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受講 した学生の感想・意見をもとに一

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(1)

知的障害のある人の生涯学習を支える、学習支援者の役割 と支援の実際 一静岡大学公開講座 「学ぶって楽しい !一 大学で学ぼう一」を一緒に

受講 した学生の感想・意見をもとに一

A Case of a Role and Support of a Learning Supporter SuppOrting Lifelong Learning of a lntellectually Disabled Person

:Based on lmpressions and Opinions of Students乃 ho Attended an Extension Course of Shizuoka l」 niversity  Studying is Pleasant!Let's Study at a lJniversity"

渡辺明広

*・

徳増五郎 **・ 五條由美子 ***

柴田美鈴 **・ 田中宏和 **・ 大畑智里

**

Akihiro WATANABE, Goro TOKUMASU, Yumiko GO」 YO, Misuzu SHIBATA, Hirokazu TANAKA, Chisato OHATA

はじめに

2006年 6月 と

10月

に、知的障害のある成人の生涯学習の場である、静岡大学公開講座 「学 ぶつて楽 しい !一 大学で学ぼ う一」が開催 された

(な

お、前身の講演会は 2005年 度 よ り始 まっ た

)。

この公開講座 には、教育学部障害児教育専攻の学生が学習支援者 として、養護学校等を 卒業 した社会人の受講生

(以

下、社会人 とい う )と 一緒 に講義を受講 した。

近年、各地で知的障害のある人を対象 とする大学公開講座等が開催 されるようになったが、

大学の施設や教員、学生ボランティアな ど、大学の持つ物的、人的資源を活用するのが特徴で ある。 この生涯学習の取 り組みにおいては、障害者のニーズに応 じた学びの内容や障害特性に 応 じた学習支援、支援のための基礎的態度・知識そして専門性等の視点か らの質的検討の必要 性が指摘 されている

(徳

永 ら ,2002)。 とりわけ、知的障害のある人の学びを援助する、学生 等による学習支援者の存在 とその役割は大 きい と考える。 しか しなが ら、学習支援者が どのよ うな場面で、 どのように主体的に判断 して、具体的にどう関わっているのか、 といった学習支 援

(学

びの当事者支援 )の 視点か らの実践的検討は少ない。

そこで、社会人 と学生の学習支援者が講義を受講する中で、一緒に課題に取 り組む場面

(ス

モールワーク )を 設定 し、その後、学習支援者 に学びの協働や支援についての感想や意見を聞 くことで、 │の 課題 を考える。学習支援者 に求められ ることの分析 t検 討 と、 さらには、障害 のある人 もない人 も一緒 に学び、共に生きる地域づ くりにつながる学びを創出する一資料 とす る。

*静 岡大学教育学部障害児教育教室  **静 岡大学教育学部附属養護学校

***静 岡県立静岡北養護学校

(2)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

:  各地の大学公開講座等 と学習支援者

ノーマライゼーシ ヨン思想の普及 とともに、障害についての理解が深 ま り、障害のある人た ちに対す る支援が広が りつつある。 2001年 5月 、Ⅵ HO総 会で採択 された国際生活機能分類 (International ClassincatiOn Of Functioning,Disability and Health ; ICF)に は、 「′ い 身機能・構造」 (body hnction&strtlcture)、 「活動」 (act市 ity)、 「参加」 (participation) の障害の 3つ の次元 に、背景因子

(環

境因子 と個人因子 )の 観点

(人

間・環境相互作用 モデ ル )を 加 えた。それによって、知的障害のある人は知的な活動ができないのではな く、学習に 支援が必要な人 とい う理解に変わつてきた。知的障害のある人に とって、学び続 ける機会 と必 要な支援があることで、 自立 と社会参加が実現 し、人生をよ り豊かにすることができる。

講義 を聞いた りしての学び

(学

習 )に あたつての必要な支援 とは、受講生のニーズに応 じて、

本人の主体性 を尊重 して、サポー トしなければな らない。学習支援者の傾聴の姿勢は、学びの 支援 においても基本である。早 く良い関係 を作 り、場合 によっては、受講生の様子か ら、その ニーズを推 し図つての対応 も必要になる。

知的障害のある人にとっては回答でのや りとりができに くい人 もいる。その際にはヽ身振 り や文字、絵などをコミュニケーシ ョンの手段 として取 り入れてい くことも必要だろう。 また、

受講生の反応や何 らかの表現に対 して、 うなずいて賛意を示 した り、賞賛をした りすることに よって、積極的に自分の意見や思いを出す ことを促進す ることができる。 自信が生まれて、 さ らに学びへの意欲を喚起することがで きる。

学習支援者には、以上のような、個別的な援助技術 についての専門性が求められ る。

次に、各地の大学公開講座等 と学習支援者の関わ りの状況 について、見てみる。

わが国初の知的障害のある人 を対象に した東京学芸大学公開講座 「自分 を知 り、社会を学 ぶ」の、 1995(平 成 7)年 か ら 9年 間にわたる講座内容 は生活講座 (<は た らく一仕事 ><暮

らす ><楽 しむ―趣味・余暇利用 ><つ きあう一交際・結婚 >)と 教養講座

(大

学近郊の自然 環境か ら学べ る題材 )の 2つ の領域で構成 された。学習の支援 にあたつては、受講生が自分の 考 えや感 じた こと、素朴な喜びや悩み等を仲間の受講生同士や養護学校教員を中心 とした協力 スタッフや学生サポーターの支援者 と共感 じあえることができる集団の規模 とバ ランスが配慮 された

(平

井 ら ,2004)。 講師の話 をよりかみ砕 いて伝 えた り、質問 した り、発言 を援助 した りした

(平

井 ら ,2002)。 さらに、 2004(平 成 16)年 か らは、知的障害のある成人 と一般受講 生 との共同学習の場 として公開講座 「いつしよに学び、 ともに生 きる」を開催 している

(平

,2005)。

関西では、①人権

(教

育を受 ける権利 )の 保障、②変化

(発

達 )の 可能性の保障、③大学の 地域への貢献の 3つ の目標をめざした知的障害のある人のオープンカレッジの実践が 1998(平 成 10)年 8月 より大阪府立大学社会福祉学部を中心に始 まり、その後、武庫川女子大学、桃山 学院大学で行われ、全国に広が りを見せている。大学や学外学習で年 に 3〜 5回 (日 数に して、

計 6〜

10日

)講 義を受けた りする、 4年 制の修学制度で、受講生の障害の程度や能力によつて、

学習の進度や理解 に差が生まれないように、受講生一人に対 し一人のサポーターをつけ、彼 ら

の主体性 を尊重 し、授業のサポー トをすることで皆がなるべ く平等に学習できるようにしてい

(安

原 ,2004)。 また、サポー トの際 に上下関係が生 まれないように、 とい うことと、大学

の雰囲気が出て、かつ学生が親 しみやすいようにという趣 旨か ら、サポーターは原則的に受講

(3)

