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火鑽習俗にみられる発火技術(その1)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 火鑽習俗にみられる発火技術(その1). Author(s). 高嶋, 幸男. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 34(1): 43-56. Issue Date. 1983-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4910. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 火鍛習 俗にみられる発火技術 (その1). 高. 嶋. 緒. 幸. 男. 言. 人類史において,「火」はいつもその重要さが強調されてきた. しかし日本の歴史教育の中で,「火」 の扱い特に発火技術 (発火法) については, ほとんどないに等しいもののようにみえる. それは, 1 )がその一因としてある 例えば 発火技術の 歴史を扱う にたる実証的な研究の成果がとぼしいこと( . , 日本の発火技術の 歴史はどういう変遷をたどったのか。 あるいは現在神社などでみられる火鍛神事 の発火技術をどうとらえたらよいのかなど, 明確に答えることができないでいる. そこ で本稿は, 日本の歴史教育の中に 「火」 特に発火技術の歴史を位置づけるための基礎資料とすべく, まとめた も の で あ る。. ※. ※. 神社や民間信仰の年中行事において, 現在あるいは近年まで古来の火起しが行われているところ がある. これを火讃習俗とよぶ. この火鍛習俗は, これまで民俗学, 民具学あるいは民族学などの. 対象とさ れることがふつう で, 「火鍛」 そのものが対象とされることは少なく, まして 「火鍛」 習俗. を発火技術としてとらえ研究さ れることはあまりなかったように思われる.. これまで各種発火法の復原実験を行ってきたが, 特にヒキリギネを回転して発火させる回転摩擦 式と鉄片 (または黄鉄鉱) に硬い石をぶつけて (擦って) 火花を出し火口に落して火種をつくる火 2 ) 「火鍛」 習俗を 花式 (打撃式) については実用的発火のための種々の条件が明らかになっている( . 発火技術としてみるということは, この復原実験の結果に基づいて, 「火錯」習俗における発火技術. (道具や発火作業など) の検討を行い, その実用性の程度, 技術の類似性, 類縁性を明らかにする ことである. さらに, このことをふまえることによって発火技術の伝播・ 歴史の推定に手掛りを得 ることができるものと考える. このような視点を持つ時, 「火錯」 習俗は日本の発火技術史の中に位置づくものと考える. しかしながら, す でに述べたように 「火鍛」 習俗は発火技術の視点でとらえられることがあまり. なく, その道具や発火作業についての詳細な報告は少ない。 同様に 「火鍛」 習俗の全国的実態は不 明と言っ てよい状態と 思われる. そこでこれまで 「火鍛」 習俗を発火技術の視点にたっ て調査して きたの で, その結果を報告し, 併せて 「火鍛」 習俗における発火法 (摩擦式と火花式) のうち, 比 較的調査が進んでいる摩擦式発火技術について若干の考察を行うことにする.. 43.

(3) . 高. 嶋 幸. 男. 1. 調査の方法と記録 火鍛習俗の調査は, 発火技術 (とくに発火具) に関わる点に紋って行っ た. その方法としては, 直接発火具にあたり, 測定, 観察, 測定図, 写真, 聞きとり等を行った. 直接発火具調査ができな かっ たものは, 文献資料に基づいた. 日本の火鍛習俗では, その発火法は, 摩擦式と火花式が共にみられる. 前者では, 回転摩擦方式. のうち特別の場合を除き, キリモミ式とマイ ギリ式に限られるよう である. 回転摩擦方式における 発火の重要な要素 (条件) は, 道具の材質, 寸法 (大きさ) であり, また発火姿勢, 発火作業は, 道具の構造・大きさによっ て左右されることが復原実験的研究によっ てわかっ ている. このことか ら調査項目は, 道具の調査がその中心をなす. つまり, 回転摩擦方式においては, 道具の材質と共. に, 大きさ, 形, 特徴, 摩擦部分における摩擦後の使用痕の大きさと形が重要であり, その詳細な 計測と記録を行っ た. 火花式発火法における発火技術で重要な 熟ま , 打ち (擦り) 出された火花が落下する程度の大き. さをもつこと, その火花が火種となるような火のつきやすい火口 (ホクチ) があること, の2点に 集約される. この視点に立ち, 火打金, 火打石の大きさ, 材質, 火口の材質, 製造法 (入手法) な どについて調査した. 以下調査項目について記す.. 1 ) 火鍛習俗の所在と名称, 発火の行われる日 ( ( 2 ) 発火法の種類と変遷 ( 3 ) 発火作業者・人数, 発火時間, 発火姿勢と発火作業 ( 4 ) 道具の材質 (樹種, 木目など) ( 5 ) 道具の計測と観察. ( イ) ヒ キ リイ タ に つ い て. i) ヒキリイ タに穿孔された各ヒキリウス:直 (i) ヒキリイ タ全体:長さ, 幅, 厚さ (i 径, 深さ, 既使用数およ び未使用数, ウスの形 (U型とW型). ( ) ヒ キ リ ギネ に つ い て ロ. i) キネの先端の形 長さ, 摩擦部および最大部の太さ (i ギリについて マイ. (i). ◎. i i i ) はずみ車の大きさ (直 i) 弓の長さ, 幅, 厚さ ( (i) ヒキリ ギネの長さ, 太さ (i その他 (v) キ ネ の ソ ケ ッ 入のためのソケ トの細工 i 径, 高さ)と形 ( ッ v) 摩擦部そう , i ) ひ トにそう 入する摩擦部分 (以下キネ先とよぶ) の長さと太さ (摩擦部と最大部) (v 、も の 材 質. に ) その他の道具 i) その他 (i) ヒキリイ タ固定台の形と大きさ (i ( 村 道具の観察:表面加工痕, 焼け焦げの有無, 折損の有無等 ㈹ 火花式について i) 火打石:大きさと材質, (i) 火打金:大きさ (長さ, 幅, 厚さ, 重さ) と入手法 (i i 入手法 ( i i i ) 火口:材料, 入手法, 製作法 ( v) その他. ( 6 ) 写真および測定図 ( 7 ) 保管状態 44. その他.

