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日本人炎症性腸疾患患者のメモリーT細胞受容体レパトア解析

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Academic year: 2021

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日本人炎症性腸疾患患者のメモリーT細胞受容体レ

パトア解析

著者

中野 健

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

11301甲第19120号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00129215

(2)

(書式18) 1

A b s t r a c t )

博士論文題目Title of dissertation 日本人炎症性腸疾患患者のメモリーT 細胞受容体レパトア解析

東北大学大学院医学系研究科 医科学 専攻 内科系病態学 講座 消化器病態学 分野 学籍番号(*論文博士は受付番号)Student Number B6MD5093 氏名 Name 中野 健

〈背景〉炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease;IBD)は一部の病原体抗原や食事性抗原が関与している ことが考えられ、その免疫反応に重要な役割を果たすものの一つとして、メモリーT 細胞がある。T 細胞受容 体(T-Cell Receptor;TCR)は多様な抗原と反応できるように TCR レパトアを構成するため、腸管での何らか の抗原による免疫応答の痕跡が腸管粘膜固有層内の T 細胞の TCR レパトアに認められる可能性がある。一方 で IBD は全身性の免疫反応の関与もまた予想されるため、局所だけではなくいわゆる末梢血中の T 細胞のレ

パトアも重要である可能性がある。〈目的〉IBD 患者の腸管粘膜固有層および末梢血中のメモリーT細胞の TCR

レパトアの変化から IBD の病態を明らかにする。〈研究方法〉IBD12 例(Ulcerative Colitis;UC 5 例、Crohn’s Disease;CD7 例)の手術標本から炎症部位の腸管粘膜固有層単核球(Lamina Propria Mononuclear Cells; LPMC) を、あわせて末梢血から単核球(Peripheral Blood Mononuclear Cell;PBMC)を分離した。コントロールとして 健常人 10 人の PBMC を採取した。RNA を逆転写後 Adaptor-ligation PCR(AL-PCR)法を用いすべての TCR 遺伝子を増幅、PCR 産物を MiSeq を用いて網羅的解析を行い、検体ごとの TCRα、βの各クローンのリード 数および多様性の解析を行った。〈結果〉IBD 患者における LPMC 中の TCR 多様性は同一患者由来の PBMC と比較するとα・β共に高い傾向を認めた(p=0.054、p=0.051)。PBMC において、IBD 患者の TCR は健常人と 比較して TCR-α・β共に有意に多様性が低下していた(p=0.00084、p=0.0013)。IBD のうち CD6 例と UC5 例に ついて LPMC/PBMC で多様性に疾患による違いについて検討したところ、LPMC は TCR-α・βいずれにおい ても多様性に疾患による変化はなかったが、PBMC は有意に CD で UC よりもα・β共に多様性が低下してい た(p=0.045、p=0.049)。一部に CD/UC に特異的に増加・減少している可能性のある TCR クローンを認めたが、 欧米人 IBD で報告されている TCR クローンは認めなかった。同一患者における LPMC と PBMC では共通す るクローンが多い傾向にあった。〈結語〉IBD 患者では健常人に比較して PBMC における TCR クローンの多 様性が低下していた。IBD 患者では LPMC と PBMC で同等の多様性であった。CD と UC で特に LPMC にお いては多様性に大きな違いはないものの、PBMC において CD における多様性の低下が示唆された。より簡便 に採取できる PBMC の TCR レパトア解析を継続することで、IBD に特異的なクローンが特定されていく可能 性が示唆された。

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