生 と年齢が近い学生である。

社会福祉学科の学生が中心 となって (ソ ーシャルワー クの学習の一環 として参加

)、

2000

(平

成 12)年 度 よ り運営 している 「桃大オープン・カレッジ」では、受講生の自発性、 自己表 現の尊重、達成感の経験等を目標 にした講義の方法を取 り入れ、学生は受講生には 「せんせい やスタッフ、サポーターは、教える人ではな く、あなたを支える人」 と紹介 されている

(安

,

2005,2006)。

サポーターの役割については次のように説明されている

(建

,2001)。

*  受講生のペースにあわせて行動 して ください

(他

のメンバーについていけな くて も、決 してせかさないこと

)。

        、

*  受講生の行動を否定せず、理解するように心がけて ください。

*  受講生の中には、年上の方が大勢おられ ます。また、た とえ年上の方であって も、 こと ばづかいや態度には十分注意 して下 さい。

2003(平 15)年 度から始 まった長崎純心大学の 「純心カレッジ三 ツ山塾」は、地域で生活 している知的障害のある人と学生ボランティアがイギリスのボランティア組織 One‐ to― One"

を参考 に 「友人関係」を作 りながら、 自分たちの身近な問題や長崎の歴史や文化を学ぶための 学習 プログラムを展開している。受講生の学習のお手伝いを行 うサポーター

(ボ

ランティア )

の役割は、学習者の学習の補助

(講

義でわか らないことがあったときなどのサポート、感想文を 書 くときなどのサポート )で ある

(松

,2005,2006)。

神戸大学の一研究室が地域連携の一環 として実施 している公開講座 は、「大学で自分の世界 を広げよう〜知的障害をめ く ゛

る社会的課題解決をめざして〜」 と題 して、 2003年 度か ら開催 し ている。 ライフス トリーの成人教育への応用 をテーマ とし、本人たちが言語、造形、音楽、書 を媒介に自らを語 る機会 とする、特色ある講座 を展開 している。 ここで、学生 らの学習支援者 は受講生が語 る思い出の間き手である

(津

,2005,2006)。

また、 2001(平 13)年 3月 か ら開催 している、「オープンカレッジ in鳥 取」は大学主催で はな く、運営委員には、学校教員・福祉施設職員・医療関係者や保護者・当事者などの有志の メンバーが名 を連ねている。  1年 間通 じて科 目を履修す ることで卒業す る、入学 ―修 了制度

(通

年科目制 )を 導入して定員を設け、 2004年 度より体験内容を重視した講座のみの開催を秋 に実施し、年4回 の開催 となっている。受講生には、基本的に 1対 1の 形でサポート役のボラ ンティアが付 き添っている。当初 は 「お手伝い」的立場 もあったが、次第にサポーターの役割 が重視 され、チューター的な 「スーパーサポーター」、サポーター同士のグループ化等の試み も行ってきた。サポーター役は高校生・大学生が中心になるが、彼 ら自身 もまた学びの存在 と して認知 され るだけでな く、彼 らと受講生の人間関係か ら「パー トナー」的な立場に変化 して いると評 されている

(國

,2004,2005)。

静岡県内では、 2006年 6月 と

10月

に、静岡大学公開講座 「学ぶつて楽 しい !一 大学で学ぼ う 一」′ が開催 された。知的障害のある社会人 と学生の学習支援者が、講義を受講する中で一緒に 課題 に取 り組む場面 (ス モールワーク )を 設定 している。毎回、社会人力沼 0数 名、学生 20名 程 度が受講 して、一緒 に学ぶ ことができる講座 を目指 している。

以上、各地の大学公開講座等 と学習支援者の関わ りを見てみると、社会人の学びの支援にあ

た り、学生 らの学習支援者はボランティアや支援者 (リ ーダー )と してではな く、本人 と同じ

立場での支援者

(サ

ポーター)と しその性格と役割が必要になる。仲間として、友だちとして

の関係をつくり、共同活動者として、お互いに支え合う関係の中での学習が重要となる。

(4)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

‖   静岡大学公開講座 『学ぶって楽 しい !― 大学で学ぼう… Jの 概要 と学習支援者

1『 学ぶって楽 しい !一 大学で学ぼう― Jの 特徴

〜学びのバ リアフリー と共学の実現 を目指 して〜

・   講義の内容は、 自然界の現象や社会における出来事、さらには講師の専門分野 にかかわる ことを中心 とする。事前に、社会人に聴いてみたい内容についての希望を聞いておき、 これ を参考 に公開講座の実行委員会

(運

営スタツフ )が 講師を決める。

・   講師の理解 と協力を得て、知的障害のある人 とない人が、一緒に受講 し学ぶ こと

(知

的好 奇心を満たす こと )が できる講義をめざす。

・   講義方法 として、受け身で聴 くだけでな く、主体的に講義 (60分 )に 参加するように、 ま た、講師の協力を得て、社会人 と学習支援者が一緒に課題 に取 り組む 10分 間程度の学びの活 動 (ス モールワーク。席の近 くの者同士で課題 に取 り組む )を 設定す る。

<こ れ までの講義の中でのスモールワーク >(「   」内は講義題 目 )

「科学つて面白い―シヤボン玉って超面白い一」

2つ のシ ャボ ン玉が くっつ いた部分 は カーテ ン仕切 り "が あ るのか、ないのか ? シ ャボン玉 とシャボン玉が空で ごっつん とぶつかつた ら、割れ る ?  くつつ く ? etc.

の質問を考え、答える。

「人間が創 る楽 しさをとりまく世界」

イタリア語で知っている食べ物の名前をワークシー トに書いてみる、イタリア人 と自分 の生活

(活

動や時間の使い方 )を 比べてみる、「パ ッセジャータ」って何だろう ?を 考 え、

記述する。

「駿府城をもっとよく知ろう」

駿河城の絵地図 (ワ ークシー ト )の 中の、 自分が行つた ことのある箇所 に○印をつける。

「隣の国に行つてみよう !〜 ごきげんな韓国済州島〜」

日本 と韓国の、首都、母国語、使用文字、代表的な料理、民族衣装、お金の単位につい ての設題 (ワ ークシー ト )に 対 して、回答を記述する。

「宇宙人はいる ?宇 宙の不思議」

「月 と太陽   早見天空盤」 (A4判)の 切 り取 り部分 をはさみで切 り取 り、円形の紙 に 太陽や月のシールをつけ、 これ らを台紙に貼つて完成 させ る。

