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〈判例研究〉上長の指示違反を理由とする懲戒解雇と不当労働行為

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急調例函渠壼

上長の指示違反を理由とする

懲戒解雇と不当労働行爲

西

昭和二九年一月二四日滋智夙県地労委論裁定−出果洋レーヨン事件

事実および当事者の主張

 孟甲立入は昭和二八年一〇月一四日就業規則蓮反を理由に.被申立人 東洋レーヨン株式会社から懲戒解雇された。事件は大津市石山の滋 賀工場でおこった。ここには從業員五千名を紅合員とする滋賀工場 労働組合がある。申立人はこの解雇は申立人の組合活動を圧殺せん とするためであり不雷労働行道であると主張し、被申立人は上長の 指示に從わないから就業就則にてらし懲戒解雇したのであり正課な 組合活勘を理由とする解雇ではないといい、地労委は組合活動︵た とえば解⋮雇反対の賭謬名疽運動︶が﹁解雇の理由になっているかという 点についてはこれが解雇の決定的原因であったという証拠がない﹂ とし、使用者が申立入を解雇したのは、就.業規則痒六条後段︵就業規 則第六条はつぎのことくてある。﹁從業員はこの規則その他会肚の規定、告示、掲示なら

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びに誓約書などを誠実に遵守する外、業務に関する会謎の指示命令に服して職場の秩序を 保持し相協力してその職責を遂行しなけれはならない﹂︶違反の事實について四副則 を適用したもので使用者の不雷労働行爲はこれをみとめることがで きないとしこの申立を棄却した。  申山ユ人の主︸張  1、昭和二八年七月下旬申立人が職場.幹事の補欠選 拳に立候補し たところE代議員が﹁しっかりやってくれ﹂といっておきながら選 峯當[日になって﹁やめてくれ﹂といってきた。これはK主任が﹁・甲 立入は思想的だから置碁役員にしてはならない﹂とE代議員にいっ たからである。  また、同年一〇月申立人が労働組合の代議員選摯に立候補するこ とを憲小生に話したとζろ、舎監が憲爪の革附砂甲任委官署長に﹁出甲山ユ入は赤 だから言動.を調査してくれ﹂とたのんだ。  これらのことは会社が職制を通じて申立入の組合活動を圧迫した ものである。  2.昭和二八年九月五日申立入がその職場にきた友入と挨.拶をし たところ、職場で許可なく面会することは就業規則違反であるとし て始末書の提繊を求めたが、その提出を拒否したところそれ以後申 立入の・行動.をきびしく監視した。  3、昭和二八年九月一九日申立入がさきに解雇になったUのこと につき舎監の行動をなじったところそれ以後一屡監視をきびしくし た。 八三

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 4、昭和二八年九月二〇日、九月ニ西日申立人か会社正門よリ工 揚内へ入ろうとしたところ、守衛が不当に申立人の身体検査菱おこ なった。  5、由Ψ山ユ入がさきに解一院皿になったUの不当革自切rり反対の署名運動 を積極的におこなっていたことに対して,寮主任は寮内掲示板に署 名した者は解雇になることを暗にほのめかした福示をした。  6、昭和二八年一〇月一四日人事主任は申立人が標準作業を守っ ていないとの不当理由で解雇を言い渡した。  以上のごとく申立入が肩揚幹事、代議員選挙に立候補したことに 対する陰圧は組合活動への干渉であり、申立入が委員会において発 言したこと.Uの首切り反対暑名告動をやったことに対する掲示は 寮自治会への干渉である。申立人を解雇したのは標準作業を守らな いことにあるのではなく、申立人の自治活動ならびに組合活動を圧 殺せんがためである。  被申立人の主張  1、申立人が職場幹事、代議員選挙に立候補したことは会社の與 り知らないことである。  2馳申立人が課外の友入と対談していたので注意を與えたところ 反抗的な態度を示し就業規則を無視した態度をとった。  3、寮の常任委員会に舎監が目送したのは寮内における幅利厚生 施設の實施改善などにつき自治会役員より出席を求められたもので 寮生の発言を封じ申立人を監視するためではない。  4、身辺検査は申立入が危業物を持込むとの無記名投書があり、 就業規則にしたがっておこなった電のである。 八四  5.碧名蓮動については﹁署名は強旧してはいけない﹂との意味 で掲示したものである。  ﹁会社が申立人を解雇したのは申立入が本年七、八月頃無断欠勤 または理由を詐称して欠勤するなど勤務成績芳しからず、また台持 ち伽業においても技能低劣.であり、九月=二日標準作業である﹃ガ イド拭き﹄を怠ワ戒告を弓けたが、さらに一〇月五日﹃ゼット調﹄ を台心って糸掛けをしており主任より注意を輿え顛末書の提毘を求め たが﹃書かない﹄とだけいい他は黙して応えず、却って反抗的態度 にでて毫も改俊の情を示さず、 一〇月七日課長より警記、さらに主 任に合じて申立人を呼びにやらしたが応ぜず﹃用があれば此処へく ればよい﹄とうそぶいて敢えて主任の指示命令に從わずしさいごに 掛長に説得されて課長の許にきても﹃ゼット調﹄を台心つた点につい てはこれをみとめてもそれが﹃悪いとは思わない﹄とあくまで改俊 の情がみとめられなかった﹂との理由により賞罰委員会に提訴し審 議の結果一〇月一三日同委員会で懲戒解雇に決定したもので、解雇 は就業規則違反を理由としたものである。 裁 定  ユ、会社が職制を通じて圧迫したかという占いについては謹人はこ れを否認している。しかのみならず主任、班長、伍長および寮舎監 はそれぞれ組含員であり、これらの者に会社の代表資格﹁はみとめら れず、とくにム本社がこれらの者を通じて圧迫をなさしめたという謹 拠なない。

