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動 産 ・ 債 権 ・ 権 利 の 担 保 化 と 対 抗 要 件 制 度 ( 序 論 )

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(1)はじめに. 一. ファイナンシング・ステイトメント登録制度の. 第9編の担保制度の仕組み. はじめに. 林. 二. 結びにかえて. 仕組み. 四. ︵2︶. 三. 三. アメリカの︷冒き含轟ω$富目①旨の窪冒閃制度を素材として. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶. 一. ︵−︶. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶. 二六三. 合計53に及ぶ全法域で採用されている︒第9編の略称は﹁担保付取引︵ωの︒瑛8︾き︒︒83邑﹂である︵留︐一︒一︶が︑. アメリカの﹁統一商事法典︵q巳暁R讐9目B段︒芭9α①︶﹂は︑商事取引全般を規制する模範法典であって︑第1 ︵3︶ 編﹁総則﹂から第11編﹁効力発生日および経過規定﹂に至る合計13編から構成されている︒そのうちの第9編は︑. 宏.

(2) 早法六九巻四号︵一九九四︶. その正式名称は︑﹁担保付取引. 二六四. 債権および動産抵当証書の売買︵ω南O¢肉国U↓菊>Zω>O目02ψω︾U霧○閃. ︾OOOごZ↓ω>2UO=︾↓↓国一勺︾勺国勾︶﹂という︒したがって︑第9編は︑その名称が示すように︑﹁物的﹂担保の. ︵4︶ うち﹁不動産︵お巴冥8R琶以外の財産﹂︵﹁人的財産︵需お8巴頁8R§﹂と呼ばれる︶︑すなわち︑物品・手形・. 株式・社債・積荷証券・倉庫証券・債権・一般的無形財産などの﹁財産﹂について︑当事者が﹁合意﹂に基づいて︑. ﹁担保権﹂を設定する場合を規制しているほか︑﹁債権および動産抵当証書﹂の﹁売買﹂もその規制対象としている ︵これらの点を含め︑より正確かつ詳細な説明については︑後述の二を参照︶︒. ︵5︶. UCCの認める対抗要件具備の方法としては︑①﹁占有﹂による対抗要件具備︑②﹁担保権﹂の成立要件具備に. 伴う﹁自動的な対抗要件具備﹂のほか︑③ファイナンシング・ステイトメント︵嘗き9轟器8営Φ邑の白凶鑛︵本. 稿では︑以後仮に︑﹁登録﹂と訳す︶による対抗要件具備の3種類の方法がある︒ファイナンシング・ステイトメント. の登録による対抗要件具備制度は︑単にこれら3つの対抗要件制度における中核的役割を担っているに止まらず︑ ︵6︶ UCC第九編﹁担保付取引﹂の担保制度の基礎となる役割をも担っていると評価されている︒そこで採用されてい. るヨ&8旨一轟︵以下︑仮に警告登録と呼ぶ︶制度﹂は︑﹁被担保債権や担保権の内容﹂を一定程度具体的に知らせ. る﹁公示﹂制度︵﹁担保契約書登録制度﹂︶にかえて採用された制度であって︑﹁担保権の存在可能性を知らせ・警告す. るだけの書面﹂︑換言すれば︑必要記載事項が︑①債務者の住所・名前︑②担保権者の住所・名前︑③担保財産の種. 類・品目の記載︑④債務者の署名︑のわずか4つである書面に対し︑対抗要件機能を付与した制度であって︑担保. 権成立に必要な与信がなされる前でも登録ができ︑かつその登録時点の順位を保全できる制度でもある︒この制度 の基本的枠組を考察するのが︑本稿の主たる目的・課題である︒.

(3) ところで︑ファイナンシング・ステイトメントの登録制度を的確かつ包括的に理解するには︑UCCの﹁他の編. との関連﹂および﹁第九編で規定するその他の﹃担保規制﹄との関連﹂で︑これを捉えることが必要不可欠であり︑. ①統一的担保概念︑②浮動担保制度︑③対抗要件制度︑④ファイナンシング・ステイトメントの登録制度など︑U. CC第九編に特徴的な各制度を指摘してその内容を説明するだけでは︑必ずしも十分でないように思われる︵詳細 は︑後述の二・三参照︶︒この点を若干説明しておこう︒. 登録制度と﹁他の編との関連﹂を考慮すべき必要がある一例として︑登録制度がUCC第九編﹁担保付取引だけ﹂. に適用され︑その他の編︵例えば︑第二編﹁︹物品︺売買﹂︶には適用されない点を挙げることができる︒﹁動産﹂の﹁公. 示制度﹂を考察する際には︑特にこの点が重要である︒すなわち同制度は︑人的財産の一つである﹁動産﹂を﹁担 ︵7︶ 保﹂にとるときにのみ使われ︑﹁動産﹂の﹁売買﹂をするときには使われないのである︵動産売買については︑第二編. ﹁︹物品︺売買﹂の諸規定によって処理される︶︒これに対し︑わが国の﹁債権﹂にほぼ相当する﹁︹受取勘定︺債権﹂の. 場合には︑これを﹁担保﹂にとる場合のみならず︑前述したように︑これを﹁売買﹂する場合にも第9編が適用さ. れ︑売買・担保の両者について﹁ファイナンシング・ステイトメントの登録﹂が問題となる︒この点で︑債権の場 合には︑動産の場合とは異なる考察方法が必要なのである︒. 登録制度理解のためには︑第九編所定の﹁その他の担保規制﹂との関連を考慮すべき必要がある点についても例. を挙げておこう︒たとえば︑担保財産が動産の場合︑占有による対抗力取得の方法も登録制度と併存的に認められ. ている︵三1③参照︶一方︑動産が処分されて﹁価値変形物・代償物﹂に変じた場合には占有と登録との相互関係を. 二六五. 考慮すべき必要が生ずる︒その具体例として︑登録された動産の一部が処分されその代金を約束手形で受領した場 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(4) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二六六. 合を考えてみよう︒UCCでは︑担保権の効力は﹁価値変形物・代償物﹂にも及ぶとされているが︑動産から約束. 手形に担保財産の種類が変わるため︑登録制度による公示は不可能になり︵﹁証券﹂の公示方法は占有取得のみ︶︑登録. 時の優先順位を維持する元めには︑登録だけではもはや足りず﹁約束手形﹂の占有取得が別途必要となるのである ︵詳細は︑二4⑬参照︶︒. わが国では︑このファイナンシング・ステイトメントの登録制度は対抗要件レベルで問題のある流動集合動産担. 保・集合債権担保との関連で︑特に注目を浴びている︒すなわち︑UCC第九編では︑爾後取得財産条項︵鋤津震−. 曽8三お身一窪ωΦ︶の効力が認められた結果︑日々変動する﹁動産﹂︵UCCの担保財産分類では﹁棚卸資産︵一葛88蔓︶﹂. ︵8︶ に相当︶群の担保化も︑弁済・発生を繰り返して変動する債権群の担保化も有効とされており︑その対抗要件制度と. してこのファイナンシング・ステイトメントの登録制度が用いられているためである︒もっとも︑流動集合動産担. ︵10︶. ︵11︶. 保と集合債権担保とでは︑UCC第九編の研究開拓度には差があり︑﹁流動集合動産担保﹂の場合には︑その長所と ︵9︶ 同制度に内在する限界を探るという研究もすでになされはじめたのに対し︑﹁集合債権担保﹂については︑筆者もそ. の研究の必要性を指摘したことがあるが︑これを正面から取り組んだ研究はほとんどなされていない︒. そこで︑本論文の課題・目的が問題となるが︑第一は︑ファイナンシング・ステイトメントの登録制度が︑UC. Cの人的財産担保制度の中で︑どのように位置づけられ機能しているのかを︑できるだけ客観的に捉えるための﹁基. 本的枠組﹂を提示することを主たる目的とする︒したがって︑紙数および時間的な制約があるため︑細かな点を含 む詳細かつ正確な全体像の描き出す作業は今後の研究課題として残っている︒. 第二は︑この作業は︑この﹁ファイナンシング・ステイトメントの登録制度﹂が︑わが国の﹁集合債権担保﹂・﹁流.

