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1.はしがき

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Academic year: 2022

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(1)169. 資本市場均衡モデノレによる投資プロ. ジェクトの選択に関する一考察 大. 塚. 宗. 春. 1.はしがき 近年,アメリカにおける経営財務論でポートフォリオ理論の占める重要性は ますます増大している。ルビソスタインは「ポートフォリオ理論の発展は財務 の分野での伝統的な分割を無効にしてきている。それは常に好ましいことであ るが,証券評価,資産拡張決定ルール,資本構造政策を不確実性下の市場均衡 モデルの派生として処理することが今や可能である」ωと述べ,ポートフォリ. オ理論による財務論の再編成を提示している。ポートフォリオ理論による財務. 論の諸間題の検討は,理論的にも,実証的にも,財務論の分野で最も学問的関 心を集めているものの一つであると思われる。121本稿は,ポートフォリオ理論 の発展として,シャープ,1割リソトナー4]によって展開された資本市場均衡毛. デルをもちいて,投資プロジェクトの選択基準を明らかにすることを意図して いる。. 2.資本市場均衡モデル シャープ,リソトナーによって展開された資本市場均衡モデルは,つぎの仮 定にもとづいている。㈲. (1)資本資産に対する市場は,危険を嫌悪する投資家から成り立っており,. その投資家はすべて一期間の最終の富の期待効用を最大にしようとL,最適ポ 12列.

(2) 工70. σ醐. 第1図. しB艮 ポ・Tr. M. A・ A。. RF. E(R). 一トフォリオの決定を各種の利用可能なポートフォリオと結びついた最終の富 の確率分布の平均と標準偏差にのみもとづいて行なう。. (2)すべての投資家は,同一の意恩決定期間をもち,この共通の期間にわた って,一期問の利益率の平均と標準偏差が存在する。. (3)資本市場は,すべての資産が無隈に分割可能であり,取引費用や税金が 存在せず,清報が無料で誰にでも利用可能であり,貸出し利率と借入れ利率カミ. 等しく・すべての投資家に対し同じであるという意味で完全である。 (4)期待およびポートフォリオの機会は,市場を通じて同質的である。すな. わち,すべての投資家は同じポートフォリオの機会をもち,また各種のポート フォリオによって提供される利益率の平均と標準偏差を同じように考える。. シャープ,リントナーは以上の仮定にもとづいて,マーコビッツのポートフ ォリオ・モデル{副を展開した。マーコビッツのポートフォリオ選択モデルは,. ポートフォリオの利益率の期待値と,リスクの尺度としての標準偏差の二つの. パラメータによる選択モデルである。ここで同一のリスクをもつあらゆる可能 なポートフォリオのうちでは,期待利益率の最も高いポートフォリオが最も望 ましいポートフォリオであり,逆に同一の期待利益率をもたらすあらゆる可能 1212.

(3) 171 なポートフォリオのうちでは,リスクの最も小さいポート7オリオカミ最も望ま. しいポート7オリオであることはいうまでもない。かかる有効なポートフォリ. オの軌跡が第1図で,Q. wによって示される。ρ. wは危険性資産からな. るポートフォリオのみを考察対象とする場合には,有効たポートフォリオを構. 成するが,危険性資産以外に非危険性資産を考慮に入れると,Q. wはもは. や有効なポートフォリオでなくなる。いまルが非危険性資産の利益率をあ らわすものとする。&から有効恋ポートフォリオρ. 接点を〃とする。直線心. LはQ. wに接線をひき,その. Wを麦配(dOminate)する。なぜなら,. 同一のリスクの水準をとってみると,明らかに&〃z上の点はρ〃w上 の点よりも高い利益率をもたらすからである。したがって,非危険性資産を考. 慮に入れると,ρ. wはもはや有効なポートフォリオでなく,ル. 工が新た. な有効なポートフォリオであることがわかる。. 有効なポートフォリオム. z上のどの点が選択されるかについては,投. 資家の利益率とリスクに関する無差別曲線が導入されねぼならない。投資家. λの場合に、はλの無差別曲線ムと心. zの接点である∫が期待効用を. 最大にする点であるので選択されるが,投資家3の場合には,8の無差別. 曲線3・と伽〃zの接点であるτが選択される。すなわち1投資家は& 〃z上のいずれかの点を選択するが,どの点を選択するかは,投資家のリス クに対する態度に応じて異なる。しかし,&〃z上のいずれの点を選択する ことになるにしろ,すべての投資家は危険佳資産から成る唯一のポートフォリ. オとLてのポートフォリオ. を選択し,これと非危険性資産とを結合してい. る。. ポートフォリオからの利益率とそのリスクについて同一の期待をもち,借入 れ利子率と貸出し利子率が同じであるので,危険性資産から成るポートフォリ. オとLて,. を選択することになる。すべての投資家が危険性資産からなる. ポート7オリオとして. を保右するとすれば,このポートフォリオは市場の 12ヲ3.

