女川湾における尾虫類,特にOikopleura dioicaの生
態に関する研究
著者
秋保 太郎
号
868
発行年
2005
URL
http://hdl.handle.net/10097/16039
氏
名(本籍)
学 位 の 種 類
学 位 記 番 号
学位授与年月 日
学位授与の要件
研 究 科 専 攻
学 位 論 文 題 目
あ き ほ た ろ う秋
、
保
太
郎
博
士(農
学)
農
博
第868号
平
成18年3.月24日
学 位 規 則 第4条
第1項
該 当
農 学 研 究 科 環 境 修 復 生 物 工 学 専 攻
(博 士 課 程)
女 川 湾 に お け る 尾 虫 類,特
に0∫ んop1ε
〃ra4'o'cα の 生 態 に
関 す る研 究
論 文 審 査 委 員
旭
志
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成
卓
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口
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助
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主
副
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論
文
内
容
要
旨
は じ め に 尾 虫 類 は オ タ マ ボ ヤ と も 呼 ば れ 、 脊 索 動 物 門 、 尾 索 動 物 亜 門 、 尾 虫 綱 、 尾 虫 目 に 属 す る ゼ ラ チ ン 質 動 物 プ ラ ン ク ト ン で あ る 。 尾 虫 類 は 「ハ ウ ス 」 と 呼 ば れ る 分 泌 性 の 非 常 に 精 巧 な 濾 過 装 置 の 中 で 生 活 し 、 ハ ウ ス に 備 わ るInletfilterとFood concentratingfilterの2つ の 目合 い の 異 な る フ ィ ル タ ー を 使 う こ と で 摂 食 に 適 し た サ イ ズ の 粒 子 を 濾 過 摂 食 し て い る 。特 に 、サ ブ マ イ ク ロ サ イ ズ のFoodconce皿trati皿g51ter を 持 つ こ と に よ り 、 尾 虫 類 は バ ク テ リ ア や コ ロ イ ド粒 子 す ら も 直 接 摂 食 す る こ と が 可 能 だ と い わ れ て い る 。 尾 虫 類 は こ の よ う な ハ ウ ス を 絶 え 間 な く 更 新 し て 植 物 プ ラ ン ク トン や バ ク テ リ ア な ど が 付 着 し た 古 い ハ ウ ス を 海 中 へ 放 棄 し 続 け 、 放 棄 さ れ た 大 量 の ハ ウ ス は "M面nesnow"と な っ て 中 深 層 や 海 底 の 生 物 群 集 へ 有 機 物 を 供 給 す る こ と が す で に 知 ら れ て い る 。 近 年 、 カ イ ア シ 類 や オ キ ア ミ類 、 ウ ナ ギ 科 魚 類 仔 魚 な ど の 胃 内 容 物 中 に 高 い 頻 度 で 尾 虫 類 ハ ウ ス が 出 現 す る こ と が 報 告 さ れ 、『ハ ウ ス に 付 着 し た 植 物 プ ラ ン ク ト ン や バ ク テ リ ア な ど の 微 小 な 有 機 物 が 上 位 捕 食 者 に 直 接 転 送 さ れ る 独 特 の 食 物 網"Appendicularianshort-circuit"を 形 成 し て い る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 バ ク テ リ ア な ど の 微 小 な 有 機 物 を 上 位 捕 食 者 に 伝 達 す る 経 路 と し て は"Micmbialfbod web"の 存 在 が 知 られ て い る が 、 多 く の 栄 養 段 階 を 経 る た め に 有 機 物 の 多 く が 経 路 内 で 代 謝 さ れ て し ま う と 考 え ら れ て い る 。 一 方 、 尾 虫 類 や そ の ハ ウ ス を 介 し た 食 物 網Appendiculadansho耽 一circuitは、Micmbiaifbodwebよ り も 有 機 物 の 伝 達 が 直 接 的 な た め 非 常 に 効 率 の 良 い 経 路 で あ る と考 え ら れ る が 、 そ の 定 量 的 な 研 究 は 行 わ れ て い な い 。 