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火鑽習俗にみられる発火技術(その3)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 火鑽習俗にみられる発火技術(その3). Author(s). 高嶋, 幸男. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 35(2): 45-58. Issue Date. 1985-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4965. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 火鍛習俗における発火技術 (その3). 高. 嶋. 幸. 男. すでに二回にわたっ て摩擦式発火法を行っている火錯習俗について調 査結果を報告してきたが, その後新たに調査を行ったので, その結果をまず報告し, 次に火花式発火法を行っている火錯習俗 に つ い て の べ る こ と に す る.. ※. キリモミ式発火法を行っている火鍛習俗 (追加分) ここに報告する火錯習俗の例数は, 3県6例 で, 発火具としてはヒキリイタ8例 (1枚の合板に 〔 1 〕. 3点のヒキリイタがク ギ付けされているものは1例とした) , ヒキリギネ16例 である. それらの発 3に示した. またヒキリ 6~5 火具の測定値等については表5にまとめ, それらの発火具の写真は図4. イタ上に穿孔さ れたヒキリウスの大きさ (直径, 深さ) の測定と形 (U型とW型) についてまとめ たものが表6である. 以下火鍛習俗ごとにみてみる。. Q 6 ) 飽富神社. ) 3 (千葉県君津郡袖 ヶ浦町飯富字東馬場286. 1月 14 日夜半から1 5日にかけて行われる筒粥の神事において粥を煮る火をえるために, 鎮 火が 行われる. 筒粥の神事は, ここでは九種類の殻物 (大麦, 小麦, 麻衣, 早稲, 中稲, 晩稲, 稗, 粟, 大豆) についてその年の 出来具合を占う。 鎮火のキリモミ作業はヒキリイタをはさんだ二人の氏子によって交互に行われる.火が起きると,. 火はイロリに移されて薪につけられる. 鉄鍋に水を入れてわかし, 米の粉 (三升ほどだという) を 75本 入れて煮る, その時サカキでつく ったハシでかきまぜる. そしてあらかじめ葦でつく った筒(. の葦を六種類に分けて束ねる。 その一つに9本の葦を束ねたものがあり, これが穀物の吉凶を占う 筒粥で, その方法は一子相伝といわれる) を入れて煮る. 粥ができあがると神前にて9本の束の筒. 粥を割って, 筒内の粥の量を測り, その量で吉凶を出し, 「分」 で表わす。 9種類の「分」 ,の合計を 最後に示す。 最もよい量は八分であるという. 結果は15日に 公表さ れる. 0センチ余もあるきわめて 厚手の この筒粥の神事で使用されている発火具のう ちヒキリイタは1 幹材である。 その上ヒキリイタの中央で発火しており, めずらしい例 である. 『袖 ヶ浦町誌』の「飽 富神社」 の項 ( 566~569ペー ジ) には, かつての筒粥の神事次第が記されており, その中に 発火具 についての説明がある. それによると, ヒキリイタ, ヒキリギネ共にヒノキであるが, イタは長さ. 2ないし3尺, 厚さ2寸で, 側辺に小刀で刻みをつけるという. キネは長さ3尺という, とすると, 45.

(3) . 高. 嶋・ 幸. 男. 表5 キリモミ式発火具の記録 (追加分) . 善. 所. 在. . . . 厚 げ 樹 種 もぐ 太 さ 態 樹 種 木目 もぐ ( ( ) m m ). 備. 考. 図4 6 飽 富 神 社 ヒノキ 心持 5 4 1 9 4~ 1 2~ ヒノキ 4 3 2 1 ( 1 6 ヒキリウスは, 上面中央にあり,側面; こ「危9, 5, 7 2 4 0 5 , . . , 九 一月 幹材 (底面 1 2 4 ~2 1 ) 2 4 3 昭和四 袷 年 十 五日 と墨書あり。 0 7 0 2 0 8 」 , , , , - 上面各ヒキリウスに「 (左より) の長さ 5 21 1分,5 11 5分, 5 2 ) 42 7 5 01 3分,4 91 7分 8 8分,5 33 6分,5 6分, , ,5 5 61 52 3分 6分,5 7 7分」と墨書。 ,5 ‘ 図4 2 ) ヒキリイタは下の合板にクギ付けされている。 8 9~8 3 3 3 6~ ヒノキ 2 9 1 1 8 0 ( 2 5 7 国 勝 神 社 ヒノキ 柾 2 .5 7 . , , , 3 〃 2 ( 2 1 ) 図4 4 0 5 1 1 8 5 0 7の合板の大きさは,5 6 0 2 9 4 m m m×2 m m m×1 . , , , , 図4 4 4 2 2 1 ( 2 きさは × 1 × 2 8 ① 〃 柾・ 2 1 9 2 6 1 ~ 〃 0 8 6 0 4 ) 図 4 5 1 1 9 3 5 8 の合板の大 6 m m m m m m . 。 , . , . , , 板 4 9 2 〃 2 4 9 0 ( 2 0 ) 図4 5 1 5 8のヒキリ板は3枚あり, 建具等の廃材を利用した . . . . ( 2 ) もので ② 〃 柾・ 2 2 6 0 1 6 4 0 5 1 6 5 2 3 5 2~ 〃 . , 各面を利用している, . , , , 0 ( 2 1 ) 図4 板 3 2 7 8 1 8 3 8-①は四面に発火跡あり。 5 5 〃 , , , , 2 2 ) ③ 〃 柾・ 2 9 5 4 5 3 0 1~ 〃 8 3 1 9 8 ( 3 7 . . , , . 板 3 “ 2 ( 2 ) 4 8 5 1 8 5 0 9 ・ . , ( 2 ) ″ 3 0 1 1 6 4 0 7 . , , ′ ′ 3 6 1 ( 2 4 ) 1 7 5 0 . , , ( 2 ) ′ ′ 3 3 2 1 5 3 3 7 . . , 3 3 1 ′ ′ ( 1 ) 3 5 9 7 9 . . , 図4 1 1~ ス ギ 2 1 2 1 8 ( 1 6 1 ) 昭和二十八年当時, ムラ役伊藤重利氏が, 古くより火 5 3 9 長野県北安雲郡 ヒノキ 柾 2 3 8 3 9 , , , , . , ・ 神城村内山北, モミを担当していた屋号「西村」=長沢氏より譲り受 3 9 5 1 5 5 , . け, その後, 日本民俗資料館(松本市)に寄贈したも オンベ焼キ(道 祖神祭) の。 図5 0 長野県東筑摩郡 ヒノキ 迫柾 3 0~3 1 本城村東篠田屋 ドンド焼キ 図5 1. 