熊大教育実践 研 究 第 2 6 号, 3 3 ‑ 4 0 , 2 0 0 9
図画工作における総合造形教材の開発
万華鏡づくりを通して 一一
横 出 正 紀 ・ 棚 町 里 美 ・ 樺 島 優 子
On the Teach i ng Materia l s of Integrated Form i n Drawing and Handicrafts
一‑ Making a Kaleidoscop e ‑
Masaki YOKOD E , Satomi T ANAMA C H I , and Yuko K AB A S H I M A A b s t r a c t
Th e p u r p o s e o f t h e s t ud y i s t h e d e v e l opment o f e f f e c t i v e t e a c h i n g m a t e r i a l w i t h i n a l i m i t e d c l a s s p e r i o d . To t e a c h s e v e r a l c o n t e n t s a t t h e s a m e t i m e , we t r i e d t o c r e a t e t e a c h i n g mat e r i a l o f comp l e x and s y n t h e t i c f i e l d s . I t i s p o s s i b l e t o m a k e a k a l e i d o s c o p e t o c h a n g e d i s o r d e r l y a n d c h a o t i c f o r m s t o b e a u t i f u l o n e s . We e x p e c t t h a t c h i l d r e n a c h i e v e t h e f u n d a m e n t a l a b i l i t y t o r e f o rm a n a d a p t a b l e e n v i r o n m e n t f r o m c h a o t i c o b j e c t s a r o u n d them t h e r e b y e x p a n d i n g t h e i r own wor l d
Key Wor d s : t e a c h i n g ma t e r i a l s , i n t e g r a t e d f o r m , d r a w i n g a n d h a n d i c r a f t s , k a l e i d o s c o p e
1 .はじめに
現行小学校学習指導要領における図画工作科の授 業時数は ,決して十分なものではない. しかし, こ の時数の中でより効果的な授業を展開するためには,
短時間であっても成果の上がる題材の開発を工夫す る必要があるーそのために,図画工作のいくつかの 領域を同時に学べる ,領域複合 的な総合教材を開発 する こと にした .そこで この課題を満たすために は,立体表現の中でも領域複合的な要素をもっ工作 がふさわしいと考え,標題に記したように万華鏡づ
くりを通しての教材開発を試みた
万華鏡に見える 世界の醍醐味は,千変万化する偶 然の 美 しさにある このような世界は,身の回りの 自然の中にも数多く見る ことができる 今回は,そ んな世界を万華鏡という人工的 な装置で味わうもの である
今日の社会は,子どもたちにとってブラ ックボ ッ クス的な社会である. 自動販売機のように操作の仕 方は分かるがその仕組みは分からないという傾向は,
解消されるどころか拡大の一途を辿っている 情報 化社会の複雑化は ,あらゆる 生活基盤に浸透し,ま さに人聞が機械に使われるという転倒した社会が現 出 しつつある このような時,身の回りのしくみに
* 熊本市立壷
)11小学校教 諭
**熊本大学大学院教育学研究科
ついて理解の仕方の基本を身につけておくことが求 められる この度の教材において,子どもたちは,
こんなに簡単なしくみでこんなにも美しい万華鏡が 作れるのかという驚きを体験するとともに,偶然の っくり出す美 しい世界を自らの手で創造する体験を
した
本教材は,大きく 3 つの柱から成り 立っ ている.
( 1 ) 物語づくり , ( 2 ) 制作, ( 3 ) 鑑賞である.さらに ,幾 つかの教科との複合的なつながりをもつことで,総 合的な問題解決能力を育てることをねらいとしてい
る ( 表 1 i 学習表」参照)
2 . 教材としての万華鏡
万華鏡の歴史
万華鏡は, 1 8 1 6 年イギ リス の学者,デヴ イツ ド ・ ブ リ ユースター ( 1 7 8 1 ‑ 1 868 )によ って発明された.
i Ka l e i d o s c o p e ( 万華鏡) J という名前は,ギリシア 語の KALOS ( 美 しい ) ,EIDOS ( 形) , SCOPE ( 見 る ) という 言葉に由来している 。万華鏡は瞬く聞に ヨーロッパ中に広がり 日本へは 1 8 1 9 年に長
111奇を通 じてもたらされた.
