西松建設技報 Vol.22 U.D.C. 624.137.7:626.81
確列式原位置土撹拝工法による地下止水壁の施工 その 2
Cons t r uc t i onofSubt e r r a ne a nCuLOf fWa llbySoi lCe me ntMi xi ngMe t hod
‑ Pa r t
.2
‑舞岡 慶一* 田中 壮明*
KeiichiMasuoka TakenoriTanaka 杉村 正 次 ** 西 保 ***
MasatsuguSugimura TamotsuNis九i
要 約
本報 告書 は,VOL.20で紹 介 した 「柱 列式原位 置土按拝工法 に よる地下止水 壁 の施工」 の続編 であ る.前 回は確認工事 と して延長36.0mの工事 であ ったが ,今 回は 「その1工事」 と して ダム 場長1,088mの うち右岸側 約400mの区間で,最大施工深度 も60mを越 える施工 となった.本報告 で は確認工事 か らの変更点 と追加事項 お よび施工実績 について報告す る.
目 次
§ 1.は じめに
§2.工事概 要
§
3.
作業床 ・ガイ ドウォールの改 良§
4.
施工実績(調整杭 と品質)§5.空洞処理工
§
6.
西松式削孔支援 システム§
7.
おわ りに§1.は じめに
本工事 は,沖縄 県県営 か んがい排水事業 カ ンジ ン地区 事業計画 に基づ き,地表湛水型地下 ダム を建設す る工事 である.今 回の施工 は,前 回報告 の確認工事 に引 き続 き
「その1工事」 と して行 われた.その1工事 で は,確認工 事 に比べ施工延長,深度 ともに大幅 に増加 し,それ に伴
串九州 (支) カンジ ン地下 ダム (也)
**技術研 究所 機 竃課
***技 術研 究所 土 木技術 課
い仮設等 の変更や追加 を行 っている. また,地下30mに 空洞が発見 され,その処理 を行 った.
本報告 では前 回報告 内容 か ら変更 ・追加 になった もの と,施工実績 について報告す る.
§ 2.
工事概要工 事 名 :カ ンジ ン地 区地 表 湛水 型 地 下 ダム建 設工 事 (その1)
企 業 先 :沖縄県
工事場所 :沖縄県 島尻郡具志 川村 カンジ ン地区 工 期 :平成8年10月14日‑平成10年7月31日 工事 内容 :止水壁造成(原位置土撹拝工法)
施工延長:391.07m 締切面積:16,882m2
締切高 さ:13.2m〜57.3m平均43.2111 施工本数:413本
柱列式原位置土撹拝工法による地下止永堂の施工 その2
$3.
作業床 ・ガイ ドウォールの改良 3‑ 1 概要当該 地 区 は追加調査等 に よ り,粘土層 (島尻 マ ー ジ) が1m〜5mと厚 い箇所 や,石灰 岩層 には風化 が著 しい箇 所 が見 られ るこ とが判 った.軟弱層が ガイ ドウ ォール下 部 に残 る と孔壁等 の崩壊 が懸念 され るため,軟弱層 の厚
さによ り作業床 とガイ ドウォールの構造 を決定 した.
3‑ 2 作業床 ・ガイ ドウ ォールの構造
ガイ ドウ ォールは,基本的 に
2
次製 品のL
型擁壁 を使 用す る. これは,施工性 の向上 と転用 に よる経済性 を向 上 させ た ものであ る. ただ し,2
次 製 品のL
型擁壁 は, 市販 品はH‑2m程度 で,それ よ り大 き くなる と経 済性 が 低 下 し且 つ重量 増 に よって施 工性 も低 下 す る と判 断 し た.そ こで ,軟 弱層 厚t≦2mの 区 間で はL型擁壁 を使 用 , 軟弱層厚t>2mの区 間で は,セ メ ン ト改 良 を行 うこ とと
した.セ メ ン ト改 良の選定理 由 と しては,施工性 と耐水 性があげ られ る. また,特 に軟弱 な地盤 には,本体機 の 孔壁側 キ ャタピラの下部 に支持杭 を施工 し,本体機 の荷 重 を受 ける構造 とした.図‑ 1にL型擁壁 を使用す る場 令 ,図
‑ 2
にセ メ ン ト改 良 を行 う場合 の各構造 を示 す .①軟弱層が ない場合
直接 現 場打 の ガ イ ドウ ォー ル を施 工 す る.形状 は 図
‑2
と同様.②軟弱層厚[≦2mの区間
L型擁壁 の1mタイプ,1.5mタイプ,2.0mタイプ を 使用 し,軟弱層 を排 除 した上 にガイ ドウ ォール を構 築す る.L型擁壁 はそれぞれ プ レー トによ り連結 し, その下部 にはH型鋼 の架台 を ダム軸 に沿 って配置す る.