これ ま で 、 尾 虫 類 に 関 す る 研 究 は 室 内 実 験 を 中 心 に 盛 ん に 行 わ れ て き た も の の 、 自 然 群 集 を 対 象 と し た 研 究 報 告 は 少 な い 。 本 研 究 で は 宮 城 県 の 女 川 湾 に お い て 、 尾 虫 類 の 現 存 量 と 季 節 変 動 に 関 す る 基 礎 的 調 査 に 加 え 、 ハ ウ ス 生 産 量 に 関 す る 飼 育 実 験 お よ び 現 場 観 測 を 行 い 、Appendiculariansho丘 一circuitを介 し た 有 機 物 フ ラ ッ ク ス の 定 量 化 を 試 み た 。1、 女 川 湾 に お け る 尾 虫 類 の 出 現 と そ の 季 節 変 動 尾 虫 類 の 種 組 成 、 現 存 量 お よ び そ れ ら の 季 節 変 動 を 調 べ る た め に 、 女 川 湾 最 奥 部 に 定 点St1(平 均 水 深23m)を 設 け(Fig.1)、2002年11月 か ら2003年12月 の14ヶ 月 間 に27回 の 採 集 を 行 っ た 。 動 物 プ ラ ン ク トン はNOR踏Cネ ッ ト(目 合100μm) に よ る 海 底 直 上 か ら の 鉛 直 曳 き に よ っ て 採 集 し 、 実 体 顕 微 鏡 下 で 尾 虫 類 の 計 数 お よ び 種 の 同 定 を 行 っ た 。 同 時 に 、 海 洋 環 境 調 査 と し てSTDに よ る 水 温 お よ び 塩 分 観 測 、 水 深0、5、10、15、20m各 層 の ク ロ ロ フ ィ ル α濃 度 の 定 量 を 行 っ た 。 ま た 、 尾 虫 類 現 存 量 が 高 く な る と 予 想 さ れ た2003年642月 に は 、『餌 環 境 を よ り詳 細 に 見 る た め に 、 ピ コ(<2μm)、 ナ ノ(2-20μm)、 マ イ ク ロ(>2qμm)の 各 サ イ ズ 画 分 の ク ロ ロ フ ィ ル α濃 度 と 、 バ ク テ リ ア 現 存 量 も あ わ せ て 調 査 し た 。
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霧
灘 羅
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霧灘欝 霧
1 L ★ S 饗 0朋9αwαBの2Fig.1.LocationofthesamplingstationinOnagawaBayonthenorthwestern
PacificcoastofJapan.
観 測 期 間 中 、 女 川 湾 で は0ゆ 属ε〃zα8ハαc跳 、0.Zoπ81cω 吻 、α 瞬5c8加 、α4foεo仏 (λ卿 α、(λcρ ρ加c8π:仏F7ご 配 伽 如 加 昭読 ∫、Eρ ε砺c漉 の2属8種 の 尾 虫 類 の 出 現 が 確 認 さ れ た(Table1)。 ま た 、 尾 虫 類 は 低 水 温 期 に は 出 現 せ ず 、 初 夏 か ら 冬 にTable1.OccurrenceofappendiculariansatSt.linOnagawaBayduringtheperiodfrom November2002toDecember2003. 0瀕叩 惚㎜ 解 薦 0面 薦9記㎝ 血 0π 幽`8船 0伽 加 0μ 四8 0`ρ ρ盈㏄8欄 F轍50鷹 廊 Rpε 翫躍地 20022003 NDJFMAM 手 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 JJASOND 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 手 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 6000
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inOnagawaBayduringtheperiodfromNovember2002toDecember2003.