万華鏡の構造は, 2 枚以上の長方形の鏡板を 三角
柱状に組み筒に収め,小さな色片や様々な対象物を
入れたものである.筒を 回し ながら一方の端の小孔
から覗くと ,幻想的な映像を見ることができる偶然
の美 しい形を紡ぎだす道具である .
図画工作における総合造形教材の開発
創作万華鏡の面白さ
万華鏡の面白さの特徴とは,無秩序を秩序化する 道具,つまり,偶然の無秩序の形を幾何学的に対称 化することで規則的な幾何学的造形を作り出すこと ができることにある さらに,光学的な現象の引き 起こす,幻想的な美しさが不断に変化する様子や無 数に対象化され変化する形を見ると,さながら深遠 で美的な宇宙を見る思いがする ー万華鏡以前にもス テンドグラスの蓄蔽窓に見られるようなシンメト リーの映像の 美しさに人々は魅了されてきた .この ような光景は,子どもたちに新しい言葉(イメージ) を発明する手がかりを与えてくれるものである.
子どもたちが万華鏡の映像によって触発されるイ メージから,意味ある文節を読み取ろうとする行為 は,やがて不思議な物語の誕生に繋がっていく.
教材としての万華鏡
本教材は,一年生にとって,殊に,技術的な部分 においてはやや困難を伴うものであった しかし,
この課題は教材パーツをキット化することで解決で きた 全てのパーツを手作りす る場合,高学年の方 が適当である
本教材を通して,子どもたちの身の回りの無秩序 で混沌とした環境を自らに適した環境に作り変えて いくための発想 ・ 構想力を身につけることを期待し ている.発想、力は年齢が上がるにつれて眼前の情報 に左右されがちになり,個性的なものを失う傾向が ある この点で,幼児期から小学校低学年辺りの教 材として万華鏡は,発想、・構想、の力を養うための適 当な教材と考える 子どもたちにとって,自然物が 身の回りにあって,積極的に関与できる環境が身近 にあることが望まれる しかしながら,今日の子ど もを取り囲む環境は高度に整理され秩序化されてい る.つまり,子どもの力では歯が立たない環境であ ると 言 える いわゆる自然環境というものが身の回 りから減少している現状にあって子どもたちが,そ の自然環境に積極的に働きかけて必要な遊具をこし らえることは稀なこととなった.かつては,笹舟を つくり)
11と親しむとか杉の実をつめて飛ばす杉鉄 砲などのように自然の形に何らかの手を加えて新し い形を創造するという活動を日常的に行ってきた.
つまり ,子どもたちが混沌とした自 然に積極的に働 きかけることで,新たな秩序と 価値の生産を見出し ていたのであった これ らの混沌とした物事から自 らの欲する 形を見出す行為は,いずれの生活場面に おいても求められる必然的な生活力を培うものとい えよう .
造形的見立てと万華鏡物語
未だ多くの経験を積み重ねていない低学年におい ては,殊に,身の回りのものを柔軟に見立てること が可能で、ある.このことは,これらの子どもたちが,
物事の一義性に支配されることもなく ,当面する対 象に対して自由に意味づけを行い,新しい概念を創 り出すことに極めて柔軟な年齢であるといえる .そ れゆえに,子どもたちは偶然の美しさや思いがけな い事象から面白さの発見をすることが得意である . 子どもたちは,ただの四角い段ボール箱をワニと見 立てて遊ぶことができる.そこへ, もう一つ小さめ の箱を持ってきたならば それは一瞬にして子ワニ と変貌してしまうのである.このことは,子どもた ちが,発想や構想において自由であり,また,決まっ たことを壊すことを恐れない革新の気分の中に生き ていることを窺わせるものである
本教材の柱の一つである「物語づくり」 ①② は形 の一義性の拘束から解放され 自在に造形を生み出 す柔軟な態度形成に連絡するものである
①幾何学テンプレートによる物語づくり
万華鏡に入れる色片をひとまず,テンプレートと して使い,物語をつくるという経験は,形と言葉を 結び付け,いわば,形を文章化する基本的な学習の 手立てとなる.
