併設大断面泥土圧シールドと地下鉄トンネルとの近接施工
首都高速道路株式会社 正会員 ○川田 成彦 大林・奥村・西武
JV 正会員 松原 健太
大林・奥村・西武JV 新井 直人
大林・奥村・西武JV 正会員 林 成卓
1.はじめに
首都高速横浜環状北線は,第三京浜道路「港北インターチェンジ」と首都高速道路横浜羽田空港線「生麦ジ ャンクション」とをつなぐ延長約
8.2km
の自動車専用道路である.このうち,延長約5.5km
については,併設 トンネルを掘削外径φ12.49mの大断面泥土圧シールドで構築する.本トンネルは,発進してから約
200m後に,地下鉄の 2
本のトンネルと最小離隔3.8m
で交差する(図-1,図-2,図-3参照).本工事では,シールド掘進による地下鉄への影響を予測解析し,シールド掘進による影響 を極力抑制するために,種々の計測管理を行いシールド掘進に反映させた.
2. 影響解析の概要
解析は
2
次元弾性FEM
解析により,地下鉄との離隔が小 さい断面において,先行して掘削する外回りシールドの通 過後と内回りシールドの通過後における地下鉄の鉛直変位 を算定した.解析断面を図-4に示す.解析に用いた応力解 放率は,洪積層地盤を掘進した大断面泥土圧シールドの施 工実績1 )
を参考にして,α=10%に設定した.キーワード 大断面泥土圧シールド,近接施工,影響解析,計測管理
連絡先 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 3-20-8 首都高速道路(株) TEL045-470-3580 図-1 地下鉄近接状況平面図
図-2 地下鉄近接状況縦断図 図-3 地下鉄近接状況横断図
地下鉄A線 地下鉄B線 新横浜換気所 層別沈下計
①断面 新横浜発進立坑
層別沈下計
②断面
層別沈下計
③断面
図-4 解析断面図
地下鉄A線 離隔3.8m 地下鉄3号線A
222m 268m
地下鉄B線
223m 276m
新横浜換気所
新横浜発進立坑 地下鉄A線
外回りシールド 内回りシールド
層別沈下計
①断面 層別沈下計
①断面 層別沈下計
②断面 層別沈下計
②断面 層別沈下計
③断面 層別沈下計
③断面
外回りシールド 内回りシールド
外回りシールド 内回りシールド
12300
▽ TP 6 .00
▽ TP 6.50
▽ TP 5.00
12300
39 83 37 91 60 97
65 69
6344 12300
6745 12298
地下鉄A線
TP -23.501 -23.929
外径6.7m
-25.908 TP
地下鉄3号線(B線)
外径6.7m
-26.079 TP
TP
土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)
‑29‑
Ⅵ‑015
解析結果を図-5に示す.両シールド通過後の地下鉄 の変位は,沈下が外回りシールド直上で
4.0mm,内回
りシールド直上で3.9mm
であった.また,10m
弦の相 対変位量は最大で2.6mm
であった.これらの変位量は,いずれも地下鉄の許容値を下回る結果であったが,営 業線の直下をシールドが掘進することを考慮して,
種々の計測管理を実施し,シールド掘進に反映させる ことにした.
3.計測管理の概要
地下鉄を通過する前の対策として,シールド掘進管 理の妥当性を検証するために,図-1,図-2に示す
3
断 面のシールド直上に層別沈下計を設置した.まず,① 断面,②断面の地中変位の状況により,切羽圧,裏込 め注入といった掘進管理の妥当性の確認・見直しを行 った.次に,地下鉄近傍に設けた③断面の状況を確認 して,地下鉄下を掘進する際の掘進管理値の決定を行 った.近接施工時の対策として,図-6に示すように地下鉄 内に,シールド掘進の影響範囲に鉛直変位計と水平変 位計を設置した.近接施工時は,この変位状況を監視 しながら随時,掘進管理の妥当性を確認し施工を行っ た.
4.施工結果
管理土圧は層別沈下計の計測を考慮して決定してい るが,本工事では管理土圧をシールドバルクヘッド部 の上部,中央部,下部に設置している土圧計において,
いずれも管理土圧を下回らないように管理した.裏込 め注入については,注入量と注入圧の管理を行った.