「やっぱ リサ ッカーは最高 !2006Nヽ ドイツ大会を観戦 して」

世界地図

(白

地図。 A3判 )に 20カ 国ほ どの これ までの W杯 開催国や優勝国を探 して、

国名を記述す る。

・   各講義の終了後 に 5分 間程度で、「講義 についてのアンケー ト

(感

想や評価

)」

を記入する。

学習支援者 は必要 に応 じて援助 をす る。

2  学習支援者

(

学びのパー トナー ")に ついて

・   事前 に学習支援者

(学

生 )に は、社会人 とは 学びのパー トナー "の 関係であることを案

内 している。関わ り方や援助 にあたっては、次の ことを基本的な事項 として説明 している。

′ *  社会人は学生 より年上であるので、言葉づかい と態度には十分注意する。

*  社会人 と学生が よき受講生になって、 自発的に学ぶ ことで、学ぶ雰囲気 をつ くる。 また、

(5)

周 りの受講生によい影響 を及ぼす。

*  お互いは特 には教えない、手伝わない。ただ し、「教えてほしい」「手伝って」に対 して は、 自然に対応すればよい。

・   これまでの学びのパー トナーの参加人数は次の とお りである。基本的に社会人一人に対 し 一人の学習支援者 を付 き添いさせたいが、まだ実現はできていない。

第 1回 (2005年

10月

30日 実施 ):  社会人 41名    学生 22名

第 2回 (2006年 6月

18日

実施 ):  社会人 49名    学生 18名      、 第 3回 (2006年

10月

29日 実施 ):  社会人 40名    学生 25名

Ⅲ  (調 査報告 )学 びのパー トナーとして、いっしょに受講 して―「学ぶって楽 しい :― 大学 で学ぼう一」を受講 した大学生の感想・意見についての調査―

1  目的

これ まで 3回 開催 した、公開講座 「学ぶつて楽 しい !一 大学で学ぼ う一」には、毎回、教育 学部障害児教育専攻学生が知的障害養護学校等を卒業 した社会人 と一緒に 2つ の講義を受講 し た。

講義終了後、学生たちに、学びのパー トナー として、「一番印象に残った こと」「講義につい て、興味や関心が持てた程度」「講義中のスモールワークの取 り組み状況」「障害をもつ社会人 に対する援助や配慮」についての感想や意見を求めるアンケー ト調査を行なった。

障害のある人 も、ない人 も一緒 に学び、共 に生 きる地域づ くりにつなが る学びを創出するた めの一資料 とする。

(以

下、本稿では 3回 分の調査結果をまとめて報告する。

)

2  方法

・   調査対象  :  静岡大学教育学部障害児教育専攻の学生

(第

1回 22名 、第 2回 18名 、第 3 回 25名 )

・   調査内容  :「 一番印象 に残 った こと」「講義について、興味や関心が持てた程度」「講 義中のスモールワークの取 り組み状況」   「障害をもつ社会人に対する援助や配慮」

・   アンケー ト調査の実施期間  :  第 1回  2005(平 成 17)年

10月

31日 〜 H月

14日

第 2回  2006(平 成 18)年 6月 28日 〜 7月 7日 第 3回  2006(平 成 18)年

10月

30日 〜 H月

13日

・   回答方法  :  選択肢回答 と自由記述 を併用。無記名。調査用紙配布、記入後に各 自が提 出。

・   回 収 数  :  第 1回 19(回 収率 86.4%)、 第 2回 18(回 収率 100。 0%)、 第 3回 20(回 80。 0%)

3  結果

Ql「 今回の講座で、あなたが一番印象に残ったことは何で したか」 (自 由記述 )

社会人の講座 に臨む姿勢や、学びのパー トナー として社会人 とのかかわ り等に関連 した回答

について、 3回 分 を以下に集めた。

(数

値 は延べ人数。以下、「   」内は各 自の自由記述で原文

のまま )

(6)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條 由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

0 32名 の学生が社会人の受講の様子や学びの機会を楽 しみにする態度に感心 している。

「身を乗 り出すようにした り、前の席に移動 してまで講義を見ていた」「授業を純粋に楽 しむ 姿は新鮮で した」「パー トナァ となった人は知的に障害がある人だったけど、講義中はそれほ ど感 じなかった。む しろ私たちよりいろんな事に興味を持つてす ごい と思った」「感情 を素直 に出 していて講師の先生 もそうい う方がや りやすいのかな と思いました。活気のある授業 は受 ける人次第なのだ と思いました」「 今 日を楽 しみにしていました "と 受講者 さんが話 して くれ た こと」「ある受講生は、大学 とい う所で勉強できた ことが嬉 しい、また こうい う機会があつ た ら来たい と言つていた。普段、講義中に居眠 りして しまうことが多い自分 としては、彼女の 言葉 に感動 した」

etc.

0 8名 の学生は、いっしょに受講をして、社会人 とかかわ りが持てた り、楽 しむ ことができ たい う感想を持つた。

「1つ の講義は内容が難 しかつた と思います。隣の人が しきりに難 しかつた と言われていま した。ただ、一緒 に学んで、 とて もいい刺激 になった」「障害者の方たち と思った以上に交流 出来た」「とな りの人 と、 とて も会話が盛 り上がった。ワール ドカップの話が出た時、話がは ずんだ ことが一番印象に残っている」「前回よリスムーズにサポー トできた こと」

etc.

0 ‑方 で、社会人に対するサポー トについて、反省する指摘 もあった (1名

)。

「授業をたの しそうに聞いていた。その分、内容がよくわか らない様子をしている人がす く ゛ にわかった。 これは学生の配慮で改善する問題であるので、 もつ と均等に学生をちらばるよう にする必要があると思った」

Q2「 あなた自身は 2つ の講義を聞いて、全体 としては、興味や関心が持て ましたか」

(「

大 変持てた」「かな り持てた」「ふつ う」「あまり持てなかった」「ほ とん ど持てなかった」の 5段 階評定。評定をした理由を自由記述 )(表 1)

表 l Q2「 あなた自身は2つ の講義を聞いて、全体としては、興味や関心が持てましたか」

第 1回

第 2回

5

大    変 持 て   た

2名

(10。 5%) l名 (5.6%)

1名 (5.0%)

4 か   な  

持 て   た 14名

(73。 7%) H名

(61。 1%) 5名

(25。 0%)

3 ふ つ う

3名

(15.8%)

5名

(27.8%) 13名

(65。 0%)

2 あ   ま    り 持てなかった

0

(0。

0%) 1名 (5.6%)

l名 (5.0%)

l

ほ と ん ど 持 てなか った

0

(0。

0%) 0

(0。

0%) 0

(0。

0%) 第 3回

<第 1回 >

0 16名 (84。 2%)の 学 生が 「大 変持 て た」「か な り持 て た」 と答 えた。「ふ つ う」 は 3名

(15。 8%)で あった。

「今 まで知らなかった新 しい事をた くさん学べたか ら」「シャボン玉の講義は会場全体が盛 り あが り、雰囲気が よ く楽 しく話 を聞 くことがで きました」「視覚 にうったえる内容や歌、音楽

232

(7)

を使 っていて、 とて もお もしろかった」「シャボン玉 は楽 しかつた

(星

形 のやつで しゃぼん玉 をつ くって も結局丸形 になるのはなぜだ   と !?  と今 も気になっている。

)」 etc.