テンプ レートは,形をなぞることで ,容易に形が 写し取れるということと ,それ らを組み合わせて 様々な形を生み出すという面白さや楽しさを持って いる.
O とムというこ種の簡単な形を組み合わせること で,限られた造形要素を使って,新しい造形イメー ジを生産することも面白く楽しい作業であ る.
②万華鏡の映像を基にした物語づくり
造形の多様さは,語棄の理解とその量や文脈づく りの能力と密接に関係している.万華鏡に見える映 像は ,意味付け られてはじめて表現の一歩となる . 意味づけるためには,言葉によって混沌(映像) を切取り外周を形成することで¥無関心の地から図 を浮かび上がらせるという手続きが必要となる .す なわち,造形イメージの生産は,言葉に直結し感 覚的な対象を 外在化し視覚化するためには言葉の学 習が重要な課題となってくる .
豊かな発想
子どもは,しばしば同じ形の O を見て, r アンパン
マン J r お母さん」と呼ぶことがある 一方,大人に とって, 0 は丸で、あって「アンパンマン」や「お母 さん」では決してないのである . しかし,子どもも このことをよく了解している.ただ,一義性の呪縛
‑34‑
横 出 正 紀 ・ 棚 町 里 美 ・ 棒 島 優 子
から自由なだけであり 対象理解が混濁しているわ けではない.ご、っこ遊びを見るまでも無く,仮想の 文脈の中で誕生するそれぞれの形は,本物と同じ機 能を持つものとして見立てられ,遊ばれていく こ のような見立て行為は,対象理解に対して多元的・
多様な視点を与えることになる 獲得された語棄の 多様さは,多様なメタファーをもたらし文脈を豊 かに整え,造形を際立たせる 例えば, 1""りんご」と いう言葉に対して「赤い J 1""丸い」など形状的特性し か思い浮かばない人よりも 「アダムとイヴ」や「白 雪姫」の物語を知る人の方がより多くの視点から見 立て,新しい形を生み出すことが可能になってくる はずである.子どもの描画発達の過程に「多視点様 式」とよばれるものがあるが これも対象理解の仕 方の一過程として現れるものである.これは, p
ピカソなどのキュピズムとよばれる表現様式やエ ジ プトのレリーフにも同様なものがみられる.対象 (モデル)表現の 一様式で、あるが,その視点はまさに 多元的であ り多義的なものである
子どもの絵「多視点株式j1) p, ピカソ
I
ゲルニカj部分2)エジプトのレリー73)図 1
ブーパ ・ キキ図形と発想
それにしても,混沌の地からどのように言葉/形 を切取 っているのであろうか.そのきっかけとなる 見方としてラマチャンドランの「ブーパ・キキ
J4)と いう聴覚的造形認識の説がある
プーノ T キキ
ロ ザ
図 2
以上の 2 つの音 ( ブーパ・キキ )から ,人はどの ような図形を連想するのかという調査に対する結果 として ,人種や年齢に関係なくほほ同様の造形反応 をもつことが分っている 混沌の「地」であっても 何らかの音 のきっかけが与えられるとそこから 一定 の形が立ち上がってくる その最初の契機となるも
のが「プーパ・キキ」の現象ではないかと考えられ る。ひとたび形が誕生すると,それが例え部分的な ものであっても次々と連想によ って新しい形が導き 出される しかし,それで、も ,発想の豊かさには個 人差がある.
