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鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

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(1)

鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

著者

久米 国幹, 迫田 順一, 川畑 勇一郎

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

31

ページ

111-132

別言語のタイトル

An experimental study on alkali reaction of

crushed stone in Kagoshima

(2)

鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

著者

久米 国幹, 迫田 順一, 川畑 勇一郎

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

31

ページ

111-132

別言語のタイトル

An experimental study on alkali reaction of

crushed stone in Kagoshima

(3)

鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

久 米 国 幹 ・ 迫 田 順 一 ・ 川 畑 勇 一 郎

(受理平成元年5月31u) ANEXPERIMENTALSTUDYONALKALIREACTION OFCRUSHEDSTONEINKAGOSHIMA KunimotoKUME,JunichiSAKODA,YuichiroKAWABATA WemadealithologicobservationbyapolarizingmicroscopeandpowderX-rayanalysis,andwe

alsomadeananalysisofharmfulaggregatesbythemortarbarmethod(JIS),thepessimumvalueof

theexpansiondependsonthereactiveaggregatecontent,anduponacomparisonofconcretebarwith mortarbarintheexpansionofalkalireactioninusedcrushed-stoneinKagoshima・ Thefollowmgresultswereobtained: l)Bythemortorbarmethodtherewereconfirmedthreereactiveaggregates、Thesewereallande-sites・But,amongthesameandesites,someshowlittleornoreaction、 2)Bythelithologicobservation,itwasfoundthatreactiveaggregatecontainsCristabalie,Chaynock-ite,Quartz,Volcanic-Glass-SandandGeothite,also,therewasfoundchangeinqualitysuchasin theHvdrated-Ironinthegroundmass、 3)Itwasfoundthatthepessimumvalueoftheexpansionanditscurvevaryaccordingtoeachaggre‐ gate、 4)TheexpansionrateofconcretebarswasonlylO%ofthatofmortarbars. 1.序 最近,コンクリート構造物の耐久性の低下が注Hさ れているが,その原因の一つにアルカリ骨材反応があ る。 アルカリ骨材反応は,1939年に米国カリフォルニア 州国道の崩壊原因究明の際にT,EStanton')によって 発見されて以来,全米各地でコンクリート構造物に同 じ被害が続発し,大きな問題となった。 アルカリ骨材反応は,アルカリ・シリカ反応,アル カリ炭酸塩反応及びアルカリ・シリケート反応の三種 類に分解されるが,わが国ではそのうち主としてアル カリ・シリカ反応によるものが多い。 アルカリ・シリカ反応は,コンクリート中に存在す るナトリウム,カリウムなどのアルカリ元素と,骨材 中に含まれるある種の鉱物が水との共存下で,長期的 に 徐 々 に 新 た な 物 質 を 生 成 す る 反 応 を い う 。 反 応 生 成 物は吸湿して膨張し,コンクリートにひび割れ,ポッ プアウトなどを起こし,コンクリートの耐力を低下さ せる原因となる。 アルカリ・シリカ反応を起こす骨材の代表的な満石 は,安山岩類(シリカガラス,クリストバライト,ト リジマイトを含む),オパール(非晶質含水シリカの 他に石英,クリストバライトを含む)ならびにチャー ト(潜晶質石英かクリストバライトを含む)等である。 わが国では,過去にアルカリ'円・材反応によるコンク リート構造物の被害はあったが,その数は数例にすぎ ず,極めてまれなケースとして取り扱われていた。2) しかし,最近コンクリートの需要の増大とともに砕 石の使用が増大し,その中には反応性骨材も含まれ, 広い範囲にわたって被害が目立つようになってきた。 こ の 現 象 は 鹿 児 島 に お い て も 例 外 で は な く , い く つ

(4)

112 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) か の コ ン ク リ ー ト 構 造 物 に お い て 被 害 が 確 認 さ れ て い る。3) 本報告は,このような現状をふまえ,鹿児島県産コ ンクリート用骨材のうち砕石を中心に,反応‘性骨材の 調査・研究を行ったものである。 2・鹿児島県産の砕石 現在,鹿児島県内でコンクリートに使用されている 骨材のうち粗骨材は,そのほとんどが砕石で占められ, 細 骨 材 も 一 部 で は 普 通 砂 ( 海 砂 . 陸 砂 . 山 砂 ) か ら 砕 砂に移行しつつある。 県内で生産されている骨材(砕石)の岩石名と生産

量を表・2‐14)に示す。これによれば,反応性骨材

として可能性のある安山岩が全体の40%以上を占めて いる。 コンクリート用砕石を対象とした砕石場は県下一円 に分布し,離島を含め40箇所にも達する。 このうち実験用に収集した砕石は,採取地が近接し, 同じ種類と判断したものを除く,26種類(安山岩を中 心に砂岩・硬質砂岩・輝緑岩.石英閃緑斑岩)である。 図2‐lに鹿児島県の砕石対象岩石分布図5)と砕石 採取地を示す。 3.岩石学的試験 3.1偏光顕微鏡による観察と粉末X線回析によ る同定 【l】実験目的 岩石学的見地から,偏光顕微鏡による観察(岩石の 組織・岩石中の鉱物の種類)と,粉末x線回析(定性 分析)による同定を行ない,非反応性と反応性骨材の 特徴について調べる。 【2】実験方法 収集した砕石(以下,骨材という)のうち,安山岩 11,砂岩3,硬質砂岩2および石英閃緑斑岩1種類の 合計17種類について岩石薄片を作製し6),偏光顕微鏡