(4) . 火鍛習俗にみられる発火技術 (その1). なお, 今回の調査報告では, 北海道 (主にアイヌ関係) と沖縄の火錯習俗については除いた 。. 2. 調査の結果 〔1〕 キリモミ式発火法を行っ ている火鍛習俗 まずキリモミ式発火法を行っている火鍛習俗の調査結果について報告する。. 本調査を行った火鍛習俗の数は4県16例 (保管場所数は15ケ所) で, 発火具としてはヒキリイ タ27点, ヒキリギネ74点であっ た. それら発火具の計測値等についてまとめたものが表1である。 またヒキリイタ上に穿孔されたヒキリウスの大きさ (直径, 深さ) の計測値と形 (U型 どW型) に ついてまとめたものが表2である. 以下個々の火鍛習俗についてみてみる. ( 1 ) 諏訪大社. 下社・春宮. (長野県諏訪郡下諏訪町). 諏訪大社は諏訪湖の南北に上社下社があり, それぞれ本宮・前宮, 春宮 o 秋宮をもつ. 下社春宮 では, 特殊神事として, 1月1 4日夜より15日にかけて, 筒粥神事が行われ, このときの煮たきの. 火は, 鍛火によってつくられるという。 筒粥の神事は, 神楽殿左方の筒粥殿 で行い, その年の農作 物4 3種と 「世の中」 を占う。 鍛火は神宮によって 一人 で行うことになっているが, 二人 ですることもある。 交代で行うという. 3 ) 発火時間は30分位, 火口は綿 (または木炭) が使われるという( . ( 2 ) 御座石神社. (長野県茅野市本町東 (旧矢ケ崎村)) どぶろく. 鎮火は, 毎年4月 27 日, 「矢崎祭」 ( 「濁酒祭」 あるいは 「独活祭」 ともいう -- 諏訪大社上社の 巳 ) において行われる。 この祭は, 諏訪明神・建御名方命が八ケ岳山ろくに鹿狩にきて, そ 年内祭ホ のとき御座石神社の祭神・高志沼河姫のところにたちより, どぶろく, シカ肉, ウ ドのかすあえで. 供応されたのがはじまりとされる. 氏子によっ てどぶろくがつくられ, 許可を得て八ケ岳山ろく で シカを狩り, そのシカ肉を煮るために 鎮火が行われる. 鍛火は氏子によっ て行われ, 1人でもよいが, 2人で交代で行う. 庭に ゴザを敷き, 白紙を敷い た上にヒキリイタをおき, 発火者がひ ざでイタを押えてヒキリギネを採む. 1人が採みさがると, 他の1人が続けて採む. 乾燥した材料を用いれば1 0分位, 湿っているときは30分位かかることが 4 〉 火種 は つ け 木 で 炎 に す る あ る と い う( . .. ( 3 ) 池宮神社. (静岡県小笠郡浜岡町佐倉). 鍛火は, 御神灯をあげるときに起こす他, 9月の祭典 (お橿納めの行事) の際, 赤飯をつくると きに行う. 昔は正月とか大晦日とか, いろいろ行っていたという. 鍛火は, 氏子の若者3~5人に よって交代 で行われる. 火種ができるとつけ木等で炎にするという。 発火時間は, 9月 では1 0分や 20分で起きることもあるが,3 0分もかかることもあり, それでも起きないときは, 水をあぴたりす る. 冬はわりと時間がかかるという. ヒキリギネは弓矢の矢柄を使用する。矢柄はかつては節分祭のとき,空に矢をう っ て使えなく なっ. たものを使ったという(金的を射った矢を用いたのではないかという説もある) . 今は祭りのときい らなくなっ た矢を買 ってくる. 現在神社にあるヒキリイタ (図4) は, 使用したけれど, 火がつき にく い の で 今 は 使 っ て い な い も の であ る。 現 在 使 用 して い る も の は 氏 子 の 家 に あ る と い う。. 45.

(5) . 嶋. 高. 幸. 男. 表1, キ リ モ ミ 式 発 火 具 の 記 録 図 番. 所. 在. 樹 種 木目. 長盈 (. 亀 厚(晶. 樹 種. 長も 3 9 9 .. ) 1 0( 1 0~1 2 1 ) 3( 1 3~2 5. 3 7 2 . 3 5 7 . 3 4 9 . 3 1 8 . 2 9 8 . 4 9 7 . 4 8 3 . 4 6 9 . 4 6 4 . 4 4 7 . 4 3 4 . 9 9. 1 0 6 ( 1 1 3 ) . . 9 1 ( 1 0 8 ) . . ( 1 3 0 1 4 8 ) . . 1 0 ( 1 1 ) 5 1 . . 9 6 ( 1 2 1 ) . . ( 1 0 0 ) 9 8 . . 1 1 ( 1 2 ) 5 8 . . ( 1 2 1 4 ) 5 2 . . 1 2 1 8 ( 3 8 ) . . ( ) 1 2 6 1 5 6 . , 1 1( 1 2 ) ( 1 3 1 ) 5 5 . 8 7 .. 0 9. 4 3. ウツギ ヒノキ. じ 7 御座石神社 ヒノキ 不滅′ 5 4 1 1 6 . 持). 3 0. ウツギ. 諏訪 大社 ヒノキ. ″. 板. 6 0 7 .. 柾. 1 5 O .. 6 8. 2 9. 池宮神社 ヒノキ 柾. 5 8 8 .. 6 8. 3 8. ー 幡神 社 ヒノキ. 6 8 7 .. 4 7. 4 1. ″. ヒノキ. 板. ヒノキ 板. 砥鹿神 社 ヒノキ. 板. 矢 柄 (シノダケ? ススダケ. 5 8 2 約4c 2~3 4 m3 ,. 1 5 9 9 7 1 .. 2 3. ウツギ. 安久美神戸 ヒノキ 板 神 明 社. 4 3 3 4 9 5~ 1 6 1~ ウツギ . . . 2 2 4 .. 坪崎地蔵堂 ヒノキ 柾. 3 3 4~ 4 7 7 1 0~4 2 ヒノキ . 1 3 6 5 6 0 4~ 4 8 1 8 5~ . , 4 1 1 0 9 4 3~9 5 2 1 4 2~ 9 7 . 1 7 1 5 9 4 2~6 5 0 . 0 1 6 1 0 9 3 6~3 5 1 7~ 3 8 . 4 1 5 9 4 O l o l~ 約3 3 .. ′ ′. ヒノキ 板. ′ ′. ヒノキ 柾. 〃. ヒノキ 柾. ″ ″. ヒノキ 柾~ 板 ヒノキ 柾. ″. ヒノキ 板. ※ ′ ′. 8 5 9 1 7 6 .. 3 6. ヒノキ 板 1 0 5 6 2 0 9 .. 3 5. 日間賀神社 ヒノキ 〃. 46. ヒ キ リ ギ ネ. ヒ キ リ イ タ. 柾. ヒノキ 柾. 4 6 5 6 0~6 23 0 . 4 5 9 6 0 ,. 3 0. ヒノキ. 4 O 6 . 5 6 6 . 5 3 5 . 4 8 O . 4 6 O , 4 4 4 . 4 4 O . 3 6 O .. 大. 意. ). 1 0 9 5 , 7 5 O . 7 2 9 . 6 6 5 . 5 7 O . 5 6 O . 5 4 5 . 4 2 6 . 1 5 2 .. 3 4 2 .. 2 3( 2 1 7~2 7 ) 7 . . 2 4( 2 ) 3~2 7 2 .. 5 5 2 . 4 7 6 .. 考. イタの裏面に 「筒粥用鍛木昭和二年畳月新調」 と墨書。ヒノキのキネははぎ合せた丸棒。先は 円錐形でコゲ跡なし。. ヒキリギネは、弓矢の矢柄を使用. 1 2 O . 1 1 5 . 1 2 O , 1 1 0 . 1 2 2 . 1 2 3 . 1 2 O . 1 5( 1 5~1 4 ) 7 . 1 3 5 ( 1 3 5~1 4 ) 7 . . , ( 1 0 6 8 8~1 6 ) 0 . . . 1 ( 1 1 ) 5 3 8~1 5 3 . . . 1 6 1 5 ( 1 5~1 6 ) 5 . . . 8 8 ( 7 6 - - 8 8 ) . . . 1 1 2 ( 1 1 2~1 2 9 ) . . , ( 1 4 7 1 4 ) 7 . . 1 0 9 1 0 ( 9~1 3 5 ) . . . 1 ( 0 9 1 0 9~1 2 4 ) . . . 1 1 6 ( 1 0 6~1 1 ) 6 . . . 1 1 ( 8 ) 0 6~1 1 0 . . . 9 2 ( 8 0 - - 9 2 ) . . . ( 8 4 1 0 8 ) . , 4 2 5 ( 3 4~4 2 5 ) . . 3 6( 3 3 5~3 6 ) . 3 1( 2 6~3 1 ) 3 5( 3 1~3 5 ) 3 0( 2 5~3 ) 0 3 4 3 5 ( 0 5~3 4 5 ) . . . 3 5( 3 0~3 ) 5 2 9( 2 2~2 9 ) 3 4 5 ( 2 4 ) 5~3 5 . .. 3 1 9 . 2 6 6 . 2 5 5 . 2 2 7 . 1 9 1 8 9 . 1 8 6 . 1 8 6 , 1 6 6 .. 備. イタには、側辺のV字刻みなく、 断面は、亡フ (逆台形) 。イタは他に1枚あり、大きさはほぼ 同じ。 イタの裏面に「昭和五十二年二月七日火舞祭 当日調製」と墨書。.

