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オンラインホームルームの取り組み -新たな空間「Teams」での学級づくり-

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Academic year: 2021

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Ⅰ.はじめに

2020 年 3 月。コロナウィルス感染拡大防止の ため,全校一斉休校が決まった。未曽有の事態 が続く中で,教育界では,「学びを止めるな!」 とさまざまな取り組みが行われてきた。 本校では,一斉休校が決まった 3 月の段階か ら,Microsoft 社が提供するTeams というグルー プウェアを活用し,オンライン学習を試験的に 始めた。休校前日に,子どもたちへアカウント を配付し,使い方は,ICT 主任が全校ビデオ放 送で伝えた。自由参加ではあったものの,約半 数の子どもがログインし,教員から出される課 題に取り組んだ。教員アンケートによれば,こ の時期のオンラインの活用について,全員が肯 定的な回答をしていたようである。休校期間中 も子どもとつながることのできる安心感は,子 どもだけでなく教員にもあったのだろう。 筆者は 2020 年 4 月に本校に赴任した。本校で は 4 月当初から,本格的なオンライン学習の導 入へと踏み切ることとなった。学級発表も学級 開きも,Teams を使い,オンライン上で行われ, 学校でありながら,「教室」ではない,オンラ インという新たな空間で始まった「学級」作り に,職員は皆,悩み,試行錯誤を繰り返した。 本報告では,本校が 4 月から行ってきたTeams という新たな空間での「学級」づくりの実践報 告をもとに,オンライン教育を行ったことで見 えてきた可能性と課題について考えていきたい。

Ⅱ.

Teams

活用の概要

先にも述べたように,Teams とは Microsoft 社 が提供するグループウェアのことである。Teams を利用することによって,自宅にいる子どもと のチャット,テレビ会議,通話,ファイルの共 有・編集などを行うことが可能となる。本校で は,児童に対し,学年チーム,学級チームの 2 つの教室を用意し,運用を開始した (資料①)。 1 日の流れや時間割など運用の仕方は,学年 ごとに話し合いを重ね,決定した。筆者の所属 する第 3 学年では,①ビデオ会議による朝の会 を毎日行う,朝の会の内容については学級裁量 とする ② 1 日 3 教科 (午前 2 教科,午後 1 教 科)の課題を投稿する ③担任と専科の教科担 任制によって課題を作成する ④必要に応じて ビデオ会議による授業,グループ会議などを行 う,とした。基本的に,学年チームの教科チャ ネルに担当者が課題を投稿 (資料②) し,学級 チームの教科チャネルに子どもが返信すること とした。

Ⅲ.学級としての

Teams

学級チーム (資料③) では,課題の投稿と返 信,ビデオ会議による朝の会をはじめ,学級の 実態に応じて,さまざまな取り組みも行われた。

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.課題の提出 学年チームで課題を受け取った子どもたち は,課題を終えると,学級チームの教科チャ 新地理

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2020

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オンラインホームルームの取り組み

−新たな空間「Teams」での学級づくり−

中 谷 佳 子*

* 千葉大学教育学部附属小学校(2020 年 4 月より)

(2)

資料① 児童が所属するチーム

資料② 教員が課題を投稿する学年チーム

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た。「やってみたチャネル」は,どんなこと でも,休校中に家で取り組んだことを自由に 投稿するチャネルとした。料理を作った,折 り紙作品を作った,植物を育てている,など 子どもの投稿内容は多岐にわたった。「おい しそうだね」「作り方教えて」「すてきって 言ってくれて,ありがとう」と,投稿に対す る温かいコメントが並んだ。 また,「はてなチャネル」は,生活の中で 「なぜ?」と思ったことを投稿の場として利 用している。「地震はどうやって起こるの?」 という疑問には,プレートのことや火山のこ となどを教え合うコメントが続いた (資料④)。

Ⅳ.

Teams

でのオンライン授業作り

課題作りは,主に Word によるワークシート と PowerPoint を利用した動画を作成し,配信 した。しかし,学校から課題を投稿するだけな ら,ユーチューバーの質の高さには到底かなわ ない。Teams の活用を進めていくと,「学校だ からこそできるオンライン学習とは何か?」と いう問いを常に突き付けられていた。 ネルに課題を返信した。担任は投稿された課 題に対して,コメントをつけたり,丸つけを したりした。

2

.健康観察 朝の会では,通常教室で行うような健康観 察を行うことができた。しかし,朝の会に毎 日,全員が参加できるわけではない。そこ で,健康観察チャネルを開設し,「元気です」 のコメントをつなげていくようにした。慣れ てくると,「しりとりでつなげてみよう」と いう活動も始まった。

3

.プライベートチャネルの開設 Teams の運用が続く中で,特に高学年から 「みんなが見える形で課題を投稿するのが恥 ずかしい」といった声が上がった。そこで, 全学年の学級・学年チームに,子どもと担任 しか入ることのできない「プライベートチャ ネル」を開設し,対応した。

4 .