による観察7)(岩石の組織・岩石中の鉱物の種類)と,

また,偏光顕微鏡では識別できない有害含有鉱物(ク リストバライト,トリジマイトナド)を調べるため, 粉末X線回析(定‘性分析)による同定8)を行なう。 【3】実験結果および考察 偏光顕微鏡による観察と粉末x線回析からそれぞれ の骨材の特徴を調べ,その結果を表3‐1(その’∼9) に示す。 なお,表中の骨材番号は,以下の諸実験で使用する 骨材の番号と対応させている。 粉末X線回析によると,アルカリ骨材反応に関係す る有害鉱物の一つであるクリストバライトの存在は, すべての安山岩に確認されているが,クリストバライ トのピーク値と長石のピーク値が重なるため確かなも のとはいえない。 実験用に採取した鹿児島県産の骨材(砕石)24種類 のうち,モルタルバー法によりアルカリ反応'性骨材と 判定されたものは,試料番号N02,3,4の3種類で, いずれも安山岩である。しかし,他の非反応性・安山 岩骨材との間に,はっきりした違いは確認できなかっ た。 上記3種類のアルカリ反応性骨材の共通点をあげる と,次のことがいえる。 a)クリストバライトを含む。(NO2,3,4) b)石基部に水酸化鉄のような部分的変質がある。 (NC2,3) c)紫蘇輝石と石英を含む。(NC2,3) d)石基部に火山ガラスを含む。(NC2,4)

e)石基部にGeothiteがみられる。(NC2,4)

従って,岩石学的観察により,このような諸鉱物な らびに現象が確認された骨材については,アルカリ骨 材反応を起こす可能性が大きく,改めてモルタルバー

法による再確認を行なうことが必要であろう。

3.2アルカリ反応促進試験による骨材の偏光顕 微鏡観察 【l】実験目的 アルカリ反応促進試験により骨材中の鉱物の変化な らびにその特徴を観察する。 【2】実験方法 骨材を,4×4×160mmの型枠中のセメントペース ト(Na20等価量:0.7%の普通ポルトランドセメント

を水酸化ナトリウムでアルカリ濃度1.2,1.5,2.0%に

調整した3種類)にそれぞれ埋め込み,温度60±3℃,

相対湿度95%以上で4週間促進養生を施す。(公認さ

れた試験法ではない。)

使用骨材は,モルタルバー法による有害判定のNC2,

4(安山岩),同.無害判定のNC1,9(安山岩)とNC38,

39(砂岩)の6種類とする。

促進養生後に,供試体表面の浸出物・ひび割れと,

供試体を切断し,内部の反応リム・ケルポット・ひび

割などの観察を行い,さらに,その切断面の薄片を作

製し,骨材中の鉱物の変化や特徴を調べる。

(5)

岩 113 表2-1鹿児島県産砕石の岩石名と生産量(単位1000t) 91へ川1ョ 鴬石多て り岩.

灘二F三雲F詐汗I汗デ

計 7,970 100 Lくぎ

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大島郡(砂岩)

大島郡(石英安山岩)

名瀬市(硬質砂岩)

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久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究 図 . 2 − 1 砕 石 対 象 岩 石 分 布 図 と 砕 石 場

、 ミ22〉

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表3-1試料岩石のキャラクター(その1) 里 吊 両 階 用 雨 紙 用 尾 用 詔 吊 市 用 用 語 閤 黒 馬 徴 特 【同定鉱物名) F 弓 長 石 C r : ク リ ス ト バ ラ イ i 、 F A u : 普 通 輝 石 H y : 紫 弊 輝 石 CF 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) IVlHy (同定鉱物名) F F : 長 石 C r : ク リ ス ト バ ラ イ ト Cr 特 徴

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里 吊 届 R H 母 語 吊 謁 X i 昂 用 吊 扇 吊 隅 斎 用 用 馬 No1(安';i岩) 【含有鉱物】 斑晶:斜長石,単斜輝石,斜方師,f二i,磁鉄 鉱 訂基:斜長イi,単斜輝荘,磁鉄鉱 斑晶はノ』、さめで少なく、荘基の占める割合 が火きい。 微小な斑晶(斜長石,輝イテなど)の塊りが あるc 【x線回析IFよる同定】 長7『,普通輝邪,紫蘇輝荘,ク:ノスドバラ イ ト が 認 め ら れ る 。 【千ルタルバ…法による判定】 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ケ ル が 少 量 発 焦 して;‘,るこ N<i2〈安[j岩〉 【含有鉱物】 斑晶:斜長所,単斜輝祇,斜方輝覗磁鉄 鉱 祇基:斜長,fi,単斜輝班,磁鉄鉱,ガラス 人きな斑晶は少なく、微小な斑晶(斜長石 輝石など〉の塊りがある。 藩基部にGeothitc〈黄色のヅ.じ)および水 酸化鉄のような部分的変質がある巻(ひび 割れに沿って水などが入り込み変質したも のと考えられる〕 石 英 の 斑 晶 も 認 め ら れ る 。 【X線;:]折〈,.fよる同定】 艮潅,普通輝石,紫蘇諏涯,クリストパラ イ:、が認められる二 【壬ルタルバー..法による判定】 済 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ケ ル が 多 景 発 生 している。 偏光顕微鏡写真とX線回折凶〈28〉 単 : 。 ル ユInm B 単 . ル Lnml ー 弐 d nJ典ハげノ (何超鉱物名) F E 長 石 亡 『 : ク リ ス ト バ ; ラ イ 1 Au:替遡卸石HyJ我蘇輝石

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画 用 吊 閑 用 i C 用 吊 応 用 用 吊 市 用 用 語 淵 帯 馬 115 (同定鉱物名) F : 長 石 C r : ク リ ス ト バ ラ イ ト A u : 普 通 輝 石 表 3 - 1 試 料 岩 石 の キ ャ ラ ク タ ー ( そ の 2 ) ,a 偏 光 顕 微 鏡 写 真 と X 線 回 析 図 ( 2 8 ) (同定鉱物名) F F : 長 石 C r : ク リ ス ト バ ラ イ ト 久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

