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アンテナ金具の製作および探査船へのアンテナ設置 作業

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

アンテナ金具の製作および探査船へのアンテナ設置 作業

油布, 圭

九州大学応用力学研究所

酒見, 亮佑

九州大学応用力学研究所

https://doi.org/10.15017/4482080

出版情報:九州大学応用力学研究所技術室 技術室報告. 3, pp.16-18, 2021-07. 九州大学応用力学研究 所

バージョン:

権利関係:

(2)

技術報告 九州大学応用力学研究所 技術室 技術室報告 Vol. 3, 16-18

- 16 -

アンテナ金具の製作および探査船へのアンテナ設置作業

油布 圭 ・ 酒見 亮佑

要 旨

地球環境力学部門海洋リモートセンシング分野・市川香准教授による研究の一環で、海洋研 究開発機構(JAMSTEC)が所有する地球深部探査船「ちきゅう」にGNSS(Global Navigation

Satellite System, 全球測位衛星システム)アンテナを設置することになった。同船にGNSS

アンテナを設置するのは前年に引き続き二回目であるが、前回からの変更点を考慮して設置 用金具および機器類収納容器を準備し、取り付けたので紹介する。

キーワード

アンテナ設置 金具製作 GNSS 地球深部探査船「ちきゅう」

1. はじめに

地球深部探査船「ちきゅう」(図 1)に初めて GNSS アンテナを設置したのは 2017年 11月で

(図2)、翌年2月にアンテナを撤収した。それか

ら7ヶ月後の2018年9月に再び同船にアンテナ を設置する機会を得たので、前回からの変更点を 踏まえて準備を行った。初回のアンテナ設置に関 する内容およびGNSSを用いた計測に関しては、

参考文献[1-4]を参照されたい。

図1 地球深部探査船「ちきゅう」

2. アンテナ金具の製作

前回は、GNSSアンテナ2基を上向きと横向き に櫓上の手摺へ取付けた(図2)。今回のアンテナ 設置の概略図を図3に示す。

図2 2017年に設置したアンテナおよび金具

図3 アンテナ設置の概略図

GNSSアンテナ

アンテナ設置場所

下向きアンテナ 上向きアンテナ

横向きアンテナ

水平パイプ

鉛直パイプ

機器類収納容器 デベマウント

筋交い

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アンテナ金具の製作および探査船へのアンテナ設置作業

油布 圭 ・ 酒見 亮佑

- 17 - 前回からの変更点は上向き・下向きに各 1 基、

横向きに2基を設置すること、S/N比が高く周囲 の障害物による反射波低減に優れた GNSS アン テナを下向きアンテナとして採用したことであ る。このアンテナは直径約30cmで重量約6kgと 重かったため、上下のアンテナを装着する水平パ

イプ(図4)と鉛直パイプを溶接で一体物にせず、

デベマウントとUボルトで固定するようにした。

甲板から櫓上へ運搬する際、事前にアンテナを金 具に装着してから上に引っ張り上げるため、溶接 してしまうと重量が大きくなり取り回しが悪く なる。そのため、櫓上で組み上げる構造に変更し た。また、前回は一体物にしたことでサイズが大 きくなり、現地への輸送で苦労したため、今回は 現場で組み立てることで輸送面での制約を受け ないようにした。筋交い部分に関しては、アンテ ナが重くなったので、前回よりも大きいものを用 意し U ボルトで水平および鉛直パイプに固定す る構造とした。

設置用の金具はすべて当研究所の工作場で製 作しており、アンテナの反射板のみアルミ板を加 工し、パイプ部分はSUS304を用いた。軽量化の ためにパイプ部分もアルミ製にするか迷ったが、

部分的に溶接したい箇所があったため溶接が容 易なSUSを選択した。

図4 上下アンテナの固定金具(水平パイプ)

3. 機器類収納容器の準備

ロガーやPCなど、アンテナに付随する機器を 収納する容器には、一月以上の雨晒し環境に耐え る必要があるため、前回と同じく IP65 のプラボ ックスを用意した(図5)。前回設置時はプラボッ クス1個であったが、アンテナが増えたことによ り関連機器も増えたため2個に増やした。一つの 大きいプラボックスに全ての機器を入れること