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 2.作業場で許可なく話をしたことに注意を与えたことはとくに 不巻ではない。  3、申立人が山寮の常任委員会で杢口監をなじったことについてはと くに組合淫.勲と關係がない。  4、身体検査は就業規則にしたがったものでとくに組合蓮動を暉 圧したものとはみとめられない。  5、申立入がU︵昭和二八年滋︵不︶第六号事件申立入︶の解雇反対につい て蹄白瓜運動を積趣的におこなったことについては談嘗によってあき らかであるが、またこのことについて寮内掲示板に寮生主任の福示 のあったことは使用者もこれをみとめている。しかしこのことが解 雇の理由になっているかという点についてはこれが解雇の決定的原 因であったという証櫨がない。  6、会社が申立人を解雇した理由を全面的にみとめた。そして会 社が申立入を解雇したのは就業規則第六条後段違反の事實について 同帰一〇八条二号を適用し解雇したもので不当労働行爲はこれをみ とめることができないと裁定した。 ︵決識事項︶ ﹁申立人の主張事 實は、事實に相蓮しており、却ってA仁恵の解⋮雇 理由に姜当性がある から、不当労働行爲は成立しない﹂。 研 究 一  わが憲法は第こ八条で鋤労者の団結する権利および団体交渉その 他の団体行動をする権利を保障している︵憲法が労働岩といわずに

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勤︸労者といっていることについては﹁註解⋮日本・国憲法﹂.﹁労働法 の内幕﹂季刊労働法第八一九暑,など参照。勤労者とうたうことに よって広い意味をもたせようとしたことはまちがいない︶この団結 権の確保のために労組法ほその第七条に︵旧法第一一条︶不当労働 行為制度を規定した。 ﹁この不当労働行爲の制度は、労働者に團結 権・團体交渉権および争議権を憲法で保障しているわが法剃のもと においては、それは.いわば憲法の精神にそう亀のとして、この捌 度.についての墓本的な考え方のうちにアメリカ法におけるとは若干 ことなったものを看取することができる。しかし、また.それは勢 働蓮動に対する国の特題の補強方策であることは、たしかであり、 その意昧では、すでに述べたように、この不労労働行暮制度による 特別の救済は驚法の保障以上に特別の助成を奥えたものというべき である﹂ ︵石井教授﹁労働剛法﹂一七四頁︶との見解があることを付 け加えておこう︶凱戦後、わがくにの湛魯僻がアメリカ法の影丁目を⋮過分に うけた︵むしろ占領箪の指導甲.に今までの大陸法系よリアメリカ法 言への転換であった︶ことほいうまでもないが、この不当労働行為 制度も亦アメリカ没、特にワグナー法をならってつくられた。しか しその社会的地盤と組合組織をことにするわがくにでほ、この制度 がはたした役割はだいぶんにちがっているようである。  元来アメリカでは不当労働行為の制度は使用者の組合そのものに 対する不当労働行為を抑捌するためにとられたもので、わが労組法 第七条第三号の問題、すなわち使用者の支配介入が主たる地位を占 め、それゆえ、解雇︵第七条第一号︶のごときはむしろ第二次的な 入五