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雪 薗 吊 届 田 圃 記 吊 用 馬 吊 田 吊 吊 器 用 吊 閑 器 吊 偏光顕微鏡写真とX線回析図(28) 端 : 徴

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<安【I岩〉 肖鉱物】 斜・長砺, 鉱 斜長祇, 単斜輝fj,斜・方輝イミi,磁鉄 単斜輝石,磁鉄鉱 斑晶が多い。 石基は・様でなく、鼠暗がある:, 石基部に水酸化鉄のような部分的変質があ る。(ひび割れ縄沿って水などが入り込み 変質したものと考えられる〉 【x線:豊:析侭よる同定】 長石,普通輝‘t:,紫蘇輝石, ト バ ラ イ ト が 認 め ら れ る 。 【モルタ 有詳:供試 している(: 謡英,クリス よる判定】 反応性ケルが少量発#・』 1mm 岸 一 一 0

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直 交 ニ ニ コ ノ 3 ユ、恵 一 fgr:ク.;スI・パラィミ H v : 紫 蘇 原 石 No4〈安'11瀞 【含有鉱物】 斑晶:斜長石,単斜輝不,斜方輝有,磁鉄 鉱 宏基:斜長祇,革斜輝荘,磁鉄鉱,ガラス 斑晶と茄基の:Z別がはっきりしており、斑 晶が大きv,。 石基部は金;・状の斜長7Kが多く、ガラスも比 絞的多い.まー、Ge()th§te〈黄色の-すK二) があり、斜長程の斑晶も兇られ為 7f基部には多数のひび割れが入っている‘ 【X線Fil析龍よる同定】 艮程,普通輝液,ク:ノストパライi、が認め られる。 【毛ルタルバ…法iこよる判定】 有害:供試体表両に反応'1雌ケルが多量舞恩: している。 k 器 ■ 守 L1FL Lノ 1mm I (同定廼駒名) F:長石CrHクリストパサイ. 4m目曾遥輝石

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116 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 表3-1試料岩石のキャラクター(その3)

特 徴 No5(安:l:岩〉 【含有鉱物】 斑晶:斜長斬,単斜輝;1L「,斜方輝荊 石基:斜長石,単斜輝訂,磁鉄鉱,ガラス 斑晶ははっきりしたものが少なく、多くは 斜長打である。 石基部分縦暗色で、ガラス質のものである 【x線:uI析によぉ侭走】 長蒋,普通輝石,クリストバライ1,が認め ら れ る 【モルタルバー法による判定】 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ケ ル は 認 め ら れ な い 。 Mo8(砂嵩) 【含有鉱物】 石 英 , 斜 長 石 , 黒 雲 冠 , 緑 泥 石 粒状組織は、比較的大きい。 【x線凹析による司定】 石 英 、 長 石 、 黒 雲 母 、 緑 泥 石 が 認 め ら れ る 【モルタルバー法による判定】 無害:供試体表面に反応性ケルは認められ な い 恒 州 偏光顕微鏡写真とX線u析図(28〉 単 型 ル Cr ユmm I− 目

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久 米 ・ 迫 田 ・ 川 畑 : 鹿 児 島 県 産 砕 石 の ア ル カ リ 反 応 に 関 す る 実 験 的 研 究 117 表3-1試料岩石のキャラクター(その4) 特 徴 No9(安:l:岩〉 【合志鉱物】 斑晶:斜長L1.,単斜輝訂,斜方輝,fす,磁鉄 鉱 石基:斜長藤,単斜輝祁斜方輝石,磁鉄 鉱 . ガ ラ ス 中小の斜艮潅や輝‘fゴの斑晶が多く散在して いる。 石基部には水酸化鉄のような部分的変質が ある.〈ひび割れに誰って水などが入り込 み変質したものと考えられ品) 鉱物が変化:"、斜方輝巧とガラス('畠、〉に なったものを確認,: 【x線::':析による同定】 艮荘,普通脳死,クリストバライトが認め られる。 【子ルタルバー…法臆よる判定】 無害:供試体表│祁晶反応性ケルが少量発生 しているこ NolO(安;:諾) 【含有鉱物】 斑 晶 : 斜 長 祇 , 単 斜 輝 石 , 磁 鉄 鉱 眉基:斜長石,単斜輝石,磁鉄鉱,ガラス 斑晶は少なく、石基の』iめる割合が多い。 風化作随をかなり受鍬ている砦7:である。 【X線:、:析による司定】 長フモゴ、普通輝禰,クリス:、バライトが認め られる:: 【モルタルバー法による判定】 無謀:供試体表面に反応性ケルが多量発生 し・ているョ 且型 偏光顕微鏡写真とX線測析図(2β〉 : 2 ノ レ 1mm 岸 一 1 二 . 丑 孝 − . − ヂ 、 = ● 1..-父.-.-‘ル 凸 朗 : m 一

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柵 118 堅 吊 詞 R j 田 記 沿 温 応 用 用 吊 表 3 - 1 試 料 岩 石 の キ ャ ラ ク タ ー ( そ の 5 ) 而 隅 用 語 q﹄ (同定鉱物名) F : 長 石 Q : 石 英 Au:替通輝石Ch:緑泥石 目

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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 )

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(同定鉱物名) F : 長 石 C r g ク リ ス ト バ ラ イ ト F A u : 普 通 輝 石 Q : 石 英 C r

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F 里 吊 両 用 田 孟 I G 器 昂 吊 馬 吊 扇 隅 隅 語 用 帯 吊 特 徴 NOz1〈石英閃緑斑器) 【含有鉱物】 斑晶:斜長石,単斜輝石,磁鉄鉱 石蕪:斜長石,単斜輝石,磁鉄鉱 斑晶と石基部の反別がつきにくい。 石 基 部 が ・ 様 で な い 。 鉱 物 の 変 質 が 激 し い く過去肱熱変化を受けた荷能性大> 角 閃 荷 類 、 緑 泥 石 、 方 解 茄 な ど も 含 ま れ て いる。 【X線回析による司定】 長;F,普通輝石、石英、緑泥‘fiが認められ る。 【・モルタルバ・法による判定】 無害:供試体表面に反応性ゲル脇認められ ない。 NO二2(安::;岩 【含有鉱物】 斑晶:斜長石,単斜‘諏石,斜方輝子i,磁鉄 鉱 石基:斜,長石,単斜輝荷,斜方輝石 斑晶が多く、大・小の斑晶が散在している