③軟弱層厚3.5m>t>2mの区間
セ メ ン トに よ り,軟弱層 を改 良す る.1m毎 の施工 と し,撹拝 はバ ックホーで行 う.ガイ ドウォールは, 放 0.5mとし,現場打 ちで施工す る.
(む軟弱層厚t>3.5mの区間
セ メ ン ト改 良 に加 え て,支 持 杭 (H‑400×400× 13×21)を1.5mピッチで打設す る.
3‑ 3 施工結果
軟弱層が3.5mまでの区間では一部 に孔壁 の肌落 ちが見 られ た程 度 で, ほぼ問題 な く施工 で きたが ,軟 弱層 厚 t>3.5mの区間で,一部 に孔壁 の大 きな崩壊 が見 られた.
崩壊 は まず,改 良部の直下の肌落 ちか ら始 ま り,その後 ,
西松建設技報 VoL22
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図‑ 2 ガ イ ドウ ォー ル ・作 業床構 造 図2
写真‑ 1 ガ イ ドウ ォール崩壊 状 況
改 良部下部 か ら順次天端 まで崩壊 した と考 え られる. ダ ム軸上流側 は天端 まで崩壊 したが,下流側 は支持杭 の効 果で作業床 まで は崩壊せず,重大災害 を防止す る ことが で きた.写真‑ 1に崩壊状況 を示す.
西松建設技朝 VoE.22
3‑4
崩壊の原因 と今後の対策孔壁崩壊 の原 因は,錐の洗浄水や降雨が ガイ ドウォー ル内へ流入す ることによ り孔壁強度が低下 したため と思 われる.崩壊状況は, まず軟弱部が崩壊 した後,その周 辺が崩壊する とい う具合 に連鎖的に進行 している.
対策 として,ケーシング削孔後の先行削孔 までの放置 期間を短 くす る方法 をとった.
通常の施工方法では,ケー シング削孔 (深度20m)を 第1日目に4本施工 した後,第2, 3日日に先行削孔 を 2本づつ施工す る. この手順では,約2日間の放置期 間 が発生す る. これに対 し軟弱 な土質区間では,ケーシン グ削孔後の放置期 間を短縮す るため,ケー シング削孔 の 後 に続 けて先行削孔 を実施す る方法 をとった.
前者 の施工能率 は
4
本/ 3 日
‑1 . 3
本/ 日,後者 は1
日当 り1本の施工能率 とな り,工事の進捗率 は低下す る が この方法で孔壁の崩壊 を減少で きた.今後 ,ケー シ ング削孔 中に崩壊 して しまう場合 には, 安定液 (例 えば,先行削孔の削乳液) を使用 した り,ケ ーシング上部か ら排土す る といった方法 も検討す る必要 がある.
$4.
施工実績(調整杭 と晶質)4‑1
施工区間概要本工事 は施工区間を作業床 の標高 によって
3
つのブロ ックに分割 して施工 した.6BL(標高29.9m)の特徴 は,削孔深度が最大62mと長 くなってい る. また,起点側 の一部 の区間で は,粘土層 が厚 いため,地盤改良 と作業床下部 に支持杭 を施工 して いる.