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ものであった。したがって、不当労働行為の申立は殆んど組合からな され、わがくにのように個人の申立はきわめて限られた・ものにすぎ ない︵冨皆冨9つ蟻ゆ5嶺炉閃腎9日華薦づ程b9ざρ土曜国手二Φ静おお ℃c。o︶またアメリカではワグナー法による不当労働行為制度によっ て労働運動ならびに組合の組織は飛躍的な発注⋮をとげた、 一九三六 年以後の労働組合員ならびに労働協約の被適用考数の増加はこのこ とを雄弁に物語っている。  ところが、わがくにの組合組織は敗戦を襖機とする占領軍の至上 命令によって易々としてくりあげられ﹁国家の手から団結権や争議 権を斗いとる苦心を知らないで団結権を自己の掌中に見出した﹂の であり﹁使用者の妨害の上に国家の弾圧までのしかかるもとで、苦心 惨嘉して組織を強化し自己主張をおこなった﹂のではなかった︵沼 田教授﹁組織労働者の規範意識を分析して労働法の理論に及ぶ﹂一 一二法学志林第五一巻三i四号︶。労働組合は組合員の組合ではなく 戦後ぬくぬくとでてきた一部幹部の組合でしがなかった。また一方 ﹁凡そ革新的なものを軽蔑し、軍隊と特高警察を愛好し、あらゆる 対外的強硬政策に拍手する。忠実なる愛国者群の城﹂︵戒能教授﹁零 細自傷農主義と農地調整法﹂法律時報七二七畢一四頁︶たる村落共同 体に足場をもつ組合員は絶望的無関心であるか、さもなくば、資本        も  あ 主義的搾取者に直ちにお役に立つような政策を麦持するほどにこち ぬ   へ こち頭の人皇が多数を占めていた。労働組合の殆んどすべては職場 単位に結成され企業単位につくられた、しかもそこでは依然として 半封建的な労働欄係が支配的である。そこから、まま、労働運動の 入六 内部におけるブルジョアジーの現実の手先きであり、盗本家階級の         モ   セ   リ   ら   ぬ   も   ヘ   ヤ   ミ   を   ヤ   も   ヘ   ヘ   へ   ぬ   も   セ   ヨ   へ   も   ゐ 労働将校である、盗本家に対する斗争には無関心だが、労働者・組 も   ヘ   ヘ   ヘ   モ   モ   へ   も   セ   ヘ   ヤ   も   ヘ   へ   あ   ヘ   へ   る 合員に対してはおそろしく斗争的な幹部によって贅本家のために組 合員が見放されることがおこるのである。逆に骨のズイまでしみこ んだ組合員の封建性を保持せしめんがために、進歩的な組合幹部が 資本家によって排除の目標とされることはいうまでもない。いつれ にしろ﹁被除名者は使用者によって守られる可能性︵他の企業に就 業する可能性を含んで︶はあっても被解雇者が組合によって守られ る可能性は︵たとい解雇が不当労働行為である場合でも︶むしろ乏 しい﹂ ︵沼田教授前福論文︶し,職場から追われることが死を直接 的に意味する労働者にとっては到底裁判に訴える余裕も力もないと すれば、労働委員会は労働者の援助者と考えてそこに救済をもとめ       ヘ  ヘ  ヘ  へ  も るのもまたゆえなしとせなかった︵まことにそれこそははかない幻 も 惑でしかないのだが1不当労働行為は公益委員によって審査され る。ところが公益委員は地労委にあっては知事の任命ということに よって必然的にご用化される蓋然性が大で、資本家の立場か︵事実 使用者側委員の方がよりふさわしい人々によって構成される場合が 多い︶ ﹁資本家の儲けがまだ算盤の上ではじきだされている間は、 啓一本の立場で、労働者が喰えなくなって、労働者の董命的力がたか          む   も まってきたときは、敢然として労働者の立場に﹂ ︵杉之原教授﹁労        ゐ  も  ね  ヘ  ヘ  ヤ 働委員会の性格﹂法律時報第一二七号︶立つであろ5無性格な性格 者︵労働者︵法ではない︶的感覚ぜロの学識経験者といわれるもの の多く、古手官吏︶から成りたつており、多くは事務局まかせで裁

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定がなされるのであるが。自らを麦配階級の陣営内に慣らされてい る官僚がプロレーバーたることはありえない。ブルジョアジーは統 治する暇をもたないゆえに官僚層がそれにかわる。かれらはその專 門的知識を利用して資本に対する労働者の緩和剤たる役目をはたす し行政的特権を利用して、各種労働者組織の指導者と密接に結びつ くのである︶。  コ人が放棄すればすべてが放棄する﹂といった伝統のあろうは ずはなく﹁煽動考はただ、 ﹁全部でろ﹂と叫.べばよかった。その原 因が何であろうとまた原因がなくてさえよかったQストライキ破り とよばれること同僚から軽蔑されることはその妻子ですらも最も恐 れるところであり、先ず行動を開始して後下をきくとい5のがその        セ   た   へ   も   へ   さ   カ  ヘ   へ   ぬ   へ   つ   あ  ヘ   カ   ミ   ら   も   マ 獲則であった。一方また如何なる理由と錐臨労働者を解雇する正当 へ   ヘ   ミ   も   ヘ   へ   も   あ   ヘ   へ   あ な理由と看徹さなかった﹂︵沼田教授﹁團結権擁護論﹂下六頁︶と いった強固な団結などあろうはずもなく、失業させられたかっての 同僚たる労益者に対しては、組合も組合員も、何らの関心事ではな いのである。かつて片山潜は、労働者階級の連帯性とともに労働者 相互の同調を高唱してつぎのごとく述べたコ人の労働者虐待さる れば、全体が虐待されし如く感じ、一人の受けし恥辱は、全体の恥 辱と感ずるに至りて、労働運動は始めて天下忍なしとなるべし。労       ミ   ヘ   へ   も   ヘ   へ   ぬ  ら 働者にこの感おこるまでは、互に同情の念なく、同情の愚なき限り ヘ   へ   あ   も   ヘ   へ   も   や   あ   ヘ   へ  も   へ   も   も   へ   も   も   ヨ   へ   も   し   る   ヤ   へ   う  り   も   ゆ   も は、団体きわめて弱く、資本家は、思うがままに之を取扱うことを も   で   ヤ うべし﹂ ︵片山・西川﹁目星の労働運動﹂︶と。そしてわがくにで     へ  ら  も  ぬ  あ  で  も はなお﹁労働者にこの感﹂がおこっていないのである。また権力に

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依存するとい5卑屈性が権利の主張としてではなく、労働委員会を 繁昌せしめているのである。しかもそうした申立さえが.申立た労 働者に就職の機会を永久に奪いさえするのである。わがくにでは市 民的な権利の行使も.かれが労働者階級に属する隈り異常な決意と 努力を要するのであり、労働者が権利を行使するなどということは 資本家−使用者のみならず労働者でも異端と考えるほど意識は低 い。したがって、不当労働行為制度ほ労働者の団結権の確保︵公益 目的︶よりは、むしろ労働者個人の︵私益︶保護の役割をはたせら れてきたし、それはまた、おくれた社会的地盤のもとでぼやむをえ ないことでもあったのである。昨今不当労働行為の申立は労組法第 七条一号事件より三号事件が増加しつつあり、それはわがくに組合 運動の進歩を語るごとくいわれ、しかし中小企業ではなお一号事件 が多いとゆ、cれているが.大企業においては不当労働行為がきわめて 巧妙におこなわれているにすぎず、三号事件の増加は逆に資本の積 極的な攻勢を惹味しているのではないかと考えられる。  そして﹁組合がともかくも解雇されようとする者を守って解雇に 反対している。それから解雇処分がなされた者に対しても組合はか つての同僚であるというようなことで組合員たる地位を確保しよう としている。それを便用者が妨げた﹂というようなことが不当労働 行為のあり方なのであろうが、解雇された労働者が組A口によって守 られる可能性の少ないわがくにの現状では、個人の申立は必ずしも  ︵私益︶の保護ではなく ︵公益目的︶ に投立っているとみるべき で、わがくに企業別組織の現段階では.まだまだ一号事件の多かる 入七