【X線可析による│「1定】

長石,普通輝石,石英,クソストバライl、 が認められる。 【モルタルバー法院よる判走】 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ケ ル は 認 め ら れ な い 偏光顕微鏡写真とX線!:]:析凶〈28) 単 . , 凡 二ninl ー - − 1 巴 目 扇 R j 母 路 細 凋 応 吊 紹 罰 単 、 弱 ヨ ル lmm l 一 I同定鉱物名) F;長石Crgクリ入1、パヲイト A u : 薪 涌 輝 石 q : 石 茎

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表 3 - 1 試 料 岩 石 の キ ャ ラ ク タ ー ( そ の 6 ) Au 久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究 (同定鉱拘名) r:クリストバライト :石英 ハル1 Cr:クリストバライト Q : 石 英

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石 英 , 斜 長 石 , 黒 雲 母 , 緑 泥 石 120 粒 状 組 織 は 、 比 較 的 大 き い c 表3-1試料岩石のキャラクター(その7) 1x線回析による同定) 長 石 、 普 通 輝 石 、 石 英 、 ク リ ス ト バ ラ イ ト が 認 め ら れ る 。 1モルタルバー法による判定】 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ゲ ル は 認 め ら れ (同定鉱物名) C r : ク リ ス ト バ ラ イ ト ない。 q

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E、 唾、 唖嗣 圭m mm BⅣ、 |m pm 罰皿 自由 缶鮎 ・哩鮎 唖四 丁四 m佃 和也 一m pm No16(砂岩) 【含有鉱物】 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) (同定鉱物名) F : 長 石 Q : 石 英 C h : 緑 泥 石 B i : 黒 裳 母 Q 石 英 、 長 石 、 黒 雲 母 、 緑 泥 石 が 認 め ら れ る (モルタルバー法による判定I 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ゲ ル は 認 め ら れ ない。

里 呂 両 思 田 孟 肥 用 吊 沼 用 吊 扇 用 用 語 吊 黒 馬 No16(砂岩) 【含有鉱物】 石英,斜長石,黒雲母,緑泥石 粒状組織は、比較的大きい。 【x線回析による同定】 石 英 、 長 石 、 黒 雲 母 、 緑 泥 石 が 認 め ら れ る 【モルタルバー法による判定】 無害:供試体表面に反応性ゲルは認められ ないハ

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久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実‘験的研究 12] 表3-1試料岩石のキャラクター(その8) 特特 徴徴 No18(砂岩) {含有鉱物) 黒雲話,緑泥揖 粒状組織は、比較的小きい. 【X線回析による11;1歳】 芯 英 、 長 王 、 黒 雲 謡 、 緑 泥 芯 が 認 め ら れ る 【モル 鉦 索 ・ 小 曲 L m 心 なし、。 タ ル バ ー 供試'体表 Ko32〈硬質砂器) 【含有鉱物】 萌英,斜催蒋,黒雲鐘,緑泥宿 粒状組織魁、比較的パきい 黒雲対、緑泥涯が多く合ま 【X線:房i析臆よるr定】 り れ て iま認められ い 為 石英、長程、黒雲母が認められあ。 【-審ルタルバーー法による判走】 無密:供試体表面に反応性ケルは認められ, ない:: 里. 偏光顕微鏡写真とX線同析同く28) 色 → ■■ ノレ lIIRm 卜 寸 直 交 二 畠 フ ル X 蝿 m l I

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122 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 表3-1試料岩石のキャラクター(その9) 特 徴 No38(砂岩) {含有鉱物11 石英,斜長石,黒雲母,緑泥石,方解石 粒状組織は、比較的大きいc 方解石が多く含まれている。 【x線回析による同定】 石 英 、 長 石 、 黒 雲 母 、 緑 泥 石 が 認 め ら れ る 【モルタルバー法による判定】 無 害 : 供 試 体 表 面 に 反 応 性 ゲ ル は 認 め ら れ ない。 単 偏光顕微鏡写真とX線説.析同(28) . . 』 ハ ■画宅 −nlnl B 一 一 弓 直 交 一 % : 苫 ル 1111諒 卜 1 曾 局 届 穏 隠 語 闇 器 用 馬 闇 烏 示 器 黒 語 罵 篇 罵 ’ 写真中の記号【安山岩系岩石(斑状組織)の斑晶名】 P1:斜長石(Plagioclase) Cpx:単斜輝石(Clinopyroxene) Opx:斜方輝石(Orthopyroxene) Mt:磁鉄鉱(Magnetite) Q:石英(Quartz)

(15)