か け て 多 く 出 現 し た 。 こ の 傾 向 は 、(λJo〃87ごα蜘 、(λ4'o'oα 、Eわo泥 α傭 の3種 に お い て 顕 著 で あ っ た 。 こ れ ら3種 は2003年3-5月 の 低 水 温 期 を 除 い て 高 い 頻 度 で 出 現 し 、 そ の 間73-100%の 優 占 率 を 示 し た 。 ま た 、 夏 季 の 高 水 温 期 に は 高 い 現 存 量 を 示 し(Fig2)、 成 熟 個 体 の 出 現 も 観 察 さ れ た 。 以 上 の こ と か ら 、 こ れ ら の 優 占 種 に 代 表 さ れ る 女 川 湾 の 尾 虫 類 群 集 は 初 夏 に 暖 水 と と も に 流 入 し 、 高 水 温 期 間 に は 湾 内 で 活 発 に 再 生 産 を 行 っ て い る も の の 、 冬 季 の 水 温 低 下 と と も に 死 滅 す る 』と
考 え られた 。 一方 、0.8ハαc廊、(λ7虚3c8鰐 、0.ραrり
α、(λ6ρ助ocεκα、Eρ8〃〃`娩
につ いて は、 出現 が秋 か ら冬 に限 られ て いた上 に現 存 量 も低 く、成 熟個 体 も観 察
され なかわ た 。 したが って、 これ らの5種
は津軽暖 流 系水 の流入 に伴 っ て湾 内 に
入 る ものの 、湾 内で は増殖 で きな い もの と判断 され た。 以 上 をま とめ る と、女 川
湾 内 に は固有 の尾 虫類群 集 は存在 せ ず、 全 て湾外 か ら移 入 して くる こ と、そ の う
ち 高水 温期 に湾 内で増殖 で き る3種
が優 占種 とな る こ と、 しか し、後 者 もまた 低
水 温期 に は死滅 す る ことが明 らかにな った。
女川 湾 にお け る尾 虫類 の 出現 は流 入 湾外 水 に支 配 され てお り、そ の指標 と して
水 温 と塩 分 が 使 え る と考 え られ る。そ こで、 高水温 期 に お け る現存 量 変 動 の 要 因
を調べ る た め に、2003年6-12月 期 の優 占種3種 の現 存 量 と水 温 お よび塩 分 との相 関
解析 な らび に餌 環境 の指標 とな るサイ ズ別 ク ロロ フィルα濃 度お よび バ クテ リア現
存量 との相 関解 析 をそ れぞ れ行 った(Table2)。 そ の結果 、暖水 性 が強 い0.Joη8'o卿吻
の現存 量 は水 温 の支配 を強 く受 けて いた こ と、適温範 囲の広 い(λ4観cαは この期 間
にお いて はナ ノサ イズ以 下 の植物 プ ラン ク トン現 存 量 の支配 を受 けて いた こ とが
明 らか にな った 。
Table2.Thecorrelationsofeachabundance(indiv./m3)ofthreedominantappendicularianspecies tomeanconcentrationsofsizefractionedchl.a(オg/L),bacteriaabundance(cells/mL), meantemperature(ーC)andsalinityinthewatercolumnatSt.1inOnagawaBayduringtheperiod fromJunetoDecember2003. ChlorophyllaPi60騨Nano●PkO+Nano・M匝crO■To翰 亘IBao戯}riaTemp・Sa1血 盛重y
0吻 惚πハ望面πg魔繍NSNSNSNSNSNSr=0.601*r書 ■0.613串
0,伽 血σNSr30占59喰r30。646**r=0324零r=0.602串NSNSNS
F棚4δ の㎎ 廊NSNSNSNSNSNSNSNS
2、0吻
海… 冨4あ勧 の二 次 生 産 者 と して の 機 能 とそ の 生産 量
水温 が最 も高 い、す な わち尾 虫 類 の生 理活 性 が 最 も高 い と予想 された2003年9月
2-4日 に、東 北 大 学大学 院農 学研 究 科 附属 複 合 生態 フィー ル ド生態研究 セ ンター に