(6) . 火鍛習俗にみられる発火技術 (その1). 図 番. 所. ヒ キ リ ギ ネ. ヒ キ リ イ タ. 在. 旅 種 木目 長( 熱り厚 る 樹 種 長 も も 巾 約2 板 9 不 明 4 9 9 7 1 8~ 和鋼記念館 ヒノキ . . 1 2 コメゴメの木 6 6 1 7 , , 柾 12 5 6~ 1 3 5~ ( 3 9 ムラサキシ 5 5 ヒノキ . . )? 6 9キブ 5 6 5 1 . , 9 4 8~8 34 5~ 女 竹 7 6 諏訪神社 ヒノキ 板~ 5 . . 3 3 4 柾 . 2 9 5 . 2 8 3 , 2 8 2 6 8 . 2 6 I , 2 6 2 5 2 3 6 . 5 2 5 . 3 6 6 . ウツギ 3~3 4~ 1 6 3 42 佐大神社 ヒノキ 板 6 . 2 4 5 3 3 0 , . ウツギ 2 0 8 1 7 5 5 1 1 3 出雲大社 ヒノキ 板 9 . , 神魂神社 ヒノキ ヒノキ. 柾. 3 5~4 0 ウツギ. 朴 1 1 O 1 . 柾 46. 熊野神社 ヒノキ. 板. 0 3 7 0 1 7 .. 星 上 寺 ヒノキ. 板. 2 5. 1 0 0. 2 0~2 1 2 7. の木 3 1 5 コメゴメの木 ,. 太. 考. 備. 爺. ). 0のイタと長 9 ) 図1 c mのキネ、図2 1 2 ( 1 9 2~2 3 8 9のイタと長さ2 9 . , . 1 さ5 2 c mのキネは、それぞれ一組の発火具。 . ) 4 8 1 4 1 ( 1 3 2~1 . . , 女竹はシノダケのこと。 『日本民俗地図1 (文化庁編集、日本 1 1 、解説書』 0p)によ 7 地理協会発行)のrとうや」の項( 1 6 5 7年)以来の「火きり臼」 月暦3年( れば、日 「火きり杵」が保存されているとある。それに 相当するものか。. 1 2 8 , 1 0 7 . 1 1 2 , 1 1 2 . I 2 Z . 9 1 1 8 . 1 0 4 , 1 1 8 . 1 2 7 , 1 2 8 . 1 5 1 2 4 , 1 5. 6 6 ( 7 5 -一, ) 約5 0 9 , , ) 約4 5 1 0( 8 8~1 0 5 . .. 図2 3のイタに「祷家御火切板 大正拾参年一月 4のイタに 「祷家御火切板 □□友蔵寄贈」 、図2 速玉神社……」と墨書あり。. 5 2 5 .. 1 4 7 ( 1 5 5 ) . .. コメゴメの木はムラサキシキブのこと。. 3 1 2 . 3 0 4 . 2 3 6 . 3 9 7 . 3 6 I .. 1 ( 1 8 2 ) 7 8 , . ( 1 1 1 1 2 7 ) . . ( ) 1 1 3 1 3 1 . . 1 ( 1 1 ) 0 9 8 . . ( 1 2 3 1 3 2 ) . . 1 4 1 3 0 ( 3 ) , .. 注1)ヒキリギネの太さは、 使用先端部(摩擦部)の太さ、( )内は軸部の太さ。 注2)※は未使用のヒキリイタ、 ヒキリギネを示す。. 衷2. ヒキリウ スの大きさ(キリモミ式) さ ヒ キ リ ウス ス の 大 きさ ヒ 鴛 晶, 晶 下段:深さ ぷ ) (上 段:直径. ウスの ウ ス. 所 在 在 留 形 曇 聾 所 配 列 の 数. ウスの形. 1 32 96 12o ll7 371 諏訪神 社 片十中 7 .‐ 4 もoゑ 各. 未 未 十<‐ ‐ ‐ ‐ ‐ +く5> 未 未 ; 1 5 7 2 81 1 41 3 81 1 2 01 4 11 2 51 3 8 3 1 71 1 1 71 1 3 81 1 91 8 2 0 2 1 / 御座石神杜 両 . , . , . . . . . . . . . 3 22 4 9 41 4 32 2 72 o 41 8 6 未 7 1 2 12 4 72 9 6 7 71 1 41 3 41 9 . . . , . . , ・ , . . ・ .. み圭 = 1 8テ旨湯量 ;畳. 〃. 1 6 / 6 両十中 1. 池宮神社 両. /. 6 5 1 2 81 . . 未 0 O 2 0 42 . ,. 字 茎麗皇 室 三 字士 撫 麗 韻± : :驚き饗. .未 跳{ 喜 土綴喜萱場≧ 喜焚 き1 蔓 三驚 三豊 g麗義 ; を驚喜強 g ;登川: 憂 g / 躍蓄 三{ 拳闘豊麗 驚 未 溺愛 え≧ ; ;義 : :. 1 28 6 3 8 1 4 51 81 , . , 十 〈 .〉 1 4 8 6 8 2 2 22 0 11 . . . , 2 3 / 2 3 未 未 未 未 未 未. 未. 未. 未. 8 ‐ 琴. 未. 未. /. 未. 未. 未. 末. 末. 未 畳もg . 畳も¥. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 末. 未. 未. .. 側辺はW型 中央はU型 W型,. ¥ 未 ,g‐2 畳. 未. 未. 未. 末. 末. 未. 未. 未. w型.. W型.. 47.