同 上 ヒノキ 本城村東篠立川 ドンドン焼キ 図5 2 池 宮 神 社 ヒノキ 柾. 5 8 7 .. 6 5 5 .. 図5 3. 5 8 8 ,. 3 7. 〃. ヒノキ 柾. 本城村立本城小学校に一時保管されていたが, 現在, 本城村立民俗資料館に保管されている。 ヒキリギネはウツギの他, ヨモギも使用したという。 東篠田屋のものと同様, 本城小学校に保管されていた が, 本城村立民俗資料館に保管されている。 ヒキリギネに「コウゾ」が使用されたという。 3 6 1 丙を使用。 5 矢 柄 8 7 9 0 (8 2 . . , , ヒキリギネは, 弓矢の矢ヰ ) 〔シノダ ~9 0 , 4 0 ケ?). 1 ( 1 2 9 4~ ウツギ 5 9 6 1 7 2 6 ) , , , , ( 1 ) 1 9 1 8 3 0 8(ヨモギ) 5 5 5 1 , , , , 4 2 3 1 2 2 ( 1 2 1 ) . . . 2 8~3 0 1(コウゾ) 6 5 4 5 4~4 72 , , , 5 5 7 ,. 注1)ヒキリギネの太さは ,使用先端部(摩擦部)の太さ ,( )内は軸部の太さ。. キリを採む場所が, いっの時代かヒキリイタ中央に変化したことになろう. また厚さもきわめて厚 くなったわけ である.. ヒキリウスの周辺には, その年の発火時間とみられる時間が墨書されているがその最も古い年と ヒキリイタ側辺の墨書の年, つまり昭和49年 ( 19 74年) が一致することからして, 昭和49年以来 使用されているものであろう. 発火時間は, 墨書の時間がそうだとすると, 一番早いもの で7分(昭和5 7年) , 遅いもので36分 (昭和53年)ということになる. ヒキリイタ中央でのキリモミによる発火は, 極めて困難であるこ. とがわかっているが, 想像以上に発火時間が短かい. 坪崎地蔵堂の例などでは, ヒキリギネの 太さ が違うが, この何倍もの時間がかかることが多いよう である. 0 ) 国勝神社 7. (千葉県君津郡袖 ヶ浦町岩井464 ) 当神社における火鍛神事も筒粥の神事の粥を煮る火をつくるために 行われる. 1月14日の夜, 人. がとだえた頃 (夜10~11時) , 氏子 (男子のみ) が神社にあつまる. 拝殿わきの炉を清浄にした後, 46.

(4) . 火錯習俗における発火技術 (その3). 表6 所. 在. ヒキリウスの大きさ (キリモミ式, 追加分) ヒ キリウ スの大きさ. ウスの配列 ウスの数. 飽 富 神 社. 中. 国 勝 神 社. 片. (上段:直径 下段:深さ). 1 0. 2 02 4 5 22 5 82 5 12 1 02 3 92 4 42 3 4 52 52 1 3 , , , , , , , , . , 1 4 4 01 31 3 61 3 81 0 31 0 2 8 4 0 71 3 71 31 9 , , , , , , , , , , つ J. 未増 考量 き. 4+く 国勝神社① A面両側十中 5/ 1 〉A 面 ) B面両側十中 1 / 1十〈 1 〉B 面 ). - 一 筆曇2 8 8参看/2 g g一 筆者 十 饗 : : 〉 9 ¥ + <挽き /¥ :. 響き. C・D面は未測定. 国勝神社② A面両側十中 9/ 7+〈 1 〉1 42 9 71 9 0 31 9 2 - . , , , 十端 十( 1 ) .. .融=澗. B面両側. / 2 1. 1 g ; 〉 卒 去 夏至 圭 g1 官 冒そ 登 十く り 学 〉+< 二”8 : : : : :. - 欄 /徽. . 驚1 g 琴 圭 き挫 葺か琶 書 き卒 去 ゑ/ 聯 饗 - + < ま : A 面 )増 8言 え琴 書写 渇未1 g オー ギ払 え溺. き g零細昼未ま ” : 1 1 8 2 /g 三番 琴未著 者 姿 亨据i 言挙r菱葺かろかき 8 :. 国勝神社③ 両側+中. 8 3十〈 / 2 〉. 長野県北安曇郡 A面両側. 1 4 / 1 2. 神城村内山北, オ ンベ 焼キ. (道祖神祭). B面両側. / 2 2. 長野県東筑摩郡 A面両側 本城村東篠田屋 ドン ド 焼 キ. 1 3月3. B面両側. 1 / 1 3 3. 2 基 未 等号雑言. /,〆“. B面 )ま き 登 未 /奉 呈孝 治. A 面 )発送 未 未 構 未 格 闘き 未 雄 琴裳 未 1 g 言未 / 1 3 01 21 3 2 01 6 11 1 7 81 6 71 4 4 81 71 3 41 01 4 31 6 21 3 0 , , , , , , , , , , , , , 1 4 31 1 21 3 9 3 11 1 61 2 4 01 01 2 7 3 81 2 0 21 0 8 9 I 81 , , , , , , , , , , , , , B面)1 3 21 3 01 3. ユ 11 7 5 5 81 8 21 3 41 4 21 4 11 3 71 8 8 , . , , . , , , , , , 21 9 91 6 61 8 3 、 6 6 21 4 2 31 2 81 6 81 5 41 71 5 8 , . , , , , , , , , .. 未 未 未 未 強者 撚 望ま1 g 8 :. / / 三. 1 量 参議登壇81 鵠. 長野県東筑摩郡 片十中 本城村東篠立川, ドンドン焼キ. 4十〈 2 〉. 綴 撚 饗¥ 圭 著+〈韻 謄 二. 池 宮 神 社 両 側. 2 / 2 3 3. 未 手 書鰯: 曇2 8 8. 8 琶灘選 者選 考澄も曇 ぎ選 考達 者書 写2 ゴ : : 二. 導 者瀞 鵜 gふ駆盗も8 8未 : 未 未 未 琶 g. 8 曇畳も2 老 : ニ. 池 宮 神 社 両 側. / 2 3 2 3. /. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未 掛る 書 き未 未 未 未 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 未. 8 三 品;未 未 g 孝未 開 : 2 未. 未. 未. 未. 未. 未. g2 8 3g 曇』 g8 g 8未 亨義 孝# : : : : :鰯ふg : :. 未. 未. 未. 未. 未. 未. /. 未. 注1) A, B, C, D面はヒキリイタの使用面を示す。 注2) ウスの配列は, ヒキリイタの使用面において, 片は一面のうち片側使用を, 両は両側使用 (下段/上段) を示す。 また 中は板中央使用を, 端は端 (たて側辺) 使用を示す。 注3) /印, 十印は配列の区分を示す。 注4) ヒキリウスについては, 「未」 は未使用, 「」」 は測定不能, 〈 > は板中央のウス, ( ) は端のウスを示す。. 47.