(5) 動集合動産担保﹂の対抗要件問題解決のために︑どの程度有効に機能しうるかを検討する際の基礎的作業にもなり うることである︒. 第三は︑﹁ファイナンシング・ステイトメントの登録制度﹂と﹁動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度﹂とい. う表題との関連である.この登録制度は︑単に動産にとどまらず︑広く︑債権および権利を﹁担保﹂にとる際の﹁対. 抗要件﹂制度として利用されている︵債権の場合には︑担保のほか売買を含むので︑ほぼ債権譲渡における対抗要件制度. として機能している︶︒そしてそこで採用されている﹁警告登録制度﹂は︑前述したような内容を有し︑一九五三年の. UCCの登場以来約四〇年以上にわたって︑有効に機能している制度である︒したがって︑流動集合動産担保・集. 合債権担保の対抗要件問題解決のための一方法として検討に値するだけでなく︑広く︑﹁動産・債権・権利﹂を﹁担. 保﹂にとる際の﹁対抗要件制度再考の契機﹂︑すなわち︑﹁担保﹂における﹁公示﹂とは﹁何﹂を公示するのか︑①. ﹁被担保債権および担保権の種類・内容﹂の公示なのか︑②﹁担保権の種類・内容﹂の公示なのか︑③﹁単なる担. 保権の存在可能性﹂の公示で足りるのか︑などについて︑対抗要件制度・公示制度の再考・再検討をせまる契機を. 含んでいるように思われる︒本論文の表題を︑﹁動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度﹂とした所以である︒こ の視角からは︑本論文は︑いくつの問題提起のレベルに止まると思われる︒. 本稿では問題点の指摘だけにとどまるが︑この視角はさらに広い射程距離を持つ可能性もある︒UCCでは債権. の場合には﹁売買﹂も﹁担保﹂もこの登録制度の規制対象であるから︑少なくとも﹁債権﹂については︑債権譲渡. の対抗要件制度コ般﹂についての﹁再考の契機﹂になる可能性もある︒この分析視角は︑無形財産という共通性. 二六七. をもつコ般的無形財産﹂にまで広がるのか︑さらには︑ファイナンシング・ステイトメント登録制度の規制対象 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(6) 早法六九巻四号︵一九九四︶. となる︑動産を含む人的財産すべてにまで及ぶのか︑ということも検討に値しよう︒. 二六八. なお︑参考のために︑﹁ファイナンシング・ステイトメント登録制度﹂に関する最近の動向を述べておこう︒なぜ. なら︑アメリカでは同制度が︑①どのように運営され︑制度全般として肯定的に評価されているのか否か︑肯定的. に評価されているとして︑②全く問題点はないのか︑あるとした場合︑③どの点に問題点があるのか︑④これをい. かに解決すべきだと考えられているのか︑を知るのに有益だからである︒幸いなことに︑アメリカ法曹協会︵>ヨ雫. 8き切費冴ωoq呂自︶は︑第9編の改正をにらんで︑同協会内に﹁ファイナンシング・ステイトメント登録制度﹂ ︵12︶. を検討する特別研究グループを組織して一九八九年春以降登録制度の実態調査などを中心にその検討を行い︑その. 研究結果を最近公表した︒他方︑UCC常設編集委員会︵勺Rヨきo日田ぎ円芭ωo簿巳8二箒d巳︷曾ヨ9ヨ日Φ﹃o巨. Oo号︶も︑そのスポンサーである﹁アメリカ法律協会︵︾ヨa︒き霊≦目ω蜂暮①︶﹂および﹁統一州法委員会全国会 ︵13︶. 議︵Z醤9巴Oo旨R88900B邑裟o器お3d良9Bω$9冨蓄︶﹂の指示を受けて︑一九九〇年初頭UCC第9 ︵14︶. 編の検討委員会を組織し︑その検討結果も一九九二年末に公刊された︒これらに関する研究成果については︑紙数. の制約があるため別稿に譲らざるをえないが︑結論だけを先取りして言えば︑現行の警告登録制度を当然の前提に. した上で︑主として︑現行登録制度の問題点︵登録申請手続きの遅延・登録検索調査手続きの遅延など︶を分析・検討し︑. その解決をUCC起草当時はまったく予想されていなかった登録制度のコンピュータ化を推進することによってそ. の解決を図ることをを指向した改革提案︵社会保障番号・納税者番号︑地方登録制度の縮小・廃止︑債務者の名前要件の 明確化による登録など︶が示されている︒. 本稿の論文構成は︑論文の課題・目的との関連で︑﹁登録制度﹂について次の順序で検討する︒まず︑第9編内の.

(7) 他の担保諸規定を︑﹁ファイナンシング・ステイトメント登録制度﹂との関連で理解するため︑担保制度の概要︑担. 保財産の分類と担保規制︑被担保債権規制︑担保財産についての効力︑優先順位のルールに分けて検討する︒次に︑. ファイナンシング・ステイトメント登録制度自体を分析・検討するが︑同制度の法的位置づけ︵対抗要件制度の持つ. 法的意義・効果︑他の対抗要件具備方法との関係︑占有による対抗要件具備との関係︶︑同制度の具体的仕組み︵登録場所︑. 登録内容︑登録申請の方法︑その有効期間及び延長︑登録内容の変動︑登録内容の調査など︶に分けて検討した後︑以上の. 分析内容をまとめることにする︒. ︵1︶ 本稿では︑以下UCCと呼ぶ︒UCCは︑一九七二年の第9編を中心とする大改正︑一九七七年の第8編を中心とする大改正︑. 一九八七年の第踏編﹁リース︵9器8︶﹂追加に伴う大改正︑一九八九年の第姐編﹁資金移動取引︵男琶房↓鍔霧8邑﹂追加に伴う. 大改正︑以上四度の大改正を経ており︑最も新しいUCCの公式テキストは︑一九九〇年のものであることから︑本稿ではそれを用. UCCは︑アメリカの各法域の商事取引法の統一化を目的として作成された﹁模範法典︵ヨoα①一8号︶﹂でありそれ自体法的拘. いることにする︒. 束力はないが︑アメリカの全五〇州に︑コロンビア特別区︑グァム︑およびバージン・アイランズを加えた合計五三の﹁法域﹂のう. ︵2︶. 3・4・狙・5・8・9の各編のみ採用︶︒もっとも︑より正確には︑具体的に法的拘束力があるのはUCC所定の条文そのもので. ち︑ルイジアナ州を除く全法域で全面的に採用されて立法化された結果︑現実に法的拘束力を有するに至った︵ルイジアナ州は︑1・. はなく︑その紛争の生じた法域で採用したUCCの個々の条文であり︑UCC所定の条文をそのまま採用するか︑必要に応じ︸部修. 正してこれを採用するかは各法域の判断に委ねられていたため︑実際上個々の条文は各法域で異なることも多い点に留意すべきで. 二六九. 一九五二年にUCCが起草された当時は合計一一編であったが︑一九八七年に第踏編﹁リース︵一8紹ω︶﹂が︑一九八九年に第. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶. 姐編﹁資金移動取引︵男目房↓轟参8邑﹂が新たに追加された結果︑現在では合計一三編となっている︒. ︵3︶. ある。.

(8) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二七〇. が︑第9編では物品に含まれない投資証券・債権的財産︵9ぎ鴨日碧試9︶が︑第2編では物品に含まれる点で若干の違いがある︒. ︵4︶ 物品の定義︵︒山O器否︶ ㌣一8︶は︑第九編・第二編とも可動性のあるある物を中心に定義していてその範囲もほぼ同じである. 頁︑大和田・後掲︵注15︶論文︑田中英夫編・英米法辞典︹一九九一年︺三四八頁︶︑信用関係公示書︵ブラウカー. 道田久注15︶. ︵5︶ ファイナンシング・ステイトメントは︑貸付証書︵アメリカ統一商事法典研究会・法学協会雑誌八三巻一号︹一九六六年︺三九. 後掲書︶︑融資証明書︵関口・後掲︵注15︶論文︶︑貸付に関する書面︵棋・後掲︵注15︶論文︶︑与信公示書︵永田・︵注15︶. 後掲書︑小山・後掲︵注15︶論文︶︑信用授受関係公示書︵柏木H沢木・︵注15︶後掲書︶など様々に訳され︑定訳はない︒. の方に重点が置かれ︑被担保債権に関するものはこれに含まれていないことからすると︑被担保債権に関連する事項に重. 有効なファイナンシング・ステイトメントであるための必要的要件は︑①債務者の名前と郵便の住所︑②担保権者の名前 と住所︑③担保財産の種類または品目の記載︑④債務者の署名︑以上4要件であって︑担保権設定契約のうちの担保財産. ﹁与信公示書・信用授受関係公示書﹂という訳語も︑ファイナンシング・ステイトメントそれ自体が被担保債権︹および. 点を置いたかにみえる﹁貸付証書・融資証明書・貸付に関する書面﹂という訳語は若干問題を含むように思われる︒また︑. 担保権︺を﹁公示﹂しているかのようなニュアンスが感じられるが︑ファイナンシング・ステイトメントは︑担保権成立 時以降にこれを登録する場合はもちろん︑担保権成立時以前にこれを登録して登録時点の順位を確保することも認めら. れており︑その場合︑ファイナンシング・ステイトメントが公示する内容は︑種類・品目で限定された担保財産について︑ ﹁担保権が現に存在し﹂または﹁担保権が将来設定される可能性が高い﹂ことを﹁第三者﹂に対し﹁知らせ・警告する﹂. ための﹁書面﹂であって︑その実態は﹁担保権存在可能性警告書﹂とでも呼ぶべきものであることからすると︑この訳語 いう表現を用いることにする︒. ○目>●﹇勾零■3︵這霞yまた︑. も若干問題があるように思われる︒そこで︑本稿では以後︑強いてこれを訳さず︑ファイナンシング・ステイトメントと ︵6︶ qり愚>一8ω帥口OKρ﹄ミ﹄鷺§§瀞\肉魯\§黛導鳴>試持隷も罰Nき晦どGう融§︸. 8㍉. ︒ω㌦お♪≦09ム8よ零㍉㎝︒♪ふ8︶の箇所で用いられ︑. これを条文の上で裏付けるかのように︑ファイナンシング・ステイトメント︵識暴8冒αQ馨簿①筥Φ暮︶という用語は︑合 ︒一N㍉践9ふO一v− 計一四ヶ条︵膓︒−8N︶−o︒OO㍉︒︒︒8−︒. −ω09あOρ−G︒Oo︒. −︒ G OO. 山旨 − O一︾−斜Oρ−含︒ o ㍉き. よ09≦Oρふミ︶の箇所で用いられている︒ミ●讐8PH. また︑登録︵艶一鑛︶という用語も︑第九編を中心に合計二〇ヶ条︵膓N−︒︒まる−o︒︒舎やN︒︒︒︸O−一︒ρ−一鼻−G︒O一 −︒ G β−8斜.