(7) . 高. 所. 在. ー幡神 社. ″. 砥鹿神 社. ウ納 ウ ス 配 列の 数 A 片 B 両 A 両 B 両. 面 側面 側 面 側 面 側. 両. 1 5 緬 班. 助 臨. 鵬. 鷺 13お 2 1寺 珊 賜0. 末. 未. 未. 緬. Q^ = 0 &Q U3 m 以。 7 突 突 5 玖 0 / 然 ー 1 6 1 7 一 9 n 6 1 1 6 1 5 1 0 1 0 9 輔0. A 面側面1 0 片 醜 裾 B 5 - 片 側 緬 A 面 ハ佑h U 坪崎地蔵堂 醐十端十 H“ り B 面側QAU 総 伝 両 珊 未 A 面 助 ″ 両 側 B 面側 跳 晶 未 両 こ り ″ ” 片 未. 安 久 美 神戸神明社. 讐. ″ “. 両. 助. 噺 班. 嶋. 男. ヒ キ ゥス ′蛾 , 、 離. 一 ジ. 2 75 V即 Z 鯛5 踊 L Q 即即 Q 突 1 5 n 1 5 8. 1 0 嶋 u 筋 1 0 節. の大 職・. 2 5. ー 驚. 日間賀神社. ″. 両. 両. 血. 脚. 即 突 蜘卿. 1 2 8 1 1 3 1 u 2 0. 5 / 0 一 Q お 生. 和鋼記念館. ″ ”. 中. -. 片. “ 緬キ. 3 6 1 3. 3 8 1 4 脚. 圃 饗. 3 5 n. w型. 題未 晶. /. Q5 L5. +. 緬. 未. 蛇 n. 未. 聡 焔 誉未. 2 2 m. Z 2 2. 未. 2 7 仏. 未. 未. 未. % & 1 7 5 1 9 8 1 7 4. 丘 1 9. 緬総坦 1 1. & 1 8 1 8 1 1 鋪鯛鯛 6 耀 1 1 6. 脚 脚. Z Q. …. 脚 面【 未. 未. 4 6. .未. 未. 即 鵜 1 9鰯 鰯 鱒. 筋 2 2. 6 Q. 未. W型. U型. U型 . 一部W型. U型部 一 W型. 閑 跳. U型部 一 W型. U型. 未. =. -” r =対=. 未. W型. U型. /. 未. 未. 5 ー. 纏. 虹 1 7 /. 1 2 - 呈 2. w型. 触 -. 馴 綱ャ - 鰯脚 剛 佳 r 欄. 2 8. 灘. /. 雅 u曾. 篭. り 、 U. 未. 面 【. 価. 澱. 一. 蜘 臓岬 r 馴 馴…鯛 皿綱. 4 1 郷. 末. ==. 未. 3 7 3 77繊 錠 q金 u 1 8 2 9 旦 7 凝 澗n総 雅 38 / 3 1 0 2 1 服ー 15 ; ′ 韻 3 3 4 9 圃 篇 & 橋 醍. / ; ′ f A 面側 臨 緬、 2 3 4 ′3 4′ 3 2 、 0 縄 岬 ″ / 両 6 ノ4駈10 9 3 姉瞬砧 B 面 蹴 3 6 箭 ハ ずQ 一 U ‘ も 訂 未 / 両 側 惚 1 5 6 5 1 1 ″ ” 片 ″ “ A 面側面 両 B 両 側. ぷ. ・. * 岬フ -. 警=. 未. 幸. 未. 鰯鰯 瀕 盈 閣郷. 鑓. /. 未. U型. U型. 醐軸 町跳 馳 駆一. U型. U型.