(5) . 高. 嶋. 幸. 男. 夜半頃より鎖 火をはじめる. 氏子3人一組となっ て, 2~3組つくり, キリモミを交代して行う. 発火作業は特にきまっ た人が行うことはないという. ガマの穂をヒキリイタのまわりにおき, 火種 を受け, その火を皮をむい たヨシの軸に移し, さらにおかん薪 (正月七草後, 境内の木のうち人が. さわらない枯木など - 木の上の方のものを使うことが多い - を伐っ たもの) に移す. 薪は炉内で燃やされ, その火に鉄ナベ をかけ, 湯をわかす. その後米の粉(一升という) を入れ,. ヤナギのハシをかきまぜながら煮る. ヨシの筒 (新しいヨシではいけない. 正月七日すぎに採っ た ものを, 他にさわらせないようにする) を12本 (順序がきまっ ている) 束ねたものを粥に入れる. 次に筒をとり出し, 筒に入っ た粥の割合で吉凶を占う,. 占う農作物は, 大麦, 小麦, 早稲, 晩稲, 大豆, 小豆, 粟, 胡麻, 藷, 大根, 芋である.. 発火具のうちヒキリイタは廃材を利用したものとみられ合板にク ギ付けされて動かないようにし てある. またヒキリイタは各面が使用されている. 側辺のV字刻みもほとんどなく, 側辺にそっ て 発火されていることが多い. ヒキリギネのうち, 1本には 「二十四年」 という彫りものがある. 発火時間は, 乾燥している場合でも1時間かかることも, またそれ以上のこともあるという. 回. 長野県北安曇郡 白馬村内山北 (旧神城村). 現在松本市の 日本民俗資料館に収蔵さ れている 「火きり用具 (ひも みと ひずぎり)」 つまりヒ キリイタとヒキリギネ各1点は, 旧神城村の内山北で行われていたオンベ 焼キにおいて使用されて いた発火具である. 内山北村のオンベ焼キは, 第二次世界大戦後オンベ をまねた子どもたちの火遊 びによる火災があっ たため, 廃止してしまっ た. その後昭和28年当時ムラ役の伊藤重利氏は, 頭屋 ともいえる屋号「西村」 (長沢氏, 古くより火モミを担当)から発火用具を譲り受け, 日本民俗資料 1 ) 館 へ 寄 贈 した と い う( .. オンベ焼キの鎮火は, 1月 4 日夜行われる.オンベ立て後,いっ たん各自夕食をすませてから西村 家に集まる. 西村家のイロリのある広間 (オエ) に, ヒキリイ タを置き, 膝で押えながらキリモミ 0~30分かかっ たという. 火種はつけ木 (ツ する. キリモミは交代で行い, 早くて10分, 遅くて2 ケギッ パ) で炎にさ れ ロウソクに移される. この火は 一つは 「西村家」 の燈明として残し, もう 2 ) 一つの火はちょうちんでオンベのところに運ばれ, オンベに 点火 さ れた と い う( . ヒキリイタは, 火鍛習俗のものとしては比較的小品である. ヒキリギネはスギ板を削って丸棒に したものであるが, キネにスギ材を使う例は稀 らしく現存する例は他にない.. Q ) 長野県東筑摩郡本城村東篠田屋 9 本城村立民俗資料館には, 同村東篠田屋地区の ドン ド焼キの 際使用されたキリモミ式発火具があ る. これらは, ドン ド焼キの当家 (頭家) である窪田不二夫氏によって寄贈されたものである. 鎮 火は大正月最後の行事として1月 7 日にドン ド焼キの 際行われていたが, 今から十数年前(昭和40 3 ) 年代か) に行われなくなっ てしまったという( . 鎮火は朝9時すぎからはじめられた ドン ド焼キのオ松サマづくりの完成の後, 若い衆をあっめて 行われる. まずヒキリイタにノコギリの切り目を入れ, その場所にヒキリギネを立ててキリモミを する. ヒキリイタは合板 (長さ3尺 ぐらい幅1尺ほど) の上におかれ, 動かないように何人かで押 える. キリモミは6人ほどで交代 で行い, ノコギリの切り目にそって粉がおち, 火種ができる. 火 種は火縄 (ヒノキの皮をたたいて外皮をの ぞき, やわらかいところだけ集めて縄にしたもの) に移 し, ドン ド焼キの時間ま で当家 (頭屋) で保管する. 夕方近くの予定時間になると当家は ドン ド焼 4 ) キを行うことを地区内に知らせ, 火縄の火がオ松サマに 点火 さ れ, ドン ド焼 キ が は じま る( . 48.

(6) . 火鍛習俗における発火技術 (その3). 1 長野県東筑摩郡本城村東篠立川 図5 ′ ′ 三三三 【一 … - 〆 三慾 . . ぎ : 濯 熱二言 議さ ‐ . 図52 池宮神社. 鰹鱈翻腫諌零霊謡 ぎ窄蒙塵;蟹 “ ;ニニ 二三繊三一- ; ; : -ユ 図46 飽富神社 (上:ヒキリィタ’ 下:ヒキリギネ). 轡常瀞 鰭滋瀕 へ 腰瞬露骨嬰 . . . . . . . . . . . 図53 池宮神社 (上:ヒキリイタ, 下:ヒキリギネ) 図47. 国勝神社. 巻 繭詩 *滋一. . . . . ー r r 電離鰯齢瀞一癖 欝 罰 キ ~ . - . .ド な - -- - 二;ヤ粥蹴 ノ ;〆 霞蟹妻塵キ字r ニ 〉{ :ミ 図48 国勝神社 (上:ヒキリィタ, 下:ヒキリギネ). . 図54 加波山神社・たばこ神社. 、. ノ ~欝. ノ * 欝剛 ; y 縄 灘… -. 図55 加波山神社・た ばこ神社. * 瀞, 図49 長野県北安曇郡神城村内山北 (上:ヒキリイタ (A面) , 下:ヒキリギネ) - 樽 響 叢≧ . . 1 - - -- 奉書 ・. ■. 図56 段波山神社.たばこ神社 織璽 圃. . 図50 長野県東筑摩郡 本城村東篠田屋 (上:ヒキリイ タ (A面), 下:ヒキリ ギネ). . 図57 愛宕神社. ヒキリイ タ1例とヒキリギネ(ウツギ)3本が現存している.キネはヨモギの茎が従来使用されてい 5 ) たが, 長く成長したものが入手しづらくなり, ウツギを使用しているという( .. 回 長野県東筑摩郡本城村東篠立川 東篠立川 地区の ドン ドン焼キの鎮火に使用された発火具も, 本城村立民俗資料館に保管されてい る. この発火具は,昔からの家である一ノ瀬俊一氏(屋号「奥殿」 ,頭屋ではない)宅に代々 置かれてい. たものである. 立川地区では鎮火(火モミ)による ドン ドン焼キは昭和30年頃ま で行われたという. ドン ドン焼キは1月 7 日に行われる. まず ドン ドン焼キの準備が終ると地区の堂 (後に集会所) に集まり, 酒宴となる. 午後7~8時に ドン ドン焼キに火を入れるので, それに間に合う ように鍛 49.