(9) ントの登録制度を︑﹁動産一般﹂を﹁担保﹂にとる場合にまで広げてその導入を検討する場合には︑登録制度それ自体の. ︵7︶ ﹁集合動産﹂規制だけを念頭において議論する場合にはそれ程問題とはならないが︑ファイナンシング・ステイトメ. 一種類だけである︶なども併せて論じなければならないし︑さらに広げて︑﹁動産﹂の﹁所有権および担保権を公示する. 検討の他に︑法形式の問題︵日本法では質権・譲渡担保・所有権留保など様々な法形式があるが︑UCCでは﹁担保権﹂. アメリカの場合﹂加藤一郎先生古稀記念現代社会の民法学の. 制度﹂としてファイナンシング・ステイトメント制度の導入を検討する際には︑少なくとも︑既述の法形式の問題などほ か︑﹁物品売買における対抗要件規制との整合性﹂の問題をも併せて検討しなければならない︒. 動向下︵一九九二年︶五五一頁は︑﹁我が国の集合債権譲渡担保に相当する制度として受取勘定債権担保金融︵碧8仁艮. ︵8︶角紀代恵﹁債権譲渡における権利の競合とその優劣. お8貯筈肛︷ぎ讐9轟︶﹂があるとして︑これを検討するための基礎的作業のーつとして︑アメリカ法︵コモン・ローおよ びUCC︶の債権譲渡における権利の競合とその優劣を論じたものである︒ ︵9︶亀田浩一郎﹁流動集合動産担保と公示方法lUCC第九編における登録制度を中心として﹂明治大学院紀要第二五. 要第二九集法学篇︵一九九二年︶九三頁・同第三〇集法学扁︵一九九三年︶六七頁︵以下︑第二論文と引用︶︒. 集ω︵一九八八年︶七一頁︵以下︑第一論文と引用︶︑同﹁アメリカにおける浮動担保と集合物論ωω完﹂明治大学院紀. ︵10︶椿H三林﹁集合債権担保判例の一班﹂判例タイムズ五五一号︵一九八五年︶五〇頁︹椿寿夫・集合債権担保の研究︵一 八七年︶一三九頁︒. 九八九年︶三一〇〜三一一頁に再録︺︑拙稿﹁アメリカにおけるリース資産の担保化ω﹂立正法学二〇巻一〜四号︵一九. ︵11︶亀田・前掲︵注9︶第一論文のほか︑﹁ファイナンシング・ステイトメント登録制度﹂の個々の内容は︑永田・後掲. ︵注15︶一二一二頁以下によってかなり詳細に研究・分析されている︒永田氏は︑日本の不動産登記制度との対比で︑この. ファイナンシング・ステイトメントの登録制度の特徴を浮かび上がらせようと意図し︑両制度の共通点・相違点を︵特に︑. 相違点を︶かなりこまかく丁寧に分析されている︒そして︑その書名﹁アメリカの動産担保権︵ω国Od困↓楓身↓国園国ω↓ω. 二七一. 以外の有体財産・無体財産﹂をすべて含む概念であるににもかかわらず︑あえて﹁動産︵℃国勾ωOZ>い℃園O℃国勾↓網︶﹂. 毫勺国菊ω02>一℃勾○℃国殉↓K︶﹂が端的に示しているが︑﹁人的財産︵℃国菊ωOZ︾■℃国O勺国因↓嘱︶﹂は︑元来﹁不動産. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(10) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二七二. という訳語をあてていることからもわかるように︑同氏の問題関心は︑﹁UCCのファイナンシング・ステイトメント登. 一頁の﹁本書の研究課題﹂の部分も参照︶︒この問題を私なりに検討しようとする意図は︑同氏の﹁ファイナンシング・. 録制度﹂そのものよりも︑わが国の﹁動産担保﹂の﹁公示﹂制度との関連で︑UCC第九編を取り上げておられる︵同書. ステイトメント登録制度﹂の分析視角・アプローチ方法には︑本稿の課題・目的との関連で︑必ずしも賛成できないから. わが国の不動産登記制度は︑物的編成主義を採用し︑不動産の﹁権利﹂関係に関する情報︑具体的には︑甲区で﹁所有. である︒その理由を少し具体的に以下述べておこう︒. 権﹂に関する情報を︑乙区で﹁所有権以外の権利︵各種の物権的利用権・担保権︑賃借権︑採石権の諸権利︶﹂に関する. 情報を公示している︒そして︑﹁担保権﹂の典型である普通抵当権および根抵当権の場合︑被担保債権の内容や極度額な. どに関する情報も登記事項として公示されている︒これに対しUCCの登録制度は︑①不動産登記の場合と異なり︑﹁人. 移転﹂に関する情報はその対象となっていないこと︵なお︑債権・動産抵当証書の﹁売買﹂は例外的にその対象となる︶︑. 的財産︵需あ8巴R8R蔓︶﹂を対象とするため︑財産の移動が不可避であり物的編成主義は採用しにくいことさ②人的 財産に係わる﹁権利﹂情報すべてではなく︑その中の﹁担保権﹂情報に限定して知らせる制度であり︑﹁所有権・権利の. ③﹁担保権﹂の種類は︑UCCでは統一的な﹁担保権﹂概念が採用された結果︑﹁担保権﹂一種類であること︑加えて︑. ④同制度は︑﹁担保権の存在またはその可能性を第三者に知らせ警告する﹂制度︑いわゆるヲ&8旨一躍︵本稿では︑. にとどまり︑被担保債権の対象・金額などについては︑別途実際の調査が必要なこと︑⑤担保財産についても︑種類・品. 以下仮に警告登録と呼ぶ︶﹂制度として構成されたため︑この制度から得られる情報は︑あくまで﹁担保権の存在可能性﹂. 目のレベルの公示にとどまり︑どの財産が担保財産の対象かを具体的に知るためには︑別途実際の調査が必要なこと︑⑥. この担保財産が処分された場合︑担保権の効力は﹁価値変形物・代償物﹂にも及ぶとされているが︑たとえば︑登録動産. が必要なこと︑⑦動産・権原証券・動産抵当証書の場合には︑占有による対抗要件具備の方法も登録制度と併存的に認め. が処分されて﹁価値変形物・代償物﹂たる代金を約束手形で受領したときには︑異なる対抗要件具備方法である占有取得. られているので︑占有と登録制度との相互関係を考慮すべき必要があること︑などの特徴を有してため︑別のアプローチ が必要と思われるからである︒.

(11) ︵12︶. 後掲︵注13︶の﹁報告書付属資料︵第2巻︶﹂の中に︑付属資料Bとして一二〇頁余りにわたって掲載されている︒. これについては︑この特別研究グループの議長である≧8ω教授と副議長である口o琶教授とが︑連名で解説論文を書. 勺男馨z男↓国o肩○顯>いωo>5男oカ↓爵dz田○召○○竃ζ男Ωき08卸℃国ωω目塁O刃○亀dz蜀o署○薯ζ男ΩきOO昌>召一︒田O. かれている︒の禽≧8ω俸口o琶も愚ミ8譜9. ︵一〇8︶●この報告書は︑36の﹁勧告﹂事項を中心とする﹁報告書︵第一巻︶﹂︵合計二四九頁︶と︑﹁報告書付属資料︵第. ︵13︶. の内訳は︑①﹁第九編の範囲﹂に関するもの︵七事項︶︑②﹁法の適用﹂に関するもの︵三事項︶︑③﹁対抗要件および優. 二巻︶﹂︵合計六二四頁︶から構成されている︒各﹁勧告﹂事項にはその内容を説明するコメントが付されている︒各事項. なっている︒﹁ファイナンシング・ステイトメント登録制度﹂は︑上記﹁③﹃対抗要件および優先順位﹄に関するもの﹂. 先順位﹂に関するもの︵一七事項︶︑④﹁担保権の実行﹂に関するもの︵八事項︶︑⑤その他︵一事項︶︑合計三六事項と. の最初の事項として︑取り上げられている︒なお︑この報告書ができるまでの経緯については︑委員会のリポータi役で 肉魯o轟§殊ミ﹄ミ竃誉G︒勲導鳴﹄ミ亀鳴もの§&9ミミ慧鴨斜&ω⊂ω. い翁﹂o︒o︒ω︵一8一︶︒. ある頃鋤霞一ω教授および家09亀買教授が︑以下の連名論文を書いている︒oo竃ωξ屏ρ=蝉瑛一ω俸ζ092甘﹄ミ箋騨ミ. 究の他︑最近の諸論文で採り上げられている登録制度の問題点︑および︑本稿では検討できなかった定着物規制︑多州取. ︵14︶ 立正法学二七巻三・四号︵一九九四年︶に掲載を予定している︒上記論文では︑登録制度の実態に関するこれらの研. 第九編の担保制度の仕組み. 引についても論及しているので︑本稿と併せて︑そちらの参照もお願いする次第である︒. 二. ︵15︶. 1 担保規制の概要. 二七三. 第九編の担保制度の概要を述べ︑ このうち本稿の目的・課題との関連で若干の詳しく紹介する必要のある事項に 動産・債権・ 権 利 の 担 保 化 と 対 抗 要 件 制 度 ︵ 序 論 ︶.