123 【3】実験結果と考察 骨材のアルカリ反応促進試験供試体の観察結果をま とめ,表3−2と写真3‐1∼5に示す。 実験結果によれば,モルタルバー法の判定で有害骨 材(NC2,4),無害骨材(NC1,9)にかかわらず, こ れ ら 安 山 岩 系 の 骨 材 を 使 用 し た 4 種 類 の 供 試 体 に は,反応ゲルおよび反応リムが確認され,また,ひび 割れも発生した。しかし,NO2のように反応性の程度 にアルカリ濃度との相関がみられないものや,No9の ようにアルカリ濃度が高いほど反応度も高くなるもの がある。 一方,砂岩(NC38,39)には反応ゲル・反応リム・ ひび割れともに,まったく認められなかった。 次に,反応ゲル・反応リム・ひび割れが確認された 安山岩骨材(NC2,4,9)のアルカリ反応後の変化 を,偏光顕微鏡により観察し,その結果を写真3‐l ∼5を用いて説明する。 写真3‐lはNO2(Na20等価量2%)で,反応リ ムの内側に準反応部と思われる部分が観察された。ま た,石基部が反応しており,斑晶は反応前と変わらな いことから,石基部に反応性鉱物が含まれていること が判る。 写真3‐2はNo4(Na20等価量1.5%)で,この骨 材特有の微細なひび割れに沿って反応が骨材内部にま で進んでいることが観察された。この骨材がはっきり した反応リムを形成しなかったのは,この微細なひび 割れに沿って反応が骨材内部まで進んでいたためであ る。この骨材も斑晶には変化はみられない。 写真3−3はNo4の石基反応部を200倍に拡大したも ので,火山ガラスならびに一部の斜長石に変質が観察 された。写真3−4は同試料の石基未反応部の火山ガ ラスおよび斜長石で,反応部と異なり,正常な状態を 維持している。 写真3‐5はNo9(Na20等価量1.5%)で,セメン トペースト部の膨張ひび割れに沿って,シリカゲルの 浸出がみられる。しかし,斑晶に変化は認められない。 なお,この骨材はモルタルバー法では無害の判定と なっている。 以上のように,反応'性骨材でも,骨材中の斑晶は反 応しておらず,石基部が変質(反応)していることか ら,石基中に有害な鉱物が含まれていることが判った。 その中でも,常温において熱力学的に不安定な火山ガ ラスが反応‘性であることが確認された。 また,No4の骨材のように,もともとそれ自体に微 細なひび割れがあれば,反応は骨材内部まで進み,そ れがモルタルバー法において大きな膨張を起こす原因 の一つと思われる。 表3-2アルカリ反応促進試験供試体の観察結果表 モルタルバー法 判 定

器i三二fF言程干司二千二忘二而;壱急丁望

岩 久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究 ※アルカリ濃度(%) 害 細E

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(16)

124

鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 写真・3−3アルカリ反応後の変化(No.4骨材:反応部の石基) 霧■寧告

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(17)

職冒一 $ 可 、 125 ,ゾャ部 ijl鳶 久 米 ・ 迫 田 ・ 川 畑 : 鹿 児 島 県 産 砕 石 の ア ル カ リ 反 応 に 関 す る 実 験 的 研 究 写真・3−5アルカリ反応後の変化(No.9骨材使用:Na20等価量1.5%) 写真・3−4アルカリ反応後の変化(No.4骨材:未反応部の石基) 4。モルタルバー法による膨張率試験 【l】実験目的 鹿児島県産骨材のうち,代表的な24種類の砕石につ

いて,モルタルバー法によりアルカリ骨材反応の判定

を行う。 【2】実験方法 実験方法は,JIAA5308レデーミクストコンクリー ト附属書骨材のアルカリシリカ反応性試験方法 (モルタルバー法)による。詳細は省略する。 【3】実‘験結果および考察 実験結果を図・4−1∼2に示す。 JIS・モルタルバー法による判定(3本の平均膨張 率が,6か月後に0.100%未満の場合は無害とし, 0.100%以上の場合は有害とする。また,3か月で 0.050%以上の膨張を示した場合は有害としてもよい が,3か月で0.050%未満のものは6か月まで試験を 続けた後に判定する。)で,有害な膨張を示した骨材 は24種類中,N02,3,4(いずれも安山岩)の3種 類である。なお,No6(砂岩),13(安山岩)と32(硬 質砂岩)が,やや膨張傾向を示しているが有害と判定 されるまでには至っていない。 外観観察では,有害判定のNC2,3,4は,いずれ も 多 量 の 浸 出 物 ( 供 試 体 表 面 の 斑 点 状 の し み ) や ケ ル (白い固形状のもの)の発生がみられた。しかし,NolO のように膨張は示さないが,浸出物やゲルの発生が多 いものもあった。このように,浸出物やケルの発生が 直接膨張につながるとは必ずしも断定できない。これ はモルタルの膨張が,反応性生成物の量だけではなく, そ の 粘 性 や 剛 性 な ど に も 影 響 さ れ る た め と 思 わ れ る 。 雛溌恥

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(18)

-0.10 126 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 図.4−1モルタルバー法による膨張率の経時変化 -0.10 0.20 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 − ミ ー 三 一 三 -0.10 -0.10 0.10 0.20

緯≦三三=====

0.20 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 -0.10 −0.10 -0.10 一 彦 一 三 − − = E 一 一 一 U 0.20 0.20 0.10 0.10

冨豊=当差崖望三竺塞ミミ

0.00 0.00 -0.10 0.00 -0.10 多3 0.10 0.20 一 一 一 崖 一 一 − 一 一 = 0.00 0.10 0.00 0.00 -0.10

−0.10 ま 、IIJ 0.20 0.20 訳 0.10 0.00 0.00 −0.10 j‐脂 0.20 0.10

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(19)

127 0.20 久 米 ・ 辿 田 ・ 川 畑 : 鹿 児 島 県 産 砕 石 の ア ル カ リ 反 応 に 関 す る 実 験 的 研 究 図 . 4 − 2 モ ル タ ル バ ー 法 に よ る 膨 張 率 の 経 時 変 化 ] ‐ 3 5 Ⅶ 史 民 0.20 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 -0.10 -0.10 ﹁︼ 0.20 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 -0.10 −0.10 J,3011』〃仁 0.20 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 −0.10 −0.10

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︵訳︸ 0.00 −0.10 −0.10 0.20 0.10 0.10 0.00 0.00 ま -0.10 -0.10 -0.10 0.00 一 一 一 コ 雪 = 0.00 0.20 0.20 0.10 0.10 ] ‐ 4 0 Ⅷ 丈 一 = 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 三 一 一 冊塑熱 。.32(‘l』史貝叩