(7) . 高. 嶋 幸. 男. ぎき. ◆ . き ど き き ざ ぎ ざ ぎ. 、 \ \ \. 図58 加波山神社・たばこ神社 (左:マイギリ (A) . 右:はずみ車). 図6 0 愛宕神社. (上:マイギリ, 左下:ヒキ リギネ). 図59 加 波山神社・ たばこ神社 (マイギリ (B)). 図6I 須我神社のマイ ギリ 式発火. 火 (火モミ) を行う. キリモミは何人かで交互に交代して行う. 火種ができると, サワラの樹皮を もんだものを火種にそえ, 炎にする. さらに種油 (その後ロウソク) に移され, ドン ドン焼キにつ 6 ) けられるま で保存する( . 現在はヒキリイタ1例が残るのみ で, ヒキリギネのカ ズガラ (コウ ゾ) はない. 御 池宮神社 ヒキリイ タ2例, ヒキリ ギネ1例を追加報告する. これらは, 現在氏子の家にあり, 使用中のも ので, 前回調査 で見ることができなかっ たものである. 形・大きさなど既存のもの ( 「(その1)」 参照) とほぼ同 じである. 50.

(8) 火鍛習俗における発火技術 (その3). . 「 /. 彰 鼻. . 尽 き 憲 鷲 ・ 蒸 も. 図64. . 馨 , . 隊 { 、 , 轍 . 遡謝 謙. 図 遜 潮. 騒 図 51.

(9) . 高. 嶋. 幸. 男. 図74. 図72. 75 図‐. 図73. 図76. マイ ギリ式発火法 を行っ ている火鍛習俗 (追加分) 新たに調 査を行っ た火鍛習俗は, 3県3例 で, 発火具としては, マイ ギリ4例, ヒキリイタ 5例, キネ先 (キリモミ式のヒキリギネに相当し, キネの先端の開口部に挿入する 摩擦部分)18例 で, そ の他何種類かの付属的道具 (T型固定台など) である. それらの発火具の測定値等についてまとめ たものが表7である. またヒキリイタ上に穿孔されたヒ キリウスの大きさ (直径・深さ) の測定値 と形(U型とW 型)についてまとめたものが表8である. 各火鍛習俗におけるヒキリイタは図54~57 〕 〔 2. に, マイ ギリ ・ キ ネ 先 な どに つ い て は 図 58~61に 示 し た. 以 下 個々 の 火 錯 習 俗 に つ い て み て み る.. 回 加波山神社 (茨城県新治郡八郷町大塚字加波山). ) たばこ神社 (茨城県真壁郡 真壁町長岡891 加波山神社およびたばこ神 社では同じマイ ギリ式発火具 を使用している. 現在二台のマイ ギリ式 発火具がある. 古い方のマイ ギリ式発火具(A) は20年ほど前登呂遺跡出土の発火具を復原したと ) で, この時以 いわれるマイ ギリの複製品 (静岡市石川 清吉氏製作という) を購入したもの (図58 来火鍛神事を行うようになっ たという. この発火具は 火つきが悪く 苦労したという. そこ で最近 ) 9 . ( 198 3年 頃)伊勢神宮よりマイ ギリ式発火具を譲り受け(B) ,現在はこちらを使用している(図5 と考 太陽の最も衰える ある これは 大火を焚く神事が 加波山神 社での火鍛神事は, 冬至の日に , . えられる 冬至の日に, 大火を焚いて光熱の再生を祈願する もので, マイ ギリ式発火による火で, ヌ ルデの木 (長さ約1尺, 365本, 現在は180本) を燃や し大火を焚く ものである. また元旦にも 火改めの火鍛神事 を行う. 955年(昭和30年)たばこ神社を建立 煙草生産者の多い八郷町では煙草収穫2億円達成を祝し, 1 52.

