博士(医学)山田秀人 学位論文題名
Suppression of tumorigenicity and induction of senescence on human endometrial carclnoma cell lines by transfer of normal human chromosomes
( 正 常 ヒ卜 染 色体移入 による子 宮内膜癌 細胞株の 造 腫 瘍 性 の 抑 制 と 老 死 化 の 誘 導 )
学位論文内容の要旨
正常 簫 ‖胞 に 癌 抑制 遺 伝 予が 存 社す る こ とは 、正常 細 I 胞と腫 瘍!fllI 胞との 融 合 細 胞 に お い て 、 造 腫 瘍 セ ヒが 抑 制さ れ る ‑ f 尖よ り 示 唆さ れ て きた 。 これ ら riill 合 荊 ‖胞 を 用 いて 痂 抑 制遺 伝 予が 存 在 する 特 定の 染 色 休を 同 定す る た めに は 、 長 ! 明 に わ た る 培 養 過 群ミ で 染也 休 が 脱落 し 、か つ 造 臓瘍 性 を襾 獲 得 した 融 合 荊 11 胞 ク ロ ー ン が 複 数 必 要 で あ っ た 。 し か し 、 今 lnl pSV2nco 遺 伝予 を 正 常 ヒ 卜 染 色 休 に 導 入 し た 後 、 単 一 ヒ 卜 染 色 休 を 含 む マ ウ ス A9 細 I 胞 ラ イ ブ ラ リ ー を作 製 し、 こ れ らを Jl1 亅い る こ とに よ っ て巾 n 瘍荊 ‖胞に対 する痂抑 制遺伝 予 が 存 在 す る 染 色 休 を 商 接 的 に I 司 定 す る 方 法 を 1 淵 発 し た 。 本和 「 究で は 2 純 類 の予 寶 I 勾 膜癌 荊 ‖ 胞株 に 対す る 純 々の ヰ i 一 ヒト 染 色 体移 入 実 験を 行 ない 、 単一 ヒト染色 休移入翁 ‖胞(微小 核融合銅 ‖胞)ク ローンの 0 唖 瘍 特 性 の 変 化 を 検 討 す る こ と に よ っ て 、 予 っ イ 内 JJ 災 癌 に 対 する 痂 抑制 遺 伝 f の 存 在す る 染色 休 の 同定 を 試み た 。
n. 研 究 1 オ 料 お よ び 方 法 1 .おn 胞
HHUA および IshikttwiI 泉lI)JLI は分化!伽脈繊i ,|1 来の予f ; TI 々股癇銅‖胞株で、
HH UA II 胞 の 染 色 休 核 型 は 46 , XX(73 % ) と 46 , XX , 4p+(37 % ) で あり 、 また
Is hikaw a;flll 胞の染色体核別は46 ,XX ,5p+ ,‑13 ,十(13q ),十mar である。゛両荊‖胞
ともヌ ードマウスへの移樹〔(1x1() 們)によって、 100 %の舟| j 他に 3 .5 週 I 円で
臓 瘍 を 形 成 す る 。 両 荊 IIJ 胞 を 微 小 核 融 合 尖 験 の 対 象 細 胞と し た 。微 小 核細 胞
は pS V2 nco 遺伝予をもつ. iit 一ヒ卜染色休(MRC‑5 またはNTI‑4 荊‖胞 I ,」三I 来)を
含むマウスA9 細胞ライブラリーより作製された。
2.微 小 核 融 合 法 をJ:I〕 い た ・ ‖i一 ヒ ト 染 色 休 移 入
‑博 一 ヒ 卜 染 色 体 を も つ マ ウ スA9 11胞 を48時1伽 コ ル セ ミ ド(().05肛g/ml) 処 理 し た 後 、 フ ラ ス コ を サ イ ト カ ラ シ ン ( 10ルg/ml) を 含 む 培 養 液 で 満 た し 、 80 00rpm、60分 問(370C)の 超 述 心 を 行 な っ た 。 彳 ・ 謦 ら れ た 微 小 核 荊 ‖ 胞 を フ ィ ル タ ー ( 8ロ m、 5〃 mお よ び3ル m)池 過 後 、 47% ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (MW1000) を 用 い て HHUAお よ び Is hikaw a%lll胞 と 融 合 し た 。 細 胞 は G418( 800ルg/ml) を 含 む 培 地 で 3週 間 以 上 培 養 さ れ 、 pS V2nco遺 伝 子 が 導 入 さ れ た 微 小 核 融 合 細1胞(G 418鮒 セI! ク ロ ― ン ) だ け が 選 択 さ れ た 。 得 ら れ た G418耐 性 ク ロ ー ン を キ ナ ク リ ン マ ス タ ー ド 法 に て 染 也 体 核 型 分 析 し 、 単 一 ヒ ト 染 色 休 の 移 入 を 伽 ! 言 忍 レ た 。