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べきがむしろ正常であろう。 二  不当労働行為︵制度︶と懲戒解雇については、およそつぎのよう な点が問題となるであろう。①不当労働行為制度の目的②わがくに 不当労働行為ならびにその七度の特質③労働委員会と司法裁判所と の機能上の相異点④公益委員の性格◎救済について⑥解雇の自由、 不自由について⑦正当な組合活動とはなにか一組合員のメムパー権 ⑧使用者の範囲⑨立証責任⑲正当な解雇原因ある場合と不当労働行 為意思⑳懲戒権の本質一労働契約の本質︵債権契約か一種の身分契 約か︶経営権の本質、就業規則の法的性絡⑫懲戒解雇と通常の解雇 ⑯懲戒規定の解釈など、右のうち若干のものは一でふれたがその他 一々ここに論ずることはせない。以下裁定の項目にしたがって考究 することする。  1.裁定は﹁会社が職制を通じて圧恥したかという点については 証入Eはこれを否定している﹂といい、つぎに﹁しかのみならず、電 撃、班長、貫長及び寮舎監けそれぞれ組含量でありこれらの者に会 社の代表資格はみとめられず特に会社がこれらの者を通じて圧迫を なさしめたという証拠はない﹂といっている。労組法第七条は﹁使用 者は、左の各号に掲げる行為をしてはならない﹂といいその第一号 に ﹁労働組合の組合員であること﹂、 ﹁労働組合に加入し, 若し くはこれを結成しようとしたこと﹂および﹁労働組合の正当な行為 をしたこと﹂の ﹁故をもつて﹂ 労働者を解雇したり不利益な取扱 八八 (勲ャ置昆舞ぎ︶をしてはならないことを規定する。  ここで問題は﹁使用者﹂の意義であるがこの点につき﹁会社の職 翻上の地位は如何にあろうとも、その職務が従業員の人事、労務に ついて高度の支配権を有し、作業上殆んど全面的な監督権を有する ものは、実質的には使用者から全権を委任されているものと認めら れる者、ならびにそれを補助し時にその代行する者の行為は、使用 者︵会杖︶ の行為として、 不当労働行為上の責任は使用者に帰す る﹂ ︵昭和二九。二・一二・宮城地労委命令一鉄道建設興業事件︶ との地労委命令がある。これは当をえたものであるが、わたくしは この線にそってより広く使用者責任をみとめたいと考える。民法第 七一五条は使用老の責任を規︷疋するが、無過失圭貝任の論理は当然す ぎる以上に当然労働法のうちにも取り入れられるべきで、会社︵便 用者︶が職隅制を通じたかどうかに重∵点をおくべきではなく、贈齢制に ヘ   ヘ   へ おいて組合活動を侵害したかど5かが問題とならねばならない。そ れゆえこの場A口主任とか班長、伍長、寮舎監が組合員であってこれ らの考は会社の代表資絡はみとめられないとい5ごときは何ら﹁使 用者﹂が不当労働行為を犯したかどうかの判断の基漢にはならない のである。  また、 第七条違反の有無はたんに行為の外形についてだけでな く、その実質について調査すべきほいうまでもなく︵昭和二二・三 ・一五・金沢勉識判決、昭和二三・二・二三・岡山地識判決︶たと えば主任、班長、伍長が宮城地労委命令にあるような権限をもつも のでなくともなお不当労働行為は成立すると解すべく.会村が圧迫

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をなさしめたか否かの立証はおそらく不可能であろうし、論理上か らもそのことが不当労働行為成立の有無の重点ではないと考えられ る。  申立書のなかに﹁Hは思想的だから職場役員にしてはならない﹂と か﹁Hは赤だから言動を調査してくれ﹂とかの言葉がみえるが.昭和 二一年滋賀地労委創設以来東洋レーヨン関係の不当労働行為申立の 全部が全部、その申立書のなかに﹁思想的だ﹂とか﹁赤﹂だとかい う言葉がみられるが、それらは組合員たる班長や寮舎監などがいっ たとしている。労働組合規約第七二条第三号に﹁共産党叉は会社な どに不当に組合情報資料を提供したもの﹂とあり、こうした行為を した組合員は制裁を受けることになっている。とくに共産党のみを とりあげ、保守党などについて規定のないところがらすると組合が 共産覚を心よく思っていないことはあきらかである。労組法第五喜 泣二項第五号には﹁何人も、いかなる場合においても、人種、宗教 性別、門地又は身分によって組合員たる資絡を奪われないこと﹂を 組合規約にふくむべきことを規定しているが、組合規約は第九条に  ﹁この組合の組含員は左の権利を有する﹂としてその第三号に﹁人      も  ミ 種、思想、信条、宗教、性別、門地叉は身分の如何によって組合員 たる資格を奪われない権利﹂とあって、労組法にはない﹁信条﹂を いれている。労組法の上からはいうまでもなく.組合規約の上から も第九条と第七二条は必ずしも矛盾するとは云えないであろうし、 労働者階級の政所たるべき社会党がわざわざ共産覚と一線を劃する ことに力をいれているのだから.労働組合が共産党をいとうことは