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(20)

0.3 128 ニ ー ヘ 、。 ごO、2 卜に水酸化ナトリウムを添加して調整)とした。 測定材令は,脱型時,2,4,6,8,10,12週, 3,4,5,6か月である。なお,膨張率の測定と並 行して,供試体表面のひび割れや浸出物の観察も同時 に行なった。 【3】実験結果および考察 実験結果を図・5‐1∼3に示す。 NO2骨材は,材令6週頃から徐々にペシマム傾向が 現れ,材令とともにペシマム値は,反応性骨材の混合 比の少ない方に移行する。しかし,材令8週から3か 月の間に混合比60%でやや膨張率に落込み現象がみら れ,40と80%の二点にピーク値をもつペシマム曲線と なるが,4か月以降ペシマム値は20%で落ち着く。す なわち,NO2骨材のペシマム値は20%となり,その材 令6か月の膨張率は0.369%で,反応'性骨材100%の同 材令における膨張率の約1.5倍(膨張率の差0.124ポイ ント)にあたる。(図5‐1) No3骨材は,膨張の発現(材令10週)が始まると同 時に混合比40∼60%にベシマムが現れ,その傾向は材 令6か月まで持続する。材令6か月の膨張率は反応性 骨材100%に対し,約1.7倍(膨張率の差0.076ポイント) にも達する。(図5‐2) No4骨材の材令3か月までのペシマム曲線は,混合 比10∼60%の範囲でほぼ直線的な膨張を示すが,60∼ 100%では,あまり変化はみられない。 6か月でのペシマム値は60%であるが,100%の膨 張率の約1.1倍(膨張率の差0.039ポイント)で,Iまつ このように,鹿児島県産コンクリート用砕石の中に もアルカリ骨材反応を起こす骨材が存在し,現在使用 されていることを認識しておく必要がある。 5.ペシマム現象に関する実験 T、E、Stantonは,反応性骨材を含有するモルタル の膨張量は,骨材中反応成分の割合がある値のとき最 大となることを明らかにした。’)・9)この値のことをペ シマム堂という。 したがって,反応性骨材を使用するコンクリートの 配合設計ならびにポゾランによる抑制効果の検討など に際し,このペシマム量の存在は重要な意味をもって いる。したがって,反応‘性骨材のペシマムについて検 討しておく必、要がある。 【l】実験目的 モルタルバー法により有害と判定された3種類の骨 材について,膨張量のペシマムに関連する反応性と非 反応性骨材の混合比の関係について検討する。 【2】実験方法 実験方法は,前記のモルタルバー法に準ずる。 使用した骨材は,モルタルバー法で有害と判定され たNC2,3,4(安山岩)および同.無害判定のNo11 (石英閃緑斑岩)である。 反応性骨材の混合比率は10,20,40,60,80,100%

の6種類とし,非反応性骨材にはNo11を使用した。な

おセメントのアルカリ濃度はR20で1.2%(Na20等 価量0.45%の低アルカリ形・普通ポルトランドセメン 0.4 0.4 論翠達 掛鎖蕊 0.3 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 1 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 反 応 性 骨 材 の 混 入 率 ( % ) 図.5−2ペシマム曲線(使用骨材:No.3) 雪0.2 1 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 反応性骨材の混入率(%) 図.5−1ペシマム曲線(使用骨材:No.2) 0.1 0.1 0.0 0.0 N0.3/1.2x ー ● ● ● ② ● ● ● 。 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 。 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 巳 ② の ■ ① ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ● HH。H 65.4 3H = − − − − − − 2 N 芦 ● ● ● ● P ● ● ■ ● N0.2/1.2Z HHH 654 3FI 12W 10N 8W 6W 4W う ■

(21)

0.3 129 承0.2 コンクリートバー法による骨材のアルカリ反応性判 定試験方法は,試験設備が大型化することなどから, 現在のところまだ確立されていない。 しかし,実際のコンクリート構造物で有害な反応が 起こるか否かを試験する方法としては,モルタルバー 法より適した試験方法であることはいうまでもない。 また,コンクリートバー法は調合変更や混和材料の使 用による劣化防止対策の検討などにも有効に利用でき ると考えられる。 そ こ で , コ ン ク リ ー ト バ ー 法 に よ る 膨 張 量 試 験 を 試 みた。 【l】実験目的 コンクリートバー法による膨張量試験が,骨材のア ル カ リ 反 応 性 判 定 試 験 方 法 と し て 適 用 で き る か 検 討 す る。また,モルタルバー法との比較により,モルタル と コ ン ク リ ー ト の ア ル カ リ 骨 材 反 応 の 違 い に つ い て 検 討する。 【2】実験方法 使用材料は,粗骨材が反応‘性骨材NC2,3,4と非 反応性骨材Noll(共に砕石),細骨材には普通砂(モ ルタルバー法で非反応性を確認済み)を使用した。 セ メ ン ト は 普 通 ポ ル ト ラ ン ド セ メ ン ト ( 低 ア ル カ リ 型:Na20等価量0.45%)で,アルカリ濃度を水酸化 ナトリウム(試薬特級)により1.2%に調整した。 骨材の性状とコンクリートの調合表を表6‐1,2に 示す。 水セメント比を45%とした理由は,水セメント比に もペシマムが存在し,水セメント比が小さいほど単位 セメント量が多くなるため,膨張量も増大するといわ れている'0)。したがって,通常使用されている建築 用コンクリートの水セメント比のうち,膨張量の最も 大きい,45%を採用した。 供試体は,80×80×300(、、)の角柱とし,コンクリー ト打設時に膨張量測定用プラグを埋め込み,それぞれ 3本ずつ作製した。 供試体の養生は,打設後,20±3℃,RH85%の恒 温・恒湿室で前養生の後,モルタルバー法に準じ,試 験期間中,気密な養生縮で温度40±2℃,相対湿度95% の養生を行なった。 測定材令は,0(脱型時),2,4,6,8,10,12, 13週(3か月)とした。なお,供試体は測定前日養生 槽から取り出し,養生箱に入れたまま24時間除冷した 後,測定を行なった。 【3】実験結果および考察 0.4 久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究