<第 2回 >

0 12名 (66。 7%)の 学 生 が 「大 変持 てた」「か な り持 て た」 と答 えた。「ふ つ う」は 5名

(27。 8%)で あった。

「今 までずっと静岡に住んできて、駿府城を見ていたが、石垣の積み方が違った り、刻印が あるとい うことを初 めて知 り、面白かった。韓国の話 も、初修外国語で韓国語をとっていたの で、興味深かつたです」「自分が歴史 に興味があるので、やっていてわ くわ くした。 もう 1つ の授業は、参加型で受けていて楽 しかっだ し、周 りの受講者 さん ともだいぶ うち とけるように なった」「 2つ の講義は、先生の進め方にも違いがあるが、ワークは楽 しかつた」 ё tc.

<第 3回 >

・  6名 (30。 0%)の 学 生 が 「大 変 持 て た」「か な り持 て た」 と答 えた。「ふ つ う」は 13名

(65。 0%)で あった。

「サ ッカーが大好 きなので」「宇宙の ことについて詳 しく勉強 したことがなかった し、サ ッ カーが好 きなので」「私は以前か ら宇宙について興味があったので とても勉強にな りました」

F今

回は宇宙 とい う実体 として見 ることができない未知なる世界 とサ ッカーについて とて も楽 しく講義を受けた。」

etc.

Q3「 あなたか ら見て、知的障害のある人達 は 2つ の講義を聞いて、全体 としては、興味や 関心が持てた と思いますか」

(「

大変持てた」「かな り持てた」「ふつ う」「あまり持てなかった」

「ほとんど持てなかった」の 5段 階評定。他 に 「何 とも言えない」 もあ り。評定をした理由を 自由記述 )(表 2)

表 2 Q3「 あなたか ら見て、知的障害のある人達は 2つ の講義を聞いて、全体 としては、

興味や関心が持てた と思いますか」

第 1回

第 2回

5

大    変 持 て た

1名

(5。

3%) 1名

(5。

6%) 0名

(0.0%)

4

か な り 持 て た

12名 (63.2%)

7名

(38。 9%) 8名

(40.0%)

1

ほ と ん ど 持てなかった

0

(0。

0%) 0

(0.0%)

0

(0。

0%)

0

何 と も 言 え な い

3名

(15。 8%) 2名 (H.1%)

1名 (5.0%)

3        2

ふ つ う   あ ま り 持てなかった 3名     0

(15.8%)  (0。 0%) 8名     0

(44。 4%)  (0。 0%) 7名     4名

(35。 0%)  (20。 0%) 第 3回

<第 1回 >

0 13名 (68.5%)の 学 生が 「大 変持 て た」「か な り持 てた」 と答 えた。「ふ つ う」は 3名

(15。 8%)で あった。

「全体的に反応が良 く

(挙

手や発言、拍手な ど

)、

積極的だったか ら」「シャボン玉では興味

(8)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

を示 さず、眠そうな感 じだった人が、絵の話では一生懸命聞いている姿 もあった。それぞれ自 分の興味あることに積極的であったか ら」「自分の 1日 をプリン トに書いてイタ リア人の生活

と比べ るという活動では色々 と考えた りして楽 しそうに見えたJ etc.

<第 2回 >

・  8名 (44.4%)の 学 生が 「大 変 持 て た」「か な り持 て た」 と答 えた。「ふ つ う」は 8名 (44.4%)で あった。

「講師の先生の質問に積極的に挙手 した り、反応が とて も良かつたか ら」「興味を持つた人 と 持っていない人の差は激 しい と思った。 自分の知識 と合わせて考 えている人 もいて、そうい う 人は興味を持 つていそうだ と思った」「私の隣に座 っていた方は、講師の先生の話をじっ くり と聞き真剣にメモを取つていました。そして、聞き取れなかった ことを私に質問 して、それが 分か ると満足 している様子で した」

etc.

<第 3回 >

・  8名 (40。 0%)の 学 生が 「大 変 持 て た」「か な り持 て た」 と答 えた。「ふ つ う」は 7名 (35.0%)で あつた

.。

「積極的に発言をされていた し、先生の言葉をノー トに書 きとめている方 もいた」「私のペア の人はたぶん知的に結構高い人たちだつたので、難 しい内容の話 も少 しずつ分かつて、た くさ ん発言 していた」「スライ ドや写真 に とて も興味をもっていた。 自分の手元 にまわつて くる資 料 を とてもよ く見ていた」「知的障害者の方、本人が 大変おもしろかつた "と 言つていた し、

喜んでいた。で も、長 くて、疲れて寝ている人 も何人かいた」

etc.

Q4「 あなた は、受講 した人達が知的障害のあ る、な しにかかわ らず、講義中のスモール ワークに全体 としては、一緒 に取 り組めた と思いますか」

(「

大変取 り組めた」「かな り取 り組めた」「ふつ う」「あま り取 り組めなかった」「ほ とん ど取 り組めなかった」の 5段 階 評定。他 に 「何 とも言えない」 もあ り。評定をした理由を自由記述 )(表 3)

<第 1回 >

・ 8名 (42。 1%)の 学生が 「大変取 り組めた」「かな り取 り組めた」 と答えた。「ふつ う」は 6

表 3 Q4「 あなたは、受講 した人達が知的障害のある、な しにかかわ らず、講義中の スモールワークに全体 としては、一緒に取 り組めた と思いますか」

第 1回

第 2回

5

大   

持 て た

2名

(10。 5%) 3名

(16。 7%) 7名

(35。 0%)

4 か な り 持 て た

6名

(31。 6%) 8名

(44.4%)

6名

(30.0%)

1

ほ と ん ど 持てなかった

0

(0.0%)

0

(0。

0%) 0

(0.0%)

0 何 と も 言 え な い

1名

(5。

3%) 3名

(16.7%)

0

(0.0%)

3         2

ふ つ う あ ま り 持てなかった 6名     4名

(31。 6%)  (21.1%)

4名     0

(22.2%)  (0。 0%) 4名     3名

(20。 0%)  (15。 0%)

第 3回

(9)