(10) . 表7. マイ ギリ式発火具の記録 (追加 分). マイギリの樹種・大きさ‐形 所. ヒキリギネ. 在. キネ先の樹種・大きさ. はずみ車. さ 大 さ 樹 種 大きさ 樹 種 長( ) ( ) ( c m ) 困 m m m 6 ①ヒノキ 1 5 ヒ ノ キ 最大径 . 2 ( 3 ) 5 1 0 0 . 1 2 ② ′ ′ 3 7 7 5 高 さ ‐ . ( 2 2 3 ) , 1 ③ ′ ′ 7 6 1 6 ‐ ( 2 1 ) 8 ‐ 加 A ④ ′ ′ 1 6 2 . 波 ( 2 4 2 ) . 山・ ⑤ ′ ′ 1 6 2 . 2 ( 0 6 ) ‐ た ⑥ ′ ′ 1 7 ば ( 2 1 ) 8 . こ 6 アカカシ 7 7 上端部 カ シ 最大径 . 神社 2 9 9 0 8 ‐ 高 さ 下端部. 弓. シ. 8 0 9 .. 臓 部 凝. 愛宕神社. くキ ツノ. 大 き さ. 樹. 大 き さ. 種. (楓. 5 5 5 . 4 5 5 .. 厚 さ ( ) m m 1 2 5~ . 1 3 1 5 5~ . 1 6 5 .. 固 定具 ぐ. 備. 考. ( ) c m ヒキリイタは, 両端に 凹みがあり, ヘソ式固 定台(T型)で固定する 形式であるが, 固定台 はなかった。ヒキリイ タは足または手で押え 固定しているという。 昭和3 0年代に購入した という。. 球. 形 カ. 4 0 2 ヤマビワ 5 4 シ 長さ 6 (8 1 )1 4 0 ( 1 4 ) ヒノキ 7 . . . . . 中央の幅 4 3 (柾) . 両端の幅 3 5 . , 3 4 . O 中央の厚さ2 ‐ 両端の厚さ1 9 . , 1 5 . ・ヒモはアサを よったもので , 径3 5 m m . ,長さ約. 2 7 3 .. 5 9 5 ‐. 1 8 7~ .. T型固定台 固定台) 長さ3 4 幅 1 1 5 . 厚さ3 5 ‐ 舌) 長さ2 8 6 . 幅 6 8 ・ 厚さ1 2 ‐ ~2 6 ‐. 加波山・たばこ神社の 二台目のマイギリで , 伊勢神宮より護1 )受け たもの。. 最大径 球 1 1 2 高 さ. 形 カ. シ 長さ 4 4 8 ヤマピワ . 4 中央の幅 4 . 両端の端 3 4 ., 3 4 . I 中央の厚さ2 . 両端の厚さ1 9 ‐ 2 O . ・ヒモはアサを よったもの. 3 4 5 ) 5 ( 8 0 ヒノキ . . 2 7 1( 5) ( ) 1 9 5 6 4 5 . - 6 7 5 ( 2 1 ) 8 . . 7 0 3 ( 2 6) ‐ ( 2 ) 6 7 54 3 . . 2 6 5 8 ( 1 5 ) ‐ ‐ 7 3( 2 7)1 4 5 . 6 2 5( 0 5 )1 5 O . ‐ 2 ( 4 6 ※9 5 )1 3 7 . . ウツギ ( 4( 1 0) ヒノキ 3 0)1. 2 74. 6 1. 1 8. T型固定台 固定台) 長さ3 0 4 . 幅 7 6 - 8 厚さ2 ‐ 舌) 長さ2 2 8 . 幅5 8~7 4 厚さ1 4~. 鎮火祭に火鎌神事をと り入れ, 古伝に従って 舞ギリ式で火を起すよ うになったもので ,以 前にキリモミ式発火法 があったことはない。 キネ先などは伊勢神宮 よりとり寄せている。. ほぼ球形 マ 、 ソ 長さ 6 0 4 5 ヒキリイタはL字形を (上下面 幅 5 (台を含 (台を含 していて , 火種を受け 須我神社 の角が削 3 厚さ めた幅 めた厚さ る台がある。 ヒキリ られ球形 1 0 ) ウスの大きさは, 直径 ) 0 5 0 に近い) 1 3 m m 3 m m 。 , 深さ1 「 「 注1)ヒキリギネの 上端部」とは使用時上端となるところであり, 下端部」は同様に下端となるところで通常キネ先のさし込み口のところである。 ただし,「加波山神社‐たばこ神社-A」 のヒキリギネの太さは , 上端部の 太さを示し ,( )内ははずみ車をとめる(固定する)コブの太さを示す。 注2)キネ先(ヒキリギネまたははずみ車にさし込む摩擦用の棒で , 消耗後は交換する)の長さは全長であって ,( )内はさし込み部の長さをのぞいた長さである。また, 太さは , 使用先端部(摩擦部)の太さで ,( ) 内は軸部の太さ。 なお「加波山神社・たばこ神社-A」のキネ先の太さは , 摩擦部の太さである。 注3)箕は未使用のヒキリイタ, キネ先を示す。 注4)T型固定台とは, ヒキリイタを上にのせて固定する台。 そこから垂直に 「舌」 が出て, その舌を作業者が膝頭で押え, 固定台を動かさないようにする。 カ. . 雄カ 一シ. 種. 太 さ (木 目) 長 さ 大≧ さ さ 形 樹 種 も) ( ) m m ) ( 血 m ) ほも ヒ ノ キ 1 6 ノ 5 5 5 ま 渡 天 允 ラ ヒ ノ キ 長さ 5 ヒ キ . . (断面台 中央の幅 5 8 . 形に近い 両端の端 2 6 ヒノキ 2 7 3 . , - ) 2 5 . 中央の厚さ1 6 ‐ 両端の厚さ1 6 ‐ ,. B. カ. 樹. ヒキリイタの樹種・大きさ・固定具. シ. 9 5. 2 0. 最大径 1 0 0 高 さ.

(11) . 高. 表8 所. 在. 加波山神社・ たばこ神社. 嶋. / 8 8. 加波山神社・ たばこ神社. 両十中. 8 / 8十く 3 〉. 加波山神社・ たばこ神社. 両. 8 / 8. 愛宕神社. 両. 8 / 8. 男. ヒキリウスの 大きさ (マイ ギリ 式, 追加 分) ヒキリウスの大きさ (上段:直径 下段:深さ). ウスの配列 ウ スの数 両. 幸. 未. 未. 未. 未. 未. 未. H 曇 未 未 未 / 未 未 未 鞭 響き 未 :. 41 ‐ さ欄 /g 疑り細 か呈 鴇. 曇り宝 1饗 勘 鳴 羽 欄 複写 未 +< き響か8 零 > 響 g gi g最【 g 宣t s 罷 未 未1 8 墓 未 未 未 未 / 未1 : : :rg i 昼 送未. “/ き響か8 キー 登壇 81 書 琴 著増 三等 未. 未. ぞ曇 堪未 未 未. 未. 