6.コンクリートバー法による膨張量試験

0 薪喋違 0.0 1 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 反 応 性 骨 材 の 混 入 率 ( % ) 図.5−3ペシマム曲線(使用骨材:NQ4) きりしたペシマム値は現れていない。 このように,同じ安山岩系の骨材でもペシマム値が 異なることに注意しなければならない。 この実験で同時に行った供試体表面の観察によれ ば,NO2,3,4骨材使用のいずれの供試体とも,膨 張するに従って浸出物の発生量も増加し,また,膨張 量の大きい供試体ほど浸出物の発生量も多く,この傾 向は前述のペシマムと類似している。 浸出物は,初期の段階で透明なゾルまたは軟らかい ゲル(写真3‐1,濡れたような斑点)が発生し,そ

の後,白色不透明なケルが発生した。これは,浸出物

中の陽イオン(Na+,K+,Ca2+)の拡散速度の違い

から時間的に変化するもので,高アルカリ型(Na+,

K+を多く含有するもの)が,セメントペースト中の

Ca(OH)2等からカルシウムを取り込むことによっ

て高カルシウム型になると考えられている。

一方,ひび割れは,NO2骨材使用の供試体に発生し

(写真3‐l),これが膨張量を大きくした原因でもあ

る。No4骨材使用の供試体(混合比60∼100%)は,NO2

と同様の膨張を示し,かつ,浸出物の発生量も多いが,

ひび割れは発生していない。これは,アルカリ・シリ

カ反応によって生成されるアルカリ・シリカゲルの吸

水によって発生する膨張圧およびひび割れの進展状況

が,ケルの粘‘性ならびに剛性に大きく左右されること

によるものと思われる。 N0.4/1.2% HHH 654 3N 卜2件。, 10N 、8hL.‘ 6N 4W PDu

(22)

45 130 率は,材令3か月で0.02および0.03%に対し,一方, 同じ反応性骨材でも,No3骨材(モルタルバー法によ る材令3か月の膨張率は0.04%で無害判定,同6か月 では0.13%で有害判定)使用の供試体は,‐0.01%と収 縮傾向にある。したがって,No3骨材のようにモルタ 表6-1骨材の性状 図6‐l∼4に,コンクリートバー法による材令3 か月までの膨張率の経時変化を示す。 反応性骨材NO2と4(モルタルバー法による材令3 か月の膨張率は,0.20および0.22%,同6か月は0.24 および0.30%で,共に有害判定)使用の供試体の膨張

モ ル タ ル バ ー 法による判定 有 害 有 害 有 害 無 害 鉦 空 :‘ 0 . 、 r ] 試 料 NC 2 3 4 11 吸 水 率 岩 石 の 種 類 安 ’ 1 1 岩 安 山 岩 安 山 岩 石英閃緑岩 普 通 砂 表 6 - 2 コ ン ク リ ー ト の 調 合 表 図 . 6 − 4 単位水量 (k9/㎡) 絶 対 容 積 ( 《 / ㎡ )

了「W奇平愚

水セメ ン ト 比 (%) 細 骨 材 量 (%) ス ラ ン プ (c、) 図 . 6 − 3 図 ・ 6 − 1 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) 0.04 0.04 雪0.02 課0.02 背r 韻0.00 連 餅 韻0.00 塗 -0.02 -0.02 材 令 ( 週 ) コ ン ク リ ー ト バ ー の 膨 張 率 の 経 時 変 化 (使用砕石:No.2) 材 令 ( 週 ) コ ン ク リ ー ト バ ー の 膨 張 率 の 経 時 変 化 (使用砕石:No.3) 0

20

00

誤︶叫謝謹蓮 図 . 6 − 2 訳0.02 調下 篭0.00 、負、 雲 0.04 0.04 材 令 ( 週 ) コ ン ク リ ー ト バ ー の 膨 張 率 の 経 時 変 化 (使用砕石:No.11) −0.02 -0.02 材 令 ( 週 ) コ ン ク リ ー ト バ ー の 膨 張 率 の 経 時 変 化 (使用砕石:No.4) No.11 ■●●■●●●●●●●●●●●e●●●●●●●■①■●■●●●●●●●●。●●●●●●け●色●●●●●●●◆。●。●●●●●●。■●●●■●●●●●●e■。●。●●●●●●●■q ■●曲●●■毎■①■●●●●G■●●●p●。●■。●●◆G●■●e●●●●むゆ■●●●口■●。●骨●●●●●●■■●p●●甲P●●。。。●●●●●●●⑧●●●ゆ●●●●■句●●. 2 4 6 8 1 0 1 2

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戸ーミーーミ三三=≦二三二雪

(23)

