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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 斉 藤 俊 也

学 位 論 文 題 名

Theoretical and Experimental Study of Recombination Process        at Semiconductor Surfaces and Interfaces

( 半 導 体 表 面 お よ び 界 面 に お け る 再 結 合 過 程 の 理 論 的 お よ び 実 験 的研 究)

学位論文内容の要旨

  半 導 体 表 面 お よ び 、 絶 縁 体 ― 半 導 体 、 金 属 一 半 導 体 、 半 導 体 ― 半 導 体 界 面 に は 、 禁 制 帯 中 に 準 位 が 存 在 し 、 表 面 の 過 剰 な キ ャ リ ア は そ の 準 位 を 介 し て 再 結 合 す る 。 こ れ を 表 面 ( 界 面 ) 再 結 合 と 呼 ぷ 。 こ の 表 面 再 結 合 の 大 き さ は 、 バ イ ポ ー ラ ト ラ ン ジ ス タ 、 光 デ バ イ ス 、 太 陽 電 池 な ど 多 く の 半 導 体 デ バ イ ス の 性 能 に 影 響 を 与 え る 。 例 え ぱ 太 陽 電 池 の 発 電 コ ス ト の 低 滅 の た め 、 そ の 超 高 効 率 化 が 強 く 求 め ら れ て お り 、 こ のた めに は 表面 再結 合を 抑制 す るこ とが 重要 で ある 。 こ れ に は 、 表 面 再 結 合 過 程 の 正 確 に 理 解 し 、 工 学 的 に 制 御 す る こ と が 重 要 で あ る 。

  ま た 、 半 導 体 材 料 の 評 価 に は フ ォ ト ル ミ ネ セ ン ス 法 が よ く 使 用 さ れ る が 、 ル ミ ネ セ ン ス の 強 度 と 表 面 再 結合 過程 は 、強 い関 係が ある と され てい る。 し かし 、 い ま だ に そ の 定 量 的 な 解 釈 はな され て いナ ょい 。表 面再 結 合過 程を 正確 に 理解 す る こ と に よ っ て 、 こ の フ エ ト ル ミ ネ セ ン ス 強 度 の 定 量 的 な 取 扱 い を 行 い 、 従 来 不 可 能 で あ っ た 半 導 体 自 由 表 面 の 準 位 分 布 の 非 接 触 ・ 非 破 壊 測 定 が 可 能 と な る と 期 待 で き る 。

  本 論 文 で は 、 半 導 体 表 面 お よ び 界 面 に お け る 再 結 合 過 程 を 、 理 論 的 お よ び 実 験 的 な 立 場 か ら 検 討 し た も の で あ る 。 具 体 的 に は 、 表 面 お よ び 界 面 の 再 結 合 過 程 を 厳 密 に 計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン す る 手 法 を は じ め て 開 発 し 、 そ れ を 用 い て 表 面 再 結 合 速 度 の 性 質 を 明 ら か に す る と 共 に 、 表 面 再 結 合 速 度 の 測 定 法 、 表 面 再 結 合 の 低 減 法 、 フ ォ ト ル ミ ネ セ ン ス に よ る 半 導 体 表 面 の 評 価 法 を 確 立 し て い る 。 全 体 は8章 か ら な る 。 以 下 に 各 章 の 要 旨 を 示 す 。

  第1章 で は 、 本 研 究 の 歴 史 的 背 景 と 目 的 を 述 べ る と 共 に 、 各 章 の 概 要 を 記 し た 。

  第2章 で は 、 表 面 再 結 合 過 程 に 関 し て 、 従 来 の 取扱 いと そ の問 題点 を示 し た。

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従 来、表面再結合過程は、表面再結合速度Sというパラメータで表され、界面 の 特性量と考えられてきた。この背景には、再結合は1)バルクのように単一準 位 を介して生ずる、2)表面がフラットパンドであることが暗黙のうちに仮定さ れ て い る が 、 こ れ は 現 実 と は ほ ど 遠 い こ と が 指 摘 さ れ て い る 。   第3章では、本論文における 研究の根底をなしている表面・界面再結合過程 に 関する厳密な計算機シミュレーション手法について説明している。まず現実 に は、表面準位は禁制帯中に連続的に分布していること、一般には、半導体表 面 にはバンドの曲がりが存在し、このパンドの曲がりの量は表面準位密度分布 以 外にも半導体の伝導型やドーピング濃度などによって変化するものであるこ が 指摘されている。そして、この光照射下での半導体表面の複雑な物理的状況 を 厳密に、セルフコンシステントにシミュレーションする計算機プログラムを 開 発した。これは表面・界面準位として任意形状の離散的および連続的分布を 仮 定 し、SRH統計 に基 づい て表 面 再結 合を 記述 し、表面準位電荷、表面固定 電 荷を考慮した表面電界をScharfetter―Gummelの1次元解析手法の境界条件と し て 用 い 、 全 体 を 行 列 一 ベ ク ト ル 解 法 で 解 く も の で あ る 。   第4章では、単結晶シリコン 太陽電池の薄膜化が進展する今日、その高効率 化 の た め に 最 も 重 要 で あ る 、Si 027Si界 面 に お け る 表 面 再 結合 速度 につ い て検討した結果を述べている。まず、表面そのもので定義された表面再結合 速 度よりも、表面の空乏層端や蓄積層端で定義した実効表面再結合速度Seが、