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敢えて非難さるべきことでもないであろう。だがしかし強面を利し て﹁思想的﹂入物に圧迫が加えられたとしたら、会社が﹁思想的﹂ 入物に好意をもつことはありえないのだからもそして労働基潅法は あきらかに労働者の均等待遇を規定しているし、使用者の定義︵第 一〇条︶のなかに箏業主のために行為をするすべてのものをふくめ ているのだから︵労基法の定義でも労働者たるとともに使用者たり うるこというまでもない︶、労基法上と労組法上とは使用者概念を ことにすべきではあるにしても.少くとも掌理を利しての圧迫は使 用者責任を生ずる意味において.不当労働行為を構成すると解すべ きであろ5。  労働組合が﹁思想的﹂人物を排斥することは組合内部の問題であ り会社の知らざるところ、 との形式論はすぐでてくる反論であろ 5。全く労働組合のあり方、組合員のあり方こそ一ばん大きな問題 であろう。しかし不当労働行為制度は、組合のあり方や、組合員の あり方が問題とならない、たとえば英国のごときではその必要をみ ないのである。使用者もまた不当労働行為をおかすことはないから である。それゆえにこそ不当労働行為が、大胆にあるいは巧妙にお こなわれ、組合も組合員の意識も、力も、低く、弱いわがくにでは、 法の形式論理から不当労働行為の有無を判断すべきでなく、その笑 質にもとづいて判断せなければならないのである。   ﹁使用者の行為が違法であるかを第三者的立場において、過去一 現在的に判断するだけではたらず、場合によっては、弱者たる労働 者の側に立ち、いかにしたらこれ︵労働基本権︶を保謹.助成する 八九

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ことができるかという現在一未来的裁量に基く合目的な措置を命ず る﹂ ﹁過去←現在的な判断のみが司法の本質をなすものであると解 し、これに適合するよ5な手続を以て訴訟を処理してきた従来の司 法裁判所を以てしては、現在←未来的裁量にもとつく紛争の処理を なしえない﹂ ﹁労働関係の特殊性は、これに関する紛争の解決のた めに、専門的な知識と経験とを必要とし、従来のような市民法関係 のみを取り扱ってきた裁判官を以てしては、その解決が労使双方に 対して重要な騒士と効果をもつ労働事件を迅速且つ公正に処理しえ ない﹂ ︵柳州・高島両氏﹁労働婁訟﹂七一八頁︶ことにもとずいて 労働委員会調度は設けられ﹁労働関係において好ましくない慣行が おこなわれた場合.これに対する国家権力の発動には、二つの態様 が考えられる。その一は、法律的な観点から、その行為の法律効果 について判断し.その是正を命.ずる司法権の発動であり、その二は 事実的な観点から、その行為の存否を判定し、合目的性の考慮にも とずく裁量的処分によってこれを是正しようとする行政権の発動﹂ ︵前掲善一五i六頁︶であり、不当労働行為の救済は行政権の発動 としておこなわれるのである。  すなわち、不当労働行為に関する判定は﹁事実的﹂な観点からな さるべきなのである。ところで労働委員会ははたして﹁専門的な知 識と経験﹂とをもち﹁市民法関係のみを取り扱ってきた裁判官﹂以 上の公正な人物によって構成されているであろ5か。事実はおよそ 逆のようである。多くはボス的な古手官吏や牧師とか住職、その池        ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ   も  へ  も  もミ 労働問題などにはおよそ無関心だつた学識経験者で構成されている        九〇 ようであり、だから労働組合もない︵おそらく忠実な従業員なるが    も   へ  も ゆえに自主的に結成せないのであろう?︶会祉の理事?が不当労働       へ   も   へ 行為の審査委員長になるような茶番劇さえおこなわれるのである。  労働委員会の性絡はともかく、極端には﹁労働立法には不当労働 行為という制度が一つあればよい﹂︵石川助教授﹁支配介入﹂專門 講座労働法、三巻、二=一頁︶との意見さえあるがしかし﹁わが法 上の不当労働行為制度は、労働委員会の命令についても、労働委員 会の事案の処理についても、この制度なくしては実現しえぬような きわだったなにものかをついにみるをえな噛、‘﹂ ︵山中康雄教授﹁不 当柵万臨写行N爲制脚度におけるひとつの二巴胴﹂末川L三生遷一町記念訓辞⊥又集﹁ 労働法経済法の諸問題﹂一〇七頁︶との見解のあることのみをつけ 加えておこう。  2、就業時間中に無断で友人と対談することはたしかに注意を促 がすに値する。 しかし問題は就業当鬼中の類似行為が五千名以上         ヘ   へ の従業員において常に始未草の提出を結果していたかどうかにかか る。これと目標を定めた場合、杓子定規的な法解釈にたてば、いか       も   も   た なる人も何らか法や規則に違反しているといえるであろう。それの ヘ  ヘ  ヘ  へ  も  セ  も  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ  も  ヘ  へ  も  へ  も  ヘ  ヘ  ヘ  モ  ミ  ヘ  セ  ぬ  も  も みを抽象的に一般問題として規則に違反しているかどうかを考える ヘ  ヘ  ミ  カ  ゐ  へ ほどおろかな議論はない。就業時問中に無断で対談することは、規 則に違反するかどうか、 というふうに問題は提出さるべきではな い。なぜなら、 それに対する答えは余りにも明瞭である。 一般的 にどんなふうに取り扱われているかが問題であろう。主任が申立人 に注意を与えたことは不当ならざること,敢て裁定が判断するまで