8BL(標高28.0111)は施工長が最 も短 か くなってい るが, 地質的には一番厳 しい区間である.本来 はグラウ ト区間 であったが,試験 的 に当初設計 か ら設計深度 を深 くした こともあ り,石灰岩層 と基盤層 の中に安 山岩の転石 を含 んでいる.
7BL(標高31.0m)は6BL,8BLの中間的な特徴 を持 ち, 施工 中において も特 に問題 は発生 していない.
4‑2
施工標準注入液配合表 と標準注入量一覧表 を表‑l, 2に,紘 工計画 に定めた標準削孔速度一覧表 を表
‑3
に示す.注入液の配合 と注入量 は工程毎 に定め られている.配合 については確認工事 において配合試験 を実施 し,当該地 区への適応 を確認 している.先行削孔の配合 については, 削孔抵抗 の低減 と孔壁 の安定が主 たる目的のため,若干 の変更が可能である.そ こで,本工事では試験 的に賓配 合の Ⅰ液 を使用 した.
柱列式原位置土接辞工法 によ る地下止水壁 の施工 その2
表‑ 1 注入液配合表
工 程 衣 スラグ プライアツシ‑ベン トナイ ト W/(ド+S) (e) tkー 紘) 鮎) (%) 尭7滴好い 液1 935 i72 55 27 先7滴 好い 液 紀5 1 45 劫
工 程 衣 セメン ト J、トナイ 璃樹 帖 汀 W/(C+ ^)
(磨) 鮎だ) (也) (kd (也) (%)
秦‑ 2 標準注 入量 一覧表
工
種 施工状態 液の種別 注入最(e/a) 先行剃孔 削孔時 Ⅰ液 150引上時 Ⅰ液 30
三軸釧孔 引上時(削子U噂低部 5m) ⅠⅡ液'液 533926
秦‑3 標準削孔速度一覧表
工
種 削孔速度(miTー/m)引上速度(min/m)先行削孔工 ケー シング削孔 4.0 0.25 先行 削孔 GL‑40G L‑40mまでm以深 4.13̲3 0.8
三軸削乳工 GL‑40mま で 2.4 0.5 秦‑4 削孔速度実績
工 程 削孔速度(mirVhi) 6BL 7BL 8BL
先行削才 先行削ケーシング削孔孔 GL一斗qTlまで 33..2732 34..7532 145..5363 GL‑40m以深 5.88 5.88 ‑ 三寧蛸将L工 GL‑JOmまで 4.07 2.71 2.86
秦‑5 注入量 の実績
工 種 種 別 細 目設計との雌6乱 撰7B績/設計L 象8×1BL(刀) (%) (%) (%) 先行肖ー Ⅰ液 法人数 145 146 296
材料盈 119 12 242 三抽斗 Ⅰ'液 注入塾 105 lC6 107
柱列式原位置土挽梓工法による地下止水壁の施工 その2
表‑ 6 施工長別調整杭発生率一覧表
西松建設技報VoE22
施工長 発生 区間数
6 BL
発生率 発生 区間数7 B L
発生率 発生 区間数8 BL
発生率 発生区間数計 発生率 発生/全体 % 発生/全体 % 発生/全体 % 発生/全体 %40 m
未満0 / 0 0. 0 0 /0 0. 0 0 /9 9 0. 0 0 /9 9
0.040 m〜5 0 m 0 / 0 0. 0 7 /58 1 2.1 4 /1 8 2 2. 2 l l /7 6 1 4. 5 50 m〜60 m 3 4 /1 6 3 2 0. 9 7 /52 1 3. 5 0 /0 0. 0 41 /21 5 1 9.1 6 0 m
以上7 /2 3 3 0. 4 0 /0 0
.0 0 /0 0. 0 7 /2 3 30. 4
秦‑7 止水壁の管理基準
標準削孔速度 については確認工事 の実績 と過去の同種 工事 の実績か ら定めた ものである.
4‑3
施工実績削孔速度 と注入量の実績 を表 ‑
4,5
に示す.削孔速 度では,各 ブロックで特徴 的な値 を示 している.6BLで は標準削孔速度 に比べ てケーシング削孔 では速 く,先行 お よび三軸削孔では遅 くなっている.ケー シング削孔が 速 くなった原 因は,地盤が軟弱であったことが考 え られる.