3.染色体insituハイブリダイゼーション
pS V2 nco pliis midをI^H1cIATPと1 H] cIC TPをJl・亅しヽてNick ‑tratn sl,ition法 で ラ ベ ル レ 、 染 色 体 ス ラ イ ド 上 で ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー ノ ョ ン を 行 な っ た 。 染 色 休 ス ラ イ ド は 洗 浄 後 、NR‑M2 nuclccir trcick ciriulsionで 被 覆 さ れ 、11|1 問 の 静 冠(40 C)後 に 現 像 さ れ た 。 同 ‖ ヤ に 染 他 体 を キ ナ ク リ ン マ ス 夕 一 ド 法 にて染也した。
4.JJ唖 瘍 特 性 の 検 討
親 細I胞 お よ び 微 小 核 融 合 細 胞 ク ロ ー ン を4‑6迎 令 の ヌ ー ド マ ウ ス ( ICR nu/nu) に 移 植 (lx 10 個 ) し 、 経 ‖ む 的 に 腫 瘍 径 を 計 測 す る こ と に よ っ て 造 腫 瘍1生 の 検 討 を 行 な っ た 。1吹 寒 天 培 地 ( ( ).33% ) にlx10 佃 の 細 胞 を 播 種 し、
3週 川 後 に 直 径100肛 m以 上 の コ 口 ニ 一 数 を 計 測 す る こ と に よ っ て 足 場 非 依 存 竹 : 増 殖 能 を 検 討 し た 。 ま た 、 直 径20mdishに1 x10 個 の 銅 ‖ 胞 を 播 純 し 、 2・3冂 侮 に 細 胞 数 を 測 定 し 翁 ‖ 胞 増 殖 速 度 を 外 定 す る と 同 時 に 、7H後 に 飽 和 翁IJ胞 密 度 を 算 定 し た 。
m. 翁 − 架 1. 微小核融 合法をJTJいたjit一 ヒト染色 休移入
jF↑ ; , ヒl‑1,6, り ,11お よ び19冊 染 色 休 の , 符 移 人 火 験 に よ っ て 、5‑15們
(H HU A)またはB‐1ltll!il(lshikaiwこI)のG41R10jJPl:クローンをi讐た。1冊染他体 移 入 実 験 に よ っ て 得 ら れ た G418耐 性 ク 口 ー ン の66.7% ( 10/1‑5, HHUA)と 40.0%(4/10,Is hikawミI) が17荊 ‖ 胞 分裂 以IJuに 老 死化 し 、a;ili胞 質 のIi大 化 、 銅 ‖ 胞 の タ ・/核 化 お よ び 扁‑ l化 な ど の荊 ‖ 胞 形 態の 耕 し い変 化 が 観察 さ れ た。6, り ,11お よ び19番 染 色 体 移 入 実 験 に よ っ てi薯 ら れ たG418耐 川 ! ク 口 ー ン で は 培 養 の 逝 椪 で 荊 ‖ 胞 形 態 の 変 化 は 観 察 さ れ ず 、 老 死 化 は 認 め ら れ な か っ た 。 2.微小核 融合細 胞クロー ンの染色 体分析
染 色 休 核 型 分 析 の 結 果 、 1本 ま た は2本 の1, 6, 9,11お よ び1リ 喬 染 色 休 の 移 人 を60 ‑100% (HHUA) お よ び33 ‑100%(Ishikawa) のG41.8耐 I吐ク ロ ー ン で 硼 ! 認 し た 。 染 色 休in situハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の 利f果 、1喬 染 色 休 で pS V2 nco遺 伝 予 が 導 入 さ れ て い る 染 也 休 閂 ! 他 をlp34 ‑36で あ る こ と を |i・d定 し 、 ヒ ト1番 染 色 休 を も つ マ ウ スA9荊 ‖ 胞 のpS V2 nco遺 伝 予 が 導 入 さ れ て い る染色 休座位と1司 一である ことを 仰!認レ た。