地下鉄変位の解析結果と計測結果の比較を図-6 に 示す.計測の結果,両シールド通過後の最大変位量は 解析結果と同様に外回りシールド直上において発生し たが,その値は
0.9mm
と解析結果の約1/4
となった.相対変位量は解析値が
2.6mm
であったのに対し,計測 値は0.8mm
であった.5. まとめ
本工事では,種々の計測管理をシールド掘進に反映させて最適な掘進管理を行うことによって,地下鉄に影 響を与えることなく掘進を行うことができた.地下鉄の計測結果は解析値の約
1/4
という結果になったが,こ の要因としては,①施工管理が良好であった,②掘進土質が硬質地盤であったため想定よりも影響範囲が小さ かった,などが考えられる.今回の施工事例が,今後同様の工事の参考になれば幸いである.参考文献
1)石原陽介他:大断面泥土圧シールド通過に伴う鉄道軌条への影響検討,土木学会関東支部技術研究発表会 講演概要集,平成 17 年 3 月
図-7 地下鉄変位の解析結果と実測値の比較 図
-5
解析結果STEP5:内回り セグメント設置
-15 -13 -11 -9 -7 -5 -3 -1 1
-60 -40 -20 0 20 40 60 80
[m]
変位 [mm]
実測値 解析値
外回り トンネル中心
内回り
トンネル中心※ シール ド 掘削5 0m前のデータを初 期値 とした。
110R
110R 120R
130R 140R
150R 160R
170R
120R 130R
140R 150R
160R 170R
180R
地 下 鉄 3 号 線
( 下 り 線 B 線
)
地下鉄3号線(上り線A線)
ループランプ
ロンテック㈱
㈱タナカ
仮桟橋
北新横浜2丁目
不動点 不動点
不動点 不動点 地下鉄A線 地下鉄B線
凡例 連結2次元変位計 温度計
20m
1 6@
5 .0 m = 8 0 m (>
7 4 .9m
)
20m 20m 20m
1 4 @ 5 .0 m = 7 0m
(<
6 9 .6m
)
110R
110R 120R
130R 140R
150R 160R
170R
120R 130R
140R 150R
160R 170R
180R
地 下 鉄 3 号 線
( 下 り 線 B 線
)
地下鉄3号線(上り線A線)
ループランプ
ロンテック㈱
㈱タナカ
仮桟橋
北新横浜2丁目
不動点 不動点
不動点 不動点 地下鉄A線 地下鉄B線
凡例 連結2次元変位計 温度計
20m
1 6@
5 .0 m = 8 0 m (>
7 4 .9m
)
20m 20m 20m
1 4 @ 5 .0 m = 7 0m
(<
6 9 .6m
)
図-6 地下鉄計測概要図
地下鉄トンネル中心位置の沈下量
-15 -13 -11 -9 -7 -5 -3 -1
-60 -40 -20 0 20 40 60 80
[m]
[mm]
Step 2 外回り掘削 Step 3 外回りセグメント設置 Step 4 内回り掘削 Step 5 内回りセグメント設置 外回りトンネル中心 内回りトンネル中心
外回り トンネル中心 内回り
トンネル中心
図-7 地下鉄変位の解析結果と実測値の比較 図
-5
解析結果STEP5:内回り セグメント設置
-15 -13 -11 -9 -7 -5 -3 -1 1
-60 -40 -20 0 20 40 60 80
[m]
変位 [mm]
実測値 解析値
外回り トンネル中心
内回り
トンネル中心※ シール ド 掘削5 0m前のデータを初 期値 とした。
110R
110R 120R
130R 140R
150R 160R
170R
120R 130R
140R 150R
160R 170R
180R
地 下 鉄 3 号 線
( 下 り 線 B 線
)
地下鉄3号線(上り線A線)
ループランプ
ロンテック㈱
㈱タナカ
仮桟橋
北新横浜2丁目
不動点 不動点
不動点 不動点 地下鉄A線 地下鉄B線
凡例 連結2次元変位計 温度計
20m
1 6@
5 .0 m = 8 0 m (>
7 4 .9m
)
20m 20m 20m
1 4 @ 5 .0 m = 7 0m
(<
6 9 .6m
)
110R
110R 120R
130R 140R
150R 160R
170R
120R 130R
140R 150R
160R 170R
180R
地 下 鉄 3 号 線
( 下 り 線 B 線
)
地下鉄3号線(上り線A線)
ループランプ
ロンテック㈱
㈱タナカ
仮桟橋
北新横浜2丁目
不動点 不動点
不動点 不動点 地下鉄A線 地下鉄B線
凡例 連結2次元変位計 温度計
20m
1 6@
5 .0 m = 8 0 m (>
7 4 .9m
)
20m 20m 20m
1 4 @ 5 .0 m = 7 0m
(<
6 9 .6m
)
図-6 地下鉄計測概要図
地下鉄トンネル中心位置の沈下量
-15 -13 -11 -9 -7 -5 -3 -1
-60 -40 -20 0 20 40 60 80
[m]
[mm]
Step 2 外回り掘削 Step 3 外回りセグメント設置 Step 4 内回り掘削 Step 5 内回りセグメント設置 外回りトンネル中心 内回りトンネル中心
外回り トンネル中心 内回り
トンネル中心
土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)