(4) 172 すべての資産を包含するものでなげれぱならない。なぜならば,すべての危険 性資産は誰かによって保有されなけれぱならないからである。市場におけるす. べての資産は. に含まれるので,. に含まれる各資産の割合は,市場全体. におげるその価値の割合でなければならない。. はマーケット・ポートフォ. リオとよぱれる。. 個々の危険性資産(たとえば妻)に対する均衡価格を決定するために,資産. づとマーケット・ポートフォリオの各種の結合を示す曲線6〃1を考えてみよ. う。. クはρ. wおよび&. τと. 点で接する。なぜなら,〃点は危. 険性資産の唯一の有効なポートフォリオをあらわしているからである。したが. って,点〃での;〃. の煩きは,&〃工の傾きと等しくなる。このことか. ら,次の関係が導かれる。ω 五(亙也)=RF+. E(R〃)一RF. 吻7(&). C0γ(凪,亙〃). (1). ただし. 五(鳥):資産クの期待利益率. み:非危険性資産の利益率 五(Rπ):マーケット.ポートフォリオの期待利益率. C0γ(凪,地):資産6とマーケット・ポートフォリオの利益率の共分散 吻7(&):マーケット.ポートフォリオの利益率の分散 ここで,. E(亙巫)一1〜F. 吻プ(&). はすべての資産に。ついて同じであり,市場のリスク嫌悪の尺度(meas㎜e market㎡sk. aversion),またはリスクの1ドルの価格⑧と見なされうる。そこ. でこれをλでおきかえると, 亙(凪)=亙F+λC0γ(児,亙π). 1274. of. (2).

(5) 173. となる。この式によって,資産{の利益率とC0γ(見,&)で測定されるリ スクの間の関係を知ることができる。. 3.単一期間評価モデノレとプロジェクト選択基準 投資プロジェクトの選択基準を検討するためには,株式の評価モデルをまず. 考察する必要があ私なぜなら,企業の目的は普通株の市場価値の極大化にあ るので,投資プロジェクトの選択は,それが普通株の市場価値を増大させるか 否かという基準にてらLてなされるという関係にあるからである。. 株式左の一期間の利益率は次式で表わされる。 γ{(1〕. 兄= γ旭(o〕. 1. (3). ただし,. 篶(1):株式6についての今から一期間後のリターン。これは期聞中に支 払われた現金配当と,期末の市場価格からなる。したがって,こ れは確率変数である。. o〕:株式6の現在の市場価格。したがって,これは確実な値である。 (3)式を(1)式に代入すると次式が得られる。{9〕 E(乃(1〕)一λoC0γ(17}ω,γ〃(1〕). γ丑(o〕=. (4). 1+&(o). ただし 亙(ルω)一(1+心{o〕)γ〃(。) λ0=. 7〃(γ〃ω). (4)式ぱ株式差の価値についての評価式である。(4)式の分子の亙(乃(1〕) 一λ0C0γ(γ{(1〕,γ〃(1))は確率変数である一期間後のリターソ乃の確実性等. 価をあらわしている。リスクに見合う都分,すなわち,λ0C0γ(篶ω,γπ(D). だけリターソの期待値,すなわち万(〃1〕)から減額することにより,確実性. 12ク5.