お い て 、Appendiculahanshor←ci茄cu孟tを 介 し た 有 機 物 フ ラ ッ ク ス を 見 積 も 局 た め の 飼育実 験 を行 った 。SL1に
お いて女川 湾 の最優 占種 で あ る0.4`o'cαを採集 し、 同時 に
採 集 した海水 か ら20μm以 上 の粒 状物 を除 いた 自然海 水 中で飼 育 を行 い、ナ ノサイ
ズ以 下 の粒 状有 機 物が ハ ウス お よ び そ の付 着 物 として上位 食段 階へ転 送 され る量
を測定 した。飼 育 に は容積ILの
ポ リカ ーボ ネイ ト製 ボ トル を使用 し、海水1Lに
対
して(λ4観c4を10個 体 ず つ入 れ た もの を実験 区、海 水 のみの もの を対照 区 として そ
れぞ れ24時 間飼育 した。 この実験 は2回 繰 り返 され た。そ して 、 これ によ り粒 状有
機 物(POC)、
ク ロロ フィルα、バ ク テ リア の除 去 率 をそれ ぞ れ調 べ る と と もに 、
ハ ウス生産 速度 と放棄ハ ウス炭 素 量 の測定 を行 った。
12一 〇 8 一 ー ユ ( 日 目 ≧ 冤 ち 一 × ) ノ0 4 . 2 8 目 留 唱 唱 目 盈 6 劇 嶋 ﹄ 8 舅 箇 0 一◇一Contro1 一● 一w/100`㎞P々 露π14」6」`4 04812162024Time(b)
Fg.3.Temporalvariationsinbacteriaabundancewith(w/100ikopleuradioica)
orwithoutDikopleuradioica(Control).
バ ク テ リ ア の 除 去 率 は 有 意 に 高 く 、0.4観cα で は2.4×108cells/indiv.1d、 炭 素 量 換 算 で4.8μgC!indiv./dで あ っ た(Fig.3)。 ま た 、 飼 育 実 験 期 間 中 の 総 ハ ウ ス 炭 素 量 、す な わ ち 、1個 体 の(λ4娚cα に よ っ て 放 棄 ハ ウ ス の 形 で 転 送 さ れ る ナ ノ サ イ ズ 以 下 の 粒 状 有 機 物 量 は7.4μgClindMdで あ り、 こ の う ち1.4μgCは 摂 食 さ れ ず に ハ ウ ス へ 付 着 し た バ ク テ リ ア で あ っ た と 推 定 さ れ た 。 しか し 、 こ の 時 の ハ ウ ス 生 産 速 度 は3.98houseslindMdと い う 低 い 値 で あ っ た 。検 鏡 の 結 果 、飼 育 海 水 中 に は 長 さ80μm を 超 え る 針 状 の 珪 藻P56励 一η」伽c伽sp.が 優 占 して お り 、 こ れ が30μm以 上 の 粒 子 を 通 さ な い と い わ れ る(λ4∫o'cαハ ウ ス のlnlet刷terの 目 詰 ま り を 起 こ し た た め に 、(λ 4まo`cαの 摂 食 が 阻 害 さ れ た と考 え ら れ た 。 す な わ ち 、 こ の と き に は 不 適 サ イ ズ の 珪 藻 の 卓 越 に よ り 、 結 果 的 に 餌 不 足 が 起 こ っ た と い え る 。
3、 女 川 湾 に お け る 尾 虫 類 ハ ウ ス の沈 降 量
尾 虫類 が 高 い現存 量 を示 す 夏秋 に相 当す る2003年7月 、9月 、10月 に、St1の 水深
5mお
よ び15mに2つ
のセ デ ィ メ ン トトラ ップ を3-5日 間係留 し、女 川湾 にお け る尾
虫 類 ハ ウス の 沈 降 量 を 実 測 した 。 同時 に各 トラ ッ プ 係 留 深 度 か ら水 面 ま で の
NORRへCネ
ッ トによる鉛 直採 集 を行 い、先 述 の優 占種3種 の0-5m、5-15m層
におけ
る現存 量 をそ れ ぞ れ測 定 した 。 得 られた 現存 量 デー タ と、 室 内実験 に よ って明 ら
か に され て い る既 報 のハ ウス 生産 速度(Sato8'4ム,2003)な
らび にハ ウス生産速度
と水 温お よ び塩 分 との 関係 式(Sato8'α
乙,2001)か
ら、St1に