よ り意味のある有用な量であることが示されている。そして、このSeの値は、

界 面準位分布のみの関数ではなく、励起光の強度や半導体のドーピング濃度に よ っても変化することが示され、従来のように表面再結合速度を表面の特性定 数 とみなすことはできないことが明らかにされた。さらに、界面に固定電荷を 導 入すること、表面に高濃度にドープされた層をっくること、伝導帯や価電子 帯 の付近の界面準位を低減させることによって、実効表面再結合速度を減少さ せ ることが可能であること示されている。

  第5章では、表面再結合速度 の測定法にっいて検討した結果にっいて述べて い る 。従 来用 いら れて きた 表面 再結 合速 度の 測定法と して、MOS法、光伝導 減 衰法(ウェハタウ法)、光伝導周波数応答法、フォトルミネセンス法を取り 上 げて、シミュレーションおよび実験を行っている。第4章から、表面再結合 速 度は表面の定数ではないので、太陽電池の設計には、太陽光照射状態での再 結 合速度を測定することが重要である。この観点からは、光伝導周波数応答法 が 最も適していることが示された。しかし、実験とシミュレーションの結果か ら は、従来発表されている単純な解析ではデータの処理が不正確となり、正確 な 評価を行うためには計算機シミュレーションを用いることが必要であること が 明らかにされている。また、従来のフォトルミネセンス法では、定量解析は

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不可能であったが、計算機シミュレーションを用いてPL強度と表面再結合速 度の関係をはじめて明らかにした。この結果、従来、表面準位密度が減少する とPL強度が増加すると定性的に考えられていたが、表面固定電荷によっても 実効表面再結合速度が減少し、PL強度が増加し得ることが指摘されている。

  第6章では、化合物半導体表面の再結合過程を理論解析することおよび実験 的 に 検 討 す る こ と に より 、 提案 さ れ てい る いく っ か のGaAs、InGaAs の表面処理法の効果を評価している。表面処理法として硫黄処理(N a2S膜、

(NH4)2Sx膜) の塗布、 光イヒ学 酸化、HCl処理を取り上げている。処理 後のPL強度はいずれの手法でも著しく増加した。しかし、暗中での表面フェ ルミ準 位は、HC1処理の場合のみn形で伝導帯側にp形で価電子帯側に移動 したのに対し、それ以外の処理法ではn形p形ともに価電子帯側に移動するこ とがわかった。この結果に計算機シミュレーションを適用することにより、H Cl処理では表面準位密度が減少するが、それ以外の処理法では表面準位密度 は 減 少 せ ず 、 負 の 固 定 電 荷 の 発 生 し て い る こ と が 結 諭 さ れ た 。   第7章では、半導体デバイスを設計、製作するうえで非常に重要な半導体自 由表面の表面準位密度分布をフォトルミネセンス法により非接触・非破壊に求 める手法にっいて検討した結果を述べている。計算機シミュレ―ションによっ て、フォトルミネセンス発光効率の励起光強度依存性は、表面準位分布形状や 密度を強く反映することが示された。このことから、実験によって得られた測 定結果にシミュレーション結果をフィッティングすることによって、表面準位 密度分布を求める手法が開発され、かっそれを行うコンピュー夕制御のシステ ムが開発された。この手法を用いて、種々の表面処理を施したGaAs表面、

InGaAs表 面 、InP表 面 のフ ォ ト ルミ ネ セン ス を 詳細 に 測定し準 位密度 を求め た。この結果、準位分布形状は禁制帯に連続的にU字分布し、DIGS モデルに従っていることが判明した。また、GaAsの硫黄処理では負の固定 電 荷が 発 生 する こ と、InGaAsの 表面不活 性化膜と しては、Si超 薄膜の 表 面 制 御 層 を 用 い た 構 造 が 有 効 で あ る こ と が わ か っ た 。   第8章では、本論文の結諭を述べている。

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学位論文審査の要旨 主査    教授    長谷川英機 副 査    教 授    田 頭 博 昭 副 査    教 授    福 井 孝 志 副 査    教 授    澤 田 孝 幸

    学位論文題名

Theoretical and Experimental Study of Recombination Process at     Semiconductor Surfaces and Interfaces

(半導体表面および界面における再結合過程の理論的および実験的研究)