(6) 174 等価を求め,それを(1+非危険性資産の利益率)で割引くことによって,現 在の市場価値を算出することができる。危険の存在しない確実性下の場合には, C017(y{,γ〃)≡Oとなるので,(4)式ぼ 17{{o〕=. E(〃1〕). (5). 1+& となる。. さて(4)式によってあらわされる評価モデルをもとにして,プロジェクトの. 選択基準を考察しよう。いま一期間末にσ1)の増分純キャッシュ・フローを もたらす単一期間プロジェクト(single. period. project)が提案されたとする。. このプロジェクトは,現在C(o〕のキャッシュ・アウトフローを要するもので あるとする。このプロジェクトを含めると,企業の期間末の価値はγ(1)十C(1). となる。(4)式の評価モデルをもちいると, y(ω。〃・・〕_E(γ(1)十C{1〕)一λ(ωC0γ(γω十σ1〕・γ・(1〕). 1+R〃(血〕 E(γω)十E(C(1))一λoC0γ(γ(1〕,γ〃(1))一λoC0γ(α1〕,γπ(1〕). 1+五F(o〕. (6) となり,したがって. 〃ω」(σ1〕)■κ0γ(C(1〕・γ・(1〕). (7). 1+心(o〕. となる。(7)式は追加的投資への価値をあらわす。ここで(6)式および(7)式. は追加的投資が市場に及ぼす影響は無視しうるものと仮定している。したがっ て,追加的投資の結果,ム(O〕,λ(皿)およびγ亙ωは変化しないものと考えて. いる。㈹投資プロジェクトの選択は(7)式であらわされる遣加的投資の価値と. プ艀ジェクトのコストとを比較することによって行なわれ孔すなわち,もし 1卯〕>C(o〕であれば,プ艀ジェクトは明らかに容認され,着手されるべきで 12ク6.

(7) ユ75. 期. 待. 値E。. α. あるが,逆に∠γ(o〕<σo〕であれば,ブロジェクトは容認されるべきでない ことになる。. 以上から明らかなように,測定の間題を別にすれば,一期問の場合には,比 較的簡単である。すなわち,重ずプロジェクトからのキャッシュ・フローの期 待値およびその市場への依存度を予測する。ついで,リスクの市場価格,すな. わち〃および非危険性資産の利益率をもちいて,これらの予測をブロジェ クトの価値へと変換し,これをプロジェクトの原価と比較することによって, プロジェクトの選択がなされうる。ω. ここで注意すべきことぱ確実性等価額の求め方である。確実性等価は,本来 キャッシュ・フローの期待値の大きいことを望むが,そのリスクの度合が大き. いことは望まないという場合,不確実なキャヅシュ・フ回一を確実なものに換. 算したとすれば・どのような額になるかということである。したがって,確実. な観すなわち確実性等価を求めるに当っては,キャッシュ・フローの期待値. から,リスクの額を減額することによって求められる。たとえぱ,第2図でP 点で表わされるブロジェクトは・キャヅシュ・フローの期待値とリスクの組合. せが,(E2,σ2)であり,このプロジェクトの確実性等価は凪であることが 明らかである。確実性等価は期待値とリスクの関係を示す無差別曲線の形状に よって変化する。確実性等価(C。)は,. 12フ?.

