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キャンプ経験がサッカージュニアユース選手の自己評価に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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キャンプ経験がサッカージュニアユース選手の自己評価に及ぼす影響

~ふりかえりに着目して~

一本 直樹(生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

指導教員 黒澤 毅

キーワード:自己評価、ふりかえり、サッカー、ジュニアユース選手

1. 序論

近年のサッカー界の急速な発展に伴い、日本サ ッカー協会(JFA)は、次世代を担う選手の育成に 力を入れている。選手の育成には、技術や体力向 上だけでなく、感性・徳性なども重視して、人間 性を調和的、全面的に発達させることを目的とす ることが注目されている。一方、野外教育の中で 行われるキャンプは、普段の生活より人間関係の 技能に関して気づきが多く含まれ、集団の中でい かに生活するかが調和の取れた人間育成において 重要であるとされている。また、学習者の成長を 図る効果的な方法としてふりかえりが取り上げら れ、その重要性も指摘されている

1)

そこで本研究は、キャンプ経験がサッカー選手 の自己評価に及ぼす影響をふりかえりに着目して 明らかにすると共に、サッカーの試合場面の意識 の変化に及ぼす影響を検討することを目的とする。

2.研究方法

【対象】2010 年

8

6

日~9 日のキャンプに参加 したBサッカークラブ所属の中学生36名を対象と し、サッカーの試合場面を想起させる内容を含ん だふりかえりを行なった

22

名を実験群とし、 キャ ンプのふりかえりのみ行なった

14

名を統制群と した。また、キャンプに参加しなかった大阪府

T

G

中学校のサッカー部員、

15

名をキャンプ未経 験群とした。

【調査用紙】

①自己評価に関するアンケート:Rosenberg

2)

が作 成した「自尊感情尺度」を使用した。②サッカー の試合場面の意識のアンケート:徳永・橋本ら

3)

が 作成した「心理的競技能力診断検査」をもとに筆 者が独自に変更を加えたものを使用した。③キャ ンプのふりかえりシート及び④サッカーの試合場 面を想起させるふりかえりシートについては筆者 が独自に作成した。調査時期を表

1

に示した。

表1 調査時期

3.結果と考察

1)自己評価得点は、実験群と統制群において、有

意な差はみられなかった(表

2)。

表2 自己評価得点と標準偏差

(実験群-統制群)

その要因として、日常生活から同じ選手同士で 関わっているため、特別な協力を要することや新 たな自分を発揮する必要性がなかったことが向上 につながらなかったと考えられる。また、ふりか えりを行うための環境が不十分だったと考えられ る。ふりかえり場面では、体験した活動が想起さ れやすい場所で可能な限り実際の活動場所の近く で行うことや、活動に要した時間に合わせて十分 な時間が必要であると考えられる。

2)サッカーの試合場面の意識得点は、実験群と統

制群において、有意な差はみられなかった(表

3)。

表3 サッカーの試合場面の意識得点と標準偏差(実験群-統制群)

その要因として、キャンプ経験がまだ一般化さ れていないことが考えられる。キャンプ中にサッ カーの試合場面を想起させてもキャンプとかけは なれているため向上しなかったと考える。体験し たことを体験後に自らの中で考え、一般化してい くことがサッカーの試合場面の意識に影響するの ではないかと考える。

4.まとめ

本研究では以下のことが明らかとなった。

1)キャンプを経験した選手の自己評価は向上しな

かった。その要因として、選手同士の関係や指導 者の関わり方が考えられる。

2)キャンプ中にサッカーの試合場面を想起させる

ふえかりを行ってもサッカーの試合場面の意識は 向上しなかった。その要因として、キャンプ中の 想起はキャンプとかけはなれてしまい、一般化さ れないことが考えられる。

本研究では、ふりかえりに焦点を当ててキャン プを行ったが、自己評価、サッカーの試合場面の 意識は向上しなかった。しかし、個人別において 向上した者としなかった者に分かれた。キャンプ では、キャンプで体験したことをふりかえり、そ れを自己の中で考え、日常生活に戻ったときにキ ャンプで得たことを一般化することで、サッカー の試合場面の意識の向上につながると考える。今 後、チーム結成時などチーム状況を把握した上で キャンプを行う必要がある。

5.参考文献

1)荒木恵理(2007):冒険キャンプにおけるふりかえり活動が参加者の学習効果に及ぼす影響、野外教 育研究 11巻11号

2)Rosenberg(1965):自尊感情尺度、山本・松井・山城訳、心理測定尺度集Ⅰ 人間の内面を探る<自 己・個人内過程>29-31 サイエンス社

3)徳永幹雄・橋本公雄(1988):心理的競技能力診断検査、体育・スポーツの心理尺度132-135 不昧堂

N M SD M SD

実験群 17 31.41 5.95 31.29 5.48 統制群 11 30.18 7.15 30.00 6.48

pre post

pre camp1 camp2 camp3 camp4 post 実験群 ①② ③④ ③④ ③④ ③④ ①②

統制群 ①② ①②

①② × × × × ①②

キャンプ 経験群 キャンプ未経験群

N M SD M SD

実験群 14 118.86 12.34 115.64 15.77 統制群 8 119.00 13.70 115.88 12.15

pre post

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