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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)

神経変性疾患領域における基盤的研究班  (分担)研究報告書

新規 JaCALS 患者登録システム(JaCALS-2)の構築 

研究分担者  祖父江  元  名古屋大学大学院医学系研究科

A.研究目的

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は代表的な神経難 病であるが、近年、ALS の病態に関連する遺伝 子・分子が複数同定され、治療薬シーズが多数 挙がってきている。今後数十年にわたって ALS をはじめとする神経変性疾患は治療開発のアク ティブなフロンティアになると予想される。治 療介入の有効性と安全性を長期的に検証するた めに、縦断的な臨床経過情報を大規模に蓄積す る疾患レジストリが、重要な役割を果たすと想 定される。我々は既に、我が国の ALS 患者大規 模レジストリである JaCALS を展開し、既に約 1600 例の ALS 患者を登録し、ALS 患者の進行・

予後に影響する臨床的因子、遺伝子多型を明ら かにしてきた。これからの治療開発推進のため には、疾患レジストリのデータが各種規制要件 にかなう十分な質を担保し、治療開発にあたる アカデミアや企業のニーズに応える必要があ る。 

日本版ER/ES指針など各種規制要件に対応で き、医薬品開発等に利活用可能な、ALS患者の 新規患者レジストリシステムを構築する。

B.研究方法

PMDAおよび厚生労働省との緊密な協議のう えレジストリ業務フローを作成し、疾患登録シ ステムのコンセプト定義を行った。レジストリ 事務局を立ちあげ、コンセプト定義を基に疾患 登録システムの仕様を策定、固定し、システム 開発を行った。レジストリ業務フローをもとに 20種類以上の標準業務手順書を策定し、検証作 業を進めている。既存のJaCALSに蓄積された約 1600例の2万枚規模の紙ベース調査票のデータ クリーニングと新システムへの入力統合も行 う。

C.研究結果

高度な暗号技術により、セキュリティの担保され たweb患者情報登録システム(JaCALS-2)を構築 し、標準業務手順書に基づく運用手順を策定した。

既存データを統合し、各種規制要件にかなうレジ ストリにより、①患者を適切に層別化した治験デ ザイン策定と、その実行可能性(フィージビリテ ィ)調査、②治療介入の経過・予後への長期的効 果の検証(製販後調査:PMS)、③ランダム化比較 試験(RCT)が難しい治療の経過、予後への効果・

研究要旨  全国 32 施設が参加し、2006 年から登録を開始している多施設共同筋萎縮性側索硬化症(ALS)

患者コホート JaCALS の患者登録システムを刷新し、高度な暗号化技術を適用した web による患者登録シス テムを構築する。新システムは GPSP 指針、ER/ES 指針などの規制要件に準拠するものとし、標準業務手順 書(SOP)に基づいて運用することにより、治療薬の効果・安全性についての長期的な検証、臨床像に応じた 治験へのリクルート、ランダム化比較試験が難しい治療の検証等のリアルワールドエビデンス創出などに寄与 する。ALS レジストリを基盤とした創薬への展開は、神経変性疾患に対する治療開発研究の新たなパラダイム を提示することができると考える。 

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44 安全性の検証(リアルワールドエビデンス)を行 うことができる。

D.考察

大規模患者レジストリは、臨床試験の対照群 や医療機器・薬剤の製造販売後調査などに利活 用できるように高い信頼性をもって構築される ことが望ましい。ER/ES指針や2017年度に改 正されたGPSP基準に沿う形での新しいレジス トリの構築により、それが実現される見通しで ある。

E.結論

新規構築したALS疾患レジストリは今後の治 療開発の基盤となる。

F.健康危険情報   特記なし。

G.研究発表 1. 論文発表

Masuda M, Watanabe H, Tanaka Y, Ohdake R, Ogura A, Yokoi T, Imai K, Kawabata K, Riku Y, Hara K, Nakamura R, Atsuta N, Katsuno M, Sobue G. Age-related impairment in Addenbrooke's cognitive examination revised scores in patients with amyotrophic lateral sclerosis. Amyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener. 2018 Oct 31:1-7.

Fujimori K, Ishikawa M, Otomo A, Atsuta N, Nakamura R, Akiyama T, Hadano S, Aoki M, Saya H, Sobue G, Okano H. Modeling sporadic ALS in iPSC-derived motor neurons identifies a potential therapeutic agent. Nat Med. 2018 Oct;24(10):1579-1589.

Sobue G, Ishigaki S, Watanabe H. Pathogenesis of Frontotemporal Lobar Degeneration: Insights From Loss of Function Theory and Early Involvement of the Caudate Nucleus. Front

Neurosci. 2018 Jul 12;12:473.

Ishigaki S, Sobue G. Importance of Functional Loss of FUS in FTLD/ALS. Front Mol Biosci.

2018 May 3;5:44.

H.知的所有権の取得状況   特記なし。

参照

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