8BLで は他 のブ ロ ックに比べ大 きな倦 となっている.
これは,前述の とお り安 山岩等の硬 い地盤が影響 してい る.先行削孔 においては15min/mと標準削孔速度 に比べ て約5倍 となってい る.三軸削孔 では施工長が短 い こと や固い地盤 を先行削孔ですでに破砕 していたために比較 的速い速度 となっている.
7BLにおいては,ほぼ中間的な値 を示 している.深度 別の削孔速度では,全ての場合 において深度の深いほ う が高い倦 となっている. これは地盤の差異 は もちろんで あるが,錐長が長 くなったことによ り曲が り等 によ り抵 抗値が増加 していることが考 え られる.
注 入量 においては,注入量が1m当 りの量 で示 されて いるに もかかわ らず,大幅 な増加が見 られ る. これは, 施工 中に削孔速度 にあわせて注入量 を増減 させ るが,施 工上注入液の最低吐出量が制限 されるために,削孔時間 の増加が注入量 に影響 を与 えている.
Ⅰ液の注入量 と材料量の値が異 なっているのは,貧配合 の Ⅰ液で施工 したためで,25%程度材料の ロスを減 らす ことがで きた.ベ ン トナ イ トの配合 は3%に固定 した こ とによ り孔壁 を安定 させ ることがで き,施工上の問題 は 発生 していない (材料量 はフライア ッシュとスラグの値 で,ベ ン トナイ トは3%固定のため注入量 と同程度の増 加 となっている).
項 目 規定値 備考
圧縮強度 10kgf/cml'以上 4週強度
4‑4
調整杭sMW工法 による施工 で は,基本的 に孔 曲 りを修正す るこ とがで きない.三朝削孔終了後 に出来形 を測定 し, 不連続部分 には再度三朝削孔「調整杭」を行 う.
秦‑6
に 調整杭 の実績 を示す.施工長別 に発生率 を見 る と,深 くなるにつれて増加 し てい ることが判 る.特 にd‑60m以上 の場合 には30%と な り,急激 に増加 してい る.設計 の想定値 がd‑40m以 上で150/.以内であ ったが,d>50rnでは,発生率が15%
を超 えた. また,実績 は調整杭が必要 となった区間数 を 示 してお り,施工本数では同一区間で最大5本施工 して いる場合 もある.その区間は6BLであ り,その ことか ら も施工長が調整杭 の発生 に密接 に関係 していることが分 かる.
4‑5
管理基準止水壁の管理基準値 を表‑ 7に示す.透水係数 につい ては特 に養生期 間の規定 はない.圧縮試験 は,現場での 末硬化 ソイルモル タルか ら採取 したサ ンプ リング試料 に よる もの とコアボー リング試料 に よる ものの2種類で実 施 した.透水試験 は圧縮試験 と同様の試料で室内試験 を 行い,それ以外 にボー リング孔で現場透水試験 を行 った.
現場サ ンプ リング試料 は,施工完了後の止水壁か ら,揺 取器 を用 いて地下20mのセ メン トミル クを採取す る もの で,ボー リング試料 は,養生完了後の止水壁か らボー リ ングによ り試料 を採取す る ものである.ボー リング試料 は,主 に不良の箇所 をピックア ップ している.
西松建設技報 Vol.22
4‑ 6 圧縮試験
(1) 現場サ ンプ リング試料
現場サ ンプ リングに よる試料 の圧縮試験 では,養生期 間を1過 と4過 でそれぞれ行 った.1過強度 では,平均 8kgf/cm2 (78.4N/cm2) で,ほ とん どが10kgf/cm2
(98N/cm2) 未 満 であ った.4過強度 で は平均24.7kgf/cm2
(242N/cm2) とな り,蔵低 で も11.7kgf/cmコ(114.7N/cm2)
と管理基準値 を滴足 した.
