◆佼成教学研究・作業 本﹁研究・作業﹂は、教団に設立され ている﹁佼成教学研究委員会﹂の事務局 を、当研究所が主管している立場から行 われているものである。その内容は次の 三つに大別できる。 ⑪教学関係資料の整備︵収集・整理・ 検索機能︶ ③﹁新釈法華三部経︵全十巻︶﹄の定本 としての確立 ③﹁佼成教学の確立﹂についての検討 本年は、昨年に引き続いて②に関する 資料を、合宿等の作業を通じて事務局が 作成し、それをもとに開催された﹁佼成 教学研究委員会﹂において、諸課題が検 討された。 ◆佼成教学に関する研究Ⅱ
1研究
昭和六十一年次中央学術研究所事業報告
一︲佼成会で用いられている因縁とはど ういう意味ですか。また因縁を切るとい うことはどういうことですか。﹂ この設問は、佼成教学項目︿二二○三 縁起﹀に設定された複数の検討項目のひ とつである。 現在進めている研究作業は、上記の体 裁をもつ検討項目約加項目、さらには各 教学項目に設定された研究課題約五○課 題の検討・解答作業であり、これらは約 九○項目の教学項目に配分されている。 その検討項目とはどのようなものであ るかといえば、それは立正佼成会と諸活 動の現実面においてそれらがどうあるか という現状分析の範囲内の内容としての カテキズムであり、①佼成教学として基 本的に検討しなければならないもの。② 既に︵教学として︶会の方針は決ってい るが、それを一般会員にどのように周知 徹底するかの検討をしなければならない もの。③教学としての基本的検討という よりもノウハウの領域に属するものを含 んでいる。 また研究課題とは何かといえば、それ は本質論的問題ならびに当為的課題であ り、現在と近未来に対してのメルクマー ルとなり得るものであり、さらには検討 項目中で解答に際して基本に係わるもの ︵例”教学項目︿三二一在家仏教﹀の 研究課題﹁大乗仏教の僧伽論の研究l初 期大乗仏教形成時の在家者と出家者につ いての研究﹂、教学項目︿二三○三生命﹀ の研究課題﹁生命科学と生命倫理に関す る諸問題﹂等︶である。これらは、前年 度に引き続き講師陣の御協力のもとで検 討され、解答モデルの素案文作成のため、 下記の基礎的作業を継続した。 D会長先生、妙佼先生及び教学関係資料を内外部から蒐集・整理︵含脈/ スト作成︶ の教学カードの作成 鋤各検討項目間の調整・統廃合 の法話カード、教学カードのコン ピューターへの入力︵約一八、○○ ○枚︶ の教学項目︿二二○三縁起﹀の検討項 目に対する解答モデルの素案文の作 成 ◆教団史資料の収集・整理及び管理⑪ 昭和六十年十一月に﹁立正佼成会史﹄ 編墓が終了し、編纂委員会が解散された のを受けて、編墓のために収集し使用さ れた教団史資料が研究所に引き継がれ た。資料の散失を防ぎ、集中的に管理し やすくするため、六十一年四月に大容荘 三○一号室の中の一室に専用棚等を設置 して資料を収納した。この既存資料の整 理とあわせて一月∼五月の間、末廃棄分 の教団諸資料の仕分け、整理、ファイル 化作業等を行ない、これらを追加収集資 料として納めた。 資料としては皇活字文献資料未活字 文献資料、写真資料等があり、資料形態 としては、カード資料、ファイル化資料、 図書資料、現物資料等がある。特に未活 字文献資料は、わら半紙に手書きといっ たものも多く、資料の保存、活用という 点で今後の課題となっている。 ◆教団史資料の収集・整理及び管理② 本年次は、開祖会長先生のご指導の受 け手である幹部信者の側から、本会の宗 教特性を把握するために基礎資料の収集 を行なった。 具体的には、 1、本会の機関誌に掲載された信仰体 験一記事の収集・整理を行なった。 2、本会退任役職者及び教会幹部の信 仰体験︵宗教的生活史︶の聞き取り 調査を開始した。 3、本会所蔵の﹁体験説法﹂原稿の収 集・整理を開始した。 4、質問紙による布教者の属性調査を 実施した。 ◆宗教法制研究 宗教教団に関して特に関心を集めたの が、宗教法人税制に関してであった。宗 教法人税制に関しては今後なお関心を呼 ぶものと思われるが、要は宗教法制の根 拠をなす憲法や宗教法人法とその他の法 律との関係において、適切なる教団の管 理運営が実施されているか否かである。 宗教教団が使命とする役割は大きい。 その使命とする役割から逸脱して管理運 営することは許されない。そのためにも、 これからの宗教教団の管理運営にあたっ ては、特に法律から逸脱することなく、 なお宗教教団に求められ、かつなさなけ ればならない役割を果さなければならな いo ◆政治・社会問題に関する研究 本年次は、前年次に引き続き﹁地域に おける導きの親子関係の研究﹂をテーマ として研究を継続した。 本会のお導きは親族、地域、知人・友 人関係を中心として広がっていくと一般 的に言われているが、特定の地域におい て、布教が開始された時期から現在の布
昭和61年次中央学術研究所事業報告書 教組識体制が確立されるまでの経緯を追 いながら、そこにおける導きの系譜とそ の関係を明らかにし、教勢の拡大がどの ような態様をもってなされていったのか を明確にすることによって、今後の布教 活動を考える上の一資料とすべく、各種 の指標をもとにさまざまな角度から分析 を進めた。 ◆宗教協力に関する研究 ﹃宗教協力調査研究計画書﹄に基づく、 学問的基礎研究をすすめた。本年は、﹁宗 教協力﹂運動に関する基礎研究の枠組・ 方法・体制を検討し、以下のように基礎 研究を開始した。 本研究の基本テーマを﹁宗教集団間の 協力・対立・連合等に関する研究﹂とし て‘三部門の研究プロジェクトを構成し、 研究をすすめた。三部門とは、一、基礎 作業部門、二、研究部門、三、シンポジュ ウム部門からなる。 一、基礎研究部門は、﹁戦後日本宗教協力 年表﹂︵内部資料︶の作成及び研究関連文 献資料の収集を開始した。 ◆教理研究会 月例の天台四教儀講読会では、関口貝 大校一訂﹁昭和校一訂天台四教儀﹂をテキス トとして使用し、必要に応じて種々の註 釈害を参照しつつ読みすすめられた。 また、佼成図書館との共同研究として 昨年度に引き続き、ナルタン版・デルゲ 版・ラサ版西蔵大蔵経甘殊爾︵目胃冒昌‘ 日蔚さ吋酔Qぐ四p8Qの目昌隅旦言自匡 詞呂四○易︶の現像・整理作業にあたる一 方、本年度よりグループ研究として上一記 三版に北京版を加えた西蔵大蔵経甘殊爾 部の、いわば互照目録作成の為の基礎作 業に入った。 ◆経済研究会 個人研究を主とした形で行ない、研究
2研究会
開催する方向で検討をすすめている。 宗教集団の葛藤と協調﹂をテーマに来年 三、シンポジウム部門は、﹁現代における る学術研究を開始した。 二研究部店は若手の委託研究員によ のための参考資料としては一日本経済思 想史読本﹄︵杉原四郎・長幸男編、東洋経 済新報社刊︶が取り上げられた。 なお、それとともに現代経済の諸問題 や諸外国の経済を探究するため、﹁日本経 済新聞﹂等を材料としてテーマを決め、 研究員相互のディスカッションを主とし た。◆法律研究会
日本国憲法の前文及び第九条の平和主 義の精神を理解するために、昨年に引き 続いて戦争の歴史特に大平洋戦争を中心 に取り上げ、原因・実態・経過・戦後の 影響等について研究を行なった。◆政治研究会
﹁立成佼成会が、政治ならびに社会問 題と、どのように係わっていったらよい か、ニュートラルな立場で学術的・基礎 的な研究を行う。﹂という本研究会の目的 に従い、毎月一回の研究会を開催した。 毎月の研究会では、各研究員がレポー ターとなり、種々の政治・社会問題につ いて担当のレポーターの発表を聞き、そ◆研究発表会