4 .微小核融合糾I 胞クローンのin vitro 肚瘍莉!.H :
1 番 染 色 体 移 入 ク ロ ー ン で 足 場 爿. 三 依 行 性 増 釿 H 能、 細胞 坩姓 速度 およ び飽 和紬1 胞密度の低下が観察された(HHUA およびIs hikawa )。
6 , 9 , 11 お よ び 19 番 染 色 体 移 人 ク 口 ー ン で は 足 場 非 依 存 性 増 殖 能 、 細 胞 増馳述度および飽和荊‖胞密度は、糾荊ll 胞とI 川等でin vitroJ 亅蝦瘍特1 生の低下 は認められなかった(HHUA およびIs hikawa )。
IV . 考 察
2 種 類 の 子 宮 1 勺 股 癌 細 i 胞 株 (HHUA お よ び Is hikawa ) へ の 正 常 ヒ 卜 1 , 6 お よ び 9 番 染 也 体 移 入 に よ っ て 、 in vivo の造 ルR 瘍 ヤI :が 允全 に抑制 され たこ と から 、子 宮IAJ 股j 出琉 ;抑 制遺 伝予 がこ れらの 染色 休亠 に他ほすることがカミ唆 さ れ た 。 ま た 、 一 種 類 の 染 色 体 だ け で は な く 、 俊 数 の 染 色 体 が 同 等 に 辻 肚 瘍 性 を 完 全 に 抑 制 し たこ と は 、 子 宮 IAJ 股 糾 I 胞 の jm 化 過 縦 に お い て 単 一 ではなく、複数の繊抑制遺伝予の典↑ヨがIXJ 与(多段階発7m )している可能1 !I : を カ ミ 唆 す る も の で ある 。 痘 ; 抑 制 遺 伝予 の作 川機 能と いう 観点か らは 、最 低 I 眼一つの船;抑制遺伝子の,依伴のもとで、その効栄(辻肚瘍セヒの允全な抑制)
が十分発現することが判1 リj した。
1 番 染 色 体 の 移 人 に よ り 、 in vivo の 辻 肚 瘍 vli の 抑 制 の み な ら ず 、 in vi tro の 腫瘍 特性 の低 下が 観察され、翁lj 胞jl 彡態の著しい変化(知J 胞質の巨人 化、 細胞 の多 核化 およ び扁 lli 化)が;認められたこと、およびG4 18i(ii! 性クロ ー ン の 選 択 過 程 で 人 部 分 の ク ロ ー ン が 尨 ウ ヒ 化 し た 現象 か ら 、 1 番 染 色 体 上 に子宮内股痘;の老タヒ化に係わる遺伝イ・か行4I .三する可能性がホ研究によって はじめて示唆された。
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学位論文審査の要旨
主 査 ′ 教 授 藤 本 征 一 郎 副 査 教 授 細 川 眞 澄 男 副 査 教 授 葛 巻 暹
学 位 論 文 題 名
Suppression of tumorigenicity and induction of senescence on human endometrial carclnoma cell lines by transfer of normal human chromosomes
(正常ヒト染色体移入による子宮内膜癌細胞株の 造 腫 瘍 性 の 抑 制 と 老 死 化 の 誘 導 )
2種類の子宮内膜癌細胞株(HHUAおよびIshikavra細胞)に対する種々の単一ヒト染色体移入実験を 行ない、単一ヒト染色体移入細胞(小核融合細胞)クローンの腫瘍特性の変化を検討することによっ て、子宮内膜癌に対する癌抑制遺伝子の存在する染色体の同定を試みることを本研究の目的とした。