お ける3種 の尾虫類
ハ ウス の生産 量 をそ れぞ れ 計算 し、沈降 量 との比較 を行 った。
7月 お よ び10月 の0-15m層
にお け るハ ウス沈 降量 は計算 で求 め られ たハ ウス生産
量 とほ ぼ等 し く、生 産 され た ハ ウス のほ とん どが沈 降 中に他 の 生物 に利 用 され る
ことな く下 層 へ 移 送 され て いた と考 え られ た(Fig.4)。
一方 、9月 に は計算 で求 め
られ たハ ウス 生 産 量 に対 す る沈 降量 の比 が極 めて低 く、実 際 のハ ウス生産 量 は計
算値 よ り甚 だ しく低 か った か 、 あ るいは 沈 降 中に高 い摂 食圧 を受 け て消 費 されて
いた 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。9月 の トラ ッ プ 係 留 期 間 は 上 述 の 飼 育 実 験 を行 っ た 時 期
と一致 す るが 、 この 間 の ク ロ ロ フィルα濃度 、す なわ ち潜在 的 な餌料 プ ランク トン
量 は増加 して い た にもか かわ らず 、0.4'o`cα現存量 は急 激 に減 少 して いた(Eg.2)。
90 80 刀 ω . 釦 ④ 30 20 10 0 (罫 ξ 刷。 旨 2 る ︻ x 言 盛 目 言 。 旨 。 = Ju置y 沼Hoロse飢 町 } 1ロH・ 贈 脚 血 曲n
September
October
Wig.4.TotalhousefluxandestimatedhouseproductioninO-15mlayer atSLld面ngeachsamplingperiodfrom23to28July, 1to4Septemberand10to140ctober2003. 弱 鱒 錐 30 蟹 20 15 10 5 0ρ
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Fig.5.Ab1mdallceofル 〃cro3θ ∫8ZZαηor昭8'6αandOηcα εαsp. atSt.10n23and28July,Iand4September,
and10and140ctober2003.
こ の こ と は 、 現 場 に お い て も飼 育 実 験 と 同 様 に 珪 藻P∫θ加b一厘伽o海 αsp.に よ る 摂 食 阻 害 が 起 こ っ て い た こ と を示 し て い る 。 こ の こ と が 、9月 の0、4観oα ハ ウ ス の 沈 降
過 大 評 価 を 招 い た 理 由 で あ る と 考 え ら れ る 。 一 方 で 、0.Zoπ8加 〃面 とEわo脚 伽 の 現 存 量 は こ の 間 に も 減 少 し て お らず 、 両 種 に はP∫2蜘 一π畑 醐 αsp.に よ る 摂 食 阻 害 は 起 こ ら な い と い え る 。 ま た 、 ト ラ ッ プ 係 留 期 間 に わ た り 、 沈 降 ハ ウ ス を 摂 食 す る こ と が 知 られ て い る カ イ ア シ 類0ηc磁 αsp.お よ び 雌 αり5鷹 磁 ㎜rりε8ε偲 の 現 存 量 を 調 べ た と こ ろ 、 ど ち ら も9月4日 に 高 か っ た(Fig.5)。 こ の こ と か ら 、9月 に は カ イ ア シ 類 に よ る 沈 降 ハ ウ ス の 消 費 が 起 こ っ て い た と 推 察 さ れ 、Appendiculahansho貢 一 cirC嘘 が 機 能 し て い た 可 能 性 が 高 い 。 こ の と き(λ4ぽ0ごCαの 放 棄 ハ ウ ス を 介 し て カ イ ア シ 類 へ 転 送 さ れ る 有 機 物 フ ラ ッ ク ス は 、飼 育 実 験 で 得 ら れ た 値 か ら90.7mgClm2!d と 計 算 さ れ 、 そ の う ち17.OmgCが 沈 降 ハ ウ ス に 付 着 し た バ ク テ リ ア で あ る と 推 定 さ れ た(Fig.6)。 "Clearance" Bac重e血 standingstock 1872.6mgC/mz 89.3 0此 ρψ 〃π富ゐo``α population biomass 4.5mgGm2 "Houseadherence" 26.0 ル倣:'o詔 飽 伽 πo搾 θ9覚4 伽oα θαsp. 17680.5血1由 ▼ノm2 み