( 2 )
ボー リングコア試料ボー リングコアに よる圧縮試験 は,圧縮強度 の平均 が 22.3kgf/cm2 (218.5N/cm2) と満足 な結 果 が得 られ た.
図‑ 3に 「深度 ‑圧縮強度相 関図」 を示す.深度 の浅い ところにデー タが多 いのは, 目視 で不 良な区間が,浅 い ところに多か った ことを示 している.
4‑ 7 透水試験 (1)現場サ ンプ リング試料
現場サ ンプ リングの結果で は, 1過養生時の透水係数 の平均 が3.22×10・(,cm/S,4過養生時の平均 が4.22×10‑7cm/S, 13過 においては1.3×10Jcm/Sとなった.各 デー タでは,4 過養生時 に1つだけ規定値 を下 回る ものがあ ったが,13 週養生時では規定 をクリア した.
(2)ボー リングコア試料
ボー リングコアでの試験 で は,平均6.31×10‑7cm/Sと規 定値 を滴足 した.
図‑4
に深度一透水係数相 関図 を示す.グラフか ら,均 一 な透水係数が得 られているこ とが わか る.
(3)現場透水試験
現場透水試験 で は,ボー リング孔 を利用 して行 われた.
当初 はパ ッカー法 と変水位法 を併用 した. これは,パ ッ カー法で は透水係数が1×10・6cm/Sまで小 さ くなる と適正 に評価 で きない可能性 があるためで,試験 的 に変水位法 を実施 し,適否 の判断 を行 った.その結果,変水位法 の 結果が室 内試験 と近い億 を示す こ とか ら,変水位法 を実 施す る ことになった.その後 ,定水位法 も比較す る必要 があるため に,両方 の試験 を平行 して実施 した.定水位 法 は,当初思 った とお りの値が得 られ なか ったが,試験 方法 の改 良 によ り,変水位法 と同等 か,それ以上 の結果 をだす ことが可能 となった.試験方法 の違 いか ら,変水 位法では測定地点か ら上部 の全 ての透水係 数 を示すの に 対 し,定水位法で は測定 区間のみの透水係数 を示 す こと か ら,現場透水試験 は定水位 法のほ うが室 内試験 と比較 する上で有効 である.試験結果 は変水位 法 に よる透水係 数の平均値が3.12×1017cm/S、定水位法 に よる透水係数 の 平均値 が1.94×10‑7cm/Sとな り、室 内試験 に よる透水係 数 の平均 値2.83×10‑8cm/Sと比較 して も,変水位 法 よ りも 完水位法 のほ うが室 内試験 に近い値 を示 している.
皿
8皿 8 瓜 瓜 8 8 鵡
瓜お 皿 公 認 は
18
(NECVP1)嘩潔浬出柱列式原位置土挽梓工法による地下止水壁の施工 その2
A
∃
ミ書【 ミ≡】
≡
◆◆
◆ ◆ ≡
∃◆
J J h も
巨 ち◆ ◆
◆◆ ◆き :。
1 ㌔¶
∃
∃ ≡【 ≡;【
0
10 20 30 40 ∝l深度(GL‑m)
図‑3 圧縮 強度 ‑深度相 関図 (ボー リングコア)
(OaSJUuO)東塔鴬料
トoo巨‑09
100E‑08
1,00E‑0
7
1.OOF‑ 06
1.00E‑05
1.00E‑04
≡ ・㌫ ≡
‡◆
「 】 ◎ ◆ @
○ ◆ ●◆I ◆ ◆ ◆感 ◆◆≡
【 ≡
!
≡
0 10 20 30 40 50 60
深度(Gト m)
図‑4 透水係 数 ‑深度相関図 (ボー リングコア) 4‑ 8 考察
以上 の圧縮試験 と透水試験 の結果 によ り,一部 に規定 値 以下 の デー タが見 られたが問題 ない レベ ルであ った.
だた,止水壁上部 の品質が低 いのは粘土層 に起 因す る と 考 え られ る.次期工事 では粘土層が さらに深 くなるため
に対策 を講 じる必要があ る.対策 と しては,
① 注入液の配合 を変 える.