なぜ万華鏡の偶然の形から物語をつ くらせるのか 偶然の形(映像)から必然の形 ( 造形語葉) を導 き出す活動は,一般的な作品制作においても,その 初期の段階,例えば,アイデイアスケッチにおける 試行錯誤の過程にしばしば見られる このような活 動は,作品が完成するにつれて,次第に減少してい く傾向がある.偶然の現象の中に美 しさを見出すと いう造形教材は ,万華鏡の他に多々あるー自然の植 物や雲などの模様の観察描写はもちろん,マープリ
ング,デカルコマニーといったいわゆる「モダンテ クニ ッ ク」などと呼ばれるものもある
いくつかの「造形語葉」同士を結びつけると,一 つのテクス トが生み出されるが,これが偶然の形を 秩序付けた物語として構成されることになる つま り,物語を作るためには, 1 " " 造 形 語嚢」を生み出さな くてはならない このことが造形的に見立てるとい うことであり,同時にこの見立てによって , 自らの 世界を一段と拡張させることができるようになる.
このことは, とりもなおさず 世界を見る視点をひ とつ獲得したということに他ならない
私たちは偶然の形から秩序ある形を作り,作られ た秩序から,偶然の形をさらに秩序化するという繰 り返しを行いながら,経験の深化を図っていく.そ して ,さらなる発展のために,既存の文脈を壊して 新しい文脈をつくることが求められる
3 . 万華鏡教材の技法・材料・用具 技法 ( 制作手
)11買 [ C I " D: 留意点]
① 3 枚のミラーペーパーをムに張り合わせる C I " D 鏡面を内側にする
②透明セロファンを張った紙筒 リングを両面テープ
で筒 内にはめ込む.
C I " D セロファンの方を内側にして押し込むように少 しずつはめ込む
③中に ,対象物(スパンコ ー
jレ 等)を入れる.
官対象物が大きすぎたり,量が多いと滑らかに動 かない
④筒先にトレーシングペーパーでふたをする
E
友達と協力し合って,輪ゴムで仮止めする.対 象物が決まれば,セロテープで止める
⑤ ① を筒に収め , その抜け止めとして,もう一つの
図画工作における総合造形教材の開発
教材は
3学年に予定されている. ) 紙筒リングを筒にはめる
⑤筒に好きな模様をカラーマーカーで描く.
用 具
はさみ ・ カ ッタ ーナイフ ・ カッティングマッ ト
④ → (
r e o 一 一 ‑ Jb 九
材 料
ミラーペーパー ・ 厚紙・紙 筒 ・ 輪ゴム ・トレ ーシング ペーパー ・ 透明セロファン 来 氏 ・ カラーマーカー ・ ス
J¥ンコール・両面テープ・セ ロテープ・のり
※ ト レ ー シン グペ ー ノ{ ‑ せ ス ク リー ンと な る
教材構造
万華鏡教材は, どんな学習内容をもち , どんな教 材構造をしているのか。 さらに, その学習過程でど んな力が身に付くのか等 について,以下の学習表 [ 表 1 ]にま と め た [ 表 1 ] は 教 材 の学習過程に従 っ て縦軸に列挙 した また,各過程で関連する 事項を 横軸に掲げた.
4 .
制作手順 図 3
学習形態と成果
本学習 では ,表 1 r 学習表jに示した通り,グルー プ活動 ( 4 人) と個人活動とが必要に応じて有機的 に関連しながら,柔軟に行われている
材料の写真
余 計 な 背 景 を 遮 断 し , 光 を 透 過 さ (ト レ ー シ ン グ ペ ー パ ー を イ 吏っ た
図 4
学習表「万華鏡物語」
Il寺1,日 学 習1舌!lVJ ?舌rrvJ)l'6i滋 関 連 教 科 留 意 点 期待 さ れ る 能 力 参 考 資 料 ・用 具 図 形 遊 び を す る 個 人 公E数 ‑算 数 の 図 形 セy 卜で,形をオ且み 図 形 認 識 榊 成 力 算 数 教 材 「 算 数 ら 司工前I 活 動 全 体 の 流 れ を 予 図 面 工 作 合 わ せ る 面 白 さ を 知 る ヲ'8イ象プフ 罫舌先且プフ ん ど 」 図 ,
" r
セy ト告 し て お く ー学 習 の 見 通 し を も っ 理 解 力 昔│恒I力