(8) 176 α=E(α)一λσ2。. (8). によって表わされる。σ2、・はキャッシュ・フローの分散を示し,λは意思決. 定者のリスク嫌悪の度合を示す。したがって,確実性等価額は意思決定者のリ. スク選好の度合によって異なる。したがって,従来想定してきた不確実性下の. プPジェクトの選択基準としての確実性等価法では,意思決定者の効用関数に よって意思決定が左右される。そこで意思決定者として誰を想定するか,経営 老個人か,経営者グループか,または株主かといった点が間題とされてきた。胸. 投資ブロジェクトの選択は,普通株の市場価値を増大させるか否かによって決. 定されるはずであるが,たとえば,経営老の効用関数によって確実性等価を決 定して,はたして普通株の市場価格を増大させることになるかという点も問題 と牟る。ところが,わ牟われがここで展開してきた資本市場均衡モデルによる. 投資プロジェクトの選択方法では,確実性等価を求めるにあたって,従来想定 されてきた経営者,または拝営者グループの選好とか,経営者の効用関数・さ. らには個々の投資家の効用関数は全く無関係であり,確実性等価が市場の評価 の輿数胸であるという特徴がある。. 4.多期間にわたるプロジェクトの選択基準 一ボーグとロールの所論一 前節では単一期間評価モデルによってプロジェクト選択基準を検討した。単 一期間壬デノレは,ブロジェクトからのリター:■が一期間のみに生じる場合に妥. 当するのは当然であるが,多期間にわたるプロジェクトについても,一期間末 に,残りの期間についてのキャッシュ・フローの正確なパターソを確実に知っ. ている場合には,単一期間モデルが妥当する。幽ところが,一期間末に残りの. 期間のキャッシュ・フローのパターソを確実に知ることは不可能に近い。その. 意味で単一期間評価モデルは著しく制隈されたものである。そこで,一期間以 上の多期間にわたって不確実なキャッシュ・フローをもたらすプロジェクトを 1278.

(9) 177. いかに処理するかを検討する必要がある。多期間にわたるプロジェクトの処理. について,いくつかの研究固がみられるが,本節ではボーグとロールの所論㈹ を検討することとする。. ある企業が〃期間にわたるブロジェクトを目下考慮中であるとする。この プロジェクトからもたらされる不確実な純キャッシュ・フローをC(ωで, のプロジェクトの耐用年数にわたって企業の価値への増加分を」γ(=)(. こ. =O,1. …,勿)で表わす。ここで〃(o〕を確定することができれば,問題は解決され. る。なぜなら,もし. {0〕が原初現金投資支出額より大きければ,ブロジェ. クトは容認されるべきであり,逆に1γ(。)が原初現金投資支出額より小さけ. れば,プロジェクトは却下されるべきであるからである。したがって,∠γ(o〕 を決定することが肝要となる。. ブロジェクトの最後の期問を考えてみよう。この期間において, 1γ(皿〕二C(荊〕. とする。最後の期間の前の期問からみて,われわれは一期問評価間題をもつ。 企業資本(cOrpOrate. equity)に対する市場が常に均衡状態にあると仮定すれ. ば,最終のキャッシュ・フローの最後の期間の前の期聞末での価値を見いだす ために,一期聞評価毛デルを適用することができ. る。このことは期間(炉1). に対して,C(珊)の割引確実性等価をもたらす。すたわち, 亙[C(祀)1ε(初一1)]一λ(炉ユ)C07(α柵〕,γ〃(抽)1ε(刑〕). 1+RP(皿一1〕. (9). ε(冗一1〕=(物一1)時での世の中の状態. 2(柵一1〕=(〃一1)時でのリスクの市場価格. 見蜆■1=(ト1)時での非危険性資産の利子率 亙〔C(蜆〕1ε(炉1〕コ三(〃一1)時での条件付期待値. これぼ(〃一1)での増分価値を表わしている。 したがって, 1279.

(10) 178 4γ。冗_。〕=C。柵_D+互[C(冊〕16冊一Dコーλ(冗11)C0γ(C(刑〕,γ〃ω1εω). 1+1〜F(冊一1). (10). 同様に・1y(冊一2)を決定するために,単一期間評価モデルを適用できること は明らかであり,一般に, 〃㈹_C㈹。E[. (比十. 〕i・比コー2(症〕C0γ(. (舳・γ・=舳11比). 1+心ω (11). という関係を得る。したがって,〃期問プロジェクトについては,〃期間の 無限のステイト・ダイナミヅク・プログラミ:■グ問題(吻period. dynamic. pro駆amming. in丘nite. state. prob1em)を解けばよい。解を求めるにあたっての. 各ステップぱ,その期間の初めの世の中の状況に依存するパラメータをもつが, 一期間評価モデルの単純な適用にほかならない。㈱. ボーグとロールは〃期間プロジェクトのモデルを明らかにした後に,二期 間の特殊注プロジェクトの解を示している。. 将来二期問目にのみキャッシュ・インフローがあるプロジェクトを考えてみ よう。すでに述べた一般モデルから,この二期問目のキャッシュ・インフロー の一期間末での増分値は, 〃・・一亙(C(ヨ〕1. (1)). λ(1)C0γ(C(里〕・γ・(2〕111). (。。). 1一ト亙アu) で,また1γ(o)は,. 〃・・一E[. (1)]一1;鴇■γ(1W〕). (・・). で求められる,(12)式の両辺に1令心ωをかげると, ∠γ(1〕(1今灰〆1〕)=E[C(2〕1. (1)]一λ(i〕C0γ(C(2〕,γ〃(2)1∈(工〕). (14). となる。この(14)式の期待値をとって,整理すれぼ, 1280.