名 (31。

6%)、

「あまり取 り組めなかった」が 4名 (21.1%)い た。

「始めは緊張 してなかなか自分の意見をいって くれなかったけれ ど、私か ら周 りの人にだん だん話 してい くうちに、 どん どん意見 を言つて くれ るようにな りました」「積極的な人は積極 的に自分の意見を言つた りしていたが、やは り静かな人 もいた。ワークの時間をもう少 しとれ た ら、 また違ったか もしれないな と感 じたか ら」「どうして も、やは リー線 をひいて しまうよ うな所があった」「問題 その ものを理解 してなかったみたいだ し、なかなか うま くコミュニ ケーシ ョンを とれなかった」

etc.・

<第 2回 >

・ H名 (61。 1%)の 学生が 「大変取 り組めた」「かな り取 り組めた」 と答えた。「ふつ う」は 4

(22.2%)、

「あまり取 り組めなかった」 と「ほとんど取 り組めなかった」はなかった。

「はじめに自己紹介 したことで、周囲の人 と仲良 くなれた。そのため、ヮークの時も周 りと 相談 しあいなが ら楽 しく考えてい くことがで きたため」「周 りの受講者の方々が積極的に話 し かけて くれたか ら。 また、 自分たちも話 し合いに参加で きたか ら」「一緒に課題 に対 し意見を 言い合い、結論 を出せたか ら」「話 しかけて くれ ることも多 くあって嬉 しかった。わか らない

ところも、ちゃん とわか らない といって くれたので、サポー トできたように思 う」

etc.

<第 3回 >

013名 (65.0%)の 学生が 「大変取 り組めた」「かな り取 り組めた」 と答えた。「ふつ う」は 4 名 (20。 0%)、 「あ ま り取 り組 め な か っ た」 と「ほ とん ど取 り組 め なか った」は 3名

(15。 0%)で あった。

「手を動か して作業することでお互いに会話 もできるので とても楽 しくできた」「分か らない ことを一緒 にやった り、やつてあげた りできた。会話をけっこう交わすことができた」「でき ない ときは僕がやってあげて、できる所 は一緒 にや ることがで きた」「今回は 作 る "と い う スモールワークがあ り、 あ―で もない、 こ―で もない " どうだ ?"と か活発 に取 り組めた。

国名 に して も、国を知 ることも できない " わか らない "と いいなが らも聞いた りして、最 後 まで取 り組 もうとしていた」

etc.

Q5「 あなたは、受講 していた知的障害のある人 に、 どんな場面で、 どんな援助や配慮 を し ましたか。援助 を した人 はできるだけ具体的に書いて ください。特 になかった人 は 「な し」 と書いて ください」

(自

由記述 )

講義中の援助場面、援助内容や方法、援助をした際に配慮 したことに言及 した回答について、

3回 分 を以下に集めた

(数

値 は延べ人数

)。

・ 50名 、ほ とん どの学生が毎回、何 らかの具体的な援助をしている。「なし」は 7名 であった。

中には、援助をした というよりも、いっしょに課題 に取 り組んだ という受けとめをしている 様子が うかがえる感想 もある。        

「字の書 き方を教えた」「プリン トを見てわか りに くそうにしていたので説明 した」「シャボ

ン玉を前でや りたい と言つたので、手を挙げて前に出るように促 しました。すごく楽 しそうに

やつていました。良かったです」「援助 はしなかった。一緒 に取 り組んだだけ」「主 にワーク

シー トや一緒に考 える時間に一緒に考えていった。講義中は私に質問 してきたことのみ答えた

(10)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條 由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・ 大畑智里

が他 に特 にしなかった」

etce

・ 援助の場面は、スモールワークの時 (29名

)、

講義終了後のアンケー ト記入時

(13名)、

講師 の話を聞いている時 (6名 )の 順で多い。

「ワークシー トを記入する際に、文字がわか らないらしかったので、私のワークシー トを見 せてあげた。漢字は無理 と言われたので、ひらがなで書 き添 えました」「今、何 をすべ きかを グループワークの時に説明 した」「駿府公園で行 つたことがある所 に丸をつける作業では、つ けることにためらっていたようなので、○○は行 った ことがあ りましたか ?と 聞 き、あるよう なら丸をつけるよう促 した。 また韓国の話の時、お金の計算の ところがわか りに くかったよう でカンで答 えた !と 言 つていたので、順序 をたてて説明 した ら、あ あ〜 と理解 して くれた」

「受講中、話を理解 しているか気を くばつた」

etc.

・ 援助の内容や方法は、 <教 える

(ア

ドバイスす る )>(13名

)、

<一 緒 に作業 をす る

(補

助 をす る、手伝 う )>(8名

)、

<促 す >(8名

)、

<説 明す る >(7名

)、

<問 い掛 ける >

(5名

)、

<ヒ ン トを出す >(3名

)、

<質 問に答える >(2名

)、

<手 本 を見せ る >(1名

)、

<講 師の話についての理解の程度 を聞 く

(探

る )>(1名

)、

<講 師への質問に付 き添 う >

(1名 )で ある。

<教 える

(ア

ドノヽ イスする )>

「今、 どの資料を説明 して くれているかを教えた」「アンケー トの書 き方が分か らなかったよ うなので、アンケー トの質問をゆっ くりと読み、『すごく面 白かつたな らココに丸をつけてね』

と言 うと納得 した感 じで丸をつけていました」「漢字が よ く分かっていなかったので、大 き く 漢字 を書 き示 してあげた」「分か らなそうに している人には助言を した」

etc.

く―緒に作業をする

(補

助をする、手伝 う )>

「スモールワークの時にやることがわか らない と言ったので、一緒に切った りはつた りした。

最後の感想の記入の時 もわか らない と言つたのでひ とつひ とつ読んで答えて もらった」「作業 の ところで、はさみで紙 を切 ることを私がや りました」「主 にワークシー トや一緒に考 える時 間に一緒 にやれた」

etc.

く促す >

「シャボン玉を前でや りたい と言つたので、手を挙げて前に出るように促 しました。すご く 楽 しそ うにやっていました」「個人的な会話 になつてきたので、タイ ミ ・ングを見はらかつて、

ち ょうど前でシャボン玉の見所だった こともあ り、 見て見て "と 、前 を見て講義 を楽 しんで もらお うと、言つてみました」

etc.

く説明する >

「アンケー トの質問の意味が分か らなかったようなので、簡単な言葉で説明 しました」「アン ケー トの書 き方がわか らなかつたようだつたので、順序をおってちょっとした説明を加 えなが ら一緒 にやってみた」「韓国の話の時、お金の計算の ところがわか りに くかった ようでカンで 答 えた !と 言 つていたので、順序 をたてて説明 した ら、ああ〜 と理解 して くれた」「今、何 を すべ きかをグルー プワー クの時 に説 明 した」「ウオ ンの計算、図を書 いて分 りやす くした」

etc.