HHUAおよ びIshikawa細 胞は分 化型腺癌 由来の 子宮内 膜癌細 胞株で 、両細 胞とも ヌードマウスへの移 植 (ixi07個) に よ っ て、100% の 部位 に3ー5週 間 で 腫 瘍を 形 成 す る。 微 小 核 細胞 はpsv2neo遺 伝 子をも つ単一 ヒ卜染 色体(MC―5また はNn−4細 胞由来 )を含 むマウ スA9細胞 ライブラリーより作製さ れた。
単一ヒ 卜染色 体をも つマウ スA9細胞 を48時間 コルセ ミド(0.05ug/ml) 処理し た後、フラスコをサ イ トカ ラ シ ン (10ug/ml) を 含 む培養 液で満 たし、8000rpm、60分 間(37℃ )の超 遠心を 行なった 。 得 ら れ た 微 小核 細 胞 を フィ ル タ ー (8um,5umお よ び3um) 瀘 過 後、47% ポリ エ チ レ ング リ コ ー ル
(湘1000)を用い てHHUAお よびIShikawa細胞と融合した。細胞はG418(800u&/ml)を含む培地で3週間 以 上培 養 さ れ 、pSV2ne0遺 伝 子 が導 入 さ れ た微 小 核 融 合細 胞(G418耐性ク 口ーン )だけが 選択さ れ た。得 られたG418耐性ク 口一ン をキナ クリン マスタ ―ド法 にて核 型分析し 、単一 ヒト染色体の移入を 確認した。
pSV2neoplasmidを[゜H]出帆)と[ H]dCTPを用いてNick―translation法でラベルし、染色体スライド 上 でハ イ ブ リ ダイ ゼ ― シ ョン を 行なっ た。染 色体ス ライド は洗浄後 、NR−M2nucleartracke恥lsion で被覆 され、ll日間の 静置(4℃)後 に現像 された 。同時 に染色体をキナクリンマスタード法にて染色 した。
親 細 胞あ よび微小 核融合 細胞ク 口ーン を4−6週 令のヌ ードマ ウス(ICRnu/nu)に 移植(lx107個)
し、経 時的に 腫瘍径 を計測 するこ とによっ て造腫 瘍性の 検討を 行なっ た。軟 寒天培地(0.33%)に1 xlO゜ 個 の 細 胞を 播 種 し 、3週 間後 に 直 径100um以 上 のコ 口 二 一 数を 計 測 す るこ と に よ って 足 場 非 依 存 性 増 殖 能 を 検 討 し た 。 ま た 、 直 径20田diShにlx10 個 の細 胞 を 播 種し 、2−3日 毎 に 細胞 数 を 測 定 し 細 胞 増 殖 速 度 を 算 定 す る と 同 時 に 、7日 後 に 飽 和 細 胞 密 度 を 算 定 し た 。
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以上の研究 方法により、以下の成績がえ られた。
1.微小核融合 法を用いた単一ヒ卜染色体 移入
正常ヒト1,6,9,11および19番染色体の各移入実験によって、5ー15個(皿UA)または8−11個(Ishikar a) のG418耐性クローンを得た 。1番染色体移入によって得 られたG418耐性ク口ーンの66.7%(10/15,H HUA)と40.0%(4/10,Ishikawa)が17細胞分裂以前に老死化 し、細胞質の巨大化、細胞 の多核化および 扁平化などの 細胞形態の著しい変化が観察 された。6,9,11および19番染色体移入によって得られたG4 18耐 性 ク 口 ー ン で は 培 養 の 過 程 で 細 胞 形 態 の 変 化 は 観 察 さ れ ず 、 老 死 化 は 認 め ら れ なか った 。 2.微小核融合 細胞クローンの染色体分析
染色体核型 分析の結果、1本または2本の1,6,9,11および19番染色体の移入を60−100% (IIHUA)およ び33−100%(Ishikawa)のG418耐性 クローンで確認レた。 染色体insituハイブリダイ ゼーションの結 果 、1番 染 色体 でpSV2neo遺 伝子 が導 入 され てい る染 色体 座 位をlp34―36で ある こと を同定し、ヒト 1番 染色 体 をも つマ ウスA9細 胞 のpSV2ne0遺 伝子 が導 入さ れ てい る染 色休 座 位と 同一 であることを確 認した。
3.微小核融合 細胞クローンの造腫瘍性(invivo)