(12) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二七四. ついては2以下で検討する︵本稿では︑紙数または重要度との関連で︑第五章﹁不履行﹂︑定着物規制︑および多州取引の 部分は省略する︶︒. UCCは︑それ以前の﹁人的財産︵需拳8巴冥8R蔓︶﹂を対象とする担保権の法形式であった多様な法形式︵質. 権︑動産抵当権︑所有権留保︑トラスト・レシートなど︶を廃止して︑統一的﹁担保権﹂概念を採用した︒その結果︑. UCCの人的財産を対象とする担保権の法形式は︑﹁担保権﹂一種類である︒そして︑担保財産の種類・占有の有無. を問わず原則として同一の法規定が適用されるが︑必要に応じて︑﹁担保財産の種類﹂ごとに特別規定が適用される︒. この担保権は︑被担保債権規制について極度額限定のない根担保を認める一方︑担保財産規制については︑﹁爾後取. 得財産条項﹂の効力を認め︑現存する担保財産のみならず将来のそれに対してもその効力を及ぼすことができると. した︒加えて︑この担保権は︑担保権設定契約で担保財産の処分権を認めていたり・﹁営業の通常の過程にいる買主﹂. の出現により︑その追求効が遮断されない限り︑製造・加工・組立された結果できる製品の場合も含め︑担保財産 ︵16︶. に対し追求効があり︵留6邑︑さらには︑売買・交換・その他の処分により︑﹁担保財産が金銭その他のもの︵蜜88房︶﹂. に転化した場合にも︑原則として︑これに対しても効力が及ぶ︵留山︒書︶︶担保権である︒. 以上のような内容をもつ担保権を︑第三者に対する関係でもこれを主張するためには︑日本法と同様︑対抗要件. を具備する必要があり︑ファイナンシング・ステイトメントの登録が最も一般的な対抗要件具備方法である︒その. 登録は︑与信前の担保権成立﹁以前﹂でもその登録ができ︑その後現実に与信が行われて担保権が成立した場合に. は︑当初のファイナンシング・ステイトメント﹁登録時の順位﹂で︑担保権の効力を保存することができる︒それ. ゆえ︑一番先にファイナンシング・ステイトメントの登録をすれば︑原則として上述した効力を持つ担保権の効果.

(13) を享受できることになる.しかし他方で︑この担保権者の利益と︑債務者の利益のほか︑他の担保権者・買主など. ﹁第三者﹂の利益との調和・調整を図る必要がある︒そのため︑UCCは上記の原則に例外を設け︑﹁売買代金担保 ︵17︶. 権者﹂および﹁営業の通常の過程にいる買主﹂などが登場した場合には︑担保権者は︑後から登場したこれら第三. 者に対してはこれを主張できないとした︒つまり︑﹁売買代金担保権者﹂は先行する担保権者に優先する一方︑﹁営. 業の通常の過程にいる買主﹂はこの担保権の負担がついていない所有権を取得できることになる︒. 2 担保財産の分類と担保規制. 担保財産は︑有体で可動性のある﹁物品︵四分類に細分化︶﹂︑準有体的な﹁証券によって表章される担保財産︵三. 分類に細分化︶﹂︑無体的な﹁無形財産︵二分類に細分化︶﹂の三つに大別できるが︑細分化された九分類がとりわけ重. 要である︒なぜなら︑UCCでは統一的﹁担保権﹂概念を用いたため︑大部分の条文は︑担保財産の種類・占有の. 敵螢. ○︐¢. ︒︵N︶. 一︒o. 一︒器︶. 郎き触︑置難晃叫ぴ. N︒ω. 一︒︒︵N︶. ︹図鼎︺. 漣 ︒暑︶︵ω︶ω︒ ・. 嵐. 踏. ︒O刈︵一︶ω一器︶ ω︒︒︵㎝︶ら. ω︒刈 ら︒旨︵N︶. ︒︒︒刈︵N︶. ω︒蓋︶. ︒N蒔︒・︒切︒. ㎝︒ω. 8一︵一︶蒔貫H×o︒︶. 8一︵一︶. ︒一︵一︶︵餌︶. ︵㎝蓉㎝︑ω︒︒︵㎝v弩ω旨ω一ωω置ω一u8量. 冷. 書恥礪S鵡塑歯謡恥浸鼎. N︒蒔量N︒量ω︒一︵一︶︵︒︶. ︒ ︒︒㎝︵U︶. ω︒N︵一Xα︶. ωO讐︶︵︒︶. 一︒︒︵一︶ 8ω︵N︶N︒醤︶蔦︒︒︵一︶. N︒ω︵一Xげ︶. 一︒置︶一置. 一︒器︶. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶. ︵一︶. ㎝8︵一︶・︒誉︶. 二七五. ○○箕﹁益懸藤曹釦︵oo島蝿日R閃ooαω︶﹂嘩ノ国眞﹁難欝︵Φ26ヨΦ旨︶﹂ 嘩ノ雪マ眞﹁魅醜書︵笹目R榎oα蓉富︶﹂嘩〆Hー算﹁酪磐踏鰍︵冒<o簿Oq︶﹂嘩︑. 一︐. 閃型. 国. 一8一︒㎝︵一xげ︶一︒︒. 有無にかかわらず共通に適用されるが︑対抗要件規制・優先順位決定基準・管轄登録所など重要な条文を含む相当. 書鄙. 麟1.

(14) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二七六. 数の条文が︑九分類に応じて特別規定として適用されるからである︵○︒B日9呂8留−一§︒九分類に適用される特. 別規定の詳細は︑留山8の公式注解五の末尾に列挙されているが︑具体的一例として︑物品︵細分化された四分類を も含む︶に関する特別規定についてまとめたものが前頁の︹図表︺である︒. ﹁物品﹂は︑﹁可動性のあるすべてのもの﹂および﹁定着物︵臨答貫串留−ω曼一×鋤︶参照︶﹂の他︑﹁動物の胎児﹂や﹁成. 長中の農作物﹂︑さらには﹁契約または譲渡により伐採されることになっている立木﹂も含んでいる︵竃山︒望一︶︵げ︶︶︒. 物品は︑さらに﹁主たる使用目的﹂に応じて︑次の四分類に細分類される︒すなわち︑﹁主たる使用目的﹂が︑﹁個. 人用︑家族用︑家庭用﹂であれば﹁消費者物品︵︒8雲BR碧o房︶﹂となり︵留山8︵一︶︶︑﹁取引の通常の過程におい. て他人に売却・リースする目的﹂で保持するのであれば﹁棚卸資産︵言話導o邑﹂となり︵紹山8︵轟︶︶︑﹁農業経営で. 使用されまたは生産される﹂のであれば︑﹁農産物︵貯馨震a8邑﹂となり︵留山8︵ω︶︶︑﹁事業や非営利団体︑政. 府の機関または代理機関がこれを使用する場合﹂︑または︑﹁以上いずれにも該当しない場合﹂は︑﹁設備︵8鼠℃ヨΦ邑﹂ となる︵留−一8︵N︶︶︒. ﹁証券によって表章される担保財産﹂は︑証券︵言陰三B窪邑︑権原証券︵38B2邑︑動産抵当証書︵9簿邑℃巷豊. に三分類される︒﹁証券﹂とは︑以下の三種類︑すなわち︑これを担保化する場合以外はUCC第三編の規制対象で. ・︒山§︑および﹁金銭の支払. ある﹁流通証券﹂︵具体的には︑為替手形︑約束手形︑小切手︑預金証書を指する−一9︶︑これを担保化する場合以外は 同第8編の規制対象である﹁投資証券﹂︵具体的には︑株券︑社債︑財務省短期証券など. いを受ける権利を有するその他の書面﹂のことをいう︵留山8︵一×一︶︶︒﹁権原証券﹂とは︑﹁留−8員◎で定める権原証. 券﹂︵具体的には︑船荷証券︑荷渡指図書など︶と﹁留幽2︵N︶に記載されている種類の受領書﹂とを指す︵留山8︵一︶︵︷︶︶︒.