く問 い掛 ける >

「自分 の生 活 時 間 を記入 して い なか った人 が いた ので、  1つ ず つ 考 えて い け る よ うに『 出勤

は何 時で す か ?』 な ど と聞 い て み た」「軽 度 の方 だ っ た の で 、援 助 は しな か った が 、先 生 の話

(11)

に対 して、 どうい う事かな ?と 話 しかけて コミュニケーシ ョンをはかった」「駿府公園で行つ た ことがある所 に丸をつける作業では、つけることにためらっていたようなので、○○は行っ た ことがあ りましか ?と 聞 き、あるようなら丸をつけるよう促 した」「地図で ブラジルはど

こかな ?"  と問いかけた」

etc.

くヒン トを出す >

「なかなか問題の答えが分か らないようだったので、 ヒン トを出 した りした」「地図に書き込 む国をヒン トを出 しなが らやった」「地図に国名 を記入す る時に、簡単そうな所 (ロ シア、ア メ リカ、ブラジルなど )を 聞いてみた り、 ヒン トを出 した りした」

く質問に答える >

「アンケー トを書 く時に 3つ め、 4つ めの質問は書 くの ?と 聞かれた時」「講義中は私に質問 してきたことのみ答えたが他 に特 にしなかった」

<手 本を見せる >

「グループワークの時に、 ここはこうだよ "と 手本 を見せた」

<講 師の話についての理解の程度を聞 く

(探

る )>

「お金や距離を考えるところで、計算の しかたをア ドバイス した。受講中、話を理解 してい るか気を くばった」

く講師への質問に付き添 う >

「講義のはじまる前に、話をした。先生に質問があるといわれ一緒に聞きに行つた」

・援助 をす る際 には <ゆ っ くりと読む、説明す る >(2名

)、

<順 序 をお って説明をす る >

(2名

)、

<ひ とつひ とつ読む、  1つ ずつ示す >(2名

)、

<ヒ ン トを出 しなが ら、答えを待 つ

>、

<簡 単そうなことか ら聞いた >、 <簡 単な言葉で説明する >、 <理 解 しているか気を 配 る >t<図 を書いて説明する

>、

<共 同 して行 う、楽 しんで行 うように心掛 ける

>、

<で

きるだけ本人ができるようにした

>、

<講 義中、関係がない話にあいづちをした りして、か わす >と いった配慮や具体的な援助の方法を取っていた。

「す く゛に行動にうつすことができないようなので、ゆっ くりと説明 した」「アンケー トの書 き 方がわか らなかったようだったので、順序をおってちょっ とした説明を加 えなが ら一緒にやっ てみた」「韓国の話の時、お金の計算 の ところがわか りに くかった ようでカンで答 えた !と 言っていたので、順序 をたてて説明 した ら、ああ〜 と理解 して くれた」「最後の感想の記入の 時 もわか らない と言つたのでひ とつひ とつ読んで答 えて もらった」「なかなか問題の答えが分 か らないようだったので、 ヒン トを出 した りした」「地図に国名 を記入する時に、簡単そうな 所 (ロ シア、アメ リカ、 ブラジルな ど )を 聞いてみた り、 ヒン トを出 した りした」「アンケー トの質問の意味が分か らなかった ようなので、簡単な言葉で説明 しました」「受講中、話を理 解 しているか気 を くばった」「ウォンの計算、図を書いて分か りやす くした」「スモールワーク の時に、共同 して行 う、楽 しんで行 うように心掛 けました」「スモールワークの作業活動はで きるだけ本人がで きるように した」「講義中、話題 とはあま り関係のないその人の体験談や思 いつ くことにあいづちをした り、私自身の感想を言つた りした」

etc.

Q6「 あなたは、受講 していた知的障害のある人 に、 どんな援助や配慮な どが必要だった と

思いましたか

(今

回、それをあなたが した、 しないにかかわ らず

)。

できるだけ具体的に

書いて ください」

(自

由記述 )   :

(12)

渡辺明広・徳増五郎・五條 由美子・柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

講義の内容や進め方、ワーク課題の示 し方、学びの環境設定、対人援助の在 り方に関連 した 回答 について、 3回 分を以下 に集めた。

(数

値 は延べ人数 )

・講義の内容や進め方、視聴覚機器による提示、スモールワークの課題、ワークシー トについ ての意見等が 17名 か らあった。

「分か りやすい資料か、パーワーポイン トが必要である」「課題やワークシー トの内容をもう 少 しわか りやす く説明すること」「字が大 きめのプリン ト。

(障

害の程度によるが )ク イズな ど で一緒に意見を出 して考える。休憩を入れる」「もっ とゆっ くり説明 してはしい」「全体の流れ が分か る大 きなスケジュール」「講義 よりも一緒 に作つた り、遊んだ りする」「グループ内容で、

どんなことをや るのか、分か りやす くレジュメにしてお く。学びのパー トナーはこれを事前に 見 る」「障害のある人 とない人がグループワークをしなが ら、その話題 について じっ くり話 し 合 うような時間的ゆ とりがあるといい と思 う」「最後のアンケー トで感想を自由に書 く場所が

あるけど、 自由に、 とあっても少 し抽象的すぎて分か りに くい気がする」

etc.

・座席の配置、学びのパー トナーの増員な ど、環境設定についての意見が 6名 か らあった。

「周囲の人の話に気が散つて、先生の話があまり聞けていなかった人 もいたので集中できる ような配慮が必要だ と思った」「席が 3人 掛 けのイスで、私が一番左端であつたので、一番右 側の受講者 の方になかなか話 しかけることができず、結果、なかなか打ち とけることができず、

後悔することが多かつた」「学びのパー トナーの人数 を増やす こと」

etc.

・ スモールワークの等の援助の在 り方にいての意見が 22名 か らあった。社会人の姿勢を尊重 し、

自立のための配慮を述べた ものが多かった。

「作業ができない時の声かけ J「 今回来 られた受講生はいろんな ことができる方が多かつたよ うに思 うので、受講生の方をよ く見て、困つているか どうかを注意深 く配慮 していれば、それ で良かつた と思 う」「たいていの受講者の人はワークの とき積極的に参加 していましたが、手 の動いていない人 もいて、そうい う人にどういう声かけをすればいいのかわか りませんで した。

無理 に書かせてはその人のためにな らないな と思い悩みました」「で きるだけ自分でで きるよ うにす る。助 けは最小 に」「その人 によりだいぶ援助の違いがあると思 った。何 も知 らない人 を援助す るというのは、難 しいことだ と思 う。その状況 により考 えていかなければならないも のだ と思 う」「学びのパー トナーである私達が、 まずはしつか り話を聞 き、理解することも重 要だ と思いました」「私の印象では、何か援助 しな くちや・・・何か してあげなきゃ・・・ と 思って受講者 と関わるよりも、 一緒 に楽 しく学びましょう !"と い う気持ちで関わる方が深 いふれ合いができることを感 じました。 しか し、常に配慮の気持ちは忘れず、受講者が困つて いる様子であればす く ゛

に手助 けをしたい と思います」「講義中はあま り声を出さないようにし ていたけれ ど、難 しい内容などはできるだけ解説 しても良かつたかな、 と思いました」

etc.