(J)見立 てを も と に し 個 人 図 面 工 作 ‑順 序 よ く 文l脈 を 考 え て 桝 成 す る 見 立 て 力 発 惣 力 3即日出力 算 数 教材 「 算 数 ら た 物 語 づ く り 算 数 4つ 以 上 の 文 訟 を 書 く 観 察 力 位 、 像 力 ひ ら め き ん どJ図 形 セy ト 図 形 を 組 み 合 わ せ て 国 語 ‑絵 を そ れ ぞ れ ,ーコ マ ず つ 令j袋 分 析 力 辺E知 力 言拝苦力 J写 紙(0, ム の 対 象
イ メ ー ジ す る 紙 』 こ 捕 か せ る こ と で , 後 に 順 番 問 題 解 決 力 物 用 )
2 0, ム の 図 形 を も と に を 自 由 に 変 え る こ と が で き る 絵 画 表 現 力 ノ、サミ
4枚 の 絵 を つ く り 物 ょう』こ寸一る 梢 成 力 (色 ・形 ) カ ラ ー7ー カ ー 語 を つ く る ‑ 付霊童 紙一枚 が 物 語 で も あ り , ま 曲tO主 力 ( 友 だ ち と 同 じ ・違 色鉛宣伝 友達の作品を鍬:I'tす グノレ←フ' た,君主 宰 で も あ る うヲ苦1.19.をしたカミ) 付 鐙 紙
る ワ ー ク シ ー ト
(2)万 華鏡 づ く り 個 人 図 画 ヱ 作 ‑作 り 方 の 手 順 を 知 る 宮I‑i函 力 技 術 力 技 能 力 和~1荷 ー トレース才氏 各 パ ー ツ を 組 み 合 わ ( 協 同 的 主宰数 し く み を 理 解 寸 る 実験ゴコ 般骨卜力 発 見 力 ミ ラ ー ペ ー パ ー せて万韮i~鋭を作る 出iJ1乍〕 生 活 ー身 の 回 り の 材 料ー用 具 の 性 質 を 制 整 力 透 明 セ ロ フ ァ ン
総 合 知1る 工 作 力 輪 ゴ ム・対 象 物
ー不 具 合 箇 所 を 改 良・改 普 す る (切る .u占る ・ 曲げ る ー品且 /<ノぞyコーーノレ 2 一 番 美 し い 形 を 探 し , ‑美 し い 色.71手 を 発 見 す る み 立 て る ) カ ラ ー マ ー カ ー
デ ジ タ ノ レ カ メ ラ で撮 ‑デ ジ タ ノ レ カ メ ラ の 使 し 、 方 を 知 る 用具 の 基 本 的 な 使 い 方 セ ロ テ ー プ
影 し , 印 刷 す る ‑万 型 産 鋭 づ く り の 感 想 を 性 く ノ¥サミ
両 面 テ ー プ ラゴジタノレカメラ ワ ー ク シ ー ト (3)映 像 を も と に し た 個 人 区l商工 作 ー友 迷 が 美 し い と 思 っ た 映 像 を 取 。形 ( 映 像 ) か ら メ yセ ー プ リ ン ト ア ク ト し
‑物 語づ く り 国 語 り 入 れ て , 新 た な 佃 値 を 見 出 す ジ を 読 み 取 る 力 見 立 て 力 た映 像 4枚 の 映 像 を 並 べ て , 生 活 観 祭jコ 悲l像 力 適 応 力 付 銭 紙 物 語 を つ く る .11国j芋 よ く 文 脈 を 考 え て 構 成 す る 分 析 力 連 想 力 発 惣 力 ハ サ ミ 1
言 語 力 。〉り
友 達 の 作 品 を 量 佐 賀 す グ ル ー プ ‑互 い の 作 品 を 鍛 鈍 す る 同JJi盟1拝 決 力 試 行 錯 誤 力 ワーーク手ノーー ト
る 。 由 主 賞 ( 友 だ ち と 同 じ・違
う 罫 世 想 を し た か )
つJ
表 1
横 出 正 紀 ・ 榔 l 町 里 美 ‑ 樺 島 優 子
グルーフ。 編成の利点としては,互いの作品を常時 見ることがで きるため,刺激を 受 ける,協力し合う,
道具等 を配るのに適している,対話が活発になる 等 があるが,一方で私語が増えるというデメ リッ トも 生じる また , I できた! J という何人かの成功体験 が他の子どもに伝播して 他の 子 どもたちのやる 気 につ ながってい った 早く 完成した子どもた ち は,
自然 と友達 を応援し手伝うこと で,で きた 喜 びを共 に味わ うという協同での学びの場面が自 然 と発生し た.
