は制限に伴う補償協議を行うこと等の賛否を決定し、その 総会で選出された交渉委員が補償交渉を行い、補償額等について決定す ることになんら違法性がないことが一層明確にされたことになる。この 交渉委員の選出については、総会の特別決議事項としての法的規定はな いが、漁業補償交渉が漁業権の喪失又は変更となることを前提としてい るものであるから、組合員の半数以上が出席し三分の二以上の多数によ って決議されることが、水産業協同組合法の解釈と運用からみて妥当と

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考えられる。 補償金の配分については、すでに前述しているように、水産庁漁政部 の行政指導としての通達が出されているが、この通達のなかでは、配分 委員会等の設置を特別決議事項としてではなく、単なる総会の決議事項 としているが、単なる決議事項の場合は出席者の過半数で議決されるこ ととなるので、今回の裁判事例にあるように特別決議事項とするのが妥 当ではないかと考えられる。 内水面漁業の漁業補償は、殆ど第5種共同漁業権であるから漁具等の 売却損等の補償がなければ、適正な総会の特別決議の手続きを経て補償 交渉、補償金の妥結・契約を行えば、全組合員からの委任状を徴収する 必要はないものと考えられる。平成元年 6 月 29 日の判決では、組合員 からの委任状は必要がないとの判断ではあるが、比較的専業度の高い河 口付近の漁業補償は、知事許可漁業及び自由漁業が含まれていること等 により、また補償金の配分に関して後日トラブル等が生じることもある ことから、念のため組合員から委任状を徴収して、交渉・妥結・契約の 手続きをとるのが安全な方法であると考える。 海区漁業の場合は、許可漁業や自由漁業等が行われているので、明確 に共同漁業権のみを対象とする以外は、組合を補償交渉、契約等の相手 方とした場合、個々の組合員からの委任状の提出が必要となる時も生じ るのではないかと思われる。 いずれにせよ、100%委任状が得られることは困難な場合が多いと思 われるが、適正な総会の手続きを経ていれば 100%委任状が得られなく とも、裁判沙汰にまで発展することは稀なケースになると推察される。 なお、組合の総会の手続き等について、補償を行う起業者側で指導す ることは種々の疑惑の生じる原因ともなるので、国又は県の水産行政機 関に組合の指導を依頼するのが最も妥当な方法と思われる。 【その他参考】 「月刊用地」1991年6月

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第51条関係(漁業休止の補償) 項 目 漁業休止の補償の適用について 【質疑の概要】 漁業休止の補償は、どういう場合に適用するのか又、その内容はどの ようなものであるか。 【対 応】 漁業権等の消滅補償及び制限補償が漁業権という権利(財産権)に対す る補償であるのに対して、漁業休止補償は、漁業権等の消滅あるいは制 限の結果から、その経営体に生ずる損失を補償するものとして位置付け られる。 漁業休止補償は、事業の施行により漁業権等が消滅し、漁場の全部が 失われたことに対し、代替漁場が提供されるまでの間あるいは工事期間 中漁業を休止しなければならない場合等、漁業を休止することにより経 営上生ずる損失について補償するものである。これは、営業補償におけ る営業休止補償や農業補償における農業休止補償に類するものである。 なお、農業休止補償の場合と同様、休止期間が長期にわたる等のため 廃止の場合の補償額をこえるときには、廃止補償額をもって休止補償額 の限度とする。 漁業を休止することに伴い漁業経営上生ずる損失については、次のよ うに大別することができる。 ・資本に関する損失補償 …… 休止期間中の公租公課、借入資本利子、 経常維持費、施設の減価償却費、機械の 自然減耗額等 ・労働に関する損失補償 …… 休業期間中の従業員に対する休業手当相 当額 ・所得に関する補償 ………… 休止期間中に休止漁場を利用して得られ る予想所得相当額 【その他参考】 「月刊用地」 1983年 9月

参照

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