もできたが、設置場所が狭くて設置しづらいこと、

重量を分散させて運搬しやすくしたいことから 2 個に分けた。容器内の機器類の紹介については割 愛する。

今回は設置時期が9月であったため、日射によ る容器内の温度上昇を抑えるために遮光塗料を 容器表面に塗布した。また、緊急時や点検時など、

容器外から電源の ON/OFF 動作を可能とするス イッチの取付希望があったため、防水の電源スイ ッチを取付けた。その際、可能な限り長期間のデ ータを計測できるように、また、万一瞬停などが 発生しても機器の電源がすぐに落ちないように、

容器内へUPSを準備した。

図5 機器類収納容器

4. アンテナおよび機器類収納容器の設置 アンテナの設置場所(図 1)は、船の甲板から さらに5m程上がった櫓の上で、前回設置時と同 じ位置であった。設置に割ける時間は1日(7時 間程)しかなかったため、事前に研究所で設置練 習を行った。その成果もあって、当日は機器類収 納容器の設置を含めて5時間半程で作業を終える ことができた。ただ、既設のレドームアンテナが 前年の設置時よりも大きなものに取り換えられ ていたため、立った状態での作業が難しく少し時 間を要してしまった。アンテナ設置時の様子を図 6に示す。

アンテナ設置後に、図7のように機器類収納容 器を設置して配線接続を行った。船の揺れや風で 動かないように、容器は容器横に取り付けた金具 を手摺にロープで括り付けることで固定した。最 後にケーブルを整理し、動作確認を行って設置作 業を完了した。

1.2 m

落下防止ネット取付穴 アンテナ用ネジ穴 ケーブルコネクタ用穴

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アンテナ金具の製作および探査船へのアンテナ設置作業

油布 圭 ・ 酒見 亮佑

- 18 - 図6 アンテナおよび金具を設置した様子

図7 機器類収納容器を設置した様子

. おわりに

同船での設置作業は二回目であったので、大き な問題もなく作業を終えることができた。同船の ような大型の船で作業をする機会は少ないので、

貴重な経験であった。しかし、設置後しばらくし てから、上下アンテナを装着したパイプが台風の 影響で回転してしまい、現地での修繕対応を余儀 なくされてしまった。前回設置時よりもアンテナ が大きくなって風の影響を受けやすくなったこ と、パイプ同士を溶接ではなくUボルトでの固定 に変更したことが、回転しやすくなった主な要因 ではないかと考える。

設計段階で回転止めの役割を果たす貫通ボル トをパイプに通す予定であったが、期限が迫った 状況で設計修正を繰り返すうちにその項目が途 中で抜け落ちていた。後日、市川准教授にアンテ ナ支線を張ることで対応してもらった(図8)が、

本来は設置前に対応できた上に、設置時に気付け ていれば防げたので、かなり悔やまれた。慌ただ しい中で確認や情報共有が疎かになってしまっ た部分があるので、今後は確認リスト作成や複数 人による確認を徹底し、再発を防ぎたい。

図8 パイプを支線で固定した様子

参考文献

[1] 酒見亮佑:GNSSアンテナ設置用器材の製作

と観測船での設置作業について, 九州大学応 用力学研究所技術職員技術レポート, 19, 16- 21, 2018.

[2] 油布圭:小型ドローンへのGNSS-Rアンテナ

の取り付け, 九州大学応用力学研究所技術職 員技術レポート, 18, 30-33, 2017.

[3] 油布圭:観測塔における計測器の設置作業,

九州大学応用力学研究所技術職員技術レポ ート, 18, 34-37, 2017.

[4] 市川香:21世紀初頭の衛星海面高度計, 海の

研究, 23, 13-27, 2014.

謝辞

製作と作業の機会を与えていただいた海洋リ モートセンシング分野の市川香准教授に深く感 謝いたします。

レドームアンテナ

アンテナ支線

参照

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