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      も  へ  も  も  も  た  へ     も  も  ヤ  も  ヘ  ミ  も  へ  も     も  ゐ もない。労委の認定は一般抽象的な当、不当のそれではなく、より う  ヤ  も 具体的なものについてでなければならないであろう。  3、申立人が寮の常任委員会で舎監をなじったことはとくに組合 運動とは関係がないと裁定はいう。なるほど︵寄宿舎︶の自治活動 は労基法もこれを保障するが、それは労働者の私的生活に干渉せな いとい5ことである。したがって、一見、寮に関しては、組合運動 と関係がないように思われる。しかし繊維関係に多い寮︵寄宿舎︶ 生活者は、蛍・位工場毎に丁合けられた組合構 成員の過半数以上を占め るのが通常である。したがって、自治会を通じての組合活動は組会 活動の主要なるものである。  労働組合はその前提としてそれ自身内部的に完全に民主的である ことを要求される。言論の批判の自由のない労働組合はありえない。 個々の組合員はいわゆるメン。パー権をもっているのである。だから 組合の指揮命令によらずとも組合員個々が行う、組合活動に合目的 な行為は、すべて正当な組合活動といいうるのである。  申立人がさきに㎞解雇された同僚の解雇につき、舎監のとった行動       も  も  も  も をなじることは、同じ労働者、同じ組含員として同情の念をもつ屯 のならば当然のことであるし、また、その行為はうたがいもなく. 組合活動に合目的的な組合活動、なのであって.これを裁定のいう がごとく組合活動とは関係がないとほ到底いいえない﹁組合加入を       ヘ  モ  ぬ  を  ヘ  ヘ  ヘ  へ  ね  ぬ  ヘ  へ  も 拒まれている者でも、組合をよりょくする為の活動は保謹される﹂ のである。︵昭和二六・七・二・愛知地労委命令一藤田製作所事件︶ ︵裁判所のものの考え方﹂季刊労働法第=一号でもこのことはとく

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に強調されている︶  4塾身体検査の件については2に述べたと.同じことがいいうる0  5、裁定は﹁このことについて寮内掲示板に寮生主任の掲示のあ ったことは使用者もこれをみとめている。しかしこのことが解雇の 理由になっているかという点についてはこれが解雇の決定的原因で あったという証拠がない﹂という。しかし申立入ほ、さきに解雇に なった同僚のために署名運動をしており、寮生主任が、署名した者 は解雇になることを暗にほのめかした掲示︵会社ほ署名は強制して はいけないとの意味で掲示したとみとめている︶をしたことが不当 労働行為だといっているのである。因みに、申立人は寮自治会への 干渉とい5言葉を使っているが、寮の自治﹂干渉は労基法の禁ずると ころであって、寮自治会への干渉が不当労働.行為を構成するのでな く、申立人の行為が組合活動たるがゆえに、それに対する干渉が、 不当労働行為を構成するのである。それはざて、申立人の主張に対        ヘ   セ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   へ   を して裁定はなにをいっているのか全く了解できない。過誤をしたの は寮生主任であるのに﹁しかしこのことが﹂、すなわち掲示をした ことが﹁解雇の理由になっているかという点については﹂とい5の だからさつぼりわけがわからなくなるのである。裁定としてはまず 第一に申立人の署名運動を妨害するがごとき掲示が不当労働行為に なるか否かを判断すべきであり、つぎに、おそらく裁定のいわんと するのはこのことであろうが、申立八がさきに解雇になった同僚の 解雇反対署名運動をしたことが解雇理由になっているかど5かを判 断すべきだったのである。 九一