(8) . 火鍛習俗にみ られる発火技術 (その1). 図 ス ウ 所 在 在 晶 列 の 善 所 配露. ヒ キ リウ ス の大き さ ・ 下段:深さ) (上段:直径. ス 数. ウスの形. 諏訪神社 A 両 B 片. 2 3 1l o 61 41 3 2 21 〇 1 〇1 81 2 21 〇 1 21 7・1 〇 O IL9 1 ・ ・ 31 o ・ )ユ O O 9 ・ ・ 1月5 A面 . 面 2 , ・ ・ . . . ・ 3 5 31 5 52 23 2 61 0 01 8 0 8 5 2 72 4 61 3 91 6 8 62 4 , 11 0 22 . 2 4 . . . , . 側 . . , . . , . 1 31 1 5 0 51 3 2 71 61 2 61 51 1 0 0 o 1 9 . 9 8 - i . 1 4 9 9 . 0 . . , 面 , . . . . , 5 81 5 8 6 2 7 2 02 1 41 8 9 41 1 2 0 1 5 81 1 5 71 . . . 1 6 51 3 8 , . 側 , , . . . , . .. 佐大神 社. 8 4 61 5 71 4 4/7 1 . ・ ‐ / 21 4 6 7 7 3 . . . 6 /4 面 2 側 面 5/7 側. 両. 神魂神社 A 両 B 両. 〃. )¥; 覇 面 芽B 童未発 三越 弱電 1 さr誕{ :開:. 量 g 書禄闘g1 旨 土 字畳 器土 那主 :. W型,. A 耐; 琶 g キー 鑓≧ 言 &弓萱 〕 認〔義 言〔 一 喜 2 三 多, : :鰯看 護ふ , ,遍宣 〕 ・ 〕〔 ¥き きお酌 如もげ 積むム 晶 〕 { g 麗 〕〔 豪雪 も 云為〕〔 : , ,?選. , , B面 ). 21 ¥/ 未 未 未 未 g盗もg 号 1 〕¥ ≧ g較量 三 : を : ” g 喜憂 ≧¥1 さ 主義 1畳も g ¥ /{ ; 撫 ~&〆{ : : :. 3 1 89 5 1 1 2 l l 21 08 1 1 2 3 8r 4 41 1 41 1 31 . 3 31 ) 9 61 . 1 . , A 面 9/ 5 A面 , . . . . . 「 / 9 . r . 、、 r 、、 . ノ ′ ー 1 1 8 3 1, Iユ 98J 1 3○J 8 ユ 突 突 6お 突 8 突 \ . 両 側 ) 4 8 B面 71 41 2 9 9 4 1 1 1 4 3 9 3 8 2 8 5 8 7 9 , . 7 9 1 ) 9 0 9 7 9 . , B 面 4十( . . . . , . . . . 4 8 4 1 9 71 61 2 突 8 9 11 3 41 31 4 5 6 7 突 1 51 . . 61 9 91 7 . 31 6 . 両 側 /1 . . . . . . . , 5 4r 1 3 39 1 41 1 21 3 3 9 4 41 4 ; ‐ 1 1 1 , 4 1 - . 1 6 7 1 , 3 , . 十端 , . 「 . , . 、 / 1 , ′9 ,9 ノ1 1 6 8 9 9 4 - 41 0 5 1 1 91 4 1 4 o 4 2 . . 1 2 3 9 6 , 1 2 2 2 0 o 8 . . . . . , . , . , ・ 両. 1 〕題 士 ;龍〔徽= 宝 g1 書 き き :“:. W型.. 未 琵琶. 5 7 6 61 5 71 5 61 6 81 11 6 21 7 81 81 6 5 91 6 6 1 5 1 6 3 1 . ・ 1 4月3 1 . . . ・ . . ・ , , ヨ ミ ノ ノ 0 3 21 1 2 9 1 22 9 81 41 6 9 9 91 2 91 5 11 0 2 8 0 51 . 2 11 . . . , . . . . . . . . 1 0 1 8 6 1 6 1 5 1 0 1 6 4 1 2 6 1 6 7 5 1 6 0 1 6 8 1 6 2 91 5 8 . . . . 1 81 5 5 . , , . . . . . . 0 O 2 8 81 4 21 0 0 51 2 11 41 6 31 6 21 7 1 41 6 81 1 . 1 3 2・1 71 . , . . . . . . . . , . 2 o ll‐8 11‐4 i2‐o 2 5i 2 o1 )1 2 11 面 星 上 寺 A 面 5 A ) 醍 増量 漉 捧呈 未 B 面 ‐ ‐ ‐ ‐ 9 O 1 2 01 71 6 32 2 82 3 41 1 8 01 . . . , 片 側 . . . B 面 7 片 側. 熊野 大社. w型,. W型,. U型. 一部 W型. U型.. 注1)A面、B面は、 ヒキリイタ使用面を示す。 注2)ウスの配列は、 ヒキリイタの使用面において、片は一面のうち片側使用を 両は両側使用(下段/上段)を示す。 使用を示す。 則辺)・ また中は板中央使用を、端は端(たて{ E 注3)/ P 、十印は配列の区分を示す。 、 注4)ヒキリウスについては、「末」は未使用、「-」は、測定不能、「突」は貫通、〔 〕は二度使用、〈 〉は板中央の ウス、( )は端のウスを示す。. (静岡県榛原郡相良町菅ケ谷字宮代三七八六番地) 1月)の白酒の造り込み時と, 2月 9 日 -幡神社の特殊神事において, 正月初午日(陰暦時代は1. ( 4 ) 一幡神社. 餅つきの時に鎮火が行なわれる. 0日)神前にて, 祭礼年番資格者の中から本名合名 各一人選ぶ。 0日(陰暦時代は正月1 毎年2月1 そして旧年番より餅。白酒・器具等の引継を受け, 本名9合名 (該当年番の副務者)・名連 (祭礼年 番資格者と 地縁のある者で, 該年番の行事に関係 する) 一同で受取っ てきて, 餅を三分×四分角に 切り榊の葉を敷きつめた竹簾 (2尺四方) の上にその数 千の切り餅をならべ, かたく巻き込 む. さ らに荒縄で3ヶ所蝿頭結をして, 七五三に分ける. 立榊 (長3尺) へしっ かり結び注連縄を張り, 御仮家 (2月 8 日本名宅地内に清浄な土地を選びクリの木を使ってつく った9尺×7尺の茅ぶき茅. 園) へ奉納する。 これを御榊様ないし御身体という。 残りの餅 (砥餅) は, 氏子各戸へ配布 する. 以上の祭事に先だち, (本名。命名o名 連は) 本名宅にて正月初午日に七五三卸という, 御仮家や 竃井戸, 家敷中の所々に新たに七五三縄を張り, 御榊様の検査をする. そして白酒の 造り込みを行 う。 このとき 玄米 (社有地で本名合名総掛りで植付けより収獲まで行ってえた米を使う) を白くな 49.