(15) また︑﹁動産抵当証書﹂とは︑﹁金銭債務と︑特定物品上の担保権またはリースの両者を証明する書面﹂のことであ る︵留山O父一︶︵σ︶︶︒. ﹁無形財産﹂は︑︵受取勘定︶債権と一般的無形財産︵鴨器邑巨甜置Φω︶とに分かれる︒﹁︵受取勘定︶債権﹂とは︑. 売却・リースされた物品または既に提供された役務に対する支払請求権のことをいう︵留山8︶︒﹁一般的無形財産﹂. とは︑すべての人的財産から上記8分類に属する財産を除いたもの︑つまり︑残り全部のことを指す︵留山︒①︶が︑. 被担保債権規制. 判例で問題になった具体例としては︑特許権︑商標権︑酒類販売免許などがある︒. 3. 被担保債権には︑既存の特定債権のほか︑﹁将来の与信︵律貫9身磐8︶﹂またはその他の対価をも含めることが. できる︵留歯︒呉ω︶︶︒そして︑第三者に対する関係でも︑登録・占有取得などにより対抗力を備えている以上︑この. ﹁将来の与信﹂にかかる債権についても最初のそれと同一の優先順位が与えられる︵竃6旨︵刈︶第一文︶︒また︑最初. の担保権設定契約では﹁将来の与信﹂にかかる債権を被担保債権に含めていない場合であっても︑同一の担保財産. を担保にとって与信が行われ︑かつ︑それが登録または占有による対抗要件具備状態が継続している間になされた. ときも同様な取扱いがなざれる︵同第二文︶.なぜなら︑第三者は︑担保権者の登録・占有が継続している以上︑自. 己の劣後的地位を覚悟すべきであり︑また︑自己の地位を保全したいのであれば︑終了公示書によって対抗力を消. 滅させるとか︑優先担保権者と劣後化契約︵の5・急轟甑8m鴨8幕簿の︶を結ぶ︵翻︒65一−8︒︶などの手段が与え. られているからである︒. 二七七. 当該与信と関連しない債権もすべて被担保債権に含めることができるという﹁包括条項︵身鋤磐9巳窪8ω︶﹂の効 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(16) 早法六九巻四 号 ︵ 一 九 九 四 ︶. 二七八. ︵18︶ 力については︑条文上これを明示的に制限する文言はない︵竃−8呉︒︒︶︶が︑判例は︑当事者の﹁意思の推測︵Ro富巨Φ. 担保財産についての効力. 艮Φ昌8︶﹂により︑当該与信取引と関連性を持たない債権についてその効力を否定しているものが多い︒. 4. 担保権者は︑担保契約設定時に存在する担保財産のほ. これについては︑爾後取得財産条項︑追求効︑価値変形物・代償物の順序で説明する︒ ω 爾後取得財産条項︵魯R嬉8葺8賓8R昌︒一雲絶. か︑将来取得するそれについても担保権の効力が及ぶ旨の約定︵﹁爾後取得財産条項﹂と呼ばれる︶を定めることによ. り︑約定どおりの担保権の効力が認められる︵吻︒−8貸一︶︶一方︑債務者も︑担保権者との合意に従い︑担保財産の ︵19︶. 自由な使用︑処分︑またはその取立などができる︵留幽量︒もっとも︑消費者保護のため︑消費者物品については. 原則して﹁爾後取得財産条項﹂の効力は否定されるが︑例外的に︑担保権者が対価を与えた後一〇日以内に債務者. が権利を取得した消費者物品︑および付合物となった消費者物品についてはその効力が認められている︵竃−8良N︶︶︒ ︵20︶. 判例は︑爾後取得財産条項につき︑明示的にこの用語を用いるかまたは将来取得される担保財産についても担保. 対象となる旨を明確に示すか︑いずれかが必要だとするが︑例外的に﹁棚卸資産﹂を対象とする爾後取得財産条項. については︑棚卸資産はその性質上目的物が日々変わるので︑当事者もそのように意図しているはずだとして︑将 ︵21︶ 来取得される棚卸資産についても担保権でカバーされることが推定される︒. 変動する個々の担保財産︵棚卸資産︑︹受取勘定︺債権︶は︑一般に︑それが債務者の占有・支配下に入った段階で. 担保財産の対象となり︑それが売却され︵棚卸資産の場合︶または支払れた︵︹受取勘定︺債権の場合︶時点で担保財産 ではなくなる︒.

(17) ︵23︶. ︵22︶. 債務者が倒産した場合の爾後取得財産条項の効力については︑現行法である一九七八年改正破産法︵浮夢霊冥身. 勾臥9B>90口零︒︒V密ミがこれを規制する︒同法留ミ︵げ︶は︑原則として倒産手続申立前九〇日︵内部関係者言ω箆R. は1年︶以内になされた﹁既存債務﹂に対する担保権設定は偏頗行為︵震①憲窪8ω︶として否認の対象となるとした. 結果︑爾後取得財産条項の効力と衝突する︒そのため︑これを調整する例外規定︵蜜ミ︵︒琶︶が置かれ︑棚卸資産・. 債権またはこれらの価値変形物・代償物につき対抗力を具備した担保権の場合︑倒産手続申立前九〇日の時点と申. 立時点とを比較して無担保債権者の犠牲においてその地位を改善したのでない限りは︑爾後取得財産についても偏. 頗行為による否認はできないとされた︵ごOO竃山︒︒︒は︑爾後取得財産上の担保権は﹁新たな対価﹂による担保取得と見倣. し﹁既存債務﹂に対する担保取得ではないとしてその偏頗行為性自体を否定するが︑破産裁判所は︑州法であるUCC︹に対. 追求効. 担保権者は︑担保権設定契約などにおいてその処分権を与えていない限り︑当該担保財産につき. 応する法律︺が連邦法である破産法に介入する点を問題視して︑事実上前述の留ミを適用してこれを処理している︶︒. ω. 売却︑交換︑その他の処分があってもこれを追求することができる︵留山8︵N︶︶︒また︑物品上の担保権が対抗力を. 備えている場合において︑その物品の全部または一部が製品または混和物の一部となったときでも︑次の2つのう. ちのーつ︑すなわち︑①その物品の同一性が識別できるか︑②当該物品を包含するファイナンシング・ステイトメ. ントにおいて︑その物品が製造︑加工︑または組立された結果できる製品をも含む旨が示されているか︑のいずれ. かに該当するときは︑その製品または混和物の全体に対して担保権の効力を及ぼすことができる︵留山窃︵一︶︶︒この. ように担保権者には強力な追求効が認められているが︑これを全面的に貫徹すると︑買主としては常にファイナン. 二七九. シング・ステイトメントを調査せねばならず﹁取引の安全﹂が害されることから︑﹁取引の通常の過程における買主 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(18) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二八O. ︵び昌Rぎoa一墨曙8ξ器9げ琶器聲留−N︒二︒︶参照︶﹂は︑原則として︑担保権の対抗力が具備されていても︑ま. 担保権者は︑上述の追求効に加えて︑担保財産または価値変形物・代償. た︑この担保権の存在を知っていても︑担保権の担保権の負担のない目的物を取得することができる︵竃−︒ ︒ミ︵一︶︶︒ ⑥ 価値変形物・代償物︵蜜︒8&ω︶. 物が売買︑交換︑その他の処分されることによって受領される一切のものに対して︑担保財産との同一性が認めら. れる限り︑担保権を行使することができる︵留−︒︒8︵一︶・︵§︒つまり︑追求効も物上代位的効力も原則として両方認. められるわけであるが︑﹁取引の通常の過程における買主﹂が登場して追求効が遮断される場合には︑例外として価 値変形物・代償物についてしか担保権行使はできないことになる︒. 価値変形物・代償物は︑﹁現金的な価値変形物・代償物︵8魯冥08aω︶﹂︵現金・小切手・預金など︶と﹁非現金的. な価値変形物・代償物︵8マ8昏震08aω︶﹂に分類できる︒この分類は︑主に︑債務者に支払不能手続きが開始さ. れた場合において︑法的取扱いが異なる点で意味がある分類である︵その具体的違いについては︑留68︵轟︶参照︶︒. 価値変形物・代償物の具体例として︑銀行が車のディーラーに対して棚卸資産たる車を担保にとって与信を行い︑. ディーラーがその中の新車一台を売却し︑その対価として︑中古車を下取りにとり︑一部を頭金︑残金を約束手形. として受領した場合を考えてみよう︒この場合︑中古車も︑頭金としての現金も︑約束手形もすべて︑﹁担保財産の. 処分によって受領されたもの﹂であるから﹁価値変形物・代償物﹂に該当し︑下取りにとった中古車が売却されて. 現金が受領された場合には︑その現金も﹁価値変形物・代償物の処分によって受領されたもの﹂であるから﹁価値. 変形物・代償物﹂に該当する︵﹁第二次的価値変形物・代償物︵ω08&西8R蝕8榎88量﹂と呼ばれる︶︒また︑担保. 財産が殿滅した結果発生する保険金も︑価値変形物・代償物に該当する︵留−し︒8︵一︶︾一九六二年版UCCでは明文の規.

