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栄養管理実施加算導入後の入院患者の栄養管理について

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Academic year: 2021

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栄養管理実施加算導入後の入院患者の栄養管理について

得能 理絵1),越後 弘子1),山田 朋枝1)

小笠原英紀2),古家  乾3),相馬 愛子4)

北海道社会保険病院 栄養管理室1)栄養部長2)NST委員長3)

北海道社会保険介護老人保健施設 サンビュー中の島4)

Key Words:

栄養管理実施加算、栄養指導件数、NST、スクリーニング       要  旨

 2006年4月から栄養i管理実施加算が導入され、当院ではこれに伴い全科型でNSTが稼動となった。NST によるスクリーニングを有効活用して病棟ラウンドを行うことで、栄養指導件数が増加し、早期からの細 やかな栄養管理につなげることができたと考える。

         はじめに

 栄養管理実施加算の目的は、個々の患者の栄養状 態を評価・判定し、課題を明らかにして栄養計画を 作成後、一人ひとりの栄養状態や摂食・嚥下機能に 応じた食事・栄養補給や栄養指導により、適切な栄 養管理を行うことである。当院では小学校就学前を 除いた全入院患者を対象に実施となり、またこれに 伴い全科型でNSTも稼動し、全入院患者にスクリー ニングが行われるようになった。実施加算導入後は、

スクリーニングからの患者の情報をふまえて病棟ラ ウンドを行うことで、より個別に適応した栄養管理 ができる環境が生まれた。今回、その栄養管理実施 前後における栄養指導件数の増加と、病棟ラウンド 時の栄養管理内容の変化について検討したので報告

する。

         調査方法 1.栄養指導件数

  当院では2003年8月より、食事への理解を得る  ことと要望に沿った食事の提供を目的に入院時の 病棟ラウンドを開始し、栄養指導へと展開してい

る。このラウンド時栄養指導件数を、実施加算導 入前の2005年7月〜2006年3月と、実施加算導入 後の2006年7月〜2007年3月の各々9ヶ月間で比

較・検討した。

2.病棟ラウンド時の栄養管理状況

  実施加算導入後はスクリーニングにより患者の 栄養状態を評価・判定した上で病棟ラウンドを行  うことで、一人ひとりの栄養状態や摂食・嚥下機

能に応じた食事の提供に努めている。その、病棟  における栄養管理の内容について、2007年4月目  9月までの6ヶ月間の状況を調べた。

         結  果

1−1.病棟ラウンド時栄養指導件数

 2005年7月〜2006年3月と、2006年7.月〜2007年 3月の病棟ラウンド時栄養指導件数を比較した。病 棟ラウンド件数は、3,840件から3,155件へと、入院患

(件)

4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500

 0

     2005年度     2006年度     図1 病棟ラウンド時栄養指導件数

■ラウンド件数

鴻宴Eンド時栄養

w導件数 3155 3840

婆募賠」 辱塵

879

452

一21一

(2)

北海道社会保険病院

第7巻 2008

者の減少を反映してやや減少しているが、逆にラウ ンドと同時に行う栄養指導の件数は、452件から879 件へと約2倍に増加した(図1)。また、病棟ラウン

ド時栄養指導の内訳(2006年4,月〜2007年3月)は、

全体のうち、心臓病が59%、糖尿病が20%、腎臓病 が12%であり、心臓病、糖尿病などの生活習慣病疾 患が全体の約8割を占めていた。(図2)

腎臓病

 12%

糖尿病

 20%

Ol

心臓病

 59%

(人)

200

150 100 50

0

147

177

50 23

 食事の工夫    カロリー滅    カロリー増   一般食から

       治療食へ 図4 食事変更内容の内訳(2007年4月〜9月)

設定カロリーを下げ、食事の量を減らした患者が177 人と一番多く、設定カロリーを上げて食事の量を増 やした患者は23人だった。また、147人に対して食事 の工夫を行い、糖尿病や心臓病など、基礎疾患はあ るが一般食が提供されていた患者50人には、医師に 確認後信面食への変更を行った。

図2 栄養指導の内訳(2006年4月〜2007年3月)

2−1.病棟ラウンド件数と栄養支援の割合  図3に2007年4月〜9月の病棟ラウンド件数と栄 養管理の割合を示した。ラウンドした合計1,537件の

うち、一般食1,067人に対して個別検討を行い、397 人に栄養管理の変更として、食事内容の変更を加え た。変更の内容としては、噛み合せや嚥下の状態に 対応した固さ、大きさなど食事形態の変更や、食欲 がない方には味付けや量に考慮した食事への変更、

嗜好に沿う食品の付加や栄養補助食品の使用など、

喫食を高めるための様々な工夫をしている。また、

食事摂取できている方においても、それぞれに合っ た栄養士の変更を行った。

治療食

470人 一般食31%

    69%

    1067人

食事変更あり

藁37% 覇397人

図3 病棟ラウンド件数と栄養支援の割合(2007年4月〜9月)

2−2.食事変更内容の内訳

 ラウンド時に食事変更を行った397人の、具体的な 変更内容の内訳を図4に示す。食事変更の中では、

         考  察

 実施加算導入後はスクリーニングから患者の病状 や既往歴を事前に踏まえて病棟ラウンドを行うこと

により、入院時の速やかな栄養指導の実施が可能と なり、これが栄養指導件数の増加につながった。当 院は急性期病院で、平均在院日数が12日と短い環境 下ではあるが、入院時の速やかなスクリーニングに 応じて多くの患者に栄養指導を行うことができた。

 また、スクリーニングにより個別の栄養状態が把 握でき、病棟ラウンドに生かすことで、今まで以上

に細やかな食事の対応も可能となった。

 栄養管理実施加算は、管理栄養士の専門性を十分 発揮するために与えられた業務としての第一歩であ る。その中において、今まで以上に多くの患者に栄 養指導を実施できたこと、また入院後早期からの細 やかな食事の対応は、NSTの一環として、入院患者 の栄養管理に貢献できたものと考える。

 今後は、より効果的な栄養指導に向けた指導内容 の検討と、栄養計画実施後のモニタリングや評価を 充実させることにより、栄養管理の質の向上に取り 組んでいきたい。

         参考文献

1)岡本康子:聞いておきたい問診事項,臨床栄養   (増刊9),医師薬出版,2006,410−415 2)日本栄養士会:病栄協のしおり:2008,1−2

一22一

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