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UWB 用フィン型アンテナの構成に関する検討

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Academic year: 2021

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(1)

1. はじめに

近年、高速・大容量な近距離無線システム を実現できる UWB 技術が注目されている。

UWB で使用するアンテナは携帯機器の外部 に設置されることがあり、フィン型の簡単な 構造をした広帯域な特性を有する小形アンテ ナの研究が進められている

[1][2]

。先に報告した アンテナ

[2]

の特性は接地板上に垂直に放射素 子を構成することで得られ、この小形化を進 めてきた。なお、接地板の大きさは特性に大 きく影響を与えるため、これまで解析には無 限接地板を用いてきた。本稿では放射素子の 形状は一定として、接地板は有限の大きさを 取り、接地板形状を変化させ接地板が特性に 及ぼす影響を、電流分布および放射特性より 検討している。

 

2.アンテナ構成および解析方法

図 1 にアンテナの構成を示す。放射素子は g[mm]のギャップ部で直接給電し、もう一方 の素子端部を接地して、一辺 w の正方形接地 板と垂直になるよう構成している。給電位置 は接地板中央とし、図に示すように座標を定 め、給電位置は原点から右に 6mm の位置で 一定とした。解析にはモーメント法を用いた。

3.結果

  接地板が及ぼす影響を検討するため放射素 子形状は一定とし、接地板の大きさ w および 形状を変化させた。図 2 に接地板寸法を変化

Study on the Conformation of the Fin-Type Antenna for UWB

Hironori MIYAZAKI ,Koichi SAKAGUCHI and Mitsuhito MATSUBARA させたときのリターンロス特性を示す。w が 小さくなるにつれて低域での整合が取れなく なる。これは UWB の帯域では、最低動作周

波数約 3GHz の波長が 100mm であるため、

この大きさを基準とすることになり、接地板

がこの 100mm とそれより大きい 200mm で

は無限接地板の時とほぼ同様な特性が得ら れ、これより小さい 50mm では特性が悪くな っていることが分かる。次に電流分布を調べ た。図 3 に接地板寸法 w を変化させた時、接 地板エッジ部の電流分布に顕著な変化が見ら れた周波数 6GHz の結果を示す。W 変化に対

図 1. アンテナ構成

図 2. リターンロス特性

UWB 用フィン型アンテナの構成に関する検討

日大生産工 (院)  ○宮崎  洋徳

日大生産工        坂口  浩一   日大生産工    松原  三人

h g e

d

a b

j c

i

a=30 b=15 c=5 d=6 e=4 g=0.5 h=15 i=3 j=6 k=5[mm]

k

Y軸 Z軸

X軸

4 6 8 10

-40 -30 -20 -10 0

リターンロス 

R. L . [ d B]

周波数 f [GHz]

w=50mm

w=100mm

w=200mm

無限接地板

(2)

して放射素子上の電流分布には大きな差は無 い。しかし接地板上の電流分布は、w=50mm の場合、接地板エッジ部に大きな電流が流れ ており、これにより放射特性に影響を及ぼす と考えられる。これを検証するため、6GHz における YZ 面内放射特性を図 4 に示す。 Eθ 成分のみ確認された。 w=50mm の場合、接地 板エッジ部の電流による影響と考えられるθ

=150, 210°方向の強い放射が確認された。こ れに対して w=100, 200mm においては、接地 板裏側への放射が認められるが、 w=50mm と 比較して弱いことが分かる。以上より、接地

板寸法を w=100mm より小さくすると放射特

性に影響が出ることが確認できた。

次にアンテナの小形化のため、放射素子と 接地板を含めて一つのアンテナと考え、リタ ー ン ロ ス 特 性 お よ び 放 射 特 性 が 悪 く な る

w=50mm の接地板の形状を変化させ、特性の

変化を調べた。図 5 に接地板を Y 軸に対称に 水平面より角度αで折り曲げた時の構成図を 示す。図 6 にこの時のリターンロス特性を示 す。折り曲げ角α=0°(接地板を曲げていな い状態)に比べ、αを大きくすると低域で整 合が取れるようになるが、帯域全体の整合は 悪くなる。この結果より接地板寸法が小さく てもα=30°付近で整合が取れ、特性改善がは かれると考えられる。比較のため図7に周波 数 3, 6, 9GHz におけるα=30, 60°の電流分 布を示す。放射素子は勿論だが、接地板エッ ジ部にも電流が強く流れていることがわか          

             

      (a)w=50mm   

               

       (b)w=100mm         

               

       (c)w=200mm 

       図 3. 電流分布(6GHz)   

             

 

図 4. 放射特性(YZ 面 6GHz)      図 5. アンテナ構成  90°

-90°

10(dBi)