(11) 工79 亙[」γ(1)]E[1+R亙(1〕コ十00γ(」γ(1。,亙亙。。。)=亙[C(。)]. _E[λ(1〕,C0γ(C(2),γ〃(毘)1. (1〕). (15). を得る。胸. (13)式からE(∠γ(1〕)を求め,これを(15)式に代入し,整理すれば, 〃ω〕(1+心(o〕)厄(1ヰ五亙(1〕)=・亙[C(2)コ. ー亙口(1〕COy(σ2),γ〃(2)1∈(1〕)コ. ー1(o〕C0γ(∠17ω,γ〃. 1))E(1斗RF(1〕)一C0γ(4γ(1〕,R戸(1〕). (16). となる。(16)式のもつ意味を考えてみよう。胸二期問目にのみ不確実なキャヅ. シュ・フローをもたらすプ冒ジェクトの価値は,そのプロジェクトからのキャ. ッシュ・7ローの期待値から三つのリスク・プレミアムを控除し,これを(1. +現在の非危険性資産の利子率)に,(1+二期間目の非危険性資産の利子率 の期待値)の積で割引くことによって得られる。リスク・プレミアムのうち第 一のブレミアムであるE[λωC0γ(C(2),γ〃(2)1. (ユ〕)コは第二期間内での共変. 動リスク(cOvariationrisk)を説明しているが,これは単一期問モデルでのβ. タイプのリスク・プレミアムに類似している。第二番目のリスク・ブレミアム, λoC0γ(∠γ(1〕,γ〃(ユ))E(1キ船(1))はプロジェクトの中間値の共変動リスク. を説明している。最後のリスク・プレミァムC017(1γω,&=1))は利子率 の変動のリスクを測定するものである。. 5.. む. す. び. 本稿では,資本市場均衡モデルを用いて,投資プロジェクトの評価基準の検 討を行なった。企業の財務的意思決定の目的が,普通株の市場価値,すなわち株. 価の極大化にある点に注目すれば,株価形成の機能をはたす資本市場の分析と 企業の投資決定を結合しようとする本稿の立場は是認されうるものと思われる。. 本稿で展開されたシャープ・リントナーの資本市場均衡モデルは,いくつか 1281.

