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その他通常生ずる損失の補償

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第55条関係(立毛補償)

項 目 立毛補償について

【質疑の概要】

立毛補償の内容及び処理方法を教示されたい。

【対 応】

ここにいう立毛は果樹等の永年作物をいうのでなく、稲、麦、野菜等 の1年生農作物或は作期が両年度にわたる立毛を対象としている。した がって、農地等を買収或は使用しようとするとき、その農地に農作物が 作付してあるとき又は立毛はないが作付のために既に費用が投下されて いる場合に分かれる。

立毛が作付されている場合(現に作付されていても土地の引渡し日 1

までに収穫されるものは補償の対象としない。)

当該立毛の粗収入見込額から当該土地の引渡時以後に通常投下され る農業経営費と立毛に市場価格がある場合はその現在の処分価格を控 除した額を補償する。

ア 粗収入見込額…当該立毛の評価時3年間の平均収穫量を当該作物 の生産者価格に乗じて得た額と副産物の価額 イ 農業経営費…肥料費、諸材料費、防除費、建物費、農具費、雇用

労働費、自家労働費、公租公課、借入資本利子及び その他の経費

(なお、農業経営費については当該作物について県農務主管課又は農 業試験所等の意見を十分に聴取し参考とすること。)

立毛が作付されていないが費用が投下されている場合 2

ア 農作物を作付するためにすでに費用が投下されているときは投下 きれた費用を補償する。

イ 投下経費…種苗費、肥料費、耕うん・整地その他の労働費(自家 労働費を含む。)等

第59条関係(その他通常生ずる損失の補償)

項 目 宅地造成費用は損失として補償すべきか。

【質疑の概要】

宅地造成費を、通常受ける損失として、補償を請求されているが、補 償すべきか。

【対 応】

土地収用法は、現物補償の一形態として宅地造成を認めている(第 86 条)が、宅地造成費の額の限度並びに宅地造成費に充当すべき補償金の 項目については、土地等に対する補償金、残地補償金及び通常受ける損 失補償金を合した額の一部に相当する額の範囲内としている。したがっ て、通常受ける損失補償の項目の決定に当たり、当該宅地造成費がその 対象となるか否かが問題になるものと思われる。

この問題については、建物等の合理的な移転先の有無によって判断す べきであって、その運用上、次の(イ)及び(ロ)において述べるように、

当該宅地造成費の全部が通常受ける損失補償の対象とならない場合、又 はその一部若しくは全部が対象となる場合もあり、それぞれの具体的事 案に応じ、宅地造成費の額の限度並びに宅地造成費に充当すべき補償金 の項目が異なるものと思われる。

(イ) 相手方のなす移転先の特定が、従前の生活条件等を引き続き維 持すること等について、合理的理由に乏しい場合、すなわち、移 転先について代替性が存する場合においては、宅地造成費は通常 受ける損失補償の対象とはならない。

(ロ) (イ)の場合と異なり、移転先について代替性が存しない場合、

すなわち、相手方のなす移転先の特定が、従前の生活条件等を引 き続き維持すること等について合理的理由が存する場合であっ て かつ 宅地造成費の額と当該移転先地の取得に要する費用(当、 、

、 、

該移転先地が自用地の場合は 当該土地の時価)とを合した額が 土地等に対する補償金の額を超えるときは、その超える額が通常 受ける損失補償の対象となる。

以上を式示すれば

X A B C

(イ)の場合 < + +

X A B C’

(ロ)の場合 < + + ただし、

宅地造成費 X

土地等に対する補償金の額 A

残地補償金 B

通常受ける損失補償額(通常受ける損失補償としての宅地

造成費を含まない。)

通常受ける損失補償額(通常受ける損失補償としての宅地 C’

造成費を含む。)

【その他参考】

項 目 決済金に対する補償の要否について

【質疑の概要】

土地改良事業費の賦課金を土地改良区に償還中の農用地を、公共用地 として売り渡す場合に組合員は、当該賦課金の決済をしなければならな いこととなる(土地改良法第 42 条)が、起業者としては、農用地の買収 対価のほかに、当該決済に係る賦課金相当額をも補償しなければならな いか、見解を問う。

【対 応】

土地改良区は、その事業に要する経費に充てるため、当該事業によっ て当該農用地が受ける利益を勘案し、組合員に対して金銭等を賦課する ことができる(土地改良法第 36 条)とされているが、この金銭等の賦課 の実態は、当該事業に要する経費に充てるため、土地改良区が、あらか じめ、一括農林漁業金融公庫等から融資を受け、事業施行後に、組合員 に対し、一定期間内に償還させる方法によっているのが一般的である。

したがって、設問のように、当該償還期間中に農用地を公共用地とし て売り渡す組合員は、土地改良法第 42 条第 2 項に規定する「組合員た る資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪 失した場合」に該当し 「土地改良区の事業に関する権利義務について、 必要な決済をしなければならない」こととなるが、当該決済に係る賦課 金に対する補償の要否については、次のように解すべきである。