1,6およ び9番染 色体 移入 ク ロー ンで 、ヌ ― ドマ ウス にお ける造腫瘍性の完全な抑 制が認められた
(HHUAおよ びIshikaWa)。 しか し、19番染色体移入クロー ンでは造腫瘍性の抑制は観 察されなかった
(HHUAおよ びIshikawa)。ll番 染色 体移入IShikaWaクロー ンでは造腫瘍性の抑制は観 察されなかった が 、ll番 染 色 体 移 入 冊UAク 口 一 ン で 造 腫 瘍 性 の 低 下 ( 腫 瘍 生 着 率 の 減 少 ) が 認 め ら れ た 。 4.微小核融合 細胞クローンのinvitro腫瘍 特性
1番染 色 体移 入ク ロー ンで 足 場非 依存 性増 殖 能、 細胞 増殖 速度および飽和細胞密度 の低下が観察さ れた(HHUAお よびIShikaWa)。6,9,llお よび19番染色体移入クロ― ンでは足場非依存性増殖能、細胞 増 殖速 度お よび 飽 和細 胞密 度は 、親 細 胞と 同等 でinvitro腫 瘍特 性 の低 下は 認め られ なかった(HHU AおよびIShikawa)。
こ れら の 実験 成績 を要 約す る と、2種 類の 子宮 内膜 癌細 胞 株(HHUAおよ びIshikawa)への 正常 ヒ ト 1,6お よ び9番 染色 体 移入 によ って 、in vivoの 造 腫瘍 性が 完全 に 抑制 され たことから、子 宮内膜癌 癌 抑制 遺 伝子 がこ れら の染 色 体上 に位 置す るこ と が示 唆さ れた 。 また 、一 種類の染色体だ けではな く 、複 数 の染 色体 が同 等に 造腫瘍性 を完全に抑制したことは、 子宮内膜細胞の癌化過程にお いて単一 で は な く 、 複 数 の 癌 抑 制 遺 伝 子 の 異 常 が 関 与 し て い る 可 能 性 を 示 唆 す る 。 とく に 、1番 染色 体 の移 入に より 、in vivoの 造 腫瘍 性の 抑制 の みな らず 、in vitroの腫 瘍特性の 低 下が 観 察さ れ、 細胞 形態 の著しい 変化(細胞質の巨大化、細 胞の多核化名よび扁平化)が 認められ た こと 、 およ びG418耐 性ク ロ ーン の選 択過 程で 大 部分のクロー ンが老死化した現象から、1番染色体 上 に子 宮 内膜 癌の 老死 化に 係 わる 遺伝 子が 存在 す る可 能性 が本 研 究に よっ てはじめて示唆 された。
口頭 発 表に 際し 、葛 巻教 授から6,9番染色体上に狭義の癌抑 制遺伝子が存在するか否かに ついて、
ま た1番染 色体 のNeuroblastoma遺 伝子 と本 研究 の 細胞 の老 死化 を 惹起 する 遺伝子との関係 について の 質間 が あっ た。 細川 教授 か らは 、1番染 色体 上の 変異が子宮 内膜細胞以外ではどの細胞の 癌化と関 係して いるか,p53が座位する17番染色体を移入した場合の成績につ。ヽて、.などの質問があった。さら に 柿沼 教 授か らは 、1つの 癌抑 制遺 伝 子の 変異 を他 の癌抑制遺 伝子の発現調節で補完する現 象の可能 性 とそ れ 以外 の本 研究 の意 義 につ いて 、ま た吉 木 教授からは1番染色体移入による細胞形態 の変化は Anaplasiaと考 えて よ いか 否か 、1番染 色体 には 細 胞の 形態 その も のを 変化 させる遺伝子が 存在する 可能性 があるか否か、について質問 があった。
申請 者 は、 本研 究の 本質 に関連す るこれらの質問に対して、 概ね適切に解答しえたと判断 された。
そ の 後 、 細 川 教 授 、 葛 巻 教 授 に は 個 別 に 面 接 試 問 を 受 け 合 格 の 判 定 を 下 さ れ た 。
以上 、本 研究 は子 宮 内膜 癌に おけ る新 し い癌 抑制遺伝子の存 在を示唆する基礎的研究であ り、博士
(医 学) の授 与に 相 当す ると 判定 され た 。
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