注1) ウスの配列は, ヒキリイタの使用面において, 両は両側使用を (下段/上段) , 中は板中央使用を示す。 注2) /E n 。 , 十印は配列の区分を示す 注3) ヒキリウスについて, 「末」 は未使用, 〈 〉 は板中央のウスを示す。. 0キロ グラムのジャンボギセルが奉納 した. 当神社には日本一といわれる長さ 2.4メ ー ト ル, 重 さ 6 バ されている. このキセルにちなみ, きせる祭がタ コ葉の乾燥する8月 20 日に行われる. 祭日当日, 代参人が参拝し, 拝殿に正座する. 拝殿前に大ギセルが, 右に火口, 左に吸い口となるようおく. 祈蒔後火鍛神事が行われる. 古 いマイ ギリを使用したときは, 腰を下し, ヒキリイタを足で押える 0分かかったという. 姿勢で発火作業を行う. 1977年 (昭和52年) は夏の長雨で発火ま で1時間4 火はロウソクに移したのち, 大ギセルの煙草につけられる. 火がつくと撤き餅の儀式を行う. その 後法螺貝, 先倣いを先達に耕作 組合長のもつ煙草ボンデン(煙草の大葉でつく った大御幣) , 大ギセ ル, 供餅, 三宝の神盃, 神酒, 宮司, 祭員, 役員などの順で, 加波山神社本殿に向け道をのぼる. 本殿到着後もっ てきたものを安置 し, 神 主の祝詞, 耕作組合長の豊作祈願文奏上などの後, 参列 7 ) 者は順次大 ギセルの煙草をすい, 祭礼は終了する( . 古い方のマイ ギリAは, 伊勢神宮のもののようにヒキリギネの下端がソケッ トにはなっていず,. 一本の棒である. その上はずみ車を固定するために, キネ下部にコ ブがある. つまりはずみ車を下 げると, キネを通す穴にこのコ ブがくい込み固 定される. しかしこの方式では, 強く回転させると, はずみ車の固定がはずれることがよくある. また, ヒキリイタを固 定する台は失なわれていた. ◎. 愛宕神社. (富山市愛宕町2丁目). 鉄 火は毎年2月 24 日の特殊神事 「鎮火祭」 において行われる. まず氏子・消防関係者による市中 行進があり, その後午後3時よりの鎮火祭にのぞむ. 鎮火は伊勢神宮と同型のマイ ギリ式発火具を 用いて宮司によっ て行われる(神火神事) . 鍛り出された火によって祭場に積まれた薪が焚き上げら づ れ, 鎮火祈願の後, 水, 鞄 (水汲) , 川菜, 土によって火しずめの神事 (鎮火神事) が行われ, つ いて消防車による奉納放 水が行われる. 夜になると, 献燈の提燈に 火が入れられ, 神前のかがり火を 焚き上げる. 各町の氏子は方灯また. は提燈をもって神社に参集し, 御神火を受け, 拍子木, 風鈴を鳴らしながら町内を巡回し, 敬火心 を喚起しつつ鎮火守護・災厄を払除く. 54.

(12) . 火鍛習俗における発火技術 (その3). 鎮火祭での鍛火神事は現宮司 (林武彦氏) によって古伝・古記録に従って復興したものという 。 なお鎮火祭以外に, 左義長な どにおいて依頼された際錯火をすること があり, 年2~3回行うこと が あ る と いう.. 鍛火の発火時間は2分 ぐらいという. できた火種は, オガク ズに移して火種を大きく し, その後 スギの枯葉によって炎にしてロウソクに点火され, 鞄 (ひょうたんを半割りにしたもの) の中の灯 明に移される. 祭場の薪を焚き上げる火は, 松明 (昔はマツの根をそのまま使用した が, 現在はマ ツの根に油を浸み込ませ, 何度も使用 している)・に移したものを使っている 。 ヒキリイタとビワのキネ先は伊勢神 宮より取り寄せて使用 し,マイ ギリのキネ以外の部 品はそれほ ど昔ではないが交換したという。 0 6 ) 須我神社. (島根県大原郡大東町須賀) 8 須我神社の火錯神事は, キリモミ式によって30年ほど前まで行われていたという( ) その後島根 . (国引) 国体の際に採火用としてつくられたマイ ギリ式発火具を譲り受け 神事に使用 している , . 鎮火は, 現在9月 27 日の例大祭およびその前夜祭に行われ 宮司の別火用 (食事)と御神灯用とし , て使かわれる. 鍛火は社務所にて, 神社の出仕および神社奉仕当番の2人によっ て発火作業を交代しな がら行わ れる. 発火時間は2分ほどで, 炎になるま で3~5分 であ る .. マイギリは,伊勢神宮のものより大型 である.ヒキリギネはカシ で先端のソケッ ト部は金具によっ て補強されている. はずみ車はツ バキ で タテ長の球形 である 弓はマツを使用している キネ先 , 。 . は ウ ツ ギ であ る.. ヒキリイタは火種を受ける台と一体化したもの で断面はL字形をしている点は特徴的である 実 . 質的なヒキリイタの厚さは 2センチである。 ※. 〔 〕 火花式発火法を行っ ている火鍛習俗 3 火鍛習俗における火花式発火法の調査 で, 現在7県7神社で行っていること かつて3県4神社 ,. で行 っ て い た こ と が わか っ て い る 。. また, 長野県山ノ内町金箱正 美氏は, 長野県およびその周辺県の燈火具コレクターとして著名 で あり, その収集品9 75点は国の重要有形 民俗文化財に指定されている この収集品のうち火花式発 . 火具について調査することができた。 以 下 そ れ ら の 結 果に つ い て の べ る こ と に す る .. ( 1 ) , 火花式発火法を行っ ている神社 現在も火鍛神事に火花式をとり入れている神社は次の 7神社 である .. ① 塩釜神社 (宮城県塩釜市). 1月 14 日 ドン ド焼, 7月 6 日藻塩焼の神事 。. 火打金は, カジ屋にて早朝一番に打っ てもらったもの で 形は長方形 (短冊形) で 大きさ は , , 長さ 7 ~ 8 cm× 幅 2 ~ 3 cm× 厚 さ 3 mm ほどのもの である 練習用として吉井本家製 のカ . スガイ型の火打金もある. 火打石の材質は, 石英質で, 長さは数センチ 厚さ 2 ・ 3 セ ン チ の , ものが2ケある. 火口はモ グサで, 鉄製腕型容器(径1 0センチ余, 深さ 7センチ余)に入れて 55.