久米・迫田・川畑:鹿児島県産砕石のアルカリ反応に関する実験的研究 131 ルバー法で反応性と判定された骨材でも,若材令での 膨張傾向が緩慢なもの(モルタルバー法の3か月の判 定で無害,同6か月の判定で有害)は,コンクリート バー法では膨張しないか,あるいは膨張するまでに時 間がかかるものと思われる。しかし,今回の実験では 試験材令を3か月としたため,その確認はできなかっ た。 なお,No2,4供試体の材令3か月のコンクリート バーの膨張率は,同材令におけるモルタルバー膨張率 の7∼10%程度である。 供試体表面の観察では,いずれの供試体にも,材令 3か月までひび割れや浸出物等は確認されなかった。 しかし,コンクリートバー供試体と同時に作製した 円柱供試体(#10×20cm)には,NO2,4骨材使用の 供試体に膨張ひび割れならびに小量の浸出物(写真中 の白い斑点)が観察された。 一方,N03,11骨材使用の供試体表面には,何ら変 化は見られなかった。 写真6−1に,供試体表面の状態を示す。 これらの供試体は,温度40±2℃,相対湿度95%以 上の養生槽に直接入れ,供試体表面に水滴が付くよう な湿潤状態で養生したものである。 このことから,水分の供給が十分な場合は反応が助 長され,膨張ひび割れを発生させたものと思われる。 したがって,この種の実験を行う場合,特に供試体 の置かれる湿度条件を検討する必要がある。 また,コンクリートバーの膨張率はモルタルバーの 10%以下であるにもかかわらず,このひび割れは,モ ルタルバーに発生したひび割れよりも大きい。これは, アルカリ骨材反応によって生ずる局部膨張圧が,モル タル中の細骨材よりコンクリート中の粗骨材の方が大 きいことによるものと思われる。 以上のように,コンクリートによる膨張量試験(コ ンクリートバー法)を,骨材のアルカリ反応判定試験 法として採用するには,まだ問題点も多い。すなわち, 膨張量がモルタルに比べ小さいため判定基準値を決め にくいこと,膨張に長期間を要すること,供試体が大 き く な る た め 試 験 装 置 も 大 型 に な る な ど が 挙 げ ら れ る。しかし,コンクリートで直接試験することから, コンクリート構造物に近い状態での試験法のため,今 後検討を加え,アルカリ骨材反応試験方法として確立 しなければならない。 7 . 結 語 鹿児島県産のコンクリート用砕石について,JISA 5308骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタル バー法)による判定の結果,3種類の反応性骨材が確 認された。これらの骨材は,いずれも安山岩である。 しかし,同じ安山岩系の骨材でも非反応性のものも多 いo 鹿児島県の岩石分布によれば,全体の40%は安山岩 で占められていることから,今後あらたに安山岩系の 岩石からコンクリート用砕石を製造する場合,事前調 査を行い,安全性を確認しておかねばならない。 F 雫 恥 簿

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【No.2砕石使用】 アルカリ骨材反応特有の マップ状のひび割れの発 生ならびに少量の浸出物 (白い斑点)が観察され た。 写真・6−] 【 N o . 3 砕 石 使 用 】 【 N o . 4 砕 石 使 用 】 【 N o . 1 1 砕 石 使 用 】 変 化 な し ア ル カ リ 骨 材 反 応 特 有 の 変 化 な し マップ状のひび割れの発 生ならびに少量の浸出物 (白い斑点)が観察され た。 コンクリートバー法(材令3か月)による円柱供言式体の表面状態

(24)

132 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 1 号 ( 1 9 8 9 ) この反応性骨材(砕石)を中心に各種の実験を試み たが,その結果をまとめると,以下のとおりである。 l)岩石学的考察によれば,同じ安山岩系骨材でも 反応性と非反応性骨材の含有鉱物にはっきりした違い は確認できなかったが,下記①∼⑤に示すいくつかの 共通点が認められ,この共通点を多く有する骨材ほど アルカリ反応‘性の骨材である可能性が高い。 ①粉末x線回析でクリストバライトのピーク値 がみられる。 ②石基部に水酸化鉄のような部分的変質があ る。 ③紫蘇輝石と石英を含む。 ④石基部に火山ガラスを含む。 ⑤石基部にGeothiteが認められる。 2)モルタルバー法試験における浸出物(ゾルまた はゲル)の発生は,即膨張につながるものではないが, 反応‘性骨材である可能性は強い。 3)同じ安山岩系の反応性骨材でも,反応成分の混 入割合によって,ペシマム値ならびにペシマム曲線の タイプが異なる。 4)プシマム値をもつ反応性骨材を,JIS規定のモ ルタルバー法だけで判定することは,有害骨材を見誤 る危険‘性がある。(反応性骨材を100%使用した場合に 膨張率が最大になるとは限らないため) 5)モルタルバー法に準じて行った,反応性骨材使 用のコンクリートバーの膨張率は,モルタルバーの膨 張率の10%前後と小さいが,水分の供給が十分な場合, ひび割れ発生の可能‘性がある。 以上,アルカリ骨材反応に関連した調査ならびに実 験を行ったが,まだ不明な点も多く,今後さらに検討 を加えたい。 謝 辞 本研究を行うにあたり,実験に協力を得た当時の学 部学生田畑清人,祐福貴司,渡辺大祐の諸君の労に 対し感謝します。特に,岩石学的試験においては,本 大学教養部地学研究室の浦島幸世,根建心具両教授に 終始ご指導戴きましたこと,ここに深く謝意を表しま す。 参 考 文 献 1)Stanton,T,E、:ExpansionofConcretethrough ReactionBetweenCementandAggregates,Proc・ ASCEVo1.66,1940 2)有泉昌:コンクリート用骨材の問題点,粘土科学 Vol、19N02,1979 3)九州支部材料施工委員会:九州地方における膨張 性骨材に関する調査研究報告書(昭和60.61年度 支部助成研究)昭和62.3 4)通産統計協会:昭和60年砕石統計年報 5)鹿児島県砕石協同組合連合回鹿児島県中小企業団 体中央会:活路を求めて(昭和54年度活路開拓調 査指導事業報告書)昭和55年 6)力田正一著:グリーンブックスlO6岩石薄片の 作り方 7)井上勤著:顕微鏡観察シリーズ4鉱物の顕微鏡 観察 8)浅田栄一,貴家恕夫,大野勝美著:X線分析 9)洪悦郎,鎌田英治,鈴木秀明:アルカリ反応'性安 山岩砕石のペシマム混入率・粒度に関する実験, セメント技術年報40昭和61年 10)Jones,F、EandRD・Tarletor:NationalBuild‐ ingStudies,ResearchPaperNo、25,1958

参照

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