(12) 180. の前提にもとづいているが,この前提がはずされた場合の分析は本稿では何ら なされていない。また一期聞モデルとして展開された資本市場均衡モデルを,. 多期間そデルとして展開するにあたって,いくつかのアブローチが示されてき ているが,本稿ではボーグとロールの所論を紹介するのにとどまった。その他 の多期間壬デル,さらには資本市場均衡モデルによる資本構成間題への論及と いった問題も本稿との関違で論ずる必要があると思われるが,これらの問題に・ ついては飽日を期したい。. 注(1)M砒k. E・Rubinstein,. Theory,. Jouma1of. A. Mean−Variance. Synthesis. (2)H趾old. Bierman,Jr.and. Jerome. E.Hass,. tain咳:A. Reformu−ation・. Joumal. of. Mjchael. J.Breman,. Streams, Robert. Jo㎜皿aI. Jan. Joumal. Mossi皿,. Markets, Rch虹d. A匝Approach. of. S−Hamada,. Finance,. Corporate. FinanciaI. under. Uncer・. to. the. Valuation. of. Uncertain. Income. Ana1ysis,Maj=ket. Equi1ibrium,and. Corporation. Finance,March1969,pp.1ト31・. Se㎝rity. Pricing. Economic. C.Stap−eto回, Decision. Capita1Budgeting. Finance,March1973,pp.119−129・. Finance,Jme1973,pp.661→74.. Portfolio. of. American. Budgeting. of. Finance,M趾ch1973,p.167.. and. Portfolio. Rules. for. Investment. Crite曲in. Competitive. Review,December1969,pp.749一_756. AnaIysis,Stock. Risky. Projects,. Valuation Journal. of. and. Capita1. Finance,March. 1971,pp.95_118.. Donald. L.Tutt1e. Cap三tal Journal. M砒ket of. (3)Wi1Iiam. under (4). in. a. H.Litzenberger, Risk−Adj1ユsted. Capital. Risk,. Asset. LeYerage,Diversi丘cation,and Capital. P㎡ces:A. Joumal. The▽aluation. Stock. F.Fama,. Jouτnal. Budgeting. Framework,. of. Por甘o1ios. of Risk. and. Theory. of. Market. Equi1ibdum. Finance,September1964,pp.42H42・ Assets. and. the. Capi悦1Budgets,. Selection. Review. of. of. Risky. Economics. Risk,Retum. and. EquiIibrium:Some. Clarifying. Comme・. o{FiI1ance,March1968,pp,29_,30.. (6)Hmy肌Markowitz, 1282. on. Statistics,February1965,pp.13_,37一. (5)Eugene nts,. of. Lin触er,. I岬estments and. Robert. Finance,June1968,pp.427」一443.. F・Sharpe,. Conditions. John. and. E缶ects. Portfolio. Sel㏄tion,. J㎝mal. of. Fimnce,M趾ch1952..

(13) 181 Ha皿y. M.Markowitz,Portfo1io. ㎜㎝お,JObn. (7)Wi11iam (8)Robert. Wi]ey. of. Selectio皿;E茄cient. Diversi丘cation. of. Invest一. So皿s,Inc.,1959.. F−Sharpe,op.cih S.臨mada,op.c止,p.16.. (9)(3)式を(1)式に代入すると,. 怜・〆海1守哨11 一ム毒墓;一・1. 4←(a). ここで. 亙1蓑111一・1一週鵯))一1. 仁(b). 亙牒111一・/」鴇芸))一1. 4一(c). ・剛吾妾111−1)一㌣総;書). 4一(d). ・・γ(箒1;1一・・毒11;一・) 一亙1[(妄妾1;1一・)一(亙鴇芸〕)一・)I(蓑11;一・). 一(亙鴇1〕)一・)1−E/(γ. (1〕箒≦孕(1〕))(篶. 1〕鴇乃(1〕))1. 1 篶・・M・C0γ(篶(1)・附{1〕). 4一(e). 谷一(b),4一(c),←(d),および←(e)を4一(a)に代入すれぱ,(4)式が求め られる。. ⑩. Marcus. C.Bo卯e. with・Impe㎡㏄t. and. Markets. Richard for. Roll,. Physical. Capita1Budgeting. Capital,. J㎝ma1of. of. Risky. Projects. Fi口ance,May1974,. p.606,note13. ⑪. Ibid.,p.606.. ⑫. この議論についてはR・0・Swalm,. Harv趾d ⑱ ⑭. Maj=cus. Business C.Bogue. Utility. Theo町・Insigh値into. Risk. Taking,. Re㎡ew,November・Decem1〕er,1966.を参照されたい。 and. Rich包rd. Ro11,op.cit.,p.606.. Michae1J.Brennaエ1,op.cit。,p.662.. 1283.

(14) 182 ⑮. Richa=rd Michael. ⑯. C−Stapleto口,op−cit.,pp.95_118.. J.Bre口na口,op.cit.,pp.661一一674一. Marc口s. C.Bog口e. and. Richard. Ro11,op・cit. PP・606一石08・. ωIb呈d。,PP.60ト607・ ⑱. E(κ,少)=亙(力)亙O)十00γ(北。ツ)の関係を利用すれば,(14)式から(15)弐が 得られる。. ⑲. Marcus. 1284. C.Bogue. and. Rich三rd良o11,op.cit.,p.608..

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