課題と解決
特別支援の子どもと本教材の関わり
A 君は,握力が弱いため,鉛筆 を握る ,ハサ ミを 使うことなどが苦手である. 1 学期には,体育, 音 楽の時間のみ交流をした . このため ,図画工作の時 間を,交流学級である本学級の子どもたちとともに , 過ごすことがなか った ー しかし, 9 月には本教材に おいて,初めて本学級の子どもたちと 長 時間過ごす ことがで き,友達に支援しても らいながら ,万華鏡 を作 り 上げることがで きた 殊に, 事前学習の算数 図形セ ッ トによる見立 て遊びは, A 君にも簡単にで きたため ,興味 ・ 関心 を示し積極的に楽しんでいた
表 2 問 題 と解決事例 ( 教師によ る考察 より )
λ でと うまくいかないところ ①問 題発見 どうしてか ②分析 どうしたらよいか ③解決策
ミラ ーペーパーを貼り合わせる部分 セロテープの貼り合わせ面積 セロテ ープを三角柱に巻き 村 ミ 、 フ 一 ー へ 。 ーハ 。 ー
で, セ ロテープが剥がれてしまう が少ないために剥がれた ける ように使うことで解決 ト レ ーシンク*ペーパーを筒にかぶせ ト レーシングペーパ ーをピン 友達と 協 力して行う ト レーシング ることが難しい ト 張ることと , 輪 ゴムでとめる
ペーノ~~
ことを一人で同 時に行うこと
は困難である 万華鏡を覗いたとき , 対象物の O とム
中に入れる O とム
Oと
Aのピースが大きすぎて,
Oとムは入れなくてもよいこ が大きすぎてきれいに見えない スパンコ ー ノレが見えなくなる とにした
図 5 参考資料写真
5 . おわりに
本論は,小学校の現場です ぐに使うことのできる 実用的な教材開発をめざして取 り 組んできた一連の 研究の一 つである .
この度 の教材は, 1 年生にと って難易度が高い教 材ではあ ったが,子どもたちは喜 んで 、 取り組んで 、 い た. その理由として ,学習結果 ( ゴー
Jレ )が明確で,
よく理解できていたこと さらに,万華鏡を自分の 手で完成させたい , という強い願いを持 っていたこ となどが挙げ られる 万華鏡 につい ては ,多 くの子
どもが事前に市販のものを見たことがあ り ,その面 白さにつ いてはよく知 っていた . このため,制作意 欲は最後 まで途切れることはなか った
絵画に比べ工作表現は 子どもたちにと って協同 的な 学 びの機会が多い その理由として, 一人では うまく解決できないところが多々生 じるため,必然、
的に協力しあう場面が生ずるのであろう.今回の教 材でも, トレーシングペーパーを筒に固定す るとき などにおいてしばしば協同作業 がみられた このこ
とは,教材自体に協同性が構造化 されていることに よるものと考える
‑37‑
図画工作における総合造形教材の開発
本教材おける次時の課題として,以下のような改 良点が挙げられる.
( 1 ) 0 とムは,万華鏡の中に入れるとやや大きすぎ て邪魔になり,子どもたちは除きたいと言ったので,
今 回は入れなくても良いことにした 確かに幾何 的 図形は,造形上 の面白みに欠ける しかし,その条 件の中で,いかに,面白い形を見つけられるかとい う条件クリアの能力を身につけさせることも大切で ある . 次回は O とムを入れることも活動の条件とし たい
( 2 ) ミラーペーパーの改良
ミラーペーパーは反射率が悪いため,反射板やプ ラスチックミラー等を使うほうが画像が鮮明で望ま しい
本教材の特徴は,工作経験と物語づくりを通して の言葉の学習が同時に行えることであった.概ね,
教師の想像通りの結果が得られた 造形的見立て能 力や語葉量 , 文章力は回を重ねる毎に向上していっ た.
