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[共同研究] 確認的因子分析に基づく因子得点の利 用 序言

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[共同研究] 確認的因子分析に基づく因子得点の利 用 序言

その他のタイトル The use of factor scores on confirmatory factor analysis

著者 辻岡 美延

雑誌名 関西大学社会学部紀要

巻 8

号 1

ページ 75‑77

発行年 1977‑01‑31

URL http://hdl.handle.net/10112/00023133

(2)

〔共同研究〕

確認的因子分析に基づく因子得点の利用

報 告 者 辻 岡

美 延

第一章

因 子 得 点 の 利 用 ・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ 辻 岡 美 延 ・ ・ ・

(78)

—汎用コンビュータ・プログラムのパッケージ化への基礎づくり一

第二章

Y G

性格検査による確率類型判定について………藤村和久…

(89)

‑Mahalanobisの汎距離を用いて一一

第三章

子どもの出生順位による親子関係と人格形成………•••山本

吉廣…

(103)

一親子関係診断尺度 EICA と YG性格検査を用いて—

第四章

項目分析による尺度構成の評価………清水 和秋…

(121)

—社会的態度尺度の因子的妥当性・真実性および分布型について一一

第五章

因子得点軸法によるクラスター分析………長尾 治明…

(138)

‑Semantic Differential法による対象の一分類法ー一

‑ 75  ‑

(3)

関西大学 r 社会学部紀要』第

8

巻第

1号

序 言

われわれは先に「確認的因子分析における検査尺度構成」と「確認的因子分析による行動予測 の研究」となづけた二つの共同研究を通じて.多変量解析法の,就中,因子分析法の応用によっ て,機能因子に対応した多次元尺度を構成し,それらを用いて,心理学研究を遂行して行くため の方法論の展開を試みて来た。今回の共同研究においては. これらの共同研究の第三部作とし て,既発表の諸方法を用いて,夫々の研究領域における,それぞれの機能の測度としての因子得 点を得て.これを利用して行われる諸研究の方法論的な可能性の拡大とそれらの系統化をはかり たいと考える。筆者は,第一部作の序言において,最初のデータ行列から,因子得点に至る概略 フローチャートを揚げたが,その終点の因子得点の利用については.第一部作,第二部作の各所 にその方法論的展開を試みて来た。しかし,それらの方法論は未だ系統的にまとめ上げられたも のとはいえず,また.それらは.コンピュータプログラムの統一された汎用バッケージとして完 成されたものにはなっていない。したがって本発表では,まずこのプログラムパッケージ化のた

めの基礎理論の整備をはかっておきたいと考える。

因子得点は,確認的因子分析にもとづく確立次元の最良の測度であることは一応自明のことと し.本共同研究では,この利用の系統化に力点をおき.これらの方法論を実質科学の具体的なデ ークに適用しつつ,諸方法を展示するという形で,共同研究発表者の研究結果を掲載することと した。したがって.本発表は,これを方法論的観点から見るときは.系統的な因子得点の利用法 についての展示となり,同時にまた,これを実質科学的研究の観点からみるときは.プロフィー ルの確率論的分類法,社会的態度尺度の構成法,親子関係診断尺度の妥当性研究, SD 法による

クラスクーアナリシスの方法などと見倣すことができよう。

第一章において辻岡は,因子得点を,①判別分析,③クラスクー分析,⑧回帰分析,④連関構 造分析,⑤項目分析,⑥モデル構造分析,⑦モデル構造合成(コンピュータ・シミュレーション),

⑧妥当性分析の 8種の利用に分類し,主として①〜⑧の方法論的展開を試みた。そのうち,他の 共同研究者の既発表や本稿での発表と重複する部分はこれを省略した。

第二章において藤村は,①の判別分析の手法を,

Y G

性格検査のプロフィールの類型化に適用 し

, マハラノビスの汎距離を因子得点空間において算出し, 個々のプロフィールの出現確率に 対応した:::確率類型:::の構想について説明した。この確率類型という概念は, 従来の現象類型 ( P h e n o t y p e ) に対する発生類型または元型 ( G e n o t y p e ) という類型概念とは異なった新しい 類型概念であり,よく似たものが出現する「確率」に対応する最も具体的且客観的な類型概念で ある。しかも.この類型は,現実の場における効用概念と直接対比交流の可能な類型である点に おいて,理念型 ( I d e a lType) とは根本的に異なる発想からなっている。

‑ 76 ‑

(4)

確認的因子分析に基づく因子得点の利用(辻岡)

第三章において山本は.親子関係における親の養育態度や行動が子どもの人格形成に与える影 轡を研究するに際し,先行変数たる子どもの出生順位と後続変数たる子どもの性格との間に親の 養育態度という仲介変数をおくことが.すなわち先行変数ー→後続変数というシェマでなく,先 行変数̲仲介変数̲後続変数というシェマを考えることが.これらの三種の変数群の相関関 係を整合的に説明しうるものであることを例証した。この山本の研究は方法論の観点からは,① の判別分析を用いた⑧の妥当性分析の研究と見なすことができよう。

第四章において清水は,先の因子的真実性の原理による項目分析で未検討であった尺度の分布 型の統計祗である歪度・尖度の算出についての研究結果を発表する。

第五章において長尾は, 「因子得点軸法」とよばれるクラスター分析の手法を発表する。従来 のクラスクー分析においては,クラスクー数の決定やクラスクー構成法において数学的に厳密な 方法が完成されたとはいいがたい。われわれの方法もやはりなおも部分的には.任意的かつ主観 的な部分を含まないとはいいがたいが,従来の諸方法よりも一歩前進した客銀的かつ自動決定的 な方法といえよう。クラスター分析の最大の問題点はどのような変数を分析に用いるかの変数選 択の問題にある。その点で因子得点を用いるのは,生の多変最を用いる場合より,より安定的.

客親的なものといえよう。ここでも出現確率に対応した因子得点空間における汎距離が利用され る。その際判別効率の有意性の検定と関連して.われわれの新法は,クラスクー数および次元数 の制約を,分類個体数との関連で考えて行く点では従来の方法よりも一歩前進した方法であると いえる。この点について今後さらに,その基礎となる数学的理論の発展が期待される。

以上のような方法論を具体的研究に適用するためには.方法論的には.元のデーク行列から.

確認的因子を得て,次に,デーク行列と因子得点行列あるいは因子得点のための評価行列すなわ ち.用いられた変最群の平均・標準偏差・重み行列をコンピューク内に貯蔵することにより.上 記①からRまでのいずれの方向へも入カデークを分析し.展開しうるような汎用のプログラムを 作成することが必要となる。汎用化のためには.実際にいくつかの困難点を克服する必要が生じ

ると予想されるが,これについては第四部作において発表する予定である。

(辻岡美延)

‑ 77  ‑

参照

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