  バイポーラトランジスタ、光デバイス、太陽電池など多くの半導体デバイスの性能 は、表面および界面における再結合過程によって、大きな影響を受けることが知られ ている。この過程は、半導体表面および、絶縁体一半導体、金属ー半導体、半導体―

半導体界面に存在する禁制帯中の準位を介して、過剰キャリアが再結合する過程であ る。従来、表面および界面における再結合過程は、再結合速度Sなる現象諭的なパラ メータで記述されてきたが、その学問的妥当性や、その大きさと再結合の原因となる 準 位 の 密 度 や 分 布 形 状 と の 関 係 は 、 全 く 明 ら か に さ れ て い な か っ た 。   本論文は、このような背景のもとに、半導体表面および界面における再結合過程を 厳密な立場から理論的および実験的に検討し、再結合速度の性質、測定法および低減 法を明らかにすると共に、新しい表面評価の手段への応用を試みたものである。本論 文は8章からなり、各章の概要は以下の通りである。

  第 1章 1ま 、 本 研 究 の 背 景 、 目 的 と 意 義 お よ び 構 成 を 述 べ て い る 。   第2章は、表面再結合過程に関して、従来の取扱い法を要約すると共に、その問題 点として、表面再結合速度パラメー夕Sが、表面の特性量と仮定されていること、そ して、その背景には、再結合はバルクのように単一準位を介して生ずることおよび、

表面がフラットバンドであることなどの非現実的な仮定が、暗黙のうちになされてい ることが指摘されている。

  第3章は、本論文における研究の根底をなしている表面・界面再結合過程に関する

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して 任意形状 の離散 的および連続的分布を仮定し、SRH統計に基づいて表面再結合 を記述し、表面準位電荷、表面固定電荷を考慮した表面電界を、Scharfetter−Gummel の1次元解析手法の境界条件として用い、光照射下での半導体表面の複雑な物理的状 況 を 、 行 列 一 ベ ク ト ル 解 法 に よ り 厳 密 に 解 析 す る も の で あ る 。   第4章は、 シリコ ン太陽電 池の高 効率化に 重要ナ よS 102/Si界面における表面 再結合速度にっいて検討した結果を述べている。まず、表面の空乏層端や蓄積層端で 定義した実効表面再結合速度Seの有用性を指摘している。次に、Seは、励起光強度 や半導体の伝導形やドーピング濃度に依存することが示され、表面の特性定数とみな せないことが明らかにされている。さらに、界面固定電荷の導入、表面高ドープ層の 形成、バンド端の付近の界面準位の低減によって、Seを減少できることが示されて いる。

  第5章は、太陽電池設計にとって重要な太陽光照射下での表面再結合速度の測定法 にっいて検討した結果にっいて述べている。表面再結合速度の測定法としては、MO S法、光伝導減衰法(ウェハタウ法)、光伝導周波数応答法を取り上げて、シミュレ ーションおよび実験を行った結果、光伝導周波数応答法が最適であることが結諭され ている。さらに、フォトルミネセンス法も本論文のシミュレーション手法を適用して 正 し く 解 釈 す れ ぱ 、 き わ め て 有 効 で あ る こ と が 示 さ れ て い る 。   第6章では、表面処理された化合物半導体表面再結合過程を、理論的および実験的 に検 討した結 果にっ いて述べ ている 。硫黄処 理(Na2S膜 、(NH )2Sx膜 の塗布

) 、 光 化 学 酸 化 、HC1処 理 し たGaAsお よ びInGaAs表 面 で は 、 処 理 後 のPL 強度はいずれの手法でも著しく増加するが、総合的な検討の結果、表面準位密度が減 少す るのはHCI処理 のみで、 それ以外では負の固定電荷が発生していることが結論 されている。

  第7章は、半導体デバイスを設計・製作するうえで非常に重要な半導体自由表面の 表面準位密度分布を、バンド端フエトルミネセンスの発光効率の励起光強度依存性の 測定により、非接触・非破壊に求める新しい手法にっいて述べている。まず、新手法 の原 理および 妥当性 が理論的 に明ら かにされ ている 。次に、この方法を、GaAs、 InGaAs、InP表 面 に 適 用 し た 結 果 、 準 位 分 布 形 状 は 禁 制 帯 に 連 続 的にU字 分 布しDIGSモデル に従って いるこ と、硫黄 処理では 負の固定電荷が発生すること、

Si超薄膜表面制御層が表面不活性化に有効であることなどの結諭が得られている。

  第8章は、 本論文 の結諭で あり、 各章で得 られた 結果を要 約して述 べてい る。

  これを要するに本論文は、半導体表面および界面における再結合過程を、理論的お よび実験的に解明し、再結合速度の性質や低減法、表面の評価法に関して、いくっか の有益な新知見を得ており、半導体工学の進歩に貢献するところ大なるものがある。

  よっ て 、 著者 は 、 博士 ( 工学) の学位を 授与さ れる資格 あるもの と認め る。

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図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実