4  考察

<学 びの機会を心待ちにして、共に学ぶ ことを楽 しむ >

この公開講座で、毎回、大半の学生たちが一番印象に残った こと (Ql)と して挙 げている

ことは、社会人の前向きで、積極的な受講の態度や学びの機会 を楽 しみにする様子である。学

生たちは見習 うべ きだ という印象を強 く与えられた。一方、社会人にとっては、講座 に参加す

る期待は学びの内容のみならず、学びのパー トナーの学生 と学ぶ機会が楽 しみになっているこ

とである。学習する権利の保障は、共生社会への参加 を実現 された と言えよう。

(13)

また、誰 もが時 と場 と活動を共有 し合 うには、 まず、パー トナーの良い ところに気づ き、お 互いを認め合 うことが必要であるが、 この講座がそうしたことを可能にしていることもうかが える。

<講 義についての興味や関心一共学の実現に向けて >

「 2つ の講義 を聞いて、全体 として は、興味や関心が持て ま したか」の問いに、 .学 生 自身

(Q2)に ついては、「大変持てた」「かな り持てた」が第 1回 は

84.2%、

第 2回

66.7%、

第 3 回 30.0%で あって、その差 は大 きかった。ただ し、「ふつ う」を加 えると、第 2回 は 94。 5%が

「ふつ う」以上であ り、第 3回 も 95.0%で あって、学生の講義に対する、興味や関心は全体的 には持てていた と言えよう。毎回の 2つ の講義は、生活に身近な科学の話題、地理、歴史、ス ポーツ、隣国への旅行 といった内容 について知的障害のある人たちのために企画 されたもので あるが、障害のある、な しに関わ らず、学びの内容を共有 し、知的好奇心を満足 させ ることは 可能であることが示唆された。

一方、学生か ら見て、社会人 についての興味や関心 (Q3)は 「大変持てた」「かな り持て た」が第 1回 68.5%で 、第 2回

44.5%、

第 3回 40。 0%で あった。 これ も 「ふつ う」を加 えると、

第 1回

84.3%、

第 2回 は 88。 9%、 第 3回 75。 0%で ある。学びのパー トナーか ら見て、 こち らも 全体的には興味や関心を持てた と言えようが、興味や関心が持てた人か ら、持てなかった人 ま で広範囲に及んでいることにも注 目しなければならない。

興味や関心の対象 と程度は、 これまでの経験や体験が関連 し、講義の内容の理解 にあたって は、知的障害の程度 も関係する。本講座 は受講生が受講 したい科目を選択 しているのではない ので、内容について興味や関心が持てなかった り、理解が難 しかった人が多かった という結果 が生 じた。今後の講座の開催 にあたっては、受講生が受講 したい科目を選択する方法の検討が 必要であ り、知的障害のある、な しに関わ らず、学びの内容 を共有 し、知的好奇心を満足 させ

るためには、さらに講義の内容や進め方についての吟味が必要である。

<学 びのパー トナー としての関わ りの深 まり >

「知的障害のある、なしにかかわ らず、講義中のスモールワークに一緒に取 り組めた と思い ますか」 (Q4)の 問いに、「大変取 り組めた」「かな り取 り組 めた」の割合 は、回 ごとに上昇 してい る (1回 目

42.1%、

2回

61.1%、

3回 目 65.0%)。 「あまり取 り組めなかった」 と「ほ とん ど取 り組 めなか った」は少 ない (1回 目

21.1%、

2回 目

0.0%、

3回 目 15。 0%)。 学 びの パー トナーの社会人 と学生達は毎回、あるいは前回に続き、参加 している者 も多かった。互い に顔見知 りになって、パー トナー として双方向のかかわ りが深 まっていると言えよう。また、

第 3回 の講義の中で、はさみや ノリを使って早見天体盤を作 る活動、自地図の上に国を探 し、

国名を記述するといった探索的な作業活動があつたが、その作業は多少難 しい課題であった こ とも、かかわ りを深め、協働の活動を進めた。 また、 Q4の 自由記述の回答か らは、先回 りし た援助ではな く、相手の様子を見なが ら、必要な援助をしようとする姿勢や、相手の理解の程 度を推 し測 るといった、気配 りもうかがえた。

<知 的な学びを支援する、必要な配慮 と具体的な援助 >

「受講 していた知的障害のある人に、 どんな場面で、 どんな援助や配慮をしましたか」 (Q

5)の 問いに、社会人の自発的な自己表現や主体的な判断を尊重することを前提 に、講義の進

捗箇所 を指摘すること、スモールワークの場面や文字を書 く際の援助、アンケー トの質問の意

味を教 えることな どで、技能的にできない部分の補助や、思考が不十分なことに対 しての説明

(14)

渡辺明広・徳増五郎・五條 由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

な ど、学びのパー トナニ として、必要な配慮 と具体的な援助 はきわめて多岐にわたることが 判つた。 これ らは、知的障害のある人の知的な学びの支援のために必要な配慮 と具体的な援助 の内容 として示唆 された。

今回、学びのパー トナーの試みた必要な配慮 と具体的な援助は、今後、社会人の学習の成果 と関連 し、その必要性が検証 され、 さらに援助の在 り方が深められな くてはな らない。 このプ ロセスがあって、支援の専門性 を高めることにうながると考える。

<一 緒に学ぶために一講義の内容や進め方、 対人援助のあり方、 学習環境の設定・整備について >

「知的障害のある人に、 どんな援助や配慮などが必要だった と思いましたか」 (Q6)の 問い に、多 くの意見や提案が寄せ られた。それ らは、対人援助のあ り方、講義の内容や進め方、学 習環境の設定・整備 の 3つ の面か らの指摘である。対人援助のあ り方 については、 一緒 に学 ぶ "こ とを基本姿勢 として、最小限の援助を行 うこと、相手の様子を見守 ることと必要な援助 を即座にすること等が指摘 された。講義の内容や進め方に関連 しては、講師の課題の示 し方、

講義内容の見通 しを持たせ る工夫、説明の仕方、視聴覚機器による提示等について具体的な意 見があつた。学習環境の設定・整備の面 については、学びのパー トナーの人数、座席の配置や グループの編成等についてである。いずれ も、学びの成立条件、前提 となるものであつて、講 座 の主催者 と講師の事前の準備や打合わせが欠かせない。学びの充実のために講師、社会人

