高校生の時間的展望の発達に関する研究-介入プログラムによるアプローチ-
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(2) 3.結果 (2)本プログラムによる介入が時間的展望に. (1)進路選択に対する自己効力の変化 介入群と統制群の間には有意差が認められ,. 与える効果. 介入群は統制群に比べて進路選択に対する自. 本プログラム実施によって介入群の時間的. 己効力の得点がより肯定的に変化していた。. 展望と特に目標指向性が高まったことは,過. (2)時問的展望の変化. 去・現在・未来への見通しが広がり,自分の将. 介入群と統制群の間に有意差が認められ,介. 来に目標を立てそれに向かって準備する意識. 入群は統制群に比べて時間的展望の得点がよ. が高められたと考えられる。. り肯定的に変化していた。「現在の充実感」は. (3)プログラムのワークにおける展望地図の. 介入群・統制群の得点に有意な差はみられなか. 変化. ったが,r目標指向性」は介入群・統制群の得. 本プログラムで作成された展望地図が将来. 点に有意な差がみられた。. へのつながりやまとまりをもったポジティブ. (3)展望地図の印象評定とその内容の変化. な未来志向へと変化し,進路選択への積極性や. r記述の詳細さ」r未来志向性」r楽観性」r構. 目標指向性が高まったことから,介入群の生徒. 造的」r積極性」r明瞭さ」の項目について印. の将来展望もより構造的で明瞭なものへと変. 象評定を行い,第1回目と第3回目の項目ご. 化したと考えられる。. との平均評定値について丘検定を行った。その. さらに展望地図で挙げられた目標内容の変. 結果,いずれの項目についても3回目の評定. 化から,介入群の生徒は職業的目標を含めて将. 値の方が得点が高く,有意な差が認められた。. 来を見通すことができるようになり,自己の内. また,介入①と介入②で作成された展望地図. 面の豊かさを望むようになったことを示して. で挙げられた目標をカテゴリー分けし,介入①. いると思われる。その一方で,自分の能力や資. と介入②のカテゴリーごとの目標数について. 質から直接関連しないような空想やファンタ. Z2検定および直接確率法を行った結果,r職業. ジックな内容を含む内容や自分の外見,何かが. 的目標に至るまで」「就職後」「精神面」「目標. 欲しいといった短絡的な欲求に関する内容が. 探し」で目標数の増加がみられた。一方,「身. 大きく減少し,社会的現実に見合った現実的な. 体面」r経済面」r非現実的・その他」で目標数. 内容を想起できるようになったと考えられる。. の減少がみられた。. これらの結果から,本プログラムは高校生の. 4.考察. 時間的展望において,将来展望がより発達した. (1)本プログラムによる介入が進路選択に. 状態に変化し,空想から現実へと変化していく. 対する自己効力に与える効果. 過程を効果的に支援することができたのでは. 本研究の介入プログラムによって,生徒の進. ないかと考えられる。. 路選択自己効力を高めることができたと考え. 今後さらに客観的にプランニング能力を測. られる。Sa㎡ckas(2002)は進路選択や職業選択. 定することや各ワークが尺度得点の変化に及. を行う際の自信である自己効力が高まること. ぼす効果をより詳細に検討するなどさらに検. で,職業発達課題の達成や職業生活への移行に. 討を重ね,プログラムを洗練させていくことが. 対処し克服できると述べていることから,介入. 必要であろう。. プログラムによって自己効力を高めることは,. 高校生のキャリア発達を促すうえで重要であ. 主任指導教員 浅川潔司. ると考えられる。. 指導教員 古川雅文. 一109一.
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