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 6・7、申立入は標準作業違反をなし、かつ始末書の提出を求め られたがききいれず、劇毒の情がない。よって賞罰委員会にかけ懲 戒解雇にした。それは歳業規則第六条後段違反の事実について同第 一〇八条二号を適用し解雇したもので不当労働行為はみとめること ができない、というのが申立棄却の理由になっている。  かって“果山尽地裁は、日山小ベークライト事件で翫ざ、わめて坤週切な吐状定 をなし従業員の解雇につき不当労働行為をみとめた。すなわち﹁本 人が組合役員として活濃な組合活動をなした事実があり⋮⋮その後        ヘ  ヘ  へ  も  あ 会社が本人を注意八物としてその身辺に格別の注意を払い、具体的 な解雇の場合に懲戒条項を最大限に活用して探知しえた事実として ミ  も  も  ぬ  あ  る  も  へ  あ  リ  ヘ  へ  も  へ  ぬ  も  ヘ  へ  ぬ  セ  ヘ  へ  も  ぬ  も  ヘ  ヘ  へ  も  へ 解雇理由に充て得るものほ細大もらさず挙げて解雇理由となしてい モ るが、それが重大なものでなく、そこに積極的企画的なものが看取 される場合は、解雇の真の動機は本人の組合活動にあるものと一応 推認しうるから、その解雇は不当労働行為である﹂ ︵昭和二八・三 ・一八・東京地裁決定i日本ベークライト事件︶といっている。  申立人が相当活澄に組合活動をしていたことは申立人.被申立人 裁定の認定からも充分にうかがいうる。また裁定が認定したごとく 標準作業違反もあったであろう。しかし、はたしてそれらの作業違 反が、解雇、とくに懲戒解雇といった過酷な制裁を必要とするほど のものであったかどうか。懲戒解雇と通常の解雇の相違は法律的に は退職金の有無にあるであろうが、解雇はおそらく形式論理家が考          も   ぬ   も   ヤ   あ   ヘ   へ えるであろうような就職機会の自由を結・果するのでなく、餓えと死 を導くのである。 就職の自由でなく完全な閉鎖があるばかりであ 九二 る。まして懲戒解雇を5けた労働者には再び就職はないといっても 過言でない事実こそは根本的な問題である。  資本主義軍会では一応使用者の解雇の自由を否定しえないであろ う。そして全面的にこの立場に立つものは通常,解雇自由説といわ れる﹁およそ雇傭契約において、解雇は契約の解除とは異り、継続 的な契約関係を将来に七って消滅させるものであって、その意思表 示はいわゆる告知であるから、法律に別段の規走なき限り、契、約当 事者の自由に行使し得る権利であるといわねばならない・::民法第 六二七条野面︼項は﹁当事竈着が一雇傭ノ期嘲聞ヲ一疋メザリシトキハ、当事 者ハ何時ニチモ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得﹂と規定し、︸般的に解 雇の自由を宜明しており、労働基準法、労働組合法などが、特別の 場合の解雇権の行使を制限しているのも、解雇の自由を前提として はじめて意味があるものと考えられるので、労働契約の解約につい て借家法第︼条の二のような特別規定のない現行法舗⋮の下において は、解雇に下鞍の理由を要しないものと解せざるを得ない﹂︵昭和二 八・三∴四・大津地勢判決一大津キャンプ解雇事件︶というのがその 立場である。これに対して、解雇には正当な事由が要るとの見.解と、 解雇は自由であるが、解雇権を濫用したときは解雇は無効であると する、解雇権の濫用禁止説がある。前説は、憲法が棚定されわがく にでも財産と労働を対等に取扱っている、だとすれば労働の権利も 財産権と同程度に保障すべきである。したがって、正当な理由なく してなされた侵害を排除する権利を有する。借家法はその第一条の 二で正当な事由がなければ解約の申入れができないことを規定して

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いる。借家関係は雇傭関係と同じく継続的債権債務関係であり、借 家人は弱者たる立場にあるが被傭者も弱者たる地位にある。 また 民法第七七〇条は一定の要件をみたした場合でないと離婚をみとめ ない。労働悶囚係においても身分契約の面から解雇には正当な事由が いるというのである。解雇権濫用茎立説は民法第︸条を根拠とする もので、今日裁判所が通常とっている見解である。両説の相異は結 論的には立証責任の問題となるが、すなわち前説にたてば、使用者が 解雇の正当事由の立証をせなければならないのに対し、後難にたて ば被解雇者が立証の責任をおうということになるであろ5。前説が 労働者の立場をもつとも保護するものなることはいうまでもない。 しかし、あとの藍蝋も使用者の解雇権を否定するものではない。使 用者の解雇の自.由を制限する立法としては労働基溝法があるが今一 ッは不当労働行為制度である。不当労働行為としての差別待遇の溶 血は直接労働者︵非組合員をも、労働法第五条第一項但し書︶を保 心するのであるがしかしそれは﹁ただ団結とい5対抗的な権利への 介入による使用者の権利の濫用にむけられている﹂のであって﹁使 用者がその労働者を選択し、あるいは解雇する権利の通常の行使に 干与する﹂ものではないのである。 ︵木村︵愼︶助教授﹁解雇と不 当州鵬刀団働痴夢﹂法学箪叩一山ハ巻笹島一一一一閲H号︶  ところで懲戎解雇はどうか。解雇権と同じく懲戒解雇の自由があ るか、 この点について判例は、 大体懲戒権なるものが経営者にあ るとの前提で、その固有の根拠を﹁企業ならびに労働契約の本質﹂ ︵昭和二穴・七・一八東京地裁決定︶にもとめたり、﹁経営指揮旛ご

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︵昭和二五。七・三一・東京地裁決定︶にもとめたりしているが、 就業規則の法的性絡について契約説をとる学者は、本来懲戒権なる ものは存在せないが﹁労働契約の内容として.懲戒に関する事贋が 取りきめられているならほ.懲戒は可能である。⋮⋮すなわち、懲 戒がなされうるのは、本来使用者に懲戒権があるというわけではな く、それが労働契約の内容となっているからなのである﹂ ︵石川助 教授﹁懲戒解雇﹂解雇をめぐる法律問題所牧︶といい、就業規則に 懲戒規定を欠く場合は懲戒しえないし、またその規定は露盤的に妥 当なものである限りにおいて許されるのであり、たとえ例示的列挙 であっても限定的列挙として読まるべきを強張する。就業規則の法 的性格について法規説をとる論者︵沼田教授﹁就業規則の法的性格 ﹂労働法 第四号.森長氏﹁労働協約と就業規則﹂など︶が懲戒を きわめて制限的に解するのは当然である。 ﹁懲戒解雇は、従業員と して雇用を継続するに堪えないような、重大な義務違反ないし背信 行為があった場合に限るべきであり﹂ ﹁その具体的措置については 慎重に客観的事実にもとずき⋮⋮合理的になさるべきである﹂ ︵昭 和二八● 一 ︼ 。五 ・栃ふ小ぱ地蕩刀委命A刀一山盲撃石園⋮←灘禾古楽件︶ ﹁微芯戒簸脚 雇は最も重い処分であるからそれが適当であるか否かはそれ以下の 軽い処分に対する余地がないかど5か﹂の観点から判断すべきであ る︵昭和二五。三・二七・東京地心i大日本印捌事件︶  申立人が﹁台持ち作業において豊能低劣﹂ならばなぜ配置転換な どを考慮せなかったか、労働協約第二二条には組合員の配置、転.勤 などは会社がおこなうとあり、しかも配置は組合に通知することさ 九三