土地改良事業の目的は、農業生産の基盤の整備及び開発を図ることに よって、農業の生産性の向上、農業総生産の増大等を確保しようとする ところにあるのであるから、土地改良事業施行済みの農用地と土地改良 事業未施行の農用地とでは、農地地域及び農地としての地域要因及び個 別的要因が異なることとなり、前者の方が優れるとともに、これらの要

、 。

因を反映したその収益性も 前者の方が著しく高くなるのが通例である したがって、土地改良事業施行済みの農用地を公共用地として取得す る場合の鑑定評価によって求める比準価格並びに収益価格は、土地改良 事業未施行の農用地のそれとは、相当の開差が生ずることは言うまでも ない。

以上のことから、決済に係る賦課金については 「土地改良事業施行、 済みの農用地の評価額に包含されている」とみるのが妥当であり、農用 地の買収対価のほかとして別途補償する必要はない。

【その他参考】

「月刊用地」1972年2月

項 目 バイパス等の設置による反射的利益の喪失補償について

【質疑の概要】

駅舎や学校が移転する場合及びバイパス道路を開設したために、旧道 を廃止した場合に旧施設附近の商店が営業不振を生じたり、また一般の 利用者は距離が遠くなるため通勤費と通勤時間等を多く要する等経済的

、 。

に損失をうけることがあるが このような場合補償の対象となり得るか

【対 応】

駅舎、学校等についていえば、これら商店は駅舎、学校に対して特定 の権利を有している関係でなく、特定の公共施設に近接していたため、

たまたま恩恵に浴していたにすぎず、反射的利益をうけていたにすぎな いのである。

このような反射的利益の喪失にすぎない時は因果関係はあるが、公平 の見地から補償を相当とする因果関係にはない損失であるから補償の対 象とはならない。

又、道路についていえば、道路は本来一般公衆の使用に供することを 目的として設置されたものであるから、公衆はその道路を公道として自 由に使用することができる。だから、道路の利用関係はその公道の存在 を前提として認められている反射的利益であるから、その公道のバイパ ス道路が設置され従来の道路が廃止されたり、変更されたために交通の 便が閉ざされ、不利益を蒙ることがあったとしても、それは反射的利益 の喪失に過ぎないのであるから上記と同様補償の対象とはならない。

又、東京高裁の判例(昭和36年3月15日)も「道路の存する公共団体 の住民ないし一般公衆が道路を通行する便益は道路が、公用に供せられ たことの反射的利益であって、各人に個別的になんらかのこれを使用す る特別の権利が設定せられたものとなすことはできない」としている。

項 目 ゴルフ会員権と補償の取り扱いについて

【質疑の概要】

預託金会員制ゴルフ場の補償にあたって通常受ける損失の補償として 会員又は会員権に対する補償を行うことの可否について

【対 応】

まずゴルフ場の経営及び利用形態等について、その概略を簡単に眺め てみると、ゴルフ場のごく一部のものについては社団法人、財団法人、

学校法人等によって営まれているものがあるが、大部分のものは株式会

、 、

社(ゴルフ場会社)によって経営されており その利用形態のほとんどは 利用者を特定の者のみに限定し、あるいは特定の者が他の一般の利用者 よりも有利な条件(利用料金、手続等)で継続的に当該ゴルフ場施設を利 用できる、いわゆる会員制(メンバー制)をとっている。この会員制に対 して数は少ないがパブリック制のゴルフ場がある。このパブリック制の

、 、

ゴルフ場は ゴルフ場施設について利用者を限定することなく利用料金 手続等においても差別なく一般の利用者を対象とするもので、会員制の ゴルフ場に比較して規模は小きく、施設等においても見劣りするのが多 い。

次に会員制(メンバー制)ゴルフ場にはどのような形態があるかについ てみてみると、社団法人会員制、財団法人会員制等として社団法人等の 社員が、また株式会社の場合は当該株主が会員となる株主会員制(会員 が財産権、経営参加権を有している。)と、ゴルフ場会社がゴルフ場を 建設するに際して、その建設等の資金の調達をするため当該ゴルフ場の 会員となるための条件として、入会保証金と称して、一定の金額を一定 の据置期間経過後退会とともに返還するとの約束のもとに預託させると いう、いわゆる預託金会員制との二つの形態に分類することができる。

古くは前者の株主会員制がほとんどであったが、現在においては後者の 預託金会員制が圧倒的に多い。

この会員の地位が預託金会員組織の会員権と称されるものであり、預 託金会員組織の会員権の性格としては、これまでの判例等からして、次 のようなほぼ一致した見解として、

イ ゴルフ場施設をクラブ規則に従い優先的に利用しうる権利〜優先 的利用ということは独占的ではなく非会員よりも有利な経済的な条 件あるいは簡単な手続等でゴルフ場施設を利用(物の利用を目的と する債権)できるが、第三者に対する対抗力、排他性は有しない。

従って妨害排除については当該ゴルフ場会社に対する請求権は有す るが第三者に対しては否定される。

ロ 年会費の納入義務を有するとともに、預託した入会保証金を一定

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