(9) . 高. 嶋. 幸. 男. るま でと ぎ, 鍛火の火を使う. 2月 8 日白酒搾り・餅米 撰献供品調達・ 器具の洗浄等を行 い 翌9 , 日餅つきを行う. このとき使用する火も鍛火による つき終っ て2個の餅とす る (栄登餅という) . . この2個の餅を菱形に切り2月’ 10日神前に奉献する. これが次年番の御榊様 となる 2月1 0日御 . 榊様を本名 が奉持し, 餅, 白酒, 献供物, 器具等は名 連がもち 行列して神社にむかう 神社にて , . 神僕品の献供祭礼を行 い, 終っ て次の年番に行事一切を引渡す . 鍛火に使 っ たヒキリイタ2枚 のうち, 1枚は使い古し で今は使 っていない(図5) 他の1枚が今 . 使われている (図6) .. 発火作業は, 当番の氏子4人が連続的に交代 で行う ワラツトの中にヘギ (木を紙のようにうす . く削 ったもの, かんな暦のようなも の) を入れ, イネ穂をく しゃく しゃにして ワタのようにした , ものをのせ, それに火種を入れて, ワラツトをゆすっ て風を入れて炎にす る 発火時間はうまくい . けば5分 位 であ る が, 30分 位や ってもおきないときがあっ たという 一つの穴は何回も使用す ると .. し、つ .. ( 5 ) 砥鹿神社. (愛知県宝飯郡一 宮町-宮西垣内2) 砥鹿神社 (本宮山頂の奥宮に対し, 里宮本社 とよぶ) では 鍛火は通常境内の未社八束穂神社 で , , 2月 7 日の火舞神事において行われる 火舞神事は, 神剣神事・火鍛神事・火舞 (松明) 神事から . 成り, 鎮火の火は, 火舞 (松明) 神事でつかう松明に着火される . 長さ7 1. 4cm 幅174cm 厚さ1lmm の合板(ヒノキ柾目)の上に断面台形のヒキリイタ を. . , 合板 とイタの側辺にすき間があくように置き, そのすき間に市販の火口 (ホクチ 火花式で使うワタ状 , の火口) をおく. 発火者である神 官は, それぞれひ ざでイ タの端を押さえ 火口をおいた部位 でキ , リモミをする. 発火作業は2人 で交代で行い, 補佐役が1人つく キリモミでイタをつきぬけるこ . ろ, 熱した黒い木粉 が火口に落ちてたまり発火する 発火時間は 早くて5分 ほどでふつう 5 ~10 . , 分という. 火種ができると つけ木(ヒノキの長さ約2 0cm 幅1 .5cm ほどのうす板にイオウをつけた もの) で炎にし, 火舞 (松明) 神事で使うタイマツ (松の髄を細かく割 って束ねた) に着火する . ヒキリイタ ( 「ウス」 とよばれる. 図7) には, 通常みられる側辺 のV字の刻 みはない イタ材料 . のヒノキは境内のもの を使うという. ヒキリギネ ( 「キネ」 とよばれる) のウツギは, 神社付近 で採 取するよう である. 『砥鹿神社祭 典要録』 (伊藤晃雄, 昭和14年7月1日) によれば イタに杉板 (逆台形の加工 は , なく, ただの平板) , キネにウツギ(空木) が用いられている. もしこの杉板 が逆台形以前のかたち を示しているとす れば, イタの樹種 がスギであることと共に注目される . ( 6 ) 安久美神戸神明社. (愛知県豊橋市八町通) 鎖火は現在では, 2月 9 日 に 行 わ れ, そ の 火 は 2 月 11・12 日行われる例大祭 (鬼祭) の際の神僕 調理に使われる. かつては地祭あるいは祭事の中で そのた びに火起しをやっ ていたと 思われるが , , 現在は鬼祭だけ が残っ た.. 鍛火 ( 「モミ火」 とよばれる) は, 現在宮司およ び氏子総代2~3人で行われる 通常3人のよう . である. 発火具の周囲を囲み, 交代でキリ モミしふつう5分ほど で発火するという 火種が生じる . と, つ け木 (戦前のもの) あるいはモ グサを用いて炎にする イタは火ばちなどで乾燥させること . もある. 5 } 平板というより割 りおとして削 て平 ヒキリイ タ(図8)は, 80年以上たっ たヒノキだという( っ . らにしたよう にみえる. キリモミした側辺のかけ落ちが目立つ . 50.

(10) . 火錯習俗にみられる発火技術 (その1). 遁. 熱誠 ゥ \. M. -. -. ば′. 心. ‘. 図1 諏訪大社. も. E--. 0 坪崎地蔵堂(A面) 図1. ′ . 栂′ 警綴轄獅獅… ; 〉牝 ” 報謝 議 著詳 ぎ 寒 さ 据 選 審 ぎ 繋 - - ギ ぎ 霧 . 図2 御座石神社 図11 坪崎地蔵堂. 図3 御座石神社. 図4 池宮神社. 図12 坪崎地蔵堂. 図5 ー幡神社(A面) 図1 3 坪崎地蔵堂(A面) 図6 ー幡神社(A面). 4 坪崎地蔵堂(A面) 園1 図7 砥鹿神社. 図8 安久美神戸神明社(A面). 図15 坪崎地蔵堂. 図16 坪崎地蔵堂. 図9 坪崎地蔵堂(A面) 51.

(11) . 高. 嶋. 幸. 男. 図17 日間賀神社 図23 出雲 大社. 謝 \ ノ .}F ぎ メ 1 、 き 、 三 \ ヂ . も . 謝 , 醐 , 凝. 恕. 図18 日間賀 神社. 4 神魂神社(A面) 図2. 図19 和鋼 記念館. . . . . 図2 5 神魂神社(A面). . 図20 和鋼記念館. F穣ゞ. r聾二 ぉも 〕 鮮 灘糟響凝癖 馨 豆 三二も. . . 図21 諏訪神社(A面). 争き. . . . 図27 星上寺(B面). 図22 佐大神社. ( 7 ) 坪崎地蔵堂. 図26 熊野大社. (愛知県加茂郡旭町大字坪崎). 坪崎の火鍛神事は, 旧6月1 4日(現在は旭町内外へ勤めに出る人が多く なり, その前後の日曜日 に行うようになっ た) , 津島神社の天王祭に行われ, 坪崎地蔵堂が錯火の場所に使われる. 鍛り出さ れた火は, 1 08本のタイ マツ(アカシ)につけて堂境内から天王詞ま での参道に祭り, また小豆飯を 炊いて参会者 でたべ, 病にかからぬよう祈願す る.. 発火作業 (坪崎では 「錐裸」 とよぶ) は, みそ ぎを受けた白装束の神事関係者 (4人ないし 5 ・ 6人)によ って行われる. 夕方7時頃地蔵堂内の3m四方のしめ縄内に区長のお倣いを受けて入り , 発火具を囲んで座り, キリモミをはじめる. キリモミは交代で行う ヒキリイタは, いろり で乾燥 . させたものを使うこともある. 発火時間は早く て30分, 場合によ っ ては数時間かかることもあるよ う である. 「1人の者が火錐杵と火錐臼の間ヘホクチを近付けて発火を待つ 始めは黒い煙が出るが 火の . , つく 頃には黄色の煙になる. 穴の中に線香の火よりも小さな木屑の火が できると, これをホクチに. 移す. ついで, それを付け木に移して燃え上らせ, それを付け木に移して燃え上らせ, さらにアカ 52.

