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天井設置薄型アンテナ 天井設置薄型アンテナ

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Academic year: 2021

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天井設置薄型アンテナ 天井設置薄型アンテナ

日 大 生 産 工 ○ 坂 口 浩 一 日 大 生 産 工 ○ 坂 口 浩 一 1. はじめに

1. はじめに

近年,携帯電話の安定した通信確保のため,

地下街やビル内に発生する通信不感地帯を,壁 や天井等に中継用アンテナを設置することで解 消することが検討されている.このアンテナに は目立たないよう薄型であることが求められて いる.また合わせて安価であることも重要とな っている.著者はこれまでに板金加工のみで製 作可能な UWB アンテナとして立体型のアンテナ

を提案[1][2]してきた.このアンテナは,板金加

工のみで作成できるため安価であり,良好な特 性が得られる小形なアンテナであった.そこで これらのアンテナを基に 800MHz 帯にて動作す る薄型のアンテナを設計したので結果を報告す る.

近年,携帯電話の安定した通信確保のため,

地下街やビル内に発生する通信不感地帯を,壁 や天井等に中継用アンテナを設置することで解 消することが検討されている.このアンテナに は目立たないよう薄型であることが求められて いる.また合わせて安価であることも重要とな っている.著者はこれまでに板金加工のみで製 作可能な UWB アンテナとして立体型のアンテナ

を提案[1][2]してきた.このアンテナは,板金加

工のみで作成できるため安価であり,良好な特 性が得られる小形なアンテナであった.そこで これらのアンテナを基に 800MHz 帯にて動作す る薄型のアンテナを設計したので結果を報告す る.

2. アンテナ構造

本研究で提案するアンテナへの要求条件は,

アンテナ高 12mm 以下,アンテナ素子最大寸法 200mm 程度以下,動作周波数 800MHz 帯である.

提案アンテナの形状を図 1 に示す.本アンテナ のアンテナ高 h は 10mm,アンテナ長 L は 203mm,

動作周波数 867.5MHz となっている.本アンテナ はアンテナ素子となる金属板の幅W5で接地(図 中Aの面下側)し,箱形に直角に幅W4で折り曲 げ,長さ L の天井面を作り,幅W3で接地した面 と対向する面ができるよう折り曲げ,さらにW2

で接地した面に向かうよう素子内面に折り曲 げ,幅W1の辺で給電する構造としている.これ により給電部から接地部までのアンテナ全長を 長くすることができ,また給電部から地板と L2

の長さを設けることで整合を取っている.各部 の寸法等は図中の記号と共に示した.アンテナ は無限地板上に設置したと仮定し,解析はモー メント法を用い行った.

本研究で提案するアンテナへの要求条件は,

アンテナ高 12mm 以下,アンテナ素子最大寸法 200mm 程度以下,動作周波数 800MHz 帯である.

提案アンテナの形状を図 1 に示す.本アンテナ のアンテナ高 h は 10mm,アンテナ長 L は 203mm,

動作周波数 867.5MHz となっている.本アンテナ はアンテナ素子となる金属板の幅W5で接地(図 中Aの面下側)し,箱形に直角に幅W4で折り曲 げ,長さ L の天井面を作り,幅W3で接地した面 と対向する面ができるよう折り曲げ,さらにW2

で接地した面に向かうよう素子内面に折り曲 げ,幅W1の辺で給電する構造としている.これ により給電部から接地部までのアンテナ全長を 長くすることができ,また給電部から地板と L2

の長さを設けることで整合を取っている.各部 の寸法等は図中の記号と共に示した.アンテナ は無限地板上に設置したと仮定し,解析はモー メント法を用い行った.

3. 結果

図2に本アンテナのリターンロス特性を示 図2に本アンテナのリターンロス特性を示

A Design Method of Low Profile Antenna Mounted on the Ceiling A Design Method of Low Profile Antenna Mounted on the Ceiling

Koichi SAKAGUCHI Koichi SAKAGUCHI

h1 h2

h0

h

0.8 0.85 0.9 0.95 1

-15 -10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB] W1= 58

W2= 60 W3= 110 W4= 142 W5= 158

h1= 4 h2= 6 h=h1+h2 基本寸法[mm]

0.8 0.85 0.9 0.95 1

-15 -10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB]

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 導線半径[mm]

z

x y

2 リターンロス特性

2 リターンロス特性

1 アンテナ構造図

1 アンテナ構造図

3 リターンロス特性(導線半径変化)

3 リターンロス特性(導線半径変化)

2. アンテナ構造

3. 結果

h1 h2

h0

h

0.8 0.85 0.9 0.95 1

-15 -10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB] W1= 58

W2= 60 W3= 110 W4= 142 W5= 158

h1= 4 h2= 6 h=h1+h2 基本寸法[mm]

0.8 0.85 0.9 0.95 1

-15 -10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB]

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 導線半径[mm]

z

x y

W4 L

W5

W1

W3

L2 L1

h

W2

A

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 89 ― 2-27

(2)

0.8 0.85 0.9 0.95 1 -15

-10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB]

+ 1 + 2 + 3 + 4 + 5 h, h2 変化[mm]

基本寸法 h = 10 h2= 6 h1= 4 す.867.5MHz で動作していることが分かるが,

帯域が狭い.文献[1]では素子上に進行波状の電 流が流れ広帯域であったことから,今後給電の 仕方等に更なる検討を行う.モーメント法解析 での導線半径の影響を調べた結果が図3であ り,かなり大きな影響が有ることが分かる.こ れは地板との容量性結合が影響しているためと 考えている.図4より,アンテナ高を基本寸法 より高くすることで動作周波数は低域に移動し 帯域も広がることが確認できる.アンテナ上部 幅を基本寸法より広げた場合(図5),基本寸法 での動作周波数とは異なる高次の動作周波数が 現れ,その周波数は幅を広げるに従い低域に移 動することが分かる.基本寸法における放射特 性を図6に示す.アンテナ上 y 軸方向電流によ る放射が主となり+1.5dBi の利得が得られてい る.XY 面では z 軸方向電流による放射が見られ,

無指向性に近い放射となっており,これら結果 より,天井面に設置して利用できることが確認 できた.

4 リターンロス特性(高さ変化)

0.8 0.85 0.9 0.95 1

-15 -10 -5 0

周波数 [MHz]

リターンロス [dB]

+ 2 + 4 + 6 + 8 +10

W3, W4, W5 変化[mm]

基本寸法  W3=110  W4=142  W5=158

4. まとめ

天井面に設置するための薄型アンテナを提案 し,小形でかつ水平面内ほぼ無指向性の放射特 性を持ち,利得+1.5dBi が得られることを示し た.本アンテナは板金加工のみで構成できる安 価なアンテナであり,実用上有用なアンテナと 考える.日頃よりご指導頂きます長谷部望先生,

コメントを戴きました日本電気㈱・倉本晶夫様 に感謝申し上げます.

5 リターンロス特性(幅変化)

90°

270° 10[dBi]

-10 -20 0

φ= 0° 180° -30

Eθ

参考文献

[1] 坂口, 長澤, 長谷部:” UWB用湾曲板状アン テナ”, 2005信学ソ大,B-1-156

[2] 中川,坂口,長谷部:” 湾曲板状アンテナの

形状に関する検討”, 2009信学ソ大,B-1-86 (b) xy

90° -90°

10[dBi]

-10 -20 0 θ= 0°

-30

Eθ

90° 10[dBi]

-10 -20 0 θ= 0°

-90° -30

Eθ

(a) xz(c) yz

図6 放射特性(基本寸法,867.5MHz)

― 90 ―

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