-10 -20 0 θ = 0 ° 6[GHz]

-30

w= 50mm w=100mm w=200mm

a =30 b =15 c =5 d =6 e =4 g =0.5 h =15 i =3 j =6 k =5 m=25 w=50 [mm]

α

h

g e

d a

b

j

c

k i

w m

α

Z軸

Y軸

X軸

(3)

る。また放射素子上電流分布はαによらず各 周波数でほぼ同様に分布しており、放射特性 に差が出るのは、接地板上エッジ部の電流分 布が異なるためであると考えられ、接地部の 形状が特性に大きな影響を及ぼしていると考 えられる。図 8 にα毎に YZ 面内の周波数

3~11GHz の結果を重ね合わせた放射特性を

示す。結果より Eθ成分のみの放射となり、

αを大きくすることで、θ=120°方向での周 波数依存性がα=0°に比べ弱くなることが分 かる。これはα変化によりアンテナの高さを 含めた形状が変化したためと考えられる。

次に接地板の角度変化を片側のみとした時 について検討した。図9に w=50mm の接地板 を Y 軸に対して片側のみ角度βだけ折り曲げ た時の構成図を示す。図 10 にこの時のリター ンロス特性を示す。接地部のなす角βが大き くなるにつれ最低動作周波数が低域側に移動 し、この時、3〜11GHz の帯域全体で整合が 取れることがわかる。図 11 に最も広帯域で整 合の取れるβ=90°の場合の 3GHz における 電流分布を示す。 YZ 面および XY 面に接地板 エッジ部に電流が強く流れていることがわか る。図 12 にβ=90°の時の YZ 面内放射特性 を示す。周波数 3~11GHz の結果を重ね合わせ て示した。 XY 面上に接地板が半分あるため E φ成分が現れる。Eθ成分においてθ=120°

方向の周波数変化に対する放射への依存性が  

               

図 6. リターンロス特性     

         

(a)α=30°3GHz (d)α=60°3GHz  

     

(b)α=30°6GHz (e)α=60°6GHz   

     

       

 (c)α=30°9GHz (f)α=60°9GHz       図 7. 電流分布

                 

(a)α=0° (b)α=30° (c)α=60°

図 8. 放射特性(YZ 面)

4 6 8 10

-20 -10

α = 0 ° α =30 ° α =60 °

リターンロス 

R. L . [ d B]

周波数 f [GHz]

(4)

図 8(c)に比べ大きい。これは接地板の曲げ方 が放射素子に対し対称となっておらず、 XY 面 の接地板上の電流が影響していると考えられ るが、今後更に検討が必要である。以上の検 討 で は 放 射 素 子 形 状 を 固 定 と し た が 、

w=50mm と小さな接地板でも UWB アンテナ

として動作することが確認できたので、今後、

放射素子の形状を検討することで更に特性の 改善が見込めると考えている。

4.まとめ

接地板がアンテナ特性に及ぼす影響を検討 した。その結果、通常の平面接地板の場合、

最低動作周波数での1波長より一辺長が短い 場合,リターンロス特性、放射特性共に悪く なることを確認した。そこで、接地板を放射 素子を中心に Y 軸に対し折り曲げることで、

特性改善ができることを示し、接地板一辺長

w=50mm でも対称に角度α=30°で曲げると

3~11GHz で整合が取れ、YZ 面放射特性にお

いてθ=120 方向で周波数変化に対する放射 への影響が少ないことを示した。

参考文献

[1]坂口:”フィン型広帯域アンテナ”, 2006

年 電子情

報通信学会通信ソサイエティ大会,B-1-10

[2]

宮崎, 坂口:”有限地板上フィン型広帯域アンテ ナ”,

2007

年  電子情報通信学会通信ソサイエティ大 会, B-1-97

                   

      図 9. アンテナ構成  

               

      図 10. リターンロス特性   

       

        (a)YZ 面        (b)XY 面       図 11. 電流分布(3GHz)  

                 

(a) E θ成分        (b)E φ成分         図 12.放射特性(YZ 面) 

4 6 8 10

-20 -10

β= 0°

β

=30

°

β=60°

β

=90

°

リターンロス 

R. L. [ d B ]

周波数 f [GHz]

90°

270°

180°

outer[dB]=10.0 center[dB]=-30.0 div[dB]=10.0

a =30 b =15 c =5 d =6 e =4 g =0.5 h =15 i =3 j =6 k =5 m=25 w=50 [mm]

h g e

d a

b j c

k i

w

m

m

β

Z軸

Y軸

X軸

90 ° 270 °

180 °

outer[dB]=10.0 center[dB]=-30.0 div[dB]=10.0

0 °

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