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植物の確率論的なふるまいに基づいた戦略

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Academic year: 2021

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K. Kawade & M. S. Kitazawa-1

植物の確率論的なふるまいに基づいた戦略

オーガナイザー

川出 健介1,2,3

1生命創成探究センター 植物発生生理研究グループ

2基礎生物学研究所 植物発生生理研究室

3総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻

〒444-8787 愛知県岡崎市明大寺町字東山5-1

Kensuke Kawade1,2,3

1Plant Development and Physiology Research Group, Exploratory Research Center on Life and Living Systems (ExCELLS)

2Laboratory of Plant Development and Physiology, National Institute for Basic Biology

3Department of Basic Biology, School of Life Science, Graduate University for Advanced Studies Higashiyama 5-1, Myodaiji, Okazaki, 444-8787 Aichi, Japan

北沢美帆4,5

4大阪大学全学教育推進機構

5大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻

Miho S. Kitazawa4,5

4Center for Education in Liberal Arts and Sciences, Osaka University

5Department of Biological Sciences, Graduate School of Science, Osaka University DOI: 10.24480/bsj-review.10a1.00148

確率論的なふるまいは, 分子, 細胞, 器官, さらには生態系レベルまでの幅広い階層で見られ, 量, 形, 種類など様々なばらつきをうみ出す。近年の実験および理論的な研究から, このばらつ きこそ, 集団の構造を安定化させる要因であることが明らかにされ始めている。私たちは, この 分野の現時点での理解を共有し, 生物が示すばらつきについて定量的に真正面から議論するため, 日本植物学会第82回大会(20189月, 広島)において, シンポジウム「植物の確率論的なふ るまいに基づいた戦略」を企画した。本総説集はその内容を改めてまとめたものである。

生物現象は, 基本的にばらつきを含むものである。これまでの多くの場合, 実験による観測結 果を平均化したものが, 研究対象の代表的な振る舞いとして解釈に用いられてきた。しかし, 次 世代シークエンスやイメージングなどの技術が革新的に向上することで, 迅速かつ高精度に生物 現象を定量できるようになってきた。さらに, 観測結果を統計数理的に解析する研究も相まって 進展したことにより, 平均値のみならず, ばらつきも生物学的・物理学的な意味と紐付けられる ようになってきた。このような背景から, 生物の各階層でみられるばらつきがどのように起こり,

植物科学最前線 10:1 (2019)

BSJ-Review  10:1 (2019)

(2)

K. Kawade & M. S. Kitazawa-2

さらに, そのばらつきを生物がどのように活用しているのか明らかにする重要性は次第に認識さ れ始めている。そこで本総説集では、遺伝子発現レベルでのばらつき(粟津&永野)、細胞レベル でのばらつき(川出、津川)、器官レベルでのばらつき(北沢)、個体から生態レベルでのばらつ き(柿嶋)を取りあげて、その特徴を定量的に記述し、ばらつきが生じる仕組みや生体機能との 関係について考察している。これらが, この新しい研究の潮流を植物科学の立場から大いに盛り 上げる一助になることを期待している。

最後に, 本総説を執筆する機会を下さった日本植物学会・電子出版物編集委員の方々に深く感 謝します。ご期待に応えられる仕上がりになっていることを, 心より願っております。

植物科学最前線 10:2 (2019)

BSJ-Review  10:2 (2019)

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