六月二十一日出午後一時三十分から 四時三十分まで、大聖ホールにおいて、 研究発表会を開始した。発表者ならびに 発表テーマは、次の通りである。 山清浄なる念力霊渡を受けてl宝 華承足に関する一考察l/木下糟 司郎︵研究員︶ ②〃天下泰平″の庶民の心/大畑正 一︵研究員︶ ⑧朝霞市周辺の石神・石仏/中田以 下︵研究員︶ 帥土地利用と地盤災害の関連性につ いての考察①11地形・表層地質の 把握の重要性の問題l/深田伊佐 夫︵研究員︶ ⑤最澄の法華経観/吉嶺恭司︵所員︶ ⑥大乗浬薬経における常楽我浄につ いて/金子芳夫︵所員︶ れぞれの立場から討議か活発に行なわれ た。3講座
◆紀要
﹃紀要﹂第十五号は、昭和六十年次の 研究成果を収録し、七月に発刊した。内 容は次のとおり。 ・大地と親賛聖人/松野純孝︵上越教 育大学教授︶ .救い/上田賢治︵国学院大学教授︶ ・老人福祉と在宅福祉サービス/吉津 英子︵東洋大学教授︶ ・井上円了の﹁純正哲学﹂研究覚書/ 岩佐貫三︵研究員︶ ・最澄の法華経観/吉嶺恭司︵所員︶ ・生命と倫理/山野井克典︵研究員︶ ・咲かせよう、対話の花を/ジーン・ リーヴス︵、、、−ドヴィル・ロバート 神学院学長︶ ・ジャイナ古層聖典におけるブッダの 概念/山崎守一︵所員︶4出版
(7) 口調伝承と経典の編纂/山崎守一 ︵所員︶ ・チ害ヘット文大浬盤経テキスト/金子 芳夫︵所員︶ ・班長の生活と信仰活動に関する一考 察/津田晃成︵所員︶ ・わが国における田園都市の特質と展 開/深田伊佐夫︵研究員︶◆真理と創造
﹃真理と創造﹂第二十六号は十二月十 五日発刊された。内容は以下のとおり。 テーマ聖﹁生老病死﹂ 特集Iシンポジウム﹁生老病死と宗教 の対応﹂ 出席者︾武藤義一︵埼玉工業大学学 長︶、坂上正道︵北里大学教授︶、森 章司︵東洋大学助教授︶、塚本啓祥︵東 北大学教授︶、上田賢治︵国学院大学 教授︶、野田春彦︵放送大学教授︶、 奈倉道隆︵大阪府立大学教授︶、ホァ ン・マシア︵上智大学教授︶、泉田佳 子︵佼成学園幼稚園園長︶、島みどり ︵佼成病院総婦長補佐︶ 特集Ⅱ仏教の対応 ・釈尊にとっての生老病死/水野弘元昭和61年次中央学術研究所事業報告書 ︵駒沢大学名誉教授︶ ・仏教における生命の尊厳/藤井正雄 ︵大正大学教授︶ ・病に対する仏教の考え方/小野泰博 ︵図書館情報大学教授︶ ・仏教者の死とのかかわり/田宮仁 ︵仏教大学仏教社会事業研究所︶ 特集Ⅲキリスト教の対応 ・生命の倫理Iカトリッグ”立場か らl/ホァンマシァ︵上智大学 教授︶ ・ホ系ピ認運動lその思緯と歴史
l/アルフォソメデiケン︵上
智大学教授︶ ・キリスト教と﹁安楽死問題﹂/宮川俊 行︵純心女子短期大学教授︶ ・キリスト教とボランティア活動/岡 本千秋︵キリスト教ミード社会館館 長︶ 特集Ⅳ神道の対応 ・神道における生命倫理/上田賢治 ︵国学院大学教授︶ 随筆 ・医療と仏教のかかわり/持地日精 ︵本門法華宗大僧正︶◆チャンダナ
隔月にて年六回発行した。掲載一記事は 以下のとおりである。 巻頭論文︵明日への提言︶ 本年は国際平和年に因んで、各先生方 に﹁国際平和﹂に焦点をあてて執筆して 頂いた。 一○三号・坂本尭︵聖マリアンナ医 科大学教授︶﹁平和に向けて の人間形成﹂ 一○四号・松村博︵国学院大学教授︶ ﹁国際平和と経済l自由 貿易により共存共栄の途をI﹂
一○五号・嵯峨座晴夫︵早稲田大学教 授︶﹁国際平和の条件と方 法﹂ 一○六号・浪花博︵仏教大学教授︶ ・生命の尊さ/安斎伸︵上智大学教 授 ◆横浜普門公開講座 テーマ﹁生老病死と宗教の対応﹂日時昭和六十一年九月六日出
会場横浜普門館
講師
一○七号・菅沼晃︵東洋大学教授︶ もどってl﹂ 一○八号・小松春雄︵中央大学名誉教 授︶﹁南への強力な援助を﹂ 研究フォーラムへの寄稿者 一○三号・鈴木啓太郎︵研究員︶ 一○四号・大久保好唯︵研究員︶ 一○五号・久保田嘉一︵研究員︶ 一○六・山崎亮太郎︵研究員︶ 一○七号・中原常友︵所貝︶ その他 研究所の近況報告︵研究所レポート︶、 所員・研究員による書籍紹介︵一冊の本︶ 等を掲載。5公開講座
◆盛岡青年公開講座