(13) . 高. 嶋. 幸. 男. ある. 発火作業は神官が行う. 金鰭神社 (埼玉県児玉郡神川 村). ②. 1月 14 日夜半~1 5日筒粥神事, 11月 23 日火錯祭.. もの で, するどい陵がみ ら 火打金は山型(笠形) . 火打石の材質はいわゆる鎚石とよばれている 昔は麻やすすきを乾燥させ, ほ れる. 火口は赤く染色した市販品を購入して使用 しているが, 昔は麻やす よくなか しかし火つきは ったという 火種はつけ木で ぐしてむし焼きにしてつくり使用した. 炎にする. 発火作業は神官 (宮司) が行う. 猿田彦神社 (三重県伊勢市). ③. 12月 3 1日~1日朝 大蔵式における 「ドント火」 .. 罪けがれを倣っ た小麻や人形や 古い御礼をおたき 上げするための火を得るために火を起す 龍田大社 (奈良県三郷町) 2月 3 日お火焚祭 (ゴマ祈願). ④. ⑤ 物部神社. (島根県大田市). 9月1日田面祭 (もとは8月 1日に行われた 八朔祭) , 火花式による火鍛神事はとだえていたが, 近年復活された.. 火打金は一つはカスガイ型で, 手製のよう である. もう一つは市 販のカスガイ型のものである. 火打石は付近より手 ごろな硬い石を入手しているよう である. 火口づくりが最も困難であるよ う で, 現在ガマの穂を使い試作実験をしている (例えば油ぬき, つまりカセイソー ダで煮て, 黒い染料をまぜ乾燥したもの) が, 必ずしも火つきのよい火口づくりは成功していないよう と 用している. 発火作業は神官が 198 3年10月現在) いう ( . 市販の赤く染色した火口とまぜて使 行う. ぬ なくま. ⑥ 沼名前神社. (広島県福山市). 日 か ら 18 日) 旧 暦 6 月 7 日に近い土曜日の夜,お手火神事(祭) . この 祭典は夏祭り (旧暦6月 4. の先駆として 行われるもので, 火によってすべての不浄を清めようという ものである. つまり 「夏祭の神輿渡御に先立ち, お手火( 手火″ は肥松を結び固めたもので, 大三体, 小一体を調 整する. 前者は重さ約40貫, 後者は約 5貫ある) の 火により境内およ び当番町内を 誠清めて 神輿の渡御を待つの である.」 そのとき,お手火の火は火打金と火打石によって鍛り出さ れた火 9 ) を使 う( .. (山口県防府市) 7月中伏日御ネン (廻) 祭.. 磯崎神社. ⑦. 磯崎神社では従来火鍛神事はなかったが, 現宮司の金田市正氏が着任後神事にとり 入れるよう になっ たという (金田氏の出身の神社 で火鍛神事 があり, その発火法 である火花式をとり 入れ う (神事を行うものであるということで見ることが た) . 火打金は長方形 (短冊型) であるとい う 火口の できなかっ た) .火打石は近くの山より採取した大きな石を割 って使用しているとい . 工をしたもの ガマの穂に何らかの加 おそらく ないが つくり方は秘伝ということ で知り得てい ,. であろう. 大変火つきがよい. 発火作業は神官が行う. 次にかつて火花式で火鍛神 事を行っていた神社を記す. ① 下御霊神社 (京都市) ②. 56. (岡山県笠岡市) を飲 火種はつけ木に移し, さらに割り木につ けて燃やす. 潔斎後にこの浄火で炊いた食物 を飲食. 武宮神社.

(14) . 火鍛習俗における発火技術 (その3). 表9. 騨. 図 番号. 名. 称. 数量. 金箱コレクショ ン・発火用具. 火打金の刃の大きさ (長さ×幅×厚さ)( m可. 時. 代. 採集地(旧所有者)その他. 4 4 図6 9 2 火打道具(携帯用) 一式 4 3 6×1 3 2~1 4 3X4 9~5 I 江・後~明・初 長野県上田市中央3丁目の商人 . . . . . 。小型の火打金と火口入れ 。火打金の背側 に4個の小孔 。 火打道具(携帯用) 一式 麦~明ヰ刀 長野県更埴市屋代 江・『 火 金 。 打 を内蔵した火口入れ 。火打石入り麻袋 ,根付 。 4 9 7図 6 3 火打道具(携帯用) 一式 7 5 5X2 1 3 「 7~2 6X2 5 江・後~明・初 長野県北佐久郡中込の造1 )酒屋 火 打 金 表 は の に 登 録 吉 井 裏 に は 家 紋 . . . . 」 。 が入っている。 4 9 8 火打道具(携帯用) 一式 江・後~明・初 新潟県小千谷市仲町の商人 。火打金なし 。ろくろぴきの火口入れ 。印伝の 皮装(火打石等を入れる) 。根付け。 4 9 9 図6 4 火打道具(携帯用) 一式 4 4×6×3(推定) 江・後~明・初 新潟県柏崎市荒浜の網元 製 皮 火 口 代 印 伝 の 皮 装( 火 打 入 石 の 。 。 。根付 け。火打金の表に「吉井中野□北作 」と彫りが入り 」が入 ,裏には印「斜 る。 5 2 7 火打箱 一式 江・後~明・中 長野県更埴市屋代のもと商人 箱 火 打 は ギ 入 部 ス 。火口 れ 分には鉄板がは 。 ってある。 5 0 5 火打金 1 6 7 IX6×3 ~4 5 I 〃 合板に焼印の一部? )「合一あり。 . . , 4 9 6. 5 0 9. 5 9 6X5 2~6 2X 4 6~5 0 . . . . ,. 火打金 1. 5 2 8. 火打箱. 5 1 0. 火打金 1. 5 2 5. 火口入れ (桐の火口入1 ) ) 火打箱 一式. 5 2 9. 一式. 実見できず , 9 5 5× 1 ~4 6X2 8 8 , , .. 5 0 8 図 6 6 火打金 1. 7 3 8X7 2X5 ~6 0 7 . . . .. 火打箱. 4 9 0. 火打金 1. 一式. 9 4 1 図6 7 火打金 1 5 2 6 5 2 6 ‐ 2 4 9 3. 火打箱. 火打金. 4 1 9. 江・『 妾~明・初 岐阜県高山中ト一之町のもとこうじ屋。火打楢にはわきに ,栗・@め焼印 (津金屋所有) 。 「小林」の焼印 に 焼 あ 裏 面 も 印 り 。 。 「 ◎□合 」の焼印 。 江・後. 新潟県西蒲原郡弥彦村 ,弥彦神社付近の農家 。火打箱は栗の一木彫り。. 8 2 9X1 2~2 3X 4 5~4 7 . . .. 刃が中央で内側に凹む。. 8 5 IXI I~2 0X5 0 . .. 刃の内側に大きく凹む。. 一式. 火打金 1. 4 9 5 図6 8 火打金. 「 1輔合 」の彫りあり の焼 一 。合板表には「 都留夢中に 州吉井]]]]. 1 4 1×1 7X6. 5 0 5 火打金 1 7 図6. 