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え要しないのである。しかのみならず﹁不良晶を出した事実があっ ても.それが工場の全生産工程に相当重大な混乱を生じない程度の ものをもって直ちに技術劣悪、勤務状態不良として﹂配置転換する ことは妥当でない︵昭和二八・五・二・中労委一坂田製作所事件︶ とさえいわれているのである。申立人において人間的に若干横柄な        へ  も  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ 態度があったところで会社が採用を誤った点にこそ責任があり、雇 傭関係が継続的一種の身分関係たる事実を全然考慮することなく、 通常の解雇をなざず、いきなり懲戒解雇となすがごときは到底妥当 な処置とはいい難いであろう。就業規則第六条後段違反の事実によ ってなされたというがその第六条後段は﹁業務に関.する会祉の指示 命令に服して職場の秩序を保持し相落剥してその職責を遂行しなけ ればならない﹂との抽象的規定であり、そして就業規則第四条はよ り抽象的に服務について規定しているが、このような抽象的規定に       う  カ  ぬ  ヘ  へ  も  も ひっかけて懲戒するのは危険なことで.懲戒理由をそこに求めねば へ   し   へ   も   も   カ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   へ   も   ヘ   ヘ   ヘ   へ   ら   ヤ   へ ならないことに多分の疑問が存するのである。ということは、なん とかして申立人を控除せんとする使用者の意思が看取されるのであ る。裁定は一方的に、使用者の立場で判断しているもののごとく、 労働委員会としての公正な配慮を欠くがごとくに思われる。  また裁定には.組合が賞罰委員会で懲戒解雇を肯定したことをも って、恰も不当労働行為を構成せない一理があるといわんとしてい るのかとも読みとれるふしがあるが、同僚たる組合員の解雇に承諸 を与える組合のあり方はともかく︵解雇はいかなる理由でも正当と 看徹されないとほ英国における伝統的な慣習のごとくである︶ ﹁労 九四 働組合が結局申立人の解雇を承認したということは組合独自の惰勢 判断にしたがったもので⋮⋮このことは不当労働行為の成立に対す も   セ   あ   も   ぬ   へ   ち   ヘ   ヘ   ヘ   へ   も   ぬ   ヘ   セ   も   ミ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   へ   も る判断になんらの決定的影響を及ぼすものではない﹂のである︵昭 知特 五・五 ・ 二山ハ.愛・知地鵬刀委︶  解雇が不当労働行為となるためには、労組法第七条第︼号の事実 を理由にした解雇の意思が必要とされるが、この点については﹁お よそ解雇が差別待遇の意図にもとずくものであることは労働者側で これを立証しなければならないのであるが、差別待遇の意図は内心 のことであるのみならず、それがそのままはっきりと外部に表現せ られぬものであるのを通例とするから、結局労働者はその意図を推 測せしめるような外部的事実を立証すべく.これに対し使用者側に おいてその解雇が正当な事由にもとずくものであることを主張した 場合にはその理由のないこと叉はその理由と矛盾する事実のあるこ となどを立証すればよい﹂のであり ︵昭和ニバ・二・一・東京地 裁決定i日本舐業事件︶ ﹁組合活動を活畿になした役員の解雇は、 他に特に理由がない限り、同人の組合における地位ないし組合活動 が、その解雇理由であったものと一応推定﹂されるのである︵昭和 二山ハ・五・二山ハ・大㎜阪一地溝iス阪肱暴圧事件︶  また不当労働行為意思と解雇を正当づける理由とが併存する場合 については二つの見解があり﹁使用者に不当労働行為意思が随伴し ていても、解雇を正当ならしめる決定的原因が存するとぎは、不当 労働行為は成立しない﹂ ︵昭和二六・一二一六・東京地裁決定i共 立女子学園事件︶とするのが通常であるけれど﹁組重蓮動の気勢を

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そがんとする意図は、唯一のものであることを要せず、他の諸理由 が並存するにしても、およそ右の意図もあることが承認されている 限り、依然として不当労働行為は成立するL ︵石井教授﹁不当労働 行為について﹂ 法曹時報 第三巻二号︶に組する。タブト・ハー トレー法第一〇条C項﹁従章禾員が正当な理由にもとずいて出勤を停 止せらまたは解雇された場合には、労働委員会は、当該従業員の復 職または賃金などの遡反麦払を命ずることができない﹂によるべき       ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヤ  ヘ      へ  も  ヤ  ぬ でなく、ワグナ下法のもとにおける判定・裁定のごとく、正当な解 も  た  ヘ  ヤ  ヘ  ヘ  カ  も  ヘ  へ  も  ヘ  ヘ  ヘ  へ  も  も  へ  ぬ  ヘ  へ  も  ヘ  ヘ  へ  ぬ  へ  た  ぬ  へ 雇事由があるときでも、使用者の真意が組合活動を理由にする解雇 へ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ      へ   ぬ   へ   あ   あ   も   カ   ヘ   ヘ   カ   カ である限り、不当労働行為は成立すると解すべきである。  本件においては不当労働行為が成立すると考える。        ︵二九。九・三︶

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参照

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〔注〕

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