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石田千尋 学位論文審査要旨

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Academic year: 2021

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平成23年2月

石田千尋 学位論文審査要旨

主 査 汐 田 剛 史 副主査 林 一 彦 同 村 脇 義 和

主論文

Functional gene polymorphisms of Interleukin-10 are associated with liver disease progression in Japanese patients with hepatitis C virus infection

(日本人におけるC型慢性肝疾患の進展とインターロイキン-10の機能的遺伝子多型との関 連)

(著者:石田千尋、池淵雄一郎、岡本欣也、村脇義和)

平成23年 Internal Medicine 掲載予定

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学 位 論 文 要 旨

Functional gene polymorphisms of Interleukin-10 are associated with liver disease progression in Japanese patients with hepatitis C virus infection

(日本人におけるC型慢性肝疾患の進展とインターロイキン-10の機能的遺伝子多型との関 連)

C型慢性肝疾患の進展には、ウイルス因子や環境因子とともに、宿主側因子が関与してい る。従来の検討で肝病変促進因子として、高齢での感染、男性、飲酒、肥満、免疫不全な どが挙げられている。加えて、最近では機能的遺伝子多型の存在が明らかになり、各種の サイトカインの遺伝子多型とC型慢性肝疾患の進展との関連が検討されている。本研究では、

抗炎症性サイトカインInterleukin -10(IL-10)の機能的遺伝子多型とC型慢性肝疾患の進 展との関連について検討した。

方 法

C型慢性肝疾患 184例 (慢性肝炎 94例、肝硬変 90例) を対象とした。IL-10 -1087 A/G 遺伝子多型は、Sugimotoら(J Gastroenterol Hepatol 22:1443、2007)の方法に従ってア レル特異的PCR法にて解析し、-824 T/C遺伝子多型は、Mokら(Arthritis Rheum 41:1090、

1998)の方法に従ってPCR-RFLP法にて解析した。転写活性については、-1087 Gアレル、-824 Cアレルで高いとされている。

結 果

慢性肝炎と肝硬変で遺伝子多型を比較すると、-1087 A/Gおよび-824 T/Cの多型頻度およ びアレル頻度で、両群間に明らかな差を認めなかった。ただ、肝硬変において、転写活性 の低い-824 Tホモ型では-824 Cキャリア型と比較して、血清アルブミン値、血小板数が有 意に低下し、Child-Pughスコアが有意に上昇していた。同様に、転写活性の低い-1087 A ホモ型は、-1087 Gキャリア型と比較してインドシアニングリーン 15分停滞率(ICG-R)が 有意に上昇していた。IL-10 -1087と-824遺伝子多型間には、それぞれ-1087/-824 AT、AC、

GCの組み合わせとなるハプロタイプが存在するが、そのハプロタイプの検討でも、慢性肝 炎と肝硬変での出現頻度に有意差は認めなかった。ただ肝硬変において、低転写活性アレ ルの組み合わせである-1087/-824 ATとAC型は、-1087/-824 GC型に比べて、ICG-Rが有意に

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3 上昇し、肝硬変の進展が強いことが示された。

さらに、5年間追跡できたC型慢性肝炎 52例において、ハプロタイプ別に肝線維化評価指 数であるFibro Index(Hepatology 45:297、2007)およびForns Index(Hepatology 36:986、

2002)を用いて、肝線維化進行速度を評価したが、いずれの指数でもハプロタイプ別で有 意差を認めなかった。

考 察

IL-10は、CD4陽性リンパ球のTh2細胞、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞など肝内の種々 の細胞から産生され、抗体産生やTh1リンパ球の活性を抑えることで炎症抑制に関与してい る。IL-10の遺伝子多型については、転写開始点以前のプロモーター領域-1087、-824、-597 にそれぞれ点変異が認められており、-824 T/Cと-597 A/Cは完全連結不平衡が確認されて いる。

IL-10の遺伝子多型とC型慢性肝疾患の進展において、今回の検討では、慢性肝炎と肝硬 変との間では明らかな多型頻度の差を認めず、慢性肝炎での肝線維化速度でもハプロタイ プ別に明らかな差を認めなかった。ただ、肝硬変で検討すると転写活性の低い-1087 Aホモ 型、-824 Tホモ型および-1087/-824ハプロタイプ AT、AC型で、肝実質機能の低下が認めら れ、肝病変の進展が速いことが示唆された。従来の報告でも、これら遺伝子多型では肝線 維化の進展が速いことが示されており、IL-10の産生低下がこの病態に関与しているものと 思われる。

結 論

C型慢性肝疾患での肝病変の進展に、IL-10の機能的遺伝子多型が関与しており、転写活 性の低いIL-10 -1087 Aホモ型、-824 Tホモ型および-1087/-824ハプロタイプ AT、AC型が 肝病変進展の危険因子であることが示唆された。

参照

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