(19) 定がなく多くの判例は︑保険金は担保財産が処分された結果受領されるものではないとして否定的に解していたが︑一九七二 年のUCC改正以降上述のように変更された︶︒. この物上代位的効力は明文の規定で排除しない限りは当然に発生する︵留山8︵一︶︶が︑特約による物上代位的効. 力の自由排除を認めた点に留意すべきである︒. しかし︑これを第一二者に主張するためには︑本釆の担保財産の対抗要件具備に加えて︑価値変形物・代償物の﹁対. 抗要件具備﹂が別途問題になり︑三つの場合に分かれる︒. 第一は︑ファイナンシング・ステイトメントが登録された登録所と同一の登録所に︑価値変形物・代償物に関す. る登録をすれば対抗力を取得できる場合︵設例における中古車の場合︶のルールであるρこの場合︑本来の担保財産に. ついて対抗要件が具備されていれば︑引続き自動的に価値変形物・代償物の対抗要件も具備される︵留−ω8︵ω︶︵螢︶︶︒. 当初の担保財産に関するファイナンシング・ステイトメントの中で︑価値変形物・代償物をもカバーする旨の記載. をすることも必要とされない︒もっとも︑本来の担保財産である棚卸資産につきA州でファイナンシング・ステイ. トメントの登録がなされたが︑B州に住む債務者がこれを購入して売掛債権が発生したような場合には︑債権の登. 録所は債務者の住所地たるB州であるから︑登録所が適切ではなくなる︵留68︵ω︶︵四︶参照︶︒このように登録場所が. 適切ではなくなった場合は︑後述の第三のルールによって処理される︒. 第二は︑価値変形物・代償物が︑﹁特定しうる現金的価値変形物・代償物﹂の場合︵設例における頭金の場合であっ. ︒︶︵げ︶︶.. 二八一. て︑かつそれが特定可能な場合︶のルールである︒この場合も︑本来の担保財産について対抗要件が具備されていれば︑. 引続き自動的に価値変形物・代償物の対抗要件も具備される︵留山8︵︒ 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(20) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二八二. 第三は︑価値変形物・代償物が︑第一・第二に該当しない価値変形物・代償物である場合︵たとえば︑設例におけ. る﹁約束手形﹂の場合︶のルールである︒この場合︑債務者が価値変形物・代償物を受領してから一〇日以内の猶予. 期間内に︑担保権者は価値変形物・代償物につき適切な対抗要件具備を行うことが必要である︵留−ω8︵ω×︒︶︶︒たと. えば︑設例では︑約束手形は﹁証券﹂の一種であり︑証券の対抗要件具備方法は占有取得が唯一の方法である︵留−. 量ことから︑担保権者が上記の一〇日の猶予期間内に約束手形の占有を取得すれば︑当初の担保財産の順位で対. 優先順位の ル ー ル. 可能となった︒そこで︑対抗力の具備時期を明確化する必要が生じ︑﹁担保権は︑担保権が成立し︑かつ対抗力を具. Cでは﹁警告登録﹂制度が採用され︑与信前の担保権成立﹁以前﹂でもファイナンシング・ステイトメント登録が. り︑先に担保権を取得した者が勝つとするルールを採用した︵留山旨︵㎝︶︵げ︶︶︒他方︑対抗要件問題については︑UC. である︒そして︑成立要件を具備しただけで対抗要件を具備していない者同士の競合については︑わが国とは異な. られていること︑③債務者が担保財産に対する権利を持っていること︑以上三要件すべてを充足すること︵竃山8︵一︶︶. あるが︑質のように担保権者が担保財産を占有している場合は書面は不要である︶︑②担保権に対する対価︵く巴斥︶が与え. 担保権の成立要件は︑①担保権設定契約の存在︵この契約は︑原則として債務者が署名した﹁書面﹂でなされる必要が. 5. ㈲参照︒. なお︑売買代金担保権が成立する場合の﹁価値変形物・代償物﹂に関する﹁対抗要件﹂規制については︑後述5. 物・代償物﹂については対抗要件具備がなされないため︑第三者に対抗できなくなる︒. 抗力が継続するが︑占有取得がなされないか︑なされても一〇日の猶予期間を過ぎてなされた場合には︑﹁価値変形. G。.

(21) 備するために必要とされる一切の措置がとられた時に対抗力を具備する﹂とされた︵留68︵一︶︶︒. わが国と同様︑担保権者が︑他の担保権者・管財人︵債務者の地位と債権者の代表者たる地位の両面を持つ︶など第. 三者に対して担保権の効力を主張するためには︑対抗要件を具備することが必要である︵留−ω2︵一︶︶︒そのため︑対. 抗要件を具備した担保権同士が競合する場合の適用ルールが最も問題になる︒. 原則的ルールは﹁登録または対抗要件先に具備した者が勝つ﹂というルールであるが︑例外的に︑①売買代金担. 保権者︑および②取引の通常の過程にいる買主の場合には︑遅れて登場した場合でも優先する︵なお︑その他の例. 原則. 対抗要件の具備方法は︑担保財産の種類に応じてファイナンシング・ステイトメントの登録か占有. 外として︑紹060︒︒ら−巽O参照︶︒以下これを若干詳しく検討する︒. ω. 取得か決まっている︵後述三2参照︶が︑物品・権原証券・動産抵当証書の場合には両者の方法が認められている︒. そのため︑登録と登録︑占有と占有が競合する場合のほか︑登録と占有が競合する場合が生じる︒その場合のルー. ルは︑一九六二年版UCC留−G︒昌︵U︶では︑①﹁登録対登録﹂のルール︵登録の早い者が勝つ︶と︑②﹁登録対占有﹂・. ﹁占有対占有﹂のルール︵対抗要件を早く備えた者が勝つ︶の二本立であった︒②のルールの前者︵登録対占有︶の場. 合︑先に登録していても実際の与信時期が遅れると︑与信時期が対抗力の取得時期となる結果︵上記の留68︵一︶によ. り︑対抗力が発生するためには担保権成立が必要であり︑また︑留歯8︵一︶により︑担保権成立には現実の与信が必要であっ. たため︶︑登録時以降与信時までの間に与信をして占有を取得した担保権者に劣後することになった︒一九七二年版. 二八三. UCC留山旨︵㎝︶では︑登録制度を重視したルール改正を行い︑①・②のルールを一本化して︑﹁登録または対抗要. 件を先に具備した者が勝つというルール︵津馨8自①自需薩8け⊇包﹂を採用するに至った︒ 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(22) ㈹. 早法六九巻四号︵一九九四︶. 例外1・売買代金担保権. ︵24︶. 二八四. 売買代金担保権には︑①担保財産の売主が︑その代金の全部または一部を担保. するためその担保財産上に取得する担保権の場合︵留−一︒叉四︶︶︑および②債務者が担保財産を取得するために与信し. た者が︑その担保財産上に取得する担保権の場合︵留山ミ︵げ︶︶の二種類がある︒そして︑この売買代金担保権は︑. 担保財産たる物品の種類に応じて︑対抗要件具備方法および先行する担保権との優先順位規制に相違が生じること. から︑①消費者物品上の売買代金担保権︑②設備・農産物上の売買代金担保権︑③棚卸資産上の売買代金担保権︑ 以上三つのタイプに分類しうる︒. 消費者物品上の売買代金担保権は︑消費者物品売主保護の必要性と消費者物品が2度担保化されることは少ない. ︶︶︒. ことから︑担保権成立と同時に自動的に対抗力が付与され︵留−ω8︵H︶︵山︶︶︑担保財産および価値変形物・代償物につ いて優先権がある︵留山冨︵. 設備・農産物上の売買代金担保権は︑担保財産自体に係わる与信であるためその保護が必要なこと︑通常担保財. 産の価値が与信額を上回り他の債権者の不利にならないこと︵担保権の範囲は与信額に限定︶︑他方︑債務者もこの優. ︶︶︒. 先権が認められることによって物品取得の可能性が与えられることから︑債務者が担保財産を占有した時から一〇. 日以内に対抗力を具備すれば︑担保財産および価値変形物・代償物について優先権がある︵竃−ω旨︵. 棚卸資産上の売買代金担保権は︑先行する担保権者との調整のため︑一定の要件を充たした場合にのみ優先権が. 発生する︒すなわち︑債務者が担保財産を占有する時点までに対抗力を具備し︑かつ︑原則として登録日以前にこ. の担保権者に対して売買代金担保権の通知︵特定された棚卸資産の種類・品目につき売買代金担保権を現に有しまたは将. 来有する予定の情報を通知︶をした場合にのみ優先し︑また価値変形物・代償物については︑その優先範囲が﹁同一.