「やってみたチャネル」・「はてなチャネル」 の開設 学級独自のチャネルとして,「やってみた チャネル」や「はてなチャネル」を開設し 資料④ 「はてなチャネル」の投稿

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ループという,利用駅や方面に分かれたグルー プ活動はあるが,千葉市の中の「同じ行政区に 住んでいる友だち」ということを意識したこと は少ないのではないか。そこで子どもたちの新 たなつながりを行政区に求めて,オンライング ループ会議を行った。 まず,千葉市の様子と行政区の様子について 調べ,学習のまとめとして新聞づくりを課題と した。その際,「同じ行政区ごとの会議を開い て,新聞のアドバイスをし合おう」 と呼びかけ, 自由参加で行政区ごとのグループ会議を行っ た。会議後,子どもたちは,「美浜区のいいとこ ろがたくさん分かった。」「稲毛駅には,すごい 歴史があった。」といった新たな気づきに加え て,「はじめて友だちの顔をきちんと見れた。」 「いっぱい話せて楽しかった。」と,友だちとつ ながることの喜びも感じたようであった。

Ⅴ.ポスト・コロナ期への学びの可能性

2 か月間の取り組みから,オンライン学習で の良さや可能性が見えてきた。第 1 は,子ども たちの新たな「思い」の表出方法の場となりう ることである。例えば,友だちの作品や意見に 対して,「いいね」をつけたり,コメントをし その中で,オンライン学習においては,教員 と子どもの「双方向のつながり」は,課題の投 稿とそれに対する返信,朝の会での健康観察, チャット等を利用した会話など,すぐに実現す ることがわかった。しかし,課題のやり取りを 続けていくと,教員と子どもの双方向のつなが りを超えて,子ども同士の関わり合いの中で学 ぶ,「水平方向のつながり」を生み出すことは できないか,と考えるようになった。例えば, 世界地図の問題作りでは,「チャドはどこだ?」 という,子どもが作った問題に対して,多くの 子どもが返信するといった主体的な学びが見ら れた。また,問題を出した子どもは,友だちの 調べを賞賛し,答えた子どもが感謝するといっ た対話も生まれた (資料⑤)。 このような子どもたちのつながりから,オン ライン学習であっても,「主体的・対話的で深 い学び」の実現を目指していくことはできるの ではないかと考え,第 3 学年「千葉市の様子」 の学習では,テレビ会議でのオンライン授業や グループ会議を利用しながら,課題を進めてい く授業実践を行った。本校は,広域学区であ り,学級には千葉市 6 つの行政区のうち,5 つ の区から通学してくる子どもがいる。通学グ 資料⑤ チャドの問題からつながった投稿の一部

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ト」がそろってこそ、成立する学習である。ア カウントは学校で用意できたとしても、デバイ スや Wi-Fi については保護者に頼らざるを得な い。タブレットの貸出は学校でも行っている が、台数には制限がある。タブレットやパソコ ンだけでなくスマートフォンで参加する子ども がいることも視野に課題づくりを行わなくては ならない。 また、緊急事態宣言が解除され、在宅勤務を していた保護者が、通常の勤務に戻っているこ とも、オンライン学習では大きな障壁となる。 保護者のいないところでパソコンを自由に操作 するできる子どもはまだ少ない。また、使用を 制限されている家庭もある。4・5 月のオンラ インとは違った課題の解決が求められることと なるであろう。 本校では、オンライン学習の実践からわかっ たことや悩み、解決策などについて、教員も チームを作り、交流し合ってきた(資料⑥)。 その中では、試行錯誤を繰り返しながらも、教 員と子ども、そして子ども同士がかかわり合 い、学び合いを生み出すための教員間のつなが りが大いに感じられる。子どもも、そして教員 も学びを止めない。これからも、オンラインと いう新たな空間で、新たな学びの可能性を模索 していきたい。( 6 月 28 日投稿) たりすることで,顔を合わせなくても,おたが いの良さを認め合うことができる。これは,文 章を書いたり,発表をしたりすることが苦手な 子どもにとっては,大変有効であった。第 2 は,新たな学習時間の保証である。通常授業の 1 単位時間は決められたものである。そのた め,課題が終わっていなくても,作業を中断せ ざるを得なかった。しかし,オンラインであれ ば,自分の時間で課題や作業を進めることがで きる。また,Teams 上に投稿した動画や課題, 友だちの作品は,いつでも,どこでも,何度で も確認することができる。

Ⅵ.実践を通して見えた課題

本校では 6 月 1 日から学年ごとに隔日分散登 校を実施した。その際は、学級をメイン教室と サブ教室に分け、ビデオ会議でつなぎ、スク リーンにそれぞれの様子を映して、授業を行っ た。その後、6 月 15 日からは全校一斉登校と なった。 この後、7 月 13 日から 7 月 31 日の期間は、オ ンライン通学期間と位置付けて、4・5 月同様、 オンラインを利用した学習を進める新たな学び の形にもチャレンジする。 しかし、ここにはいくつかの課題もある。オ ンライン学習は、「デバイス・Wi-Fi・アカウン 資料⑥ 教員チームの投稿の一部

参照

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