② 三軸削孔前 に骨材 を増加す る.
とい った こ とが考 え られ るが,実際 に試験施工 を行 い慎 重 に決定す る必要があ る.
柱列式原位置土塊拝工法による地下止水壁の施工 その 2
$5.
空洞処理工5‑ 1
空洞の規模琉球石灰岩 は,風化 した ものか ら硬異な もの までかな り幅広 い特性 を持 ち, また大 きな空洞や ドリーネが多数 存在 している.本工事 においては,施工 中に地下30mの 深い位置 に高 さ7m,幅 10mの大断面の空洞が発見 された.
5‑ 2
空洞処理の必要性本工事 は,原位置土撹拝工法 によ り連続地 中壁 を造成 し,地下水流 を遮断 し湛水 させ ることを目的 とす る. ま た,本工事 は,周辺地盤 と止水壁 を一体化 させ る構造 と な ってい る こ とか ら,壁 自体 の設 計 強度 は10kgf/cm2 (98N/cm2)と低 く,強度 よ りも止水性 に重点 を置いた特 性 を持 っている. これ らの ことか ら地盤 に空洞や軟弱地 盤 (空洞内堆積粘土等)がある場合 には,′馴 オ率が低下 す る,水圧 によるせん断破壊が生 じる危険性がある,等 によ り,地下 ダム工事 に とって空洞処理 は重要 な もの と なっている.
5‑3
空洞調査 (1)ボー リング調査空洞調査 として,まず,ボー リング調査 を実施 した.その 結果,分かったことは,
① 空洞 は堆積粘土がある.
西松建設技報 Vol.22
② 空洞上下部 は風化 した石灰岩が見 られる.
③空洞 は地下水位下 にある.
しか し,ボー リング調査 では空洞全体 を確実 にとらえ ることがで きないため,適切 な空洞調査 を検討 した.
(2)調査方法の検討
空洞全体 を把握するための調査 として,各探査法 を検 討 した.その結果,微 重力探査が,50cmメ ッシュ まで の精密調査がで きることや,空洞探査 の実績があること 等 によ り今 回の調査 に最 も適 している と考 え られた.施 主 と協議 した結果,沖縄県の琉球石灰岩では実績が少 な いため試験的に実施 し,ボー リング調査の結果 と照合す ることで,精度の確認 をす ることになった.
(3)微重力探査の原理
地球上の重力 は,詳細 な測定 を行 うと場所 ごとに微少 な変化があ り, この微少 な重力変化の要因は,地下の密 度分布が不均‑‑なことによる. この ことか ら,詳細 な重 力分布 を調べ て地下の密度分布 を推定する重力探査法が 発案 された.微重力探査法 は,重力探査法 と同 じ原理 に 基づ く探査法であるが,重力計の感度向上 によって,従 来 はノイズ として処理 されて きた微少 な重力変化 まで測 定,解析す る.
( 4 )
調査結果ボー リング結果 との照合ではかな りの整合性が見 られ た.
図‑5
に微重力探査結果 を示す.10 15 こき
20 J∴≡‑ 断面図 図‑5 微重力探査結果
西松建設技報 Vol,22
5‑4
処理工法各種工法 を検討 した結果,堆積 した粘土 を除去 し,空 洞 をコンクリー トで充填す る工法 に決定 した.図‑ 6に 施工手順 を示す.粘土 を除去 については,cJG工法で水 のみ を使用 し,泥水化 した後 に大型サ ン ドポ ンプで排 出 する工法 を採用 した.ポ ンプ挿入立坑 については,全旋 回工法(≠2・Om)にて構築 した・粘土除去後 は流動化 コン クリー トを トレミー管 にて打設 し,養生後 に通常の止水 壁 を施工 した.
5‑5
施工実績cJG工法 による粘土の撹拝が最 も心配 されたが,予定 通 りの成果が得 られた.空洞内天端の崩落や,削乳液の 塊が空洞内に存在 していたために一時予定 を変更 してハ ンマーグラブにて掘削 した こともあるが,概 ね予定通 り の施工 であった.写真‑ 2に空洞内の写真 を示す.