(12) . 火鍛習俗にみられる発火技術 (その1). 6 ( )「穴の中」 に「木屑の火」ができるとはヒキリウスの中に火種がで シに移して-○八本の竹にさす。」 きることを示しているが, これはきわめてめずらしい例 で, ふつうヒキリイタの側辺の刻みにこぼ. れ落ちた木屑 (粉) に火がつく。 火ロは, 付近の山に自生するホクチアザミを夏に刈りとりその葉 を日陰干し, 葉をもみほぐし, モ グサ状にし, いろり端でよく乾燥したものを使う。 イタ(図9~図 ) とキネは, ヒノキの白太を使う. イタには側近のV字の刻みがない. これらの道具は地蔵堂内 16 に保管されている。 ( 8 ) 日間賀神社. (愛知県知多郡南知多町日賀間島). 1月 2 日甘酒祭りという頭屋行事において, 鎮火 (ここではモミ火という) が行われる。 この祭. りは神社の前の海岸にて行われ, そのとき参列した頭人, 座衆にふるまわられる甘酒を暖めるとき の火として, 錯火の火が使われる. 鍛火は, 2人の頭人の親類の若者が二つの組をつくり, 発火を 競う。 キリモミは数人で交代に行うが, 起きないときには, ヒキリキネにヒモを巻きつけ, 上から キネを押えながらヒモを両端で交互に引いてキネ を回転させるヒモギリ式をとることもある. 一方. の組が火がつくと他の組がマッチ(あるいはタバコともいわれる) で火をつけることもあるという。 ノ・ン ドピース) は見ることはできなかった. ヒノキやスギ しかし, ヒモやキネの上を押える道具 ( の薄皮をほぐして, 火口 (ここでは 「ヒウタ」 という) とし, これをヒキリイタの側辺におき, 粉 がおちて火種ができる. この火種をイオウのついたつけ木で炎にする. 鍛火は, 昭和35年頃ま で行われ, 今は行われていない。 現在, 日間賀神社にはイタ, キネ共に ) が, 他に1組のイ タとキネが愛知県津具村立民俗資料館に 8 2点づつ保管されている (図1 7 , 図1 保管されている.. ( 9 ) 和鋼記念館 (島根県安来市) 日立金属 K.K の付属博物館には,たたら製鉄を行う際の火をえるための発火具が2組保存されて. ) いる (図19 , 図20 . 1組は明治初期に, 邑智郡の若杉タタラで使われたものではないかという も ) のである(図19 . ヒキリイタは板の側辺に V字の刻みは なく, 板中央でキリモミして火を起こした. ことを示している。 起きない時のために, キネにまいて回転させるヒモ (植物繊維 〈アサか?〉 を よっ たもので, 最大径が約6~7 mm, 最小径約3mm, 長さ約2 m70cm, 両端はだんごに結んで ノ・ン ドピース) はない (ヒモギリ式) ある) があるが, キネを押し支える道具 ( . キネの上部端は, ハ ン ド ピー スに よ っ て 押 え ら れた 跡 ら しき も の は 見 ら れ な か っ た。. 4 もう1組の発火具 (図2 ) は, 昭和初期の靖国たたらかといわれるものである (あるいは昭和4 0 年の飯石郡吉田村菅谷たたらにおける復原たたらのとき使用したものとも 想像される) 。 イタは, 側 辺に V字の刻みがつけられ, そこで火が起こされている。 キネはムラサキシキ ブか (ウツギではな いだろう) 。 ( 1 0 ) 諏訪神社. (島根県八束郡美保関町雲津). 12 月から1月にかけての頭屋行事の中で,1 2月 27 日に行われる餅つきのために, 前日 26 日鍛火. が行われた. 鍛火は, 一の頭屋の家で, 2人の頭屋 (一の頭, 二の頭) , 竃大工(一の頭の親類と両 親のいる者から選ばれた者, 築竃から餅つきま での役) によっ て行われる. 竜大工と2人の頭屋は. 火鍛の前に入浴して清めている。 交代でキリモミし, 火種ができると, キビガラ (黍穀) の粉を火 口として使い火を大きくする. 7 ) ヒキリギネは女竹 (シノ ダケ) )( ヒキリイタはヒノキ (氏子石倉万一氏による) という (図21 。 53.

(13) . 高. 嶋. 幸. 男. であ る.. 昭和30年代ま では行われていたが, その後, 氏子の部落外への就労が多くなり, 頭屋行事の簡素. 化が進められ, 鎮火は行われなくなっ たよう である. ( 1 1 ) 佐大神社. (島根県八束郡鹿島町大字佐陀宮内). 9月 24 日の御座替神事 (御座替祭り, 神座を敷き替える祭り) においてその前後9月1 9 日 ~25 日の間こもり, その間斎戒沫浴し, 鎮火の火によ って調理された食事をとる. 鎮火は, 伶人 (現在 は, 内藤康夫氏)によっ て行われる. 拝殿高間に ゴザを敷き, その上にマナイ タのような台をおく.. その台上にヒキリイタ (図22 ) をおいてキリモミする. 火種ができるま でにふつう数分でおきると 8 ) 火種を大きくするとき息を吹きかけ いう. キ リ モ ミ を 1 人 で行 っ て 約 6分 で発火した記録がある( . 9 ) イタは 使えなくなると捨ててしまうという ることはない. つけ木で炎にする( , . . ( 1 2 ) 出雲大社. (島根県簸川郡大社町杵築北字宮内). 出雲大社における火錯に関わる神事として, 火継式, 毎年11月 23 日夜に行われる古伝新嘗祭(大 庭の御神事) , 8月10日の神幸祭をあげることができよう. 火継式は, 新旧国造の相続の神事である. 国造りが亡くなる (神避り) と直ちに嗣子は, 国造家. に伝わるヒキリイタとヒキリギネをもって, 八束郡熊野大社 へ向い, 熊野大社の鎮火殿で持参した 発火具にて神火を鍛り出し, その火で斎食を調理し食す. これによ って新国造となる (神火相続が すんだこと, 即ち火継式は霊継式ということを意味するといわれる) . この鍛火は, 新国造が生ある 限り国造館の斎火殿で燈し続けられ, 国造はこの神火で調理したものを食べる.. 次に古伝新 嘗祭であるが, 国造が当年の新穀を神に感謝して調理して, 神前に供し, 自らも食べ あいなめ (これを相嘗という) , 国家の繁栄と五穀豊鏡を祈願するものである. はじめは熊野大社に国造が参 向しとり行われたものといわれるが, 中古以降は国造の相続式(火継式)とともに八束郡大庭村(松 江市大庭) 神魂神社 で行われた (毎年11月 (旧暦) 中の卯の日) . 明治4年神社改正後は, 毎年11. 月 23 日(新暦, 元新嘗祭の日) 夜出雲大社 で行われている. 大庭御神事ともいうのは, 神魂神社時 代の名残り である.. 近世の神魂神社 での神事 では, 亀太夫神事 (現熊野大社 で10月15日火錯祭の 一部として行われ. ているもの) 後直ちに受領したヒキリイタとヒキリギネ で火を起し, その火で調理した熟僕を献じ 祈念し, 百番の舞, 御釜之神事, 国造相嘗, 御火切板二御書付へとつづく. 現在は当日夜の神事で は鎮火を行わず, 事前に火を起しておく. 神事の順序もそれを行う場所も, 近世神魂神社時代とは. 異なる. この火は以後1年間使用される. また神幸祭では, 出雲大社相伝のイタ, キネ で火を起 し, その 忌火 で調理 した斎 食を食べ, 神 事終了ま でこの火を使う. この神事は, 8 月 10 日朝斎館にこもることから始まり, 8月14日深夜. の儀式で終る. 明治以前は旧暦7月 4 日深更, 上官の別火氏が奉仕 したが, 明治4年神社改正後新 暦8月14日深更禰宜が奉仕する. 以上のように鎮火の火は神僕調理, 献灯に使われる. 今回の調査では, 直接各種測定を行うことが できなかっ たが, イタ, キネ共に材料, 寸法共にき. め ら れ た も の を つ く っ て い る と の こ と で あ り, 亀 太 夫 神 事 では そ の 決 め ら れ た も の を わ た して い る。. しかしいつの時代にこの寸法が定まっ たか不明である (表1にはその寸法を記載した) .. 発火作業は, 2 ~ 5人がかり で交互にキリモミする. 発火時間は早いとき で10分ほど, 遅いとき で20分ほ どで火種ができ, この火種を奉書紙 で炎にするという.. 54.