(23) 例外2・取引の通常の過程にいる売主. 担保権者には強力な追求効が認められているが︑これを全面的に. 性のある現金的な価値変形物・代償物﹂に限定されている︵留−竃貿ω︶︶︒. ⑥ ︵25︶. 貫徹すると︑買主としては常にファイナンシング・ステイトメントを調査せねばならず﹁取引の安全﹂が害される. ことから︑﹁取引の通常の過程における買主︵留−8丈︒︶参照︶﹂は︑原則として︑担保権の対抗力が具備されていても︑. また︑この担保権の存在を知っていても︑担保権の負担のない目的物を取得することができる︵洛6ミ︵一︶︶︒もっと. も︑買主がこの担保権の存在を知っていても保護されるのは︑一般に棚卸資産はその性質上担保権が設定されてい. ても売主に売却権限が与えられているのが通常であるからであり︑それゆえ︑売主に売却権限がないなどの事情が. あり買主がこのことを知っていたのにあえて購入したような場合までこれを保護する必要はないから︑その場合に. 第九編の担保制度に関する代表的文献として︑さしあたり︑その歴史︵UCC前史をも含む︶および一九七二年の第九編改正以. は︑買主は同条による保護は受けず︑担保権は存続することになる︒. ︵15︶. 前の状況については︑ρ9豪○召あ密第昌二轟男甥房7︸男ω身き評霜爵⇒︵お臼︶︑一九七二年の第九編改正についてはこれを適. ω. o ︶および甲ρ>召導↓臣い>≦O聞留8鵠o↓召蕊客鋼○基d召男↓臣C冨8召 d呂閃身ζO象冨男ΩヒOO田︵o︒αΦ貸おo︒︒. 切に要領よく解説する︑Oo轟鋤PS壽≧§qGG﹄ミらや魯o︒①コ夷<.r評<.ミ刈︵一︒お︶︑現在の状況については︑旨白霞爵俸痢. O藻鋸男Ωき9目︵臣a﹂︒︒ ︒︒ ︒ 俸ω唇︶﹂3ω︶を参照︒本稿は︑紙数の関係で逐一引用はしないが︑第9編の担保制度・登録制度. については︑主としてこれらの文献に依拠している︒なお︑第9編の担保制度に関するわが国の主な研究文献としては︑Rテラウ. について﹂私法研究四号︵一九六二年︶一頁︑W・シャタッタ・曽野訳﹁日米動産担保法の比較法的一断面﹂︹一九六六︺アメリカ. カー11道田信一郎・アメリカ商取引法と日本民商法11担保権︵一九六一年︶︑関口雅夫﹁アメリカにおける浮動担保︵自8岱轟一一讐︶. 二八五. 法一頁︑谷口安平﹁浮遊担保と否認権﹂法学論叢八八巻四・五・六号︵一九七一年︶一五六頁︑棋悌次﹁アメリカ統一商事法典上の. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(24) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二八六. 完︶﹂法学協会雑誌九五巻二号二一九頁・四号︵一九七二年︶二二四頁︑柏木昇H沢木敬郎・アメリカの担保付取引︵一九八一年︶︑. 担保権の研究﹂関西大学法学論集二六巻四・五・六号︵一九七二年︶一三四頁︑大和田実﹁米国における動産担保法の形成e︵二.. 天谷進﹁UCC第九編における担保権と占有・登録e﹂南山法学五巻四号︵一九八一一年︶二五頁︑北沢正明﹁動産担保取引ω㊦﹂. 9︶諸論文︑小山泰史﹁アメリカ法における浮動担保と売買代金担保権の競合O︵二完︶﹂民商法雑誌一〇五巻六号八四頁二〇六. 国際商事法務二巻六号三八七頁・七号︵﹃九八三年︶四六四頁︑永田雅也・アメリカの動産担保権︵〜九八九年︶︑亀甲前掲︵注. 胃08aωは︑通常﹁処分収入﹂とか﹁売得金・売上収入﹂などと訳されることもあるが︑これには保険金が含まれる︵留−ω8. 巻一号︵一九九二年︶五七頁︑執行秀幸﹁UCC譲渡担保法﹂法律時報六五巻九号︵一九九三年︶六六頁などがある︒ ︵16︶. に該当する︒そこで︑﹁処分収入﹂とか﹁売得金・売上収入﹂という訳語は適切ではなく︑わが国の﹁物上代位﹂でいう﹁価値変形. ︵一︶︶のみならず︑例えば︑債務者が担保財産である新車を売って得た金銭で中古車を買った場合︑その中古車もここでいう虞88房. 物・価値代替物﹂︵わが国では保険金が価値変形物かは議論があるが︶に近い概念と思われるが︑アメリカ法の質08aω規制とわが. 国の物上代位規制とは異なる側面もあること︵例︑上記の中古車が冥08aωになるとか︑担保財産に対する対抗要件具備に加えて︑. れないが︑UCCの担保法規制のうち︑わが国の物上代位規制にほぼ対応するのは質089ω規制であり︑また︑わが国では﹁価値. 価値変形物・代償物の対抗要件具備が問題になるなど︶から︑一部の者が用いているように﹁代償物﹂という訳語の方が適切かも知. 変形物・価値代替物﹂という方がわかりやすいことから︑本稿では仮に﹁価値変形物・代償物﹂という訳語をあてておく︒. ︵17︶ もっとも︑浮動担保を認めて︑売買代金担保権者・取引の通常の過程にいる買主などに対する以外は︑担保権者が強力に保護さ. れるUCCのこのような規制が︑法政策としても望ましいかについては議論がある︒特に︑債務者保護の観点からは︑債務者︵設定. る立場もある︒これらにつき︑執行・前掲︵注15︶論文六八頁︑小山・前掲︵注15︶民商一〇五巻六号八一七〜八頁及び八一一〇頁︵注. 者︶保護はほとんど考慮されておらず︑担保契約の内容次第では︑債務者︵設定者︶に対する過剰で全面的な支配も可能性を指摘す. 8︶︑棋悌次・担保物権法︵一九八○年︶三一一九頁など参照︒もっとも︑債務者には︑与信関係が終了した都度︑担保権者に対し終. この効力は︑﹁浮動担保︵ゆ8臨轟冨ヨ睡8薗p徽魯畦鴇︶﹂概念を用いて説明されることもある︒もっとも︑イギリス法の浮. 囚一目σ①=問OOαρ営ρ<●勾①〇二巨一〇Z無δ昌巴ω曽昌Fお一劉ωニロマω晟︵Z︒U●↓Φ×︒一〇胡︶など︒. 了公示書の交付を請求して対抗力を強制的に消滅させる方法が与えられている︵留ム2︑後述三3㈲参照︶点は注意すべきである︒ ︵18︶. 動担保︵頃8臨鑛魯震鴨︶は︑不動産を含む一切の財産担保であって債務不履行などにより浮動担保が確定する︵R鴇け巴壽呂8︶. ︵19︶.

(25) なお︑イギリス法の浮動担保については︑黄宇楽﹁イギリス浮動担保の研究﹂阪大法学九一号︵一九七四年︶二七頁︑同﹁イギ. までは浮動担保後に成立した特定担保︵呂8箪oo冨茜①︶に劣後する担保であり︑その概念内容が違うことに注意すべきである︒. ︵25︶. 匿R>8Φ宮き800壱︒ダ白o崖ΦΩ蔓2鉾一8巴ωきF㎝愈ω.白9臣︒囑︵↓Φ図﹂︒お︶■. 8pヒoミミき妹ミOミき貸建Oミ蕎鳴気bo§篤ミqりGらq§駄ミ﹄ミ魯㎏気蹄詳q§さ︑§9ミミ軸§帖ミ9魯︵§駄. ファイナンシング・ステイトメント登録制度の仕組み. 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶. 二八七. かなる点に留意して調査を行えばよいのか︵特に︑登録場所︑債務者の名前の問題︑有効な登録か否かは何で判断するか︶︑. 査をしたい者は︑⑦どこの登録所︵①との関連︶で︑⑧いかなる方法で調査すればよいのか︵⑥との関連︶︑⑨またい. どうか︑⑥登録官は︑登録申請時から登録完了までいかなる事務処理手続きをするのか︑その結果︑登録記録の調. ③何時の時点で登録されたことになるのか︑また︑④登録の有効期間規制はどうか︑⑤登録の終了方法については. ファイナンシング・ステイトメントは︑①どこの登録所に︑②どうようなことを記載して登録申請すればよいか︑. 三. 肉鴨ミ欝駄ミミ譜房︶口O置ミ目一 ω︒ 甲菊国<.一︒. の禽ω窪. 小山・前掲︵注15︶論文が︑この問題を詳しく検討している︒その他︑大和田・前掲︵注15︶論文︑尾島茂樹﹁ファ タタリングと動産売買先取特権の物上代位の競合日﹂名古屋法政二一二号︵一九八八年︶二二七以下参照︒. 同法の条文訳・概略については︑さしあたり︑高木新二郎・米国倒産法概説︵一九八四年︶参照︒. 詳しくは︑谷口・前掲︵注15︶論文︑亀田・前掲︵注9︶第二論文参照︒. ω○鑛−ミ. ︒αΩ唇一〇試︶︑ ミミ>二讐岳oω蜜α≦Φ匡一昌のOP㎝8ヌ窪一一〇︒ω︵o. リス浮動担保の実行について﹂同九六号︵一九七五年︶八一頁参照︒ 20 21 22 23 24.

