第5学年〇組 理科学習指導案
1 単元 「もののとけ方」 2 指導観 ○ 本学級の子ども達は,「植物の発芽と成長」の学習において問題解決の学習を通して,根拠を基に した予想を立て,条件を制御しながら自然事象に働きかけて追究することを学んできている。その 学習を活かして「植物の実や種子のでき方」では,自分達で条件制御を行いながら観察実験の方法 を考えるとともに,実験の何を見るかという見方を意識しながら追究する学習を経験してきている。 そこで,質的・実体的な視点で条件を制御しながら,水に溶けたときの物の重さや一定量の水の中 に物がどれだけ溶けるのかを追究することができるようになるこの期に本単元を取り上げる。この ことは,目に見える物が水に解けて見えなくなっても存在することに気付き,水に溶けている物に ついて質的・実体的にとらえると共に,実験方法の立案を行い,物の溶け方の規則性を追究しなが ら,自然事象について主体的・対話的で深い学びをしていく子どもを育てる上からも意義深い。 ○ 本単元に関しては,第3学年で「物と重さ」において,粒子の保存性について,形や重さに着目 して,重さを比較しながら調べ,物の形を変えても重さは変わらないこと,体積は同じでも重さは 異なることがあることを学習してきている。本単元では,これらの上に立って,水の中に溶けた物 があるという質的・実体的な見方を働かせながら,溶ける量や温度,重さや様子に着目して,一定 量の水にどれだけの物が溶けるか,より多くの物を溶かすにはどうしたらよいか,溶かした物を取 り出すにはどうしたらよいかなどの物が溶ける規則性について,条件を制御しながら追究すること ができるようにする。この学習は,第6 学年「水溶液の性質」において,溶けている物に着目して 追究し,根拠を持った考察を行いながら水溶液の性質や働きを多面的に捉えていく学習へと発展し ていく。 ○ 本単元の指導にあたっては,まず,食塩が水に溶ける様子を観察させ,次第に見えなくなること をとらえることで,物が水に溶けることに関心をもたせるとともに,溶けて見えなくなる食塩の重 さに着目させ,物が水に溶けたときの重さは変わらないことをとらえ,水溶液の重さ=物の重さ+ 水の重さが成り立つことをとらえることができるようにする。その上で,有色の水溶液において, 水溶液の色が均等であることに気づかせ,溶けるということをとらえることができるようにする。 次に,一定量の水に食塩やミョウバンがどれだけ溶けるのかを,溶かす物の量と溶け方に着目し, 条件を制御しながら追究させることで,物が水に溶ける量には限りがあることをとらえることがで きるようにする。そして,溶け残った食塩やミョウバンをもっと溶かすにはどうしたらよいかを水 の温度や量に着目して追究させることで,温度や量によって物がとける量が異なることをとらえる ことができるようにする。更に,水溶液に溶けた物を取り出すにはどうしたらよいか調べ,水溶液 の温度を下げたり水を蒸発させたりすればよいことをとらえることができるようにする。最後に, 物が溶けることや取り出すことを活かせるように,ミョウバンの結晶作りを行わせる。 特に本時指導にあたっては,まず,「つかむ」段階で,食塩水の重さを問うことで,水に溶けた物 の重さはいったいどうなるのか問題をつかむことができるようにする。次に,「つくる」段階では, 条件を制御することを意識させることで,物の重さに着目し,薬包紙や容器の重さに気をつけて, 溶ける前後を比較しながら児童が自己解決できるようにする。そして,「深める」段階では,ミョウ バンや砂糖ではどうかを考えることで理解を深め,まとめることができるようにする。最後に「振 り返る」段階で,本時の学習を振り返らせることで,自己の学びや学び方のよさに気づくことがで きるようにする。 3 目標 ○物の溶け方の規則性について理解すると共に,条件を制御しながら観察,実験を行うことができる ようにする。(知識及び技能) ○物の溶け方について追究する中で,物の溶け方の規則性について,溶ける量や様子に着目して予想 や仮説を基に,水の量や重さ,温度など定量的な実験方法を発想し,物が溶けた状態を図化したり して表現することができるようにする。(思考力・判断力・表現力) ○物の溶け方の規則性について,主体的に予想や仮説を考えたり,解決の方法を発想したりしながら 問題解決しようとすることができるようにする。(学びに向かう力・人間性)4 本単元で働かせる見方・考え方 〔見方〕 質的・実体的な見方 〔考え方〕比較(実験の前後),実験方法の立案,条件制御 5 単元計画(11時間) 次 時 学習活動・内容 手立て 評価規準 一 3 ① ① 本時 ① 1.物が溶ける様子から物が溶ける ことについて問題をつかむ。 (1)食塩が水に溶ける様子から,物が 溶けることに対して関心をもつ。 ・溶けたら見えなくなった。 ・溶けた物はどうなっているのか。 ・どこまで溶けるのか。 (2)物が溶けたときに重さがどうな るか,食塩を溶かして調べる。 (3)コーヒーシュガーが溶けた水溶 液について,溶けている物が均一に 広がることをとらえる。 ○シュリーレン現象を見せ ることで,物が溶けること に関心を持たせ,問題をつ かむことができるようにす る。 ○撹拌容器を多く用意する ことで,全員が意欲を持っ て追究できるようにする。 ○コーヒーシュガーを溶か した水溶液の色に着目して 観察させることで,色が均 一であることから,溶けて いる物が均一に広がること をとらえさせる。 態:物が溶けて見え なくなる様子から, 物が溶けるというこ とに関心を持ち,解 決したい問題を見つ けることができる。 知:水溶液の重さは, 溶けたものの重さと 水の重さの和である ことをとらえること ができる。 知:水溶液は,溶け ている物が均一に広 がることをとらえる ことができる。 二 6 ② ② ② 2.物が溶けることについて追究す る。 (1) 一定量の水に物がどれだけ溶け るのか食塩とミョウバンで調 べる。 (2) 溶け残った食塩やミョウバンを もっと溶かすにはどうしたら よいか調べる。 (4) 溶けていたものを取り出すには どうしたらよいか調べる。 ○食塩とミョウバンを比較 し な が ら 追 究 さ せ る こ と で,共通していることや異 なることをとらえることが できるようにする。 ○予想に基づいた実験方法 を発案させることで,根拠 をもって考察できるように する。 ○食塩,ミョウバンを選択 させることで,主体的に取 り組むことができるように する。 知:物によって量は 異なるが,一定量の 水に溶ける量には限 りがあることをとら え,一般化すること ができる。 考:温度や量に着目 して,実験方法を発 案し,追究すること ができる。 知:水溶液に溶けた ものを取り出すには 水溶液の温度を下げ たり,水を蒸発させ たりすればよいこと をとらえる。 三 2 3.ミョウバンの結晶作り ○物を水に溶かしたり,溶 けた物を取り出したりする ことを想起し,結晶作りを させることで,理解を深め さる。 態:学習したことを 活かし,結晶作りを 行うことができる。
6 本時 令和2年〇月〇日 第〇校時 理科室 7 準備 食塩,ミョウバン,砂糖,電子天秤,薬包紙,薬さじ,ろうと,攪拌用容器,保護めがね 8 本時の主眼 水溶液の重さは,溶かした物の重さに水の重さを加えた重さであることから,物が水に溶けて見えな くなっても,物と水とを合わせた重さは変わらず保たれることをとらえることができるようにする。 9 本時過程 学習活動 手立て(○)と評価(◇) 形態 配時 1. 物を水に溶かしてきた学習を振り返り,本時の 課題を確認し,めあてをつかむ。 2. 水に物を溶かした後の水溶液の重さについて 見通しを立て,実験し,結果を整理する。 ○水に食塩を溶かした後の水溶液の重さについて の見通しを持つ。 (予想) ・食塩の重さは,そのまま残っていると思うよ。 ・溶けて見えないから重さはなくなっているはず。 (方法)溶かす前の水と食塩の重さと,溶かした後 の水溶液の重さを比べる (視点)水と食塩の重さと水溶液の重さ ○実験を通して追究し,結果を整理する。 物と水の重さ 水溶液の重さ 5gと100g 105g ○砂糖やミョウバンを溶かした場合はどうなるか 考える。 ・砂糖やミョウバンも食塩と同じで,重さは変わら ない。 ・物の重さ+水の重さ=水溶液の重さ 3.実験結果を考察し,まとめる。 4.本時のふりかえりをする。 ○水溶液の重さを問うことで, 水に溶けた食塩の重さはどうな ったのか知識の不十分さや友達 との認識のズレを感じさせ,本 時の問題をつかむことができる ようにする。 ○ 実 験 方 法 を 考 え さ せ る と き に,条件制御を意図させた助言 を行うことで,薬包紙や攪拌容 器の重さを考慮して各自が追究 することができるようにする。 ○攪拌容器を多く準備すること によって,全員が主体的に追究 できるようにする。 ○ 食 塩 を 基 に 考 え さ せ る こ と で,物が溶けたときの重さにつ いてとらえることができるよう にする。 ◇物が水に溶けても,水溶液に は物と水とを合わせた重さが保 たれることを理解している。 ○ キ ー ワ ー ド を 確 認 す る こ と で,個でまとめることができる ようにする。 ・水溶液の重さ ・水の重さ ・物の重さ ○ふりかえりの時間を設定する ことで,自己の伸びをとらえさ せる。 一斉 個 ↓ 全体 班 班 ↓ 全体 個 ↓ 全体 個 5 10 10 10 5 5 食塩を水に溶かした後の水溶液の重さはどうな るのだろうか。 食塩を水に溶かす 物を水に溶かした後の水溶液の重さは物と水の 重さを足した重さ。 物の重さは溶けた後も変わらない。 食塩と水の重さ 水溶液の重さ 食塩と水の イラスト 食塩水の イラスト