(本

)、

学習支援者

(学

びのパー トナー )の 三者の協働 を深めてい く必要があ り、講座の主 催者 によるコーデイネーシ ョンが重要 となる。

Ⅳ   今後の課題

知的障害のある人の生涯学習を支える、学習支援者の役割を確認 し、支援の専門性 を高める ことで、障害のある人 もない人 も一緒にできる学びを創出するために、今後の課題 は次の点で ある。

・ 知的障害のある人の講義を聴いた後の学習成果や、学びの内容 と生活 との関係の検証をする ことで、講義内容や講義の方法、さらには学びの支援の在 り方を考 える。

・知的障害のある受講生一人に対 し一人の支援者が付けるように、学習支援者

(学

生 )を 増員 する。 また、学習支援者 は知的障害のある人の学びについての理解 を深めることが求められ る。

・今回明 らかになった、知的な学びを支援するために必要な配慮 と具体的な援助の内容や方法 については、社会人 と学生 とのパー トナー的関係を重視す る視点か ら、 さらに整理 し、吟味 す る。

・講義内容 と講義の方法の改善は、講師、受講生

(社

会人 と学生の、学びのパー トナー

)、

公 開講座の実行委員会

(運

営スタッフ )の 三者

(四

者 )の 協働作業であることを認識 し、 この ための体制づ くりとワーキングを検討す る。

文    献

平井威 大学公 開講座 で学 ぶ知的障害者   東京学芸大学 の試 み   教育 と医学 第 50巻 12号 2002 pp.40‐ 45

平井威、小笠原 まち子、平塚直樹、松矢勝宏   知的障害者の生涯発達 と大学公開講座  1‑東

京学芸大学 「自分を知 り、社会 を学ぶ」 9年 間か ら一」 日本特殊教育学会第 42回 大会発表

(15)

論文集  2004 p.529

平井威   「いっしょに学び、 ともに生 きる」新たな試み   知的障害者の生涯発達 と生涯学習保 障 (自 主 シンポジュウム  23)日 本特殊教育学会第 43回 大会発表論文集  2005 p.132 國本真吾   「知的障害者の生涯発達 と高等教育機関アクセスの保障」 知的障害者の生涯発達 と

高等教育機関アクセスの保障

(自

主 シンポジュウム  5)の 発表資料   日本特殊教育学会第 42回 大会  2004

國本真吾   「特別支援教育時代 における知的障害者の生涯学習一鳥取県における「オープン カ ッレジ」「ふれあい青年講座」」 知的障害者の生涯発達 と生涯学習保障

(自

主シンポジュ ウム  23)の 発表資料   日本特殊教育学会第 43回 大会  2005

「学ぶうて楽 しい !一 大学で学ぼ う一」実行委員会   学ぶって楽 しい !一 大学で学ぼ う一   は ごろも 「夢」講演会 <報 告集 >  静岡県知的障害者就労研究会  2005

「学ぶ って楽 しい !一 大学で学 ぼ う一」実行委員会 学ぶ って楽 しい !一 大学で学ぼ う一 (2006年 度第 1回   通巻第 2号 )静 岡大学公開講座 <報 告集 >  静岡県知的障害者就労研 多 雹

̀や

  2006

「学ぶ って楽 しい !一 大学で学ぼ う一」実行委員会 学ぶって楽 しい !一 大学で学ぼ う一 (2006年 度第 2回   通巻第 3号 )静 岡大学公開講座 <報 告集 >  静岡県知的障害者就労研 多 毬

̀¥  2007

松永公隆   「知的障害者の生涯発達 と生涯学習保障   レジュメ &資 料」 知的障害者の生涯発 達 と生涯学習保障

(自

主シ ンポジュウム  23)の 発表資料   日本特殊教育学会第 43回 大会 2005

松永公隆   「知的障害者の生涯発達 と生涯学習保障 2  純心カレッジ三 ッ山塾の活動報告」 知 的障害者の生涯発達 と生涯学習保障  2(自 主シンポジュウム  8)の 発表資料   日本特殊 教育学会第 44回 大会  2006

大阪府立大学ホームページ  :  ォープンカレッジ〜知的障害のある人の大学〜   オープンカ レッジとは http://― .geocities.co.jp/C011egeLife―

Cafё

/7180/conCeptohtm

建部久美子編著   知的障害者と生涯学習の保障一オープン・カレッジの成立と展開   明石書店

2001 pp.125… 139

徳永豊、小塩允護   我が国にお ける障害 のあ る人 の生涯学習の現状 と課題    平成 13年 度 「生 涯学習施策に関する調査研究」報告書   障害のある人の生涯学習に関する国際的調査研究 障害のある人の生涯学習に関する研究会

(独

立行政法人   国立特殊教育総合研究所内 )

2002年  pp.13‐

14

徳永豊   Ⅳ   まとめ ´

と今後の課題   平成 14年 度 「生涯学習施策に関する調査研究」報告書   障 害のある人の生涯学習に関する調査研究   障害のある人の生涯学習に関する研究会

(独

立行

° 政法人   国立特殊教育総合研究所内 )2003年  pp.85‑89

津田英二   2004年 度知的障害のある成人を対象 とした公開講座   大学で自分の世界 を広 げよ う   〜知的障害 をめ く る社会的課題解決に向けた本人 と大学の知 との協働〜   概要」 知的 障害者の生涯発達 と生涯学習保障 (自 主シンポジュウム  23)の 発表資料   日本特殊教育学 会第 43回  2005

津田英二・木本誠・張明順・小林洋司   知的障害者の親による社会的排除経験の語 りに基づ く

相互教育―神戸大学公開講座の教育的ライフス トリー実践一   日本社会教育学会編   『社会

(16)

渡辺明広・徳増五郎・ 五條由美子・ 柴田美鈴・ 田中宏和・大畑智里

的排除 と社会教育』 東洋館出版社  2006年  pp.200‐ 213

津田英二   「知的障害者の生涯発達 と生涯学習保障  2」 知的障害者の生涯発達 と生涯学習保 障  2(自 主シンポジュウム  8)の 発表資料   日本特殊教育学会第 44回 大会  2006 安原佳子   知的障害のある人のオープン・ カレッジ   知的障害者の生涯発達 と高等教育機関ア

クセスの保障 (自 主シンポジュウム  5)日 本特殊教育学会第 42回 大会発表論文集  2004

p.113 安原佳子   ツ

̀大

オープン・カレッジ受講生の変化 と学習の保障   知的障害者の生涯発達 と生涯 学習保障 (自 主シンポジュウム  23)日 本特殊教育学会第 43回 大会発表論文集 2005 p.132

安 原佳 子   桃 大 オ ー プ ン・ カ レ ッジの実践 にお いて   知 的障害者 の生涯発達 と生涯学 習保 障

2(自 主 シ ンポジ ュウム  8)日 本特殊教育学会第44回 大会発表論文集  2006 p.59

参照

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