9 3 5. ′ ′. , ′ 妾~明・初 長野県小講中荒田 江・デ iの問屋商 。火打箱はマツ。. 江・i 妾~明・初 岐阜県高山市二之町の宿屋 。火打箱は黒柿の一木彫り。 9 1 7 ×1 5 5×6 2~6 3 . . . .. l. 刃には「上州吉井木炭山野屋孫三郎之作 ) 」の銘あ1 。. l 6 4×1 0×3 2~4 2 . .. 江・後~明・初 実見できず 。新潟県高田市旧尾張町。火打金の形は山(笠)形の両端を切 り落した形で ,中央上部の穴にヒモをつける 。 江・後~明・初 新潟県中頚城郡柿崎剛。更級屋の銘(焼印)あり 。. l 8 0 8X8 OX 2 4~7 0 . . , .. 江ィ麦~明・初 群馬県高崎市椿町 。「吉井本家諸合」の焼印 。. 2 図 6 5 0 9 火打金. l 7 5 ~4 8×1 6X4 3 8 . . ,. 江・『 麦~明・初 群馬県高崎市椿町 。. 4 図7 5 0 0 火打金. l 7 3X8 2X2 2~5 8 . . .. 江・デ 妾~明・初 群馬県高崎市椿町 。「吉井本家諸合一の焼印 。. 4 9 2. l 8 9 7X2 0~2 9× 3 6~4 2 . . ,. 江・後~明・初 新潟県中魚沼郡津南町の呉服店 。刃の内側に大きく凹む。. l 7 8 8×1 2~1 7 2×4 7~5 0 . . . .. 江・後~明・初 新潟県中魚沼郡津南町の呉服店 。. 火打金. 火打金. 5 0 0 図7 1 火打金 5 0 3. 火打金. l 7 4X5 8~9 4X5 7~6 0 , . . .. 江・後~明・初 新潟県中魚沼郡津南町の呉服店 」の焼印 。 「□請□ 。. 6 6 7 図7 2 火打金. l 1 0 0×2 3~2 5X5 8~6 0 . .. 江・後~明・初 岐阜県高山市上二之町 。刃は半月型 。. 9 8 5 図7 3 火打金. l 1 2 0 6X3 X3 5~3 7 7 2~3 5 . . . .. 江・後~明・初 長野県北佐久郡御代町 」の銘あり 。「吉井 。側面中央がやや凹む 。 ヒモつき。. A. 火打金. l 8 4×1 1 5~1 4X3 6~6 2 . . .. 4 火打金 B 図7. l 7 2 ~1 5×1 0 0 8×5 0 ~5 8 , , . ,. 刃に銘カ壊 んである。焼印あり。 i. 5 火打金 C 図7. l 8 3X3 9 5 ~4 2X2 ~3 7 I . . .. 台形の鉄板 。. l 5 3 1 5× 0 8× 3 8~4 8 , . . .. 左右のはり出しは中央でまとまり ,ネジっている。江戸時代などで武士に 珍重されたといわれる携帯用の「ねじり鎌 」であろう。 短冊型の小品 。一端に小孔あり ,皮ヒモが結びつけられている。 「吉井本家請合 一の焼印あり 。. 6 火打金 D 図7 E. 火打金. l 4 0 3 6X2 8×1 2 , . .. F. 火打金. l 7 9 IX9 3X3 7~3 8 . . , .. 注1)本表は 1 9 8 0年3月)の発火具部分をもとに ,金箱正美氏「信濃および周辺地域の燈火用具分類目録 」( ,作成した。 注2)時代の表記は 明,中 」は江戸時代後期 ,「江・後 ,「明・初」は明治時代初期 」は明治時代中期を示す ,「 。 「 「 注3)火打金の形は 短 は 短 「 冊 形( 長 方 形 ) , 一 , 力」はカスガイ型 一は山(笠)型を示す ,山 。 57.

(15) . 高. ③. 嶋. 幸 男. す る.. (岡山県久米町) 12月 13~15 日霜月大祭. 大祭に供へる新米 (初穂) を炊くのに火花式で火を起す. 貴布禰神社. ④ 住吉神社. (福岡県福岡市). 1月 7 日追灘祭.. ( 2 ) 金箱正美氏コレクショ ンの発火具 金箱氏が収集した燈火用具はき わめて多種類, 多量である. 現在その主要な収集品は,「日本のあ 0年3月燈火用具の目録が刊行されている(金 かり博物館」(長野県小布施町)で展示されている.198 ) が 箱正美『信濃および周辺 地域の燈火用具分類目録』 , その中で発火用具と分類されている329例 )および未整理の火打金6例と火打箱4例について のうち27例 (金箱コレクショ ン分類番号1~20. 実見することができた. そのうち, 火打金26例については計測・観察することができた. 表9は金 箱氏の 『燈火分 類目録』 をもとに, 火打金の計測値と 観察記録を加 えて作成 したもの である. ま. た各火打金の写真は図62~76として掲載した. 金箱コレクショ ンの火花式発火用具は,江戸時代後期から明 治時代初期のものがほとんどであり, 1例) であるが, 27例中2 採集地は長野県周 辺の4県である. 火打金はカスガイ型のものが大部分 ( たことが想像される ざまなところで製作されてい さま 銘は何種類かあり 合板の焼印や刃の . また , 他の火打金も短冊型 (長方形の板状火打金) や携帯用火打道具 (5例のう ち1例には火打金なし) の火打金の取りつけ方もそ れぞれ工夫がされており, 現在市販さ れているものが 「吉井本家」 のも のがほとんどであることからすると, 一様さというより バラエティ に富む印象が強い. 4センチ 火打金の刃の大きさについてみてみると,長さが短かいもので6セン チ余り長いもので1 余り で, 7 ~ 9 セ ン チ の も の が 多 い. 厚 さ は 3 ミ リ 以 下 の も の は ほ と ん どなく, 3 ~ 5 ミ リ のも の. が多い. 携帯用のものや短冊型のものに厚さ 3 ミ リ 以 下 の も の が目 立 つ.. 〈続 く〉. )王. 1 ) p5 7 9 8 ( 1 ) 『民俗資料選集 火鍛習俗』(文化庁編, 国土地理協会, 1 9~61 ( 2 ) 前掲書 『火鍛習俗』 p5 7 ( 3 ) 前掲書 『火鍛習俗』 p3 ( 4 ) 前掲書 『火鍛習俗』p37~39 5 ( ) 前掲書 『火錯習俗』p38 3 ( 6 ) 前掲書 『火鍛習俗』 p39~4 ) p6 9~71 977 6号, 1 ( 7 ) 島田尚 「火の民俗」『茨城の民俗』(第1 ( ) 須我神社宮司新田有一氏による. 8 ( 9 ) 『沼名前神社特殊神事』(沼名前神社社務所発行) による. (本 学講師・釧 路分校). 58.

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