(14) . 火鍛習俗にみられる発火技術 (その1). ( 1 3 ) 神魂神社. (島根県松江市大庭町). 正月 4 日に新しく頭人を選び, 正月中旬の吉日, その頭人の庭先において 「お柴立て」 の頭屋行 事を行う. この際, 神僕調理が行われるが, そのときの火は鍛火によってつくられる. 鎮火はかっ. ては頭屋で, 現在は神社神僕所で行われる。 同様に発火道具も頭屋においておかれたが, 今は宮司 宅 に お い て あ る.. 鎮火はカエという役の氏子2人が行い, 火種はモグサの火口で大きくされるという。 ) ヒキリイタは2枚あり(図24 0年頃のもので廃材を利用したものという. , 古い方は明治2 , 図25. 1 4 ( ) 熊野大社. (島根県八束郡八雲村熊野). 出雲大社で使用される鍛火用発火道具(ヒキリイタとヒキリギネ)は, 熊野大社から譲り受ける. そのときの儀式が1 0月15日の鍛火祭 (亀太夫神事) である. しかしこの鐘火祭の中では火を鍛る ことはない. だが熊野大社では神僕調理 (かつては神僕全て, 現在は御飯, お餅ぐらいのものとい う) をする際使われる火は鎮火によっ ている. イタ (図26 ) は合板に固定さ れている (合板の両は じに小さな凸があり, それに合わせてイ タの裏に凹をつけはめ込んで固定する) . キリモミは2人に よって行われ (権禰宜米田昭一氏が主に行っ ている) 5~10分ほどで火が起きると, つけ木で炎に する. イタ, キネ共に出雲大社へ渡すものと比べやや小さく, キネはウツギでなくコメ ゴメの木(ム ラサキシキブ) であっ た. ◎. 星上寺. (島根県八束郡八雲村大字東岩坂). 星上寺は, 星上山 (海抜454m) の山頂にあり, 1月17日頭屋制による大餅行事 (星上寺大餅供 養あるいは奉納)が行われる。 住職を兼務する東岩坂曹洞宗円通寺住職の中野蟻龍師は, 「星上寺本 尊十一面観音に捧げるものでありますが, そのやり方, 精神は悌というより, むしろ神にといっ た 「星上寺大餅供養に就いて」中野幡龍氏覚え書き)と述べている. この大 特殊なものであります。」 ( 1 0 )を仏前に供養するもので その大餅づくりの火は鍛火によ って 餅行事はその名の示す通り大鏡餅( , つく ら れ る。. 1月 15 日護や事前の準備をおえた午後3時す ぎ, 清めを行い, 発火作業にとりかかる. まず床の. 前に紙を敷きヒキリイタ ( 「ヒキリ木」 とよばれる (図27 )) をおく。 そして護を行った2~3人で, キ リ モ ミ を 始 め, 5分 から1 0分ほどで発火させるという. 火種はつけ木で炎にされ, 百匁ロウソク. に移される. この火は最後ま で燈し続ける。 又この火は6時半ごろ餅鴇きのために使われる. イ タ の 側 面 に は, 6 ~ 7 cm 間隔でノコギリ目が入れられている.発火道具一式は別所地区薬王山 清徳寺に保管されている. 〈続く〉 )王. ( 1 ) このことについては, 拙著 (共著) 『古代日本の発火技術』(群羊社, 19 1 ) に詳しい. 8 2 ( ) マイギリ式発火法については,「EARATSによる古代発火法の一形式である舞錐法の研究」(女子栄養大学紀 ) )に詳しい. 要N 976 977 o .7, 高嶋幸男,1 , その他の発火法については,『原始時代の火』(岩城正夫, 新生出版,1 )p ( 3 9 81 ) 『民俗資料選集, 火錯習俗』(文化庁編, 国土地理協会, 1 .6には「もみはじめて四・五分ほどで火を得, これを付け木にうつし, たき付けの杉の枯れ葉にうつし, そこへ薪をくべる……」 とある. { 4 ) 前掲書 『火鍛習俗』p .16には, 発火時間 「三分ほど」 とある. ( 5 ) 先代宮司平石基次氏による. ( ) 『旭町誌通史編』 p 47 1 6 . 55.

(15) . 高. 嶋. 幸. 男. 4には, ケヤキとある. ( 7 ) 前掲誌 『火鍛習俗』 p .22 1 8 ( 8 ) 前掲書 『火鍛習俗』 p . 9 1 4には, 「おき」(火種) を, 「静かに吹き, おきを盛んにし」 つけ木で炎にするとある ( 9 ) 前掲書 『火鍛習俗』p .2 が, 宮司朝山芳図氏は, これを否定し, 決して 「吹く」 ことはないという. )) では, 「三 1 71 7 l ) 大餅供養 (奉納) される餅は, 現在は七升餅2枚, 一升五合餅2枚. 『雲陽誌』 (享保2年 ( ( o 尺の鏡餅六」 とある, (本学助手・釧路分校). 56.

(16)

参照

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