纒 欝
`Sed血nen加 雌on,, 9.0↓
》
↓
Fig.6.Fstimatedcarbonflow(mgC/d)frombactedato屈ghertrophidevdsthmugh the"appendicularianshort-circuit"byDikopleuradioicaintheupperISmlayeratSt.1 inOnagawaBayduringtheperiodfromlto4September2003.ま と め
以上 に述べ た本 研 究 の成果 を ま とめ る と、(1)女
川 湾 にお いて尾 虫類 は水 温 の
高 い 初 夏 か ら 冬 に か け て 出 現 し 、 こ の 期 間 に ピ コ ・ナ ノ プ ラ ン ク ト ン を 消 費 し て 大 量 の ハ ウ ズ を 生 産 す る 重 要 な 二 次 生 産 者 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。(2)女 川 湾 の 最 優 占 種(λ4joごcαの 現 存 量 は 、 至 適 水 温 期 に は 摂 食 に 適 し た ナ ノ サ イ ズ 以 下 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン 現 存 量 に 支 配 さ れ て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。(3)環 境 水 中 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 大 き さ や 形 状 に よ っ て は ハ ウ ス のlnlet刷terが 詰 ま る こ と で 尾 虫 類 が 摂 食 阻 害 を 受 け 、 現 存 量 や ハ ウ ス 生 産 量 の 低 下 を 引 き 起 こ す 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 こ の 現 象 はlnletfilter構 造 の 違 い に よ っ て 種 特 異 的 に 発 現 し て い る と 考 え ら れ た 。(4)沿 岸 域 で は 尾 虫 類 の 現 存 量 は 高 い も の の 、 そ の 放 棄 ハ ウ ス は す ぐ に 海 底 に 沈 降 し て し ま う た め 、水 柱 中 の 食 物 連 鎖 に 連 結 し な い と さ れ て き た が 、 女 川 湾 で は そ の 推 測 は 当 た ら ず 、 沈 降 ハ ウ ス が 優 占 す る カ イ ア シ 類 に 摂 食 さ れ 、 Appendicularianshoルci舶cuitが 成 立 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。(5)Appendiculadan short-cilcuitを 介 し て バ ク テ リ ア か ら 上 位 捕 食 者 へ 移 送 さ れ る 有 機 物 フ ラ ッ ク ス を 17.OmgC!m2/dと 見 積 も っ た ほ か 、 女 川 湾 に お け る 尾 虫 類 の 重 要 度 を 初 め て 定 量 的 に 宗 す こ と が で き た 。 引 用 文 献 Sato,R.,Y.TanakaandT.Ishimaru(20U1)HouseproductionbyOikopleuradioica (Tmicata,Appendicularia)underiaboratoτyconditions.ノlP如 ηセoηR8乱,23:415-423. Sato,R.,YTanakaalldTIshimaru(2003)Species-specifichouseproductMtyof appendicularians.Mar.Ecol.Prog.Ser.,259:163-172.