今後も,これらの研究をもとにさらなる総合造形
教材の開発を進めていきたい.
言 主
1 ) 福岡教育大学美術科
1985I 図画工作‑美術科教育 ( 理 論編) J 葦書房,
p.422 ) 日本文京出版 2 0 0 6 I 美術 2 ・3下美術の広がり J ,
p. 353)
H . W . J ANSON
withS a m u e I C a u m a n
1973I A B A S I C
History of ArtJ Prentice‑Ha!l, p23
4 ) V' S'ラマチ ャン ド ラ ン 2 0 0 5 I 脳のなかの幽霊,ふた たび」角川書庖,
p.111参考文献
1 )
V'S'ラマチャンドラン サンドラ ・ ブレイクスリー 2 0 0 7 I 脳のなかの幽霊」角川書庖
2 ) V' S'ラマチャンドラン 2 0 0 5 I 脳のなかの幽霊,ふた たび」角川書庖
3 )広 辞 苑 第 五 版 岩 波 書 店
4 )学習研究社 2006 I 大人の科学マガジン v o . I
13J︒ ︒
横
出
正 紀・ 棚 町
里 美・
樺 島 優 子第1
学 年 図商工作料指導築
1 題 材
[ 万華鏡物語]
一造形的見立てをもとにした言語力を高める教材開発
2 題材について
平 成 2 0 年 9
月 指 導 者 棚 町 里 美は )
本題材では,子どもたちが万華鏡をつくる造形活動を楽しむと共に,二つの物語を考える場を設定するここでは,図形や 映像をもとに,思ったことや感じたことを読み取り3何かに見立てるという発想力・
構想力を鍛えることをねらっている.
同 時に,見立てた形を「物語
jという形式にあてはめることで,子どもたちは関係性を見つけて,文脈を繋いでいく必然性が生
ま れ 言 語 力 の 育 成 」 を も ね ら え るまず,一つめの物語は, 万華鏡の中に入れるパーツ(図形)をもとにして I Q.ム企主
見立てた形をもとにした物語Jをつくる.厚紙でつくった単純な形を,テンプレート(型 紙)として活用し,それらの形を組み合わせた絵を4枚揃き,それらを並べて4コマの物語をつくり,鑑賞する (
右図参照)ここでは,図形を組み合わせる活動を通して,できる形を発見したり,その形から何か を見立てたりする造形的な面白さを感じながら
,
同時に,物語をつくることを学ぶ.次に,ミラーペーパーを用い,
万 華 鏡 を 実 際 に っ く
り,筒の中
に,先 述 し た パ ー ツ を 入 れ て,
回 す度に,瞬時に変わっていく不思
議な美 しい形 を十分楽 しむ.
そのゆきが, しんしんと
ふりつづいていますまっていたはるが,
めぐってきました
あたらしいいのちの たんじようです
さ あ, みんなでなかよく
あそびましょう 1後,一番美しいと思った形をデジタノレカメラで撮影し,プリントしたものを友だちと交換し4つ並べ,今度は映像をもとに 主主飽蓋」をつくり鑑賞する
.(右上図参照)つまり,万華鏡教材を通して物語づくり」を設定することで,蓋車重量及び 鑑賞活動
がそれ ぞれ3回ずつ経験できる. 殊に「物語づくり
Jを通して言語能力も養える総合的教材である( 2 )
子どもたちは,4
月 入 学 当 初 か ら 見 立 て 遊 び 」 を 積 み 重 ね て い る 「見立て遊び」は,教師が与えた 筒単な図形を書いたワ一クシ一トに'その筒単な図形から思いついたことを立てる演習である
.
ここでは,形を見る「方向 J(上下左右)を意識したり噌音部目分と全体」という見方
についての楽しさや面白さを経!験鉄し
ている.6月「コラ一ジユにチヤレンジυ !