(26) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 二八八. 加えて︑⑨具体的な被担保債権とその金額︑担保権のカバーする担保財産については︑どのようにして調べられる ︵26︶. か︑⑩記載内容に変更があった場合にはどうしたらよいのか︑⑪担保権︵債権︶が譲渡された場合はどうしたらよ いのかにつき︑登録制度の法的位置付けを検討した後︑具体的に考察する︒. 対抗要件は︑管財人や対抗要件を具備した担保権者などの第三者に対す. ー ファイナンシング・ステイトメント登録制度の法的位置づけ ω 対抗要件の持つ法的意義・効果. る対抗要件である︵留−8一︵一︶︶︒他方︑債務者に対する関係では︑原則として担保権が成立要件さえ具備していれば︑. UCCの認める対抗要件具備の方法としては︑①﹁占有﹂による対抗要件具備︑. これを債務者に対抗することができる︵留幽8︶︒成立要件・対抗要件については︑両者の関係も含め︑その詳細は 前述の二5参照︒. ω対抗要件具備制度の概要. ②﹁担保権﹂の成立要件具備に伴う﹁自動的な対抗要件具備﹂︑③ファイナンシング・ステイトメント登録による対. 抗要件具備︑の3種類がある︵紹︒6︒N ︒−8♪︒−︒︒8︶︒各々の人的財産︵その分類につき︑二2参照︶にどの対抗要件. 具備方法が適用されるかについては︑①ファイナンシング・ステイトメント登録のみ可︵債権と一般的無形財産︶︑②. ファイナンシング・ステイトメント登録または占有のどちらでも可︵物品︑権原証券︑動産抵当証書︶︑③占有のみ可. ︵証券︶の三つに分かれる︒その際︑証券以外のすべての人的財産について︑登録制度を利用できる点は注目してよ. かろう︒与信を行おうとする者は︑優先順位の担保権の存在を調査する場合および対抗要件を具備する場合︑担保. 財産の種類に応じて対抗要件具備方法が異なるということに注意を払う必要がある︒また︑この点は︑﹁価値変形物・. 代償物﹂の対抗要件規制を考える際にも重要な点である︵たとえば︑適正に登録された物品が売却されその代金が約束手.

(27) 形で支払われた場合︑約束手形は﹁証券﹂であるため︑登録の時点で具備した対抗要件を継続させるためには新たに約束手形. 占有による 対 抗 要 件 具 備 制 度 と の 対 比. 物品︑権原証券︑動産抵当証書の三種類の担保財産は︑登録・占. の占有による対抗要件具備が別途必要になる︒前述二4㈹参照︶︒. ⑥. 有いずれの方法を用いて対抗要件を具備してもよい︒ところで︑UCC第九編の場合︑両者の公示の程度に具体的. にどの程度の差があるだろうか︒もし︑かなり差があるとすれば︑対抗要件制度の併存を認めることは当然問題視. され︑登録制度に一本化されるべきだとする批判や提案がなされることが予想されるからである︒. UCC第九編の対抗要件は︑以下のような特徴を有する担保権のそれである.すなわち︑①﹁人的財産﹂を対象. とし︑②﹁担保権﹂公示に限定され︑また︑③﹁担保権﹂の法形式は︑統一的担保権概念の採用により﹁担保権﹂. 一種類である︒そして︑被担保債権や担保財産などに関する具体的規制としては︑④担保財産の種類・占有の有無. を問わず原則として同一の法規定が適用されるが︑必要に応じて︑担保財産の種類ごとに特別規定を適用するとい. う規制方法が採用され︑⑤被担保債権規制について極度額限定のない根担保を認める一方︑⑥担保財産規制につい. ては︑爾後取得財産条項の効力を認め︑現存する担保財産のみならず将来のそれに対してもその効力を及ぼすこと. ができ︑しかも︑⑦担保権設定契約で担保財産の処分権を認めていたりへ営業の通常の過程にいる買主﹂の出現に. より︑その追求効を遮断されない限り︑製造・加工・組立された結果できる製品の場合も含め︑担保財産に対し追. 求効があり︑加えて︑⑧担保財産の処分があった場合には︑その﹁価値変形物・代償物﹂に対してもその効力が及. ぼすこと出来るという特徴を有する担保権である︒その結果︑担保権の内容はかなり明確となっているが︑その他. 二八九. に担保権者が知りたいと望む重要な担保情報としては︑先順位の担保権の有無・担保財産の種類・品目などだと思 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

(28) 早法六九巻四号︵﹃九九四︶. 二九〇. われる︒ところで︑担保権者としては︑債務者の手元に当該担保財産が占有保持されていない以上担保財産として. 期待しないのが通常であろうが︑仮に︑他の担保権者の担保財産となっていることを承知の上でそれを担保取得し. ようとする場合︑﹁いかなる担保権者﹂が﹁いかなる種類・品目の担保財産﹂を占有しているかは︑債務者からの情. 報を手掛かりに調査すれば︑比較的容易に分かるはずである︵分からない場合には︑担保権者は貸付をしないであろう︶︒. このような前提がなりたつとすれば︑ファイナンシング・ステイトメントが与えてくれる情報の場合と大差がない. ことになろう︒この点は︑わが国の集合動産担保︑動産担保の対抗要件制度としてその導入を検討する場合の重要. 登録の対象︵﹁担保取引の内容﹂か︑﹁その存在可能性の警告﹂か︶. な視点のーつとなろう︵なお︑﹁占有﹂には占有改定は含まないことにも注意すべきである︶︒ 2. UCC以前の登録制度には︑二つの方式が存在した︒その一は︑初期の制定法が採用した﹁担保契約書登録・担. 保取引登録︵霞き墨&oa葺轟︶﹂と呼ばれる方式で︑担保権設定契約書またはその写し︑つまり﹁担保取引﹂の具体. 的内容︵被担保債権・担保財産などに関する約定︶を登録する方式であり︑担保財産の正確な記載を含め当事者間の合. 意事項のすべてが登録開示されることになった︒その2は︑流動資産担保・集合担保のために採用されたヨ9一8. 窪一轟︵警告登録︶﹂方式で︑﹁担保権が存在する可能性について第三者に対し︑知らせ・警告すること﹂を意図してつ. ︵27︶. くれられた制度である︒その際の典型的な記載事項としては︑両当事者の署名および住所︑担保財産の種類だけが 登録開示されることになった︒. UCCは︑﹁ぎ膏巴臣轟︵警告登録︶﹂方式を採用して︑被担保債権規制について極度額限定のない根担保を認め. る一方︑担保財産規制については︑爾後取得財産条項の効力を認め︑現存する担保財産のみならず将来のそれに対.

(29) してもその効力を及ぼすことができ︑担保権が成立する以前になされたファイナンシング・ステイトメントの登録. も有効とされ︑担保権が成立要件を具備する以上︑原則として登録時の順位で優先関係が決定されることになった. ︵28︶. ファイナンシング・ステイトメントの登録場所につき︑UCCでは三つの案を提示しいずれか. 登録豊品の仕組み. ︵現行法たる︑一九七二年改正法の内容については︑二5ω参照︶︒. 3 ω 登録場所. の案を選択するものとした︵留よ︒一︶︒その際︑中央集中登録制度︵︒窪窪巴豊績亀器ヨ︶と地方登録制度︵一〇8一窪渥. 塁ω8ヨ︶という考え方を理解する必要がある︒歴史的には︑当初︑動産譲渡抵当法・所有権留保法で︑郡などの地理. 的単位ごとにその登録所に登録する制度︵﹁地方登録制度﹂と呼ばれる︶が採用されたが︑その後︑統一トラスト・レ. シート法がこれを州の州都にある登録所で一元的集中的に登録する制度︵﹁中央集中登録制度﹂と呼ばれる︶を採用し. て以降︑この制度が受取勘定債権法・ファクターズ・リーエン法にも拡大したという経緯がある︵Ooヨヨ8二8竃 −お一︶︒. 第一案は︑原則としてすべての人的財産につき中央集中登録制度を採用する案である︒ただし︑不動産と関連性. のある人的財産取引︵伐採予定の立木︑鉱物類︑鉱物類の売却による売掛金債権︑および定着物︶については︑不動産が. 地方登録となっている関係で︑不動産担保権が登録されるべき登録所に登録すべきだとする︒. 第二案は︑中央集中登録制度と地方登録制度の折衷案である︒すなわち︑不動産と関連性のある人的財産取引に. 加え︑地方との結びつきの強い人的財産取引︵農業活動に関連する設備︑農産物︑その売買またはその売買と関連する債. 二九一. 権もしくは一般的無形財産︑消費者物品︶につき︑債務者の住所のある︵債務者がその法域の住民でない場合は担保物が保 動産・債権・権利の担保化と対抗要件制度︵序論︶.

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