$6.西松式削孔支援システム 6‑1
システムの概要地下 ダム建設 において
,
止水壁 の①施工精度お よび② 不透水基盤への確実 な根入れの確保が止水性能確保 の為 の要件 とされているが.① については,既 に実用化 されたシステムがあ り,塞 本的には既存 システムで測定 した. しか し,既存 シ ステムでは,孔 曲 り測定 は可能であるが修正 は,視 野 に入れていない.これに対 し,孔 曲 り修正 を将来, 視野 に入れた独 自の機構 を開発 した.
② については,前 回報告で説 明 した新 しい発案の機構 を開発 した
今 回,上記2つの機構 を中心 に,従来か ら測定 して いる③削孔深度,削孔荷重,削乳液注入量
,
削乳用モ ータ電流値 な どの測定値 を一括 して リアル タイムに処 理 ・加工 ・表示で きる新 しい削孔支援 システムを開発 し,既存 システム と並行 して試験 的 に使用 したので, その概要 を述べ る.図‑ 7は, システム概念図である.① の傾斜計 は継錐
‑本毎(約10m)に一個設置 ,② の加速度計 は先端錐 に一 個設置 し, これ を錐 の中空軸の中で,ケーブルで接続 し
て地上の送信 させ る.各セ ンサはIC基盤付 きで, これに デー タの一次処理お よび通信制御 をもたせ た.③ の施工 情報 については従来 システムでの測定 システムか ら信号 を制御 ボ ックスで受信 した. これ らの信号 を一括無線送 信 し,制御室で処理 ・加工 した.
柱列式原位置土撹梓工法による地下止水壁の施工 その2
粘土 除去前
粘土 除去後 写真‑2 空洞 内写真
図‑6 空洞処理施工手順
柱列式原位置土塊搾工法による地下止水壁の施工 その2
6‑2
実験結果傾斜計 と加速度計の信号 については,注入液中での安 定送信 に問題が発生 した.原 因は, コネクタや
I
C基盤 に 注入液が進入 したことによって信号 の不安定,供給電力 の不足,マ イクロチ ップの動作不良等であった. これに 対 し種 々 の 改 良 を加 え, 通 信 の 安 定 を図 る(q∴ 約 1,000kgf/cmO(9800N/cm三))の 切削 に伴 う錐 の振動(敬 1000m/Sコ)が大 きく,厳 しい環境下での通信成功 は意義が 大 きかった.図‑8
は,本 システムのモニ タ画面の イメ ージである.今回の実験では,通信確保が主課題 となっ たが,将来は,本モニ タで,孔 曲 り,根入れ岩盤の判定, その他 の施工情報 を確認 しなが ら削孔 で きる こ とにな る.§7.
おわ りに本工事では,安 山岩混 じりの琉球石灰岩 とい う厳 しい 地盤条件下で最大深度62111とい う大深度柱列壁施工であ った. しか も,途 中,琉球石灰岩層特有の鍾乳洞 に遭遇 す るな どの障害 を克服 しなが らの施工 になった. また, 柱列壁 の鉛直性確保 ,壁体 の品質確保,空洞探査 な どの 高度の技術管理 も要求 された.
この様 な状況下で,本社一般土木委員会 を中心 に,土 木設計部,機材部,技術研究所の ご指導 ・ご支援 をいた だいた.そのかいあって無事,完了の運 び となった. ま た現在 ,その2工事 を準備 中で,本工事 で得 た技術 ノウ ハ ウを最大限活用 してい きたい.最後 に,企業先各位 を は じめ とす るご指導, ご鞭蛙 をいただいた多 くの方 々に 感謝の意 を表 して筆 を置 く.
西松建設技報 ∨OL22
図‑7 システム概念図
.二」 二p二.̲巨∴二̲上:三・l̲上̲∴̲I̲」
図‑ 8 モ ニ タ画面 イメー ジ