」でで、は,英字新閉をもと に,黒画用紙を使った見立ても行った破った紙の形から見立てたり,箱の形から見立ててっくりたい│
ものをつくったりすることにつながっていく (右図参照
コラージユ作品きり ん
J( 3 )
児童の「見立てJ に対する実態は,次の通りである. 1 見立て遊び」からの分析(二つの三角形の組合せから *H20
,9
,9
(金)2 0
名実施. 1上」から見た視点
二 3 名 ( 1 5 %)
・「下」から見た視点= 0
名( 0 %) ・
「横」から見た視点二 1 7
名( 8 5 %)
・ 「全体J という視点で見た = 0 名 ( 0 %) ・ 「部分」という視点、で見た = 2 0 名 ( 1 0 0 %)
※部分の
中でも,複雑な見方を 4
名( 2 0 %)
の子どもがしていた3 9
図 画 工 作 に お け る 総 合 造 形 教 材 の 開 発
. 1
コラージュ」による分析(上図「きりん」参照). 1 形」から思いついた
=16名 (
73%) ‑作りたい「思い」から,思い切って形を変形した=6名 (27%)住 )
指導上の留意点① 子どもたちが 10 ,ムをもとにした物語」の場で,図形をもとにした見立てがイメージしやすいように,事前に
3算数教材の中の図形セットを使って,形を組み合わせる面白さを十分に体験させておく
.図形セットは着色され,マグネットもついて いるので,白いボードの上でどの子どもも簡単に操作でき,絵になりやすいよさがある② 子どもたちが扱う形は「内
,三角形(直角二等辺三角形)
Jであり
3それらの組み合わせによって,
四角形や台形やひし型 といった小学校算数で扱う主な図形が扱えるように工夫するここでは,いずれ,子どもたちが算数で学ぶべき,円,三角形,四角形という言葉,また,三角形を二つ合わせると四角形ができる,三つ合わせると台形ができるなど,図形遊びを通して図 画工作と算数を合科的にリンクさせて,学習の効果を図っている.
③ 「映像をもとにした物語
jで、は,万華鏡の映像をデ、ジタノレカメラで撮影し,プ
リントしたものを友だちと交換し,4つ並べ
て物語をつくる.ここではz自分の作品が友だちの作品の中で生き,友だちの作品の中に自分の作品が生きる,といった「個と集団の関わり合しリも意図的に仕組む.
3 題材の目標
( 1 )
見立てや万華鏡づくりの造形活動に興味・
関心をもつことができる.(
2) 図形や映像を見立てた物語のイメージをもつことができる(
3) 図形や映像から見立てた物語をつくったりすることができる
.(
4) 友達の作品を見て自分と違う形やよさなどの
工夫に気づくことができる4 指 導 計 画 (5時間扱い)
学習活動
O図形遊びをする
O
活動全体の流れを予告して おく
みんなで伸びるための教師の指導
O
子どもたちがイメ
ージをもちやすいように算数の図形セットで,形を組み合わる面白さを
十分に感じ取らせておくO
子どもたちが学習の
内容を把握し,見通しがもてるように,大まかな流れを話しておく( 1 ) 見立てをもとにした物語を 1 0 子どもたちが理解しやすいように,教師が図形をもとにした絵のっくり方,
4枚の絵のつな
つくる
(2)
万華鏡づくり
ぎ方(文脈の作り方)などを黒;依でモデリングし,鍛賞を行う
Oイτl婆紙を使うことで,何度も順番を入れ替えることができるようにする.
O
テンプレートは,子どもたちが扱いやすいように
2cmを基準にする
O手順がわかりやすいようにつくる順番を提示する.
O
子どもたちが見つけた一番美しいと
思う形を教師がテ守ジタノレカメラで撮影する( 3 )
映像をもとに物語をつくる1 0 プリントした映像を友だちと交換し,並べ方を考えイメージしやすくさせ,鑑賞を行う
図 6
学